大阪シニア自然カレッジ

野鳥部会

野鳥部会の11月活動報告

開催日2025年11月19日(水) 晴れのち曇り
探鳥地鶴見緑地
参加人数20名
観察野鳥種数29種

 天気予報では12月の気温になるとのことで心配でしたが、幸い風もなく観察には良い天気でした。公園に入りまず、簡単に大池で渡ってきたカモの観察。ほぼ例年並みのカモの種類を確認して 森の中を風車の丘に向かいます。聞こえるのはヒヨドリの声のみ。山のエリアでもシジュウカラやメジロ、コゲラなど普通種しか見られません。現地のカメラマンの話では朝早くに鷹が出たので小鳥たちは隠れているとのこと。日本庭園の方に近づくと換羽中のマガモのペアが近くで見られました。昼食後も庭園の池にはアオサギやコサギがいるもののお目当てのカワセミは見当たりません。せせらぎの小川近辺も鳥影が薄く、大池に戻り常連のカモ達を観察。冬鳥のジョウビタキやシロハラにも出会えず残念でした。鳥合わせのときに上空をハイタカが飛んでくれたのがラッキーでした。

 今回はマガモがよく見られました。マガモの特徴は、オスの美しくメタリックな輝きを発する緑色の頭です。しかし、一年中この鮮やかな色をしているのではありません。オスがこの色になるのはメスにアピールするためであり、外敵に見つかりやすいというリスクがあります。多くのカモ類のオスは繁殖が終わると換羽してメスのように地味な色になります。夏の時期の地味な姿は「エクリプス」とよばれます。「覆い隠す」とか「輝きを失わせる」という意味で「月食や日食」をあらわすときにも使われる単語です。日本の冬には実は夏羽で過ごしているということです。冬のカモ観察は、彼らが繁殖の準備のための綺麗な羽色に戻りつつある、一年で最もカラフルな時期とも言えます

マガモは人との関りが深く、アヒルはマガモを家禽化したもの。またアヒルとマガモを交配したものがアイガモです。(M.S、写真K.T)

メタセコイア並木
マガモ♂♀
マガモ♂♀ 見ーつけた! どこどこ?
コガモ エクリプス
ホシハジロ
モズ 
ハイタカ
シジュウカラ

野鳥部会 10月活動報告

開催日2025年10月15日(水) 曇り
探鳥地鉢が峰(堺市)
参加人数22名
観察野鳥種数19種

 朝からどんよりした曇り空、でも予報では日中の降雨は心配なさそう。スタート地点の法道寺境内、そしてその裏の池へと進めるが、全く鳥の気配なし、毎年現れるカモ類も姿が無い。今年は暑さが長かった所為か 鴨の渡りが遅いのだろうか・・・でも池では赤トンボ(猩々トンボ?)の多くのペアが水面に産卵の最中。暫くは野鳥を忘れてトンボ観察となった。 集落に入ってもやはり鳥の気配はなく、庭先の赤くなった柿の実も静かだ。 しかしようやくタラノキの実に集まるメジロ、スズメ、ヒヨドリの出現に、ホッとする。  

 集落を過ぎると田畑へと視界は広がり、空では多くのコシアカツバメが飛翔する。そして複数のモズの鳴き声が・・・。 コシアカツバメは終日視界から消えることはなかった。 稲刈りの済んだ田圃の中にケリを見ながら コスモス館へ歩を進める、早速に館前の畑ではノビタキ2羽が我々をお出迎え。昼食を後回しに、取り敢えずノビタキ観察。

 その後は、畑や溜池にカルガモ、カイツブリ、ハクセキレイ、ホオジロ、そしてノビタキ、モズ、コシアカツバメを見て「鳥合わせ」となった。

 今年は昨年の27種に対して19種と観察種数を減らしたことが、最近読んだ「世界の野鳥数の減少現象」の新聞報道と重なり、どうも気がかりだ。(M.K、写真K.T)

カイツブリ(幼鳥)
ノビタキ
ノビタキ
ノビタキ
ホオジロ
ケリ

 

コシアカツバメ
モズ

野鳥部会 9月活動報告

開催日2025年9月18日(水) 晴れ
探鳥地南港野鳥園(大阪市)
参加人数16名
観察野鳥種数23種

久しぶりの観察会でした。9月に入っても猛暑が続く中頑張って参加していただきました。野鳥園は水曜日が休館のため今回は木曜日開催となりました。メトロのトレードセンター前に集合してすぐ野鳥園の観察所に入りました。秋のシギ・チドリの渡りの時期でしたが今年は季節のリズムが狂っているのか干潟はよく出ていたのに野鳥の数は期待ほどではありませんでした。例年なら野鳥撮影のカメラマンがいっぱいで席に着くのも大変なのにガラすき状態でした。それでもアオアシシギ、キアシシギ、トウネンなど渡り途中のシギチを観察していると「珍鳥クロサギがいる」との声がして大興奮。皆さん初めて見る野鳥なので距離は遠かったのですがスコープでははっきりと姿を見ることができました。ベテランバーダーでも見たことがない人がいるという野鳥ですので見た人は自慢できると思います。その後カワセミ、ミサゴなどいつもの常連の野鳥などを観察し、観察塔以外はパスして解散でした。

クロサギはサギ科で全長63cmの中型のサギです。(アオサギは93cm、コサギは50cm)東アジアからオーストラリア、ニュージーランドなどに分布します。黒色型と白色型があります。(白いサギなのにクロサギといいます)主に海辺の岩礁やサンゴ礁に生息します。肉食で魚類、甲殻類、貝類などを食べます。(M.S、写真K.T)

野鳥部会 6月活動報告

開催日2025年6月18日(水)
探鳥地錦織公園
参加人数15名
観察野鳥種数20種

まだ6月というのに34℃の真夏天気予報。その所為か今日は参加者も少なめだ。集合地点のパークセンターではベランダの手摺にイソヒヨドリの雛が止まって動かない。近くの親鳥がバッタみたいな餌を咥えながら「此方へ来なさい」とばかり鳴き叫んでいるが、反対に雛は私たちの方へ寄ってくるばかり。そんな親子のイソヒヨドリから始まった観察会。この暑さで「鳥は余り期待しないように」と釘を刺されてからの出発でした。

最初の赤穂池ではカワウ一羽が池から首を出したのみ、遠くにウグイスの囀りが聴こえる。梅の里では、上空にツバメとコシアカツバメを確認し、石楠花の谷でようやくホトトギスの鳴き声を聴く、そして「上の池」の中にアオサギを見る。その後の尾根道ではしばらく何も鳴かず、影も見えずただただ汗が滴り落ちるのみ、それでも道中に出現する昆虫や珍しいキノコに暑さが紛れる。やんちゃの広場近くになって、ようやくメジロ・コゲラ・シジュウカラなどの小鳥の混群を見つけ、上空遠くオオタカを観察。広場では小鳥の混群に交ってキビタキを見た人も。河内の里ではササユリやオカトラノオの花を見て昼食タイムとなった。

午後は咲き始めのハンゲショウと今花盛りのツチアケビのコース取りとなり、赤穂池のカワセミ、コゲラの巣穴づくり、エナガの群れなどを見て、早めの「鳥合わせ」となった。とにかく予想以上の暑さで皆様グッタリ、大変お疲れさまでした。(M.K、写真K.T)

野鳥部会 5月活動報告

開催日2025年5月21日(水) 曇り
探鳥地男里川河口
参加人数23名
観察野鳥種数23種

今回の観察地の男里川は泉南市と阪南市の境界を流れる川です。河口の沖合には関西国際空港があり、大阪湾に残る数少ない干潟があって、多くの貝やカニやゴカイなどが生息しこれを餌とするシギやチドリの飛来地です。

集合場所の樽井駅前では空を飛ぶツバメや愛想のよいイソヒヨドリの綺麗な雄が出迎えてくれました。海へ向かう途中ではグラウンドで、ヒバリやセグロセキレイ、ハクセキレイに会えました。堤防を越えて海が見える場所に出るとさっそくコチドリやキアシシギ。ハマヒルガオが咲き乱れる場所では5羽のキョウジョシギまでお出ましで大感激でした。対岸へ渡るために川をさかのぼりウド橋近辺で各自昼食、近くのコンビニでトイレを済ませて再度河口まで今度は左岸を歩きます。河口近くでやっとお目当てのチュウシャクシギが中州で3羽休憩中でした。じっとしていてくれたので特徴のある下に反り返ったクチバシをゆっくりスコープで見ることができました。河口に出るとミサゴが近くの上空で獲物を探して飛んだり、テトラポットで休んだりする姿も観察できました。雨の予報もあったので早めに鳥合わせして解散しました。

干潟で観察できるチドリは大きいものから主にダイゼン、メダイチドリ、シロチドリ、コチドリの4種です。その他はシギ類です。

チュウシャクシギは中杓鴫(クチバシがヒシャクに似ている)と書き他に大杓鴫、小杓鴫がいますがそちらはめったに見ることはできません。旅鳥として春に渡ってきます。夏期に北極圏で繁殖するため南半球のオーストラリアなどから超長距離移動の途中の休憩地として飛来します。これが旅鳥の「春の渡り」です。「秋の渡り」として見られるのはこの逆ルートです。(M.S、写真K.T)

野鳥部会 4月活動報告

開催日2025年4月16日(水) 晴れ
探鳥地大泉緑地(堺市)
参加人数31名
観察野鳥種数29種

公園南口にはお天気に誘われてか新年度部員74名のうち31名が集合。園内の新緑が出始めた森林からはシジュウカラの鳴き声が聞こえ空ではツバメが飛ぶかう。新緑は小鳥観察の視界を邪魔するが、この公園の樹下は見通しが良く、早速にシロハラの出現。シロハラはその後も園内の至る所で出会い、まさに今日はシロハラdayになりました。大泉池では、ヒドリガモが数羽、ペア毎に分散して泳いでおり、池面からはカイツブリが時々顔を出す。池のサギ島は、今回はコサギとゴイサギに独占されカワウは端や他所に追いやられていた。

小鳥の森である水流エリアに入るとシジュウカラやメジロが飛び回っていた。と突然にカワセミが視界を横切り止まってくれない。加呂登池までの森林間ではシジュウカラの鳴き声が続き、シジュウカラと思いきやアトリの群れが・・・樹木々を飛び回るアトリは新緑に遮られ観察するのも大変だ。加呂登池に着くと池の沿にペアと思われるバン2羽とカワラヒワ数羽が草むらで餌食中、それをゆっくり橋上から観察。そのこたちを刺激しないよう遠回りで池に降り昼食タイムとなる。  

午後の頭泉池では、今度はカワセミにゆっくりとご対面、オオバン・バンにカルガモの水鳥、コサギ・ダイサギ・アオサギとサギの揃い踏み、遠くの空に数羽のトビがカラスに追いかけられている。池への道中、「今日はシロハラばかりでツグミを見ないね」と言っていたら、そこへツグミが・・・ それからはツグミも複数確認。帰り道では、数人でしたがアカハラとクロツグミを見た人も・・・

冬鳥と夏鳥の交錯するこのシーズン、ここ大泉公園はそんな渡り鳥の中継地として知られていますが、冬鳥のシロハラ、ツグミ、アトリ、ヒドリガモと夏鳥のクロツグミ、ツバメが見られ、それを実感する一日でした。(・・・その他の夏鳥、冬鳥を見たとの情報も多くありましたが、我々と遭遇すること能わずでした。)(M.K、写真K.T)

野鳥部会 3月活動報告

開催日2025年3月19日(水) 曇り
探鳥地石川(河内長野市)
参加人数15名
観察野鳥種数31種

三月も後半に入ったのに最高気温が一桁という寒い一日でした。今年度最後の探鳥会です。河内長野駅に集合してすぐに石川に向かいます。橋の上からセグロセキレイ、カワウ、イソヒヨドリ。歩き始めるとカワラヒワの群れ。もろこし橋付近ではキセキレイ、住宅の庭でメジロ、ヤマガラなど順調に観察ができました。例年この近辺で良く見ることができるカワガラスには残念ながら出会えませんでした。田園地帯ではムクドリの集団やキジ、上空には早くも 渡って来たツバメやたくさんのイワツバメが舞っていました。昼食の場所では川岸でイカルチドリそして珍しくクサシギをじっくり観察できました。汐ノ宮に向かうと葦原でアオジ、川岸でツグミなどの冬鳥もようやくお出ましです。鳥合わせの結果は31種でした。

イソシギとクサシギはとても似ています。観察の機会が多いのはイソシギです。今回はクサシギを十分に観察出来ました。イソシギは留鳥として一年中観察できます。クサシギは主に春と秋の渡りの時期に見られる旅鳥、もしくは冬鳥として観察されます。一番の違いはお腹の白色部がイソシギは上のほうに切れ込んでいることです。クサシギには切れ込みはありません。又、クサシギの背中には白い点がいくつもあり、イソシギにはありません。飛翔時も違いがあります。飛ぶとクサシギは尾が白く、イソシギは白い翼帯が目立ちます。(M.S 写真 M.S & Y.S)

野鳥部会 2月活動報告

開催日2025年2月19日(水) 曇りのち雪
探鳥地錦織公園
参加人数15名
観察野鳥種数28種

前日とは打って変わって寒波がやって来て 寒い一日でした。下見では公園の池にカモ類が少ないとのことで、公園外の細谷池からスタートしました。メジロやモズを観察しながら池の奥ではオシドリが寒そうに泳いでいます。公園に入るとメジロの群れが空中の虫をめがけてフライングキャッチを繰り返す珍しい様子が観察できました。赤穂池ではキンクロハジロの雌1羽に雄が10羽も群がっていました。カップル争いは過酷なようです。

梅の里ではルリビタキ、ジョウビタキと今回のお目当てのトラツグミを観察。ドレミの橋を渡り河内の里に行く途中もシロハラ、アオジ、トラツグミ、ジョウビタキなどが姿を見せてくれました。河内の里で昼食後出発してすぐ少し遠かったですが、待望のルリビタキの綺麗な雄の成長が出てくれました。じゅんさい池からやんちゃの里に向かう頃から雪が強めに降り始め、鳥の姿も見えにくくなって早々にパークセンターに向かい、鳥合わせして解散しました。観察種は例年に比べ少なめでしたが公園のあちこちでトラツグミを見ることが出来てそれなりに楽しめた探鳥会でした。しかし寒かったです。

トラツグミは全長30cmで24cmのツグミよりも大型です。日本では留鳥又は漂鳥として生息します。黒褐色の斑模様を持ち、夜の森でヒー・ヒョーと不気味な声で鳴きます。そのため鵺(ぬえ)と呼ばれ気味悪がられることもありました。一度スマホで検索して聴いて見てください。「トラ」で始まる名前の野鳥はトラツグミとトラフズクです。いつかトラフズクにも会えるといいですね。(M.S 写真 M.S & Y.S)

野鳥部会 1月活動報告

開催日2025年1月15日(水) 曇り
探鳥地淀川河川敷公園(長柄地区~城北地区)
参加人数18名
観察野鳥種数37種

前日の天気予報では降水確率も高かったが、活動時間帯には雨の心配はなさそうなので決行しました。天神橋筋六丁目駅をスタート。淀川河川敷を目指します。堤防に上がると風もあり、しっかり防寒対策をして鳥を探します。ムクドリやカワウの群れを見ながらカモ達を探すとホシハジロやキンクロハジロの群れの中に カンムリカイツブリが水中に盛んに潜って餌探しをしていました。遠くにユリカモメやセグロカモメの飛翔も見られました。

赤川地区では、この時期よく見られている冬鳥のベニマシコを期待して探しましたが見つけられませんでした。メジロの群れが赤い実を求めてやってきてかわいい姿をじっくり見せてくれました。バンやオオバンも見ることができました。ツグミやシロハラも例年よりは数が少なかったので、今年の冬鳥は全般的に低調のようです。城北公園ではおなじみのユリカモメの群れやカワセミが全身よく見える位置でそのきれいな姿を堪能させてくれました。鳥合わせでの観察種も37種と多くまずますの探鳥会でした。

今回はカンムリカイツブリがよく見られました。本種は主に冬鳥として渡来します。カイツブリは26cmですがカンムリカイツブリは56cmと大きいです。それだけに潜水時間も長く最長50秒ぐらい潜ることができるそうです。(M.S、写真K.T)

野鳥部会 12月活動報告

開催日2024年12月18日(水) 晴れ
探鳥地百舌鳥古墳群
参加人数22名
観察野鳥種数30種

よく晴れた日でしたが、少し風がありました。百舌鳥八幡駅で集合。近くの芦ケ池では今年もすぐ近くでたくさんのカモ達を観察しました。ここでは例年、ナポレオンハットのヨシガモのオスがとても近くで観察できます。こんなに近くで観察できる機会は少ないので、皆、興奮気味でした。オスは5羽いました。マガモやハシビロガモ、ヒドリガモにも会えてスタートです。 

八幡神社近くの寺の柿の実を啄ばむメジロの群れに今年も遭遇しました。御陵山古墳ではアオサギ、ダイサギ、バン、オオバンそしてカモ達はカルガモ、キンクロハジロも出てきました。民家の屋根に綺麗なジョウビタキのオスが白い頭を輝かせていました。上空ではハイタカがカラスからモヴィングをうけて困っている様子も見られました。裸になった「いたすけ古墳」では野鳥の姿は見当たりません。堺緑化センターで昼食をとり、履中天皇陵に。観察台から遠くに水鳥達がいたので、堀に沿って近くに移動。毎年、ここで会えるオシドリは見られませんでしたが、お目当てのミコアイサ(パンダガモ)にやっと遭遇。カンムリカイツブリやホシハジロも出てくれました。おしまいに大仙公園でモズをじっくり見て、鳥合わせでした。

「xxxアイサ」とはガンカモ科のアイサ属の総称。潜水して魚を捕るのが得意なのでよく潜る。クチバシが細長くのこぎり状の歯状突起がある。日本では普通3種が見られ冬鳥として渡来する。(カワアイサ、ウミアイサ、ミコアイサ)ミコアイサは漢字で書くと巫女愛沙と書きオスの白い姿を巫女の白装束に見立てたとの説があります。(M.S 写真K.T)