大阪シニア自然カレッジ

いのちの営み探検部会 9月活動報告

開催日2026年9月21日(月)
観察場所紀見峠 橋本川谷川沿い
参加人数10名
テーマミョウガの観察

 夏場 そうめん、冷奴などの薬味として好まれるミョウガ。 落語のネタや地名、家紋などに使われる馴染み深い植物だ。 しかし、野菜として栽培しているのは日本だけだとか。 身近でありながら意外と知らなかったミョウガの姿を観察してみた。

ショウガ科ショウガ属 東アジア原産 雌雄同株 多年草 旺盛な繁殖力のため、庭の隅や林縁などで野良化した個体群を見ることがある。

*偽茎と葉・・・ササに似た青々とした葉に茎はなく、長い葉鞘が多数密に重なり(写真) 丈夫な茎のような偽茎になる(バナナと同じ)

*茎・・・本来の茎は地中の地下茎。横に広がり、先端や節から葉や花の芽を出す。

*花および蕾(花序)・・・7~10月、地表に咲く。その蕾が薬味としておなじみの「ミョウガ」 この「ミョウガ」として売られているのは、赤紫色の鱗片に包まれた花序(蕾の集り)だ。

 1つの花序を切断したところ、なんと13個の蕾が確認できた(写真)ここからクリーム色のランに似た一日花をふつう1個ずつ咲かせる。花は透けるような薄い花弁と、雄しべが変化して形成された大きな唇弁が目立つ。    解剖により、雄しべの細長い筒状の付属体に包まれた雌しべが、葯の中を突き抜けて柱頭を出しているのが確認できた(写真)花の基部には蜜線を確認(舐めてみたがほんのり甘い程度)この蜜を吸うには5㎝程の長い口吻が必要。

*結実・繁殖・・・主に大型のハチ類が訪れると考えられるが、本種は5倍体のため結実するのは非常に稀なようだ。花が一日で終わる短命さも手伝い、昆虫による受粉に依存せず、 地下茎による効率的な栄養繁殖(クローン)を選び進化したと考えられる。    (⁂珍しい蒴果の写真を提供していただいたので添付します)

 今にも降り出しそうな曇天での実施となったが、雨に降られることなく、予定通り現地観察、解剖を行うことができた。食材として認知していたミョウガだが、偽茎や花序の構造、繁殖の戦略など普段は気づけないことを知るよい機会となった。

⁂名前にミョウガとつく植物

  ・ハナミョウガ・・・ショウガ科ハナミョウガ属 偽茎の先に花をつける。実は赤く熟す。

  ・ヤブミョウガ・・・ツユクサ科ヤブミョウガ属 茎の先に花をつける。実は深い青紫色。

    ( K.H    写真 K.H、 M.N、 K.I)

写真を撮ってじっくり観察
地下茎でつながる葉と花
地表に咲く花
偽茎を分解した
花序 小さな蕾が詰まってる
花序を分解してみた。  蕾を13個確認(内2個は咲き終わっている)
雄しべが変化した唇弁が虫を誘っているよう 
雄しべの細長い付属体と雌しべ 
雄しべの葯の間から柱頭を出す雌しべ 
基部にある蜜線
<参考写真> 5月頃出た新芽「ミョウガタケ」はシャキシャキと美味しい
<参考写真> 蒴果は裂けると中は鮮やかな赤。その中に白い皮に包まれた黒い種子が見える。 目玉みたいだ😄