大阪シニア自然カレッジ

18期生 11月5日講座報告

開催日2025年11月5日(水) 曇りのち雨        
講座名哺乳類入門
講師赤木智香子先生(ラプター・フォレスト代表、獣医師)
場所ノバティホール、長野公園 (河内長野市)

 午前の講義は、生物多様性の話から始められた。生物多様性とその周りの水・空気・土壌などを加えた生態系に生き物が存在し、私たちもその一部であり、生態系から多くの恩恵(生態系サービス)を受けていることを知って欲しい。その生物多様性が過去50年間損失し続けている。開発の危機、外来種・化学物質などによる危機、気象変動などによる危機と自然に対する働きかけの縮小による危機というものがある。
 人口流出・高齢化により「里地里山」の荒廃が進み、里山の奥山化が進み、森は豊かになり動物の種類によっては増えているものもいる。一方、里地里山を好む動物は減っている。
 人の暮らす場所と野生動物の暮らす場所(奥山)の「緩衝地帯」の里山がなくなり、増えすぎたシカ、イノシシ、サル、クマによる農業被害・人的被害が起きている。また、ペットが野生化したアライグマによる被害のような事例もある。
 人の近くで成長し、容易にエサが食べられることを知り、人を怖がらない「新世代」の野生動物が登場してきている。この原因はほとんど人にあることを心して欲しいとの話に、改めて里山保全の必要性を感じた。

 講義の後半は、大阪府で記録のある哺乳類は約40種との説明で始まった。イノシシ、ニホンザル、キツネ、タヌキ、テン、二ホンイタチ、ノウサギ、二ホンリス、ネズミ、ヒミズ・モグラなど多くの野生動物の生息数の現状、行動形態、何を食べるかなどの説明があり、興味深く聴いた。
 午後のフィールド観察に向けて、「フィールドサインの読み方」の説明を受けた
・動物の「生活の痕跡」を探すこと。「のぞかせてもらう」という気持ちで。
・「3大フィールドサイン」は足跡、食痕(植物・動物を食べた痕跡)、糞
他に、爪痕、角とぎ跡、ぬた場、泊り場、巣など
 続けて、シカの足跡、ササを食べた跡、糞の形を始め、多くの動物の事例を豊富な映像で紹介された。また、イタチやテンは目立つところに糞をして縄張りを主張している(サインポストという)などを聴いた。講義の最後に赤木先生の観察ノート(フィールドノート)を見せて頂き、綿密な記録と細かく美しいスケッチに感動した。先生から「皆さんも挑戦してみて!」。

 午後は近くの長野公園に出かけた。公園の入り口で、フィールドサインを探すには、
・動物の気持ちになって、歩くこと。・周りとは「何か違う」異質なものを探すこと。
と説明を聞いて歩き始めた。

 (写真1)早速、コケが不自然に剝がれているのを見つけた。イノシシがコケを剥いでミミズを探した跡と思う。夜にここへ来れば、イノシシに会うかもしれない。
(写真2)公園の隅のベンチの上で糞を見つけた。おそらくイタチの糞。このように目立つ所にあり、サインポストと言い、イタチが縄張りを主張している。
(写真3)不自然に土が掘られている。イノシシがミミズを探して掘り返した跡。
(写真4)土が不自然に盛り上がっている。モグラがエサを探してトンネルを掘ったあと。

公園を巡った後、東屋で先生が持参されしたイノシシの顎骨、メジロ、ノゴマのはく製等を観察し、講座を終えた。  (M.A)

  講座風景
写真1
写真2
写真3
写真4
上:イノシシの顎骨 左:メジロ 右:ノゴマ(雄)