18期生 5月 20日講座報告
南海本線淡輪駅に集合し、強くなり始めた陽射しの中を、木村講師の案内で「せんなん里海公園」に向かった。住宅地を抜けた公園の入り口には見上げるようなダンチクの群生が見えた。イネ科の大きな植物だ。カクレミノ、ヒメユズリハ、トベラ、シャリンバイ、タマシダ、オニヤブソテツ、海岸に多い植物の説明があった。準備して頂いた植物の写真集・地図に沿っての説明で分かりやすい。海岸に生える木は乾燥に強いので街路樹や公園に使われるそうだ。
海が見えてくると、波の浸食によって削られた海食崖を見た。崖は備長炭の材料のウバメガシに覆われている。普通の木は土壌の少ない崖には育たないそうだ。崖下にはツワブキ、ヒトツバ、ムクノキ、エノキ、マサキなどを観察。身近にみられるツワブキは海岸の植物で乾燥に強いので公園にも広がっていると聞き、植物の強さを知った。足元の砂地にはニワゼキショウ・オオニワゼキショウ・セッカニワゼキショウ、イワダレソウ、キキョウソウなどのかわいい花が目を楽しませてくれた。
海沿いの砂浜に行くと、コマツヨイグサの黄色い花、ハマボウフウの白い花、コウボウムギ、テリハノイバラ、ハマヒルガオ、ハマゴウという砂浜特有の植物を見た。絶滅危惧種も多く、貴重な砂浜だ。ここは人口の砂浜だが、波で運ばれてきた種が自生したとのこと。海岸に特有な植物の種は水に浮くものが多いとの説明を受けた。寄生植物のアメリカネナシカズラという不思議な植物を見た。他の植物に巻き付き養分をとって育つそうだ。しかし、寄生先の植物は枯らさないとのこと。植物の生存戦略は多種多様だ。
次に満ち潮になると海水で満たされる海性湿地に行った。湿った砂浜にハマサジ、ホソバハマアカザを観察した。いずれも絶滅危惧種だ。離れた窪地で白い花のハマボッスが見れた。
昼食後、海岸に流れ込む川の河口部で阪南市の天然記念物のヒトモトススキを観察した。その後、きれいな箱作海岸に行った。大きなハマウド、食べられるオカヒジキ・ツルナ、ダイコンではないハマダイコン、ハマヒルガオが砂浜にあった。砂浜に流れ着いたアマモを観察し、この海岸が数少ないアマモ(海中で育つ草)の自生地と知った。
最後に波で洗われた砂浜で気持ちよく深呼吸をして、今日の講座を終えた。(M・A)
大きなダンチクの群生
崖の上に根を延ばすウバメガシ
砂浜植物の観察
左上から時計回りにハマヒルガオ・ハマボッス・ハマボウフウ・コウボウムギ
上:ツルナ左:ハマウド 右:オカヒジキ
アメリカンネナシカズラ(採取)左の植物の葉から栄養を取る
左:ハマサジ 右:ホソバハマアカザ.
気持ちの良い浜辺です
18期生 4月 22日講座報告
今日は岩湧山の北東に位置する美しい棚田や里山の原風景が残る流谷を野鳥観察しながらハイキングも楽しむ講座です。
最初にスタート地点の天見駅の駅舎の防犯カメラの上に泥と唾液を混ぜ合わせて巣作り最中のツバメがお出迎えしてくれました。外にはツバメとイワツバメが飛び交っており出発前に先生の解説を聞いてツバメとイワツバメを見分けられるようになった。
ツバメは尾羽が長く、腰が黒く巣は民家の軒先に作る。イワツバメは尾羽が短く、腰が白く、巣は橋げたやビルに作るなど違いがあります。
流谷八幡神社までの間にイソヒヨドリ、キジバトの観察、飛行姿のアオサギ、カワウ、上空にはサシバ、クマタカ(高くて我々には判別が困難)、姿を見ることは出来なかったが春の鳥のウグイスの鳴き声を聞きながら春の里山を歩きました。
昼食場所の流谷八幡神社は京都の石清水八幡宮の別院で毎年1月初旬に大杉(勧請杉)と川をはさんだ柿の木に長さ60mの注連縄を作り「縄掛神事」しめ縄掛けが行われる。境内には樹齢400年を超えるイチョウの大木があり大阪府の天然記念物に指定されています。余談ですがこのイチョウは雌木で大きな銀杏を目当てに来られる方もおられるとか。
午後はセンダイムシクイの鳴き声聞きからスタート。先生からチヨチヨビーの鳴き声が「焼酎一杯グィー」と聞こえませんかと言われましたが皆さんどうでした。
天見駅から千早口駅まででは姿を見る機会は少なかったが、普段することが無い耳を澄まして鳴き声を聞くことで鳥を知る機会になった。コゲラやアオゲラのドラミングも聞けたよ。今日のお二人の先生は姿を見て、鳴き声を聞いて、飛形を見てすぐ鳥の名前が出て驚き感心しました。お陰様で野鳥観察を楽しみ、観察視野の広げ方を勉強出来ました。【軒下のツバメの巣の写真の解説:元は全部ツバメの巣でしたが、コシアカツバメが自分たちの巣に改造しさらに右から3番目はスズメが改造しています】
(T・O)
上からツバメの巣作り イソヒヨドリ(オス) 軒下のツバメの巣
イチョウ、クスノキに神社の歴史を感じる
野鳥観察へ出発準備OK
野鳥も名残の八重桜も楽しんだよ
18期生 4月 15日講座報告
本日は曇り空の中、JR北信太駅に集合し、「信太の森ふるさと館」向かった。「ふるさと館」では田丸講師と相談し、午前中に屋外の観察会、午後に座学とし、早速「惣ヶ池」に向かって出発した。途中、「惣ヶ池遺跡」の碑がある「惣ヶ池公園」では、この地帯は「信太千塚古墳」があり、古い時代からの言い伝えが残されていること、「信太山」という山は無く、一帯の呼び名であることなどの説明があった。
平安時代に作られた人工池「惣ヶ池」に着くと、アケビの花、カラスノエンドウ・スズメノエンドウ・カスマグサ、この地帯が洪積台地であることを示すヒメウズ、古くは海岸地帯であったことを示すウバメガシなどの説明があった。エノキ、ムク、コナラなどの雑木林を抜けると「惣ヶ池湿地」着いた。
「惣ヶ池湿地」は、1998年頃から整備された大阪府下唯一の湿地、貴重な動植物が生息する、都市に近い湿地、などの説明があった。新しく造られた木道から、絶滅危惧種のコバナノワレモコウを観察した。周辺ではゼンマイ、山ツツジ、スミレなどを観察した。圧巻は湿地から少し上がった斜面に群生する山ツツジ。自生しているツツジ林の下草を刈るなど保護活動をしていると話された。整備中の「信太山丘陵里山自然公園」の木造の管理棟を見学し、「ふるさと館」へ戻った。
午後の座学では、午前中に歩いた「信太山丘陵」の地形、そこで営まれてきた古代からの歴史、丘陵・湿地の自然保護活動の経緯など熱い説明を聞いた。里山自然公園に認定されても、その自然を守るためには多大な人の力が必要なことを理解した。また、里山自然公園の実現にはまだ道半ばであるが、若い人の参画の機運もあるとの説明に、希望を感じた。続いて紹介された「惣ヶ池湿地」の春・夏・秋・冬のスライドは「きれい!」「かわいい!」と楽しんだ。
講座を終え、帰り際に「ふるさと館」の職員さんにサクラソウの苗をプレゼントされ、田丸講師、職員さん感謝しながら会場を後にした。 (M.A)
惣ヶ池湿地(惣ヶ池の上流に位置する) 木道からコバナノワレモコウを観察(花は秋とのこと)
左上:アケビの花 右上:新緑のコナラの林は気持ちが良い 右下:満開の山ツツジを観察 左下:お目当ては紫色のスミレ
ウグイスの巣がありました(今は空き家)
この一帯は「ツツジの丘」と呼ばれる
絶滅危惧種のサギソウ(夏)
花が咲いたコバナノワレモコウ(夏〜秋)
18期生 4月 1日講座報告
ネイチャーフォトとはカメラを用いて自然を撮影した物で、今日はカメラの仕組みやマクロ撮影の方法などを学びます。一般的には一眼レフカメラにマクロレンズを用いますが、最近はスマホカメラの性能が向上して一万画素以上の物もあるそうです。
先ずは先生の歴代カメラの紹介から今お使いのカメラまでを見せて頂き、撮影時の手作り小道具などの映像を交えながら講義は始まりました。映像ではアケボノソウの蜜腺に止まるアリの姿や、卵を抱いているエサキモンキツノカメムシなどの接写写真が可愛くて、また小さな粘菌の写真や動画での粘菌の変形体が移動している姿に驚きました。
最初の実習は、持参したカメラやスマホを使って10円玉や千円札の細部を写す練習です。レンズの前にルーペを付けて写すのですが、最近のスマホは10倍どころか30倍ズームの物もありルーペ無しでも簡単に細部の写真が撮れていました。凄い!
午後からの屋外での観察は雨のため中止になったので、外から採ってきた草花を対象に接写やマクロ撮影の撮影会です。先生には一人一人丁寧に指導して頂き、中には持参したカメラの使い方の質問をする光景も見られました。
その後は先生のお宝動画鑑賞会です。交尾中のビロードハマキ、クビアカツヤカミキリの戦い、など普段見られない映像がいっぱい!
レンズを通しての小さな虫たちの世界。私達も撮れるかも?頑張りましょう! (Y・S)
座学風景
上:ツノホコリを食べるカタツムリ 下:粘菌の変形体
上:クビアカツヤカミキリの戦い
左下:卵を抱いているエサキモンキツノカメムシ
右下:交尾中のビロードハマキ・雄の中に雌が入っている
撮影会風景
18期生 2月18日講座報告
本日の講座は、大阪府立花の文化園に集合。全員そろってゲートをくぐると、パンジー・ビオラなど色とりどりの花が迎えてくれた。準備された研修室に入り講座が始まった。
植物園の役割は、植物の多様性の保全、絶滅危惧植物の域外保全、種子の保存など。多様性の保全は自生している場所での保全(生息域内保全)は非常に困難になり、植物園などに移植して保全(生息域外保全)をするようにしているが、栽培技術の保持・継承が必要とされるとのこと。また種子を保存する技術・設備を持つのは東京の新宿御苑と沖縄の美ら島の2か所との説明には驚いた。植物の多様性は、水環境、資源の提供、気候変動の緩和、精神的な癒し効果など、私たちが安心して暮らすためにも必要との視点も学んだ。
花の文化園は、大阪府の絶滅危惧種を守る活動もしている。自生地で存続が難しい植物を保護し、増殖し、元の自生地に戻す「野生復帰」も目指しているとのこと。ちなみに、大阪の絶滅危惧種247種、絶滅86種、準絶滅危惧種92種、情報不足23種とのこと。もう一つの役割は「地域野生植物保全拠点園」として、紀伊半島(大阪、奈良、和歌山、三重)の特定植物の保全を行っている。広大な地域だが、自生地調査を一人(森さん)で担っている、「絶滅危惧種は人材」との説明には驚かされた。講義の最後に、地域の植物に詳しい人からの、貴重な植物の情報が必要との窮状を訴えられた。
講義の合間には、樹木の葉の付き方、葉の形、肌触りなどで種類を特定(同定)する実習もあり、多くを学んだ講義であった。 午後からは、園内の展示室にある紀伊半島に自生するジュロウカンアオイ、ホロテンナンショウ、ホンゴウソウ、ウエマツソウの「生息域内保全」のパネルの前で、保全の苦労を聞き感銘した。その後、園内のガイドウォークをしていただいた。植栽された花・樹木、早春に咲くセリバオウレン、バイカオウレン、ユキワリイチゲなどのコーナーでは、説明に耳を傾ける人、じっと眺める人、写真を撮る人、それぞれの楽しみ方で園内を歩いた。暖かい日差しにも助けられ、楽しく、有意義な講座を終えた。 (M.A)
講座風景
春になると先ず咲くマンサク
紀伊半島に自生する絶滅危惧植物
この葉は何? このチャートを使えば分かります! 【木の葉の答え】
キンモクセイ
トキワマンサク
キャラボク センペルセコイア
左上:大阪府と和歌山県の県境でのみ自生するイズミカンアオイ 右上:ユキワリイチゲ 左下:セリバオウレン 右下:バイカオウレン
18期生 2月 4日講座報告
今日の講座は資料館2階の展示室の見学から始まった。ナウマンゾウ・キシワダワニ・モササウルスなど古代生物の標本を見ながら詳しく解説して頂いた。また、近辺の地層や地質のパネル、アンモナイトの化石などもあり、午後からの実習に期待が膨らむ。その後、資料館は工事中なので、座学と実習をする為に近くの公民館に移動した。
座学では、化石とは?・・「生き物の体の一部や生活のあとが地層の中に残されたもの」だと学び、よく知っている石のように堅い物ばかりではなく、ミイラ化された物や凍って保存された物、動物の足跡などもある事を知った。
午後からの実習は「化石クリーニング」。泥層の中にある化石を見つける作業だ。先生が準備した水漬けの割れた泥層をバットに取り、竹串・ピンセット・筆・ルーペなどを使って取り出す。目標は植物の葉・種・実などだが、湿った泥層は柔らかくて竹串で突いただけでもポロポロ割れる。そっと扱わないと、形を残したまま取り出すのは難しい!そんな中でも、「ナツツバキの実や!」、「イヌカラマツノの葉らしいよ!」などの声も上がり作業に力が入ってきます。とても小さい化石だけれど、古代の植物だと思うと重みを感じられますよね。
最後は保存方法を学び、紙に包みケースに入れてお持ち帰り。保存頑張って下さい!! (Y・S)
展示室のシンボルナウマンゾウ。大きいね!
水中恐竜モササウルスの下顎
左:キシワダワニ 右上:ナウマンゾウの歯 右下:アンモナイト
座学風景と実習風景
ルーペを使ったり素手で割ったり探し方いろいろです。
上:左イヌカラマツ葉 右ナツツバキ実 左下:イヌカラマツ葉 右下:イヌマンサク種子