10期生4月27日講座報告
集合場所であるロープウェイ山頂駅目指し、歩き組17名は伏見林道を一路登った。
登り始めるとミソサザイが我々を出迎えるかのように弾けるような大きな声で盛んにさえずっていた。途中、桝谷先生に出逢い、そこからはプレ講座と相成った。観察しながらの道中は登り坂も苦にならず(?)、ほどなく山頂駅に到着した。天気予報は午後からは雨。折角の植物観察、せめて講座が終わるまでは待ってほしいと祈りつつ、本講座のスタート。
春の花々が勢揃い。スミレだけでもその種類の多いこと。メモし写真を撮るのに大忙しである。めしべが筒型であるのがタチツボスミレでカマキリ型がシハイスミレだとか。ここまでくると我が脳力の限界をはるかに超える。左右交互に2枚ずつの葉の並びをするコクサギの枝葉を見せてもらった。この葉の並び方を“コクサギ型葉序”というらしいが、浅学の身には知る由もなかった。可憐な花ニリンソウや清楚な花ヒトリシズカも観察できた。控えめに咲くカタクリの花もわずかに名残をとどめていた。
お天気も何とか持ってくれ、数え上げたらきりがないほどの沢山の草花・花木に出逢えた楽しい観察会であった。
伏見林道・念仏坂、たかがこれしきの坂、でも足が重そう?
フタバアオイ、徳川家家紋として有名
さあ講座のスタート、雨よ降らないでと祈りつつ
シハイスミレ、めしべがカマキリ状であるのが分かりますか?
コクサギ、葉のつき方が2枚ごとに互生“コクサギ型葉序”
静御前が舞う姿のように美しいヒトリシズカ
10期生3月30日講座報告
今年度最後の講座は好天に恵まれた春の陽気の中、2つの施設を訪れた。京阪村野駅より徒歩にて村野浄水場に到着。
ここは正式には大阪広域水道企業団村野浄水場、いわば「水の卸売業」。日本最大の処理能力を誇る浄水場でここから大阪市を除く府内全42市町村に水道水が供給されているという。ビデオにて浄水場の概要の説明を受けた後、浄水処理のしくみを実験にて体験。汚れた原水も凝集剤(PAC)や粒状活性炭により見事に無色無臭の清澄な水になるのを観察した。
次に実際の処理設備を見学。磯島取水場から送られてきた淀川の水は凝集沈殿、急速濾過、そして高度浄水処理(オゾン接触、活性炭吸着)によおいしい水道水に生まれ変わるその各工程を見学した。太陽光パネルや水位差発電等、環境に配慮した装置の説明も受けた。日々の暮らしの中で当たり前のように使っている水、この限られた資源・水の大切さを再認識するいい機会であった。
電車で市大植物園に移動し、午後は園内ガイドを受けた。希望した「カタクリ」もしっかり観察できた。樹木が中心の植物園、甲子園球場6つ分という広大な敷地の中、限られた時間の中で丁寧に分かりやすく説明頂いた。日本の代表的樹林型13の内、11の樹林型が再現展示されているという。また機会を見つけて再訪し、じっくり散策してみたい。
太陽電池パネルで蓋をされた沈殿池:遮光による沈殿池内の藻の発生防止効果と一石二鳥
磯島取水場からの淀川の水の送水に使われる導水管:なんと2600mm径
高度浄水処理棟からの浄水場全景;琵琶湖が見えますよ!(但し、前方階層系浄水施設の壁面に・・・)
三木博士(元園長)が化石植物として発見・命名されたメタセコイア:樹形が何とも美しい
ラクウショウの呼吸根:カメラアングル次第で面白い作品が・・・
カタクリの群生:可憐です
10期生3月9日講座報告
子供らが小さい頃、そして次は可愛い孫を連れて、動物園を訪れた。今回はあれから久しぶりの動物園訪問。
誰のためでもない、自分自身の為にじっくりと動物たちとの出会いを楽しもう。まずは獣医師巴里先生より動物の食性が生み出す、消化器構造の違いについてのお話をうかがった。肉食動物ライオンと草食動物シマウマの顎骨格標本を見せていただいて特徴をじっくり観察した。
食餌の結果として排泄されるウンチの形、内容物,匂いも実感。続いて鳥類嘴の構造と食餌の仕方について。どの動物も、各生活スタイルに合わせて最適な形を作っているものだ!(実際には淘汰の結果として、そうなったということだろう)。
後半は屋外で動物園サバンナゾーンの見学。今日は、昨日までの4月のような暖かさとは一転して、冷たい雨。入園者も少なく、ほとんど貸し切り状態。ラッキー!!??? 雨で動物たちは中に引っ込んでいるかもという先生の予想にかかわらず、多くの動物たちが、ゆったりとして私達の間近に姿を見せてくれた。カバ、キリン、シマウマ、トラ、フラミンゴなど。ライオンのオスはガラス越しのすぐ目の前でお昼寝中。周りに二匹のメスを従えて。ライオンのオスは狩りも、育児もメス任せなのに、餌は1番に食べるとか。こら!オス、もっと働け!! じっくりと堪能した。雨のお陰か?
動物の上顎骨格。草食動物:門歯で草をかみ切り、臼歯ですりつぶす。肉食動物:鋭い犬歯で突き刺し、致命傷。臼歯で切り裂く。
フラミンゴ達。右下:動物園案内板の一部。フラミンゴは何故赤い?:ミジンコなど赤い色素を含む餌を食べるため。どうやって食べる?:泥水を吸い込む→大きな舌で水を押し出す→この時嘴の細かい櫛目で泥を排出。餌は口内に。
カバ。水中に身を潜めていたテツオ君。私達が行くと目を出し、胴体も浮上させて挨拶?サービス満点。
カバ、ティーナちゃんの水中の様子を観察。ティラピアと共生。ティラピアはカバの古くなった角質を食べる。糞も食べてくれるので、水の浄化に役立つ
サバンナゾーンの草食動物達。中央の樹は樹皮を食べられて痛々しい姿に。
ライオン。怠けているように見えるオスの仕事は、外敵から群れを守ること、群れ内での自分の地位を守ること、子孫を残すこと。これも大変きつい仕事だそうだ。
10期生3月2日講座報告
ゴールドファームでの2回目の農業体験講座。
先ずはウォーミングアップにと昨年新たに開墾された北阪第2農園での石ころ拾い。地道な作業だが農業にはかかせない。すこし肌寒さを感じたこの日も少し体を動かすとすぐに体は温まってきた。さてジャガイモの植え付け。芽を上にして30cm間隔に、というが芽がどこにあるのかわからない。芽の向きはあまり気にしなくていいらしい。第2の人生と同じで、どこから芽が出るかわからない。鶏糞、石灰散布と手順に従って植え付け完了。
次は鞍馬大根の収穫。引き抜くにも結構、力のいるとにかく大きな大根であるがお土産に戴けると聞くと労もいとわない。試食もさせてもらったが、甘くてほんとにうまい。
午後は木積農園へ移動し、玉ねぎ畝の草取り、そして最後は、前回の講座で植え付けした大阪伝統野菜・難波ネギの収穫。カレッジ生もその成長を気にかけていたが立派に育っていた。煮ても焼いても甘くておいしく、かつては難波周辺で盛んに生産されていたという。最近、テレビでも話題になっている。今、大阪で栽培農家は2件、今年からはゴールドファームも力を入れていきたいという。お土産に戴いたこの希少な難波ネギ、食するのが楽しみだ。
先ずはウォーミングアップに石ころ拾い
アンデスレッドの植え付け、芽の向きは気にせずに30cm間隔に
くらま大根の収穫、おみあしが細く見えます
枝木の片づけもみんなでやればあっという間
玉ねぎ畝の草取り
難波ネギの収穫、今夜は鍋でも
10期生2月17日講座報告
午前の座学は絶滅危惧植物入門。散歩中に見る草花はほとんどが外来植物。日本古来の草花はどうなっているのでしょう。そのあたりをしっかり聞いて学ぼうと臨んだ今回の講座。
川や海、森、草原、砂漠、気候や地形に応じて様々な生態系が成り立っている。生物の多様性が失われると、私たちが自然から受けている恩恵を失うことになる。日本には約7500種の植物が自生しているがその1/4が絶滅危惧種に指定されている。花の文化園では様々な角度から、植物の多様性保全に取り組んでいるとのこと。
午後は剪定実習。最初に教室で剪定の基本のレクチャーを受け、現場へ移動。まず、昨年9期生が剪定したシナヒイラギを剪定することに、最初は先生の指導を受けながら剪定バサミで慎重に切っていたが次第に大胆になり、のこぎりの出番も多くなったが、そんな受講生の剪定を先生は温かく見守ってくれた。シナヒイラギの剪定が終わると次にベニバナトキワマンサクに。
先生から、「この木は春に咲く花芽がいっぱいついているので、切りすぎない様に」との指導を受けながら丁寧に剪定して終了。とても楽しい実習となった。
植物の多様性保全についての講義を受ける
絶滅危惧植物を手に熱く語る本田先生
昨年9期生が剪定したシナヒイラギの現在の樹形
のこぎり、剪定バサミで剪定
花芽のあるベニバナトキワマンサクの剪定にもチャレンジ
剪定後
こんなにスッキリ 大丈夫?