大阪シニア自然カレッジ

10期生10月21日講座報告

開催日2015年10月21日(水) 晴れ
講座名奈良公園の巨樹観察
講師甲斐野 幸一先生、中村先生(グリーンあすなら)
場所奈良公園(興福寺〜春日大社付近)

道路に向かって大きく傾いた興福寺南円堂そばのスダジイ。土は雨に洗われ、根は剥き出しに。“スダジイは怒っています”と、甲斐野先生。人がとなりに道路を作った事が原因だ。甲斐野先生のお話が実に楽しい。

“ムクロジは困っている”そうだ。ムクロジの幹を突き抜けて竹が伸びている。何とかしてあげたい。脳をフル回転させる。どの木々も生きるのに必死だ。長きに亘り生き続けてきた木々は、生き残るための生活の知恵を一杯に示している。銀杏の葉っぱはあとに出てきたものほど葉柄が長い(お日さまを十分に受けるため)、桜の葉柄には蜜腺(ありを甘い密で誘い、周囲の害虫も同時に餌としてありに駆除させる)、イヌシデは果苞を羽根状にして種子を遠くまで飛ばす、など。

樹木の同定はなかなか難しい。苦手としてきた。葉の形、大きさ、葉脈の走行、葉縁の形状、樹皮、種子、全体の形などすべてを、自分でじっくり見て、特徴を考える。まずは自分の感性でしっかり観察すること。大変勉強になりました。

ムクロジは困っています。塀外の竹(矢印)が根を伸ばしムクロジ幹内に侵入。ムクロジ幹上部に出現(*印)。左下:ムクロジの実
巨木黒松の高さを測定。直角二等辺三角形を利用。写真のように測定。底辺(a)と高さ(a)は等長。長さaに測定者の身長を足して、黒松の樹高を測定。24.2m
イチイガシ(一位樫)。樫類の中で最も堅く樹形が雄大。誇り高き樹木。生じた空洞も新しい組織で覆い、生きるための努力を続ける
カシとシイ。葉っぱと実をよく観察し、特徴を見よう 左下:カシのドングリとシイのドングリ。違いは?カシは丸。シイは三角
エノキ:非対称の葉。赤い実 イヌシデ:果苞が堅い枯葉状の翼となり、風に乗って種を運ぶ桜の蜜腺
奈良公園にいち早く秋を告げるナンキンハゼ。公園に赤の彩りをと植えたものの、シカは好まず、増えすぎて困りもの。 人為的な生態系の変更は、維持されてきた生態系の大きな変更を生む。