大阪シニア自然カレッジ

石ころ部会 5月活動報告

開催日2026(R8)年5月22日
場所木津川の河原(京都府木津川市加茂町の渦之樋樋門付近)                       
参加人数  26人

 心配された雨もあがり、木津川の河原の石ころ観察に26名が大和路線終点の加茂駅に集合。駅前の船屋通りを木津川の堤防へと進み、渦之樋樋門の横の階段をおりて河原に到着。先ずは木津川流域の地質図を確認し、石ころ拾いを始める。ホルンフェルスなど、これまで見たことない珍しい石や綺麗な石が多く、時を忘れる。最終鑑定と観察のまとめはいつものように地質学の佐藤氏にお願いする。石ころ学習の後は、少し下流にある残念石の見学。大坂城の石垣用に、加茂の領主、藤堂高虎が徳川幕府の命により近くの山から数千の石(花崗岩)を切り出し、船に乗せて大阪まで運ばせたのだとか。その時に取り残された石が残念石として河川敷周辺に残っている。高虎の勇姿に思いをはせ帰路に就いた。

見たもの、学んだこと

  • 木津川と当地の地質: 木津川の源流は三重県の山地にあり、京阪奈丘陵を抜け、宇治川・桂川に合流して淀川になる。当地の地質はジュラ紀の丹波帯(泥岩、砂岩)、白亜紀の領家帯(花崗岩、閃緑岩)と新生代の大阪層群(砂礫、粘土、火山灰層)からなる。
  • 河原の岩石: 泥岩、砂岩、チャートなどの堆積岩が多く見られた。いずれも緻密で硬いホルンフェルスに変成している。泥岩や砂岩がいり混じってメランジュになっているものもある。他には花崗岩や閃緑岩などの火成岩も多い。花崗岩や石英の脈が入っている石や石英の岩片も多くあった(石灰岩が疑われたが、希塩酸に反応しないことで石英と判断)。他には片麻岩もあった。変成が進んでいるせいであろうか、今回は目視では判定不能の石が多かった。
  • 変成岩のでき方: 一旦できた岩石が地下の温度や圧力の変化により構成成分の再構築(再結晶)が起きることで変成岩となる。海洋プレートの沈み込みの際の高圧によりできるもの(広域変成岩:結晶片岩など)と、高熱のマグマの接触によりできるもの(接触変成岩:ホルンフェルスなど)の2種に大別される。
  • ホルンフェルスとは: 泥岩、砂岩、チャートなどの堆積岩が下から上昇したマグマの高熱により再結晶化した接触変成岩である。我々が今回観察した堆積岩は正確には泥質ホルンフェルス、砂質ホルンフェルス、チャート質ホルンフェルスというべきであろう。泥質ホルンフェルスの多くは紅注石を含んでいた。
  • 紅柱石について: 粘土中のアルミニウム成分Al2SiO5が低圧下(浅い場所)で500℃以下の高温に曝されると紅柱石(や菫青石: 別名桜石)が出来る。本来は淡い桃色の四角柱状の結晶であるが、風化により白雲母に変質しているため白い注状にみえる。菫青石かもしれない薄い色の粒状鉱物(1㎝程度)もあったが、確定はできなかった。
  • 関連して: 同じアルミニウム成分Al2SiO5でも温度や圧力の条件が変わると性状の異なる結晶となる。片麻岩に含まれる珪線石や結晶片岩に含まれる藍晶石である。このことから、紅柱石、珪線石、藍晶石の3つの鉱物は変成岩ができた際の温度や圧力(深さ)を反映する指標鉱物となっている。
. 木津川の河原の石ころ観察
ホルンフェルス
花崗岩、閃緑岩、と泥岩・砂岩のメランジェ
残念石