10期生2月3日講座報告
暦の上では明日から春。金剛山山頂の外気温は-3℃(AM10時)を指していたこの日の講座は、千早園地周辺での野鳥観察。
ロープウェイ山上駅で前泊組と当日組が合流、早速泉北野鳥の会の先生のガイドのもと3班に分かれて野鳥観察スタート、しゃくなげの路へと歩を進めた。朝方は鳴いていたという鳥の声も一向にその気配がないまま、今度はキャンプ場方面へ。ようやく木の枝に寄り添う2羽のキジバトを発見。その大きなおなかを間近に真下から観察できた。ツルウメモドキの実を啄んでいるのか数羽のウソも観察。
昼食後は園地休憩所前で飛び交うヤマガラへの餌やり。ピーナッツやヒマワリの種を手にしていると人懐っこいヤマガラはすぐに寄ってくる。野鳥と触れ合える楽しいひと時であった。そのあと四季の谷を通って展望台方面へ。途中、地面の草むらの上をぴょこぴょこと動き回る幾羽かのカシラダカ、保護色で見にくかったが何とか観察できた。
最後にミュージアムにて鳥あわせ。観察種数15は冬のこの時期まずまずの成果。金剛山での野鳥の数は年々減少、もっと保護が必要であると。この日は観察できなかったがゴジュウカラ、オオマシコ、オオアカゲラ等、ここでしか見られない鳥がいるのも金剛山の魅力である。
金剛山ちはや園地より御来光を拝む(6:57撮影)
金剛山山頂ライブカメラ、本番1分前
午前10時の撮影時間に集まる登山客の中に前泊組のカレッジ生も
キジバトのツーショット、大きなおなかを真下から間近で
ウソ、ツルウメモドキの実を啄んでいるのか
人懐っこいヤマガラ、可愛いですね
最後に鳥あわせ(ミュージアム/ネイチャールームにて)
10期生1月27日講座報告
最近の気象はどうして?何故?が実に多い。夏には猛暑日が何日も続き、雨が降りだしたと思うと、今度は局地的に猛烈な雨が降り続く。まるで熱帯にいるみたい。一方暖冬と思った冬は、急に態度を変えて、猛烈寒波となって大雪をもたらす。一体どうして?何故、何故・・・?気象講座で何かが少しは見えてくるのだろうか?
今日の講師は気象予報士、久保智子先生。テレビやラジオのお天気コーナーでも活躍中だ。天気予報のためには、多くのデータが集められる。地上からはアメダス、気象レーダー。上空30kmまでの大気状態を知るための気球。さらに上空からは気象衛星ひまわり8号が10分毎、日本上空では2.5分毎にカラーで映像を送ってくる。天気予報士は気象庁からのデータ、予想をもとに予報士としての判断を加えることができる。テレビで5分ほどの朝の予報に午前3時位にはテレビ局に赴き、内容を考え画像を作るそうだ。何とも身を削るような大変な仕事である。
天気図を見て天気の状況がわかるようになりたいと無謀なお願いをした。1月の1回目の寒波が来た日のアメダス情報をいただき、天気図に書き込んだ。気象庁の天気図と見較べ・・・???低気圧では反時計方向に風が吹き込む。高気圧では時計方向に流れ出す。何とか風向ぐらいは読めたかな…?前線について知ろうと思えばさらに上空の情報が必要だそうだ。何とも奥が深い。私達は予報を受け取り、今、あるいは未来に起こるだろう事象に備える事が大切と話された。
気象予報士、久保先生による気象と天気の講座。日頃の何故を知りたい
戸外で雲を観察。雲量は80%と見たが、陽射しがあるので天気は晴れ。高い空にすじ雲。その下にひつじ雲とぽっこりした綿雲。下層には西の空に層積雲が現れ、弱い雨となるか
月19日の気象庁の情報をもとに、天気図に記号を記入。1回目の寒波が来た日。
気象庁発表の天気図(A)と、記号を記入した天気図(B)日本海側では九州から山陰、北陸まで雪。風も強い。本格的な西高東低の冬型はこの後やってきた
気象庁天気図に、天気、風力・風向を書き込んだ天気図を重ねた。風向は低気圧中心に向かって反時計回り。等圧線の混でいる地域では風が強い。納得!!
10期生1月20日講座報告
午前は座学。小惑星探査機「はやぶさ2」の話題からはじまり、本論の星座入門。太陽、月、惑星、そして星座のこと、多くのことを学んだ。冬の南東の空に輝く冬の大三角(シリウス、プロキオン、ベテルギウス)のこと、北の方角を教えてくれる星・北極星をカシオペア座から見つける方法も学んだ。
ところでこの北極星、地球から400光年の距離。真田幸村が活躍した大坂夏の陣の頃。その時代に北極星を発した光を我々は大河ドラマ「真田丸」を見るのと同じくしてまさに今見ているのであるから何とも奇遇で、また途方もない宇宙の巨大さを思い知るところである。
次に望遠鏡について。つい倍率のことに思いがいくが、重要なのは光を出来るだけ多く取り込めるレンズ、すなわちレンズ径が大きいこと。そして実際に反射式望遠鏡をのぞいてみた。像は上下逆さに映るが宇宙には上下もない。
午後はプラネタリウム鑑賞。その日の夜の星空ガイドのあと、「銀河鉄道の夜」の投影。ドーム天井いっぱいに映し出されるCG映像は音響効果と相まってファンタジーの世界へ誘ってくれた。宇宙の中に思いを馳せていると人間社会に起こることなんてほんの些細なことに思えてきて気も楽になってくる。そして少しずつでも知識を高めて星空に接すれば天体に対する興味も更に増していくことだろう。
星座入門の座学を受ける受講生
冬の大三角(シリウス、プロキオン、ベテルギウス)
ハサミと糊で手作り「星座早見盤」出来上がり!
天体望遠鏡(反射式)をのぞく
ソフィア堺・プラネタリウム館外観
星座入門講座を終えて、お隣「平和と人権資料館」に立ち寄る
10期生1月6日講座報告
2016年、新春初講座。寒の入りというのに、暖かい。3月の気候とか。こんな気候で地球の温暖化は大丈夫かと不安がよぎるが、戸外での活動には有り難い。
まずは周辺のあぜ道や小川での七草摘み。ハコベラ(ハコベ)、セリは大量に生育。スズナ(カブラ)、スズシロ(ダイコン)は畑で栽培された物をいただく。ホトケノザ(コオニタビラコ)はやっと何とか見つけた。ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)は?季節が進み、成長すると簡単に見つけることができるのに!
しかし七草は、地方、時代によっても変化とのこと。身近な野草を楽しめばいいらしい。ノビルやヨモギ、クレソンも加えて栄養豊富な八草(はちくさ)?とした。ビタミン不足の冬場にビタミンB、Cをたっぷりとって、一年を健康に過ごせるにちがいない。
熱々の緑野草豊富なお粥を食べたあとは伐採してきた竹を用いて、竹の工作。竹箸、ぐい飲み、一輪挿し、竹へら、植木鉢など。自分のため、あるいは愛しのおかあちゃんを喜ばそうと思い思いに作製。のこぎりで切り出し、なたで割り、キリで孔を開け、ナイフで細かな細工を施し、サンドペーパーで美しく仕上げた。自分の作品に大満足。お年玉をもらったみたいで、笑顔がこぼれ、今年はいい年になりそう!!
ハコベやセリは大量に収穫。一緒にノビルもザルに入れて
採取した野草を分類。ホトケノザもみ—つけた!
大鍋に米、水を入れ、かまどで炊く。途中根菜を、最後に刻んだ菜、調味料を入れて、できあがり。湯気が立ち上り、おいしそう!!
熱々を皆でおいしくいただく。持ち寄りのダイコン漬け物5種盛り、昆布巻き、煮なます、ゴリ・くるみの佃煮なども
さて、竹で何を作ろう。
できたぞ!! 作品の数々。出来栄えはともかく、達成感に幸せ一杯、笑顔がこぼれる。
10期生12月16日講座報告
本年最後の講座は堺ふれあいの森でのネイチャークラフト。自然の素材を使って、各人各様、思いのままに工芸に取り組もうというもの。
先ずは手慣らしに「どんぐりカモ」にトライ。ふれあいの森産のシリブカガシを使って、カモに似せたものを作る。結構可愛いらしく仕上がるから楽しい。つぎは、自然の素材集めに園内散策。赤い木の実が目立つ中、青や紫、黒い実も散見、リースに彩りを添えるのにいい。リースには定番の烏瓜もちゃんと我々を待っていてくれた。
今日は特別に採取の許可を戴き、各人思い思いのものを有難く頂戴した。途中、野鳥の鳴き声も耳に止まる。その鳴き声から多くの野鳥の存在も教えられた。先生から秘密の話があるんですよと・・・実はふれあいの森にここ3年フクロウが繁殖している。そっと見守ってやってほしい、と。
少し遅めの昼食後、あらかじめ準備した蔓のリースをベースに飾りつけスタート。中には自分で採取した蔓からリース作りを始める人や、飾りつけにリボンを持参する人も。各人それぞれのコンセプトで仕上げへ。最後に発表会。個性豊かな作品のプレゼンテーションの中に人それぞれの魂が感じられた。
「ドングリカモ」作りの前に、ドングリとカモのミニ座学
「ドングリカモ」作り。細かい作業は大変、でも仕上がりは上々
自然素材集めに園内散策、皆さん真剣なまなざし
このあたりフクロウが繁殖しているという・・・ヒミツのお話
リースの飾りつけ、コンセプトに向かって着々と・・・
発表会前にプレ展示された力作群の一部
10期生12月2日講座報告
“百聞は一見にしかず“ 今回の講座は大阪ガス泉北製造所。
広大な敷地にいくつもの液化天然ガス(LNG)貯蔵タンクとそれらをつなぐパイプが伸びる。殆ど人の姿は見えず未来空間を彷徨っているよう。その製造所の一角にある科学館に多くの一見があった。
シャボン玉の実験では小学5年生を対象とした実験とのこと。我々も還暦を過ぎて子供に還る。久々にシャボン玉を飛ばし、楽しいね!ドライアイスをおいた容器の上ではシャボン玉が落ちてこないことを確認。CO2は空気より重いことを視覚で感じた。さらにCO2が酸性雨や地球温暖化をもたらすことを示す実験。pH指示薬BTB液や温度計を用いて確認した。−196℃の液体窒素を用いるといろいろなことがわかる。液体窒素の中に膨らましたゴム風船を入れると、空気が冷えて体積が縮小。しぼんでしまう。一方、ゴムボウルを入れると、カチカチに凍り、落とすと瞬時に破裂する。極低温でゴムの物性(弾性)が失われ、堅いプラスチックのように、落とすと割れてしますのである。液体窒素内に試験管を入れると空気が冷やされて液体空気ができる。試験管を液体窒素から取りだし、直ちに、火を付けた線香をいれると火が消える。しばらく室温で温めた後、線香を近づけると線香が赤くなる。酸素が発生したためである。
空気は窒素と酸素からなり4:1の割合で含まれると子供の頃学んだ。加えて微量のアルゴン、さらに微量のCO2がある。液体空気が温まると沸点の違いにより、沸点の低いものから順に気化する。
1番低いのが窒素、次いでアルゴン、酸素である。窒素で消えた線香は温度上昇と共に気化した酸素により、赤くなる。このようにして沸点の差を利用して液体空気を分溜することができる。なるほど、納得!! 沢山の“一見”に学制時代のようなわくわくした一日となった。
天然ガスを液体にすると体積は1/600に。中田先生によるLNG製造法と利用のお話
シャボン玉が落ちない!?
どうなる?地球の温暖化実験。太陽熱の大部分がCO2など温室効果ガスによって地上に戻され温度が上昇
気候変動の兆候。北極では永久凍土の融解と海岸浸食が続き、家屋が倒壊
液体窒素(−196℃)の効果。右:ゴム風船。空気冷却で体積縮小。中:ゴムボール。極低温で凍結。弾性を失う。左:容器に落とすと破裂
液体空気の分溜。沸点差を利用。N2:-196℃、Ar:-186℃、O2:-183℃。
左図:温度が上がるとO2が気化。線香が燃える(矢印)
10期生11月25日講座報告
天気予報では午後からは雨。本来の寒さが戻ってきたこの日大阪城公園で10期生にとって初めての野鳥観察。
森ノ宮大阪城公園入口からスタート、市民の森~外堀~豊国神社裏(昼食)~天守東側~極楽橋~大阪城公園駅のコース。外国人観光客でいっぱいの大阪城公園。野鳥観察している我々を興味深そうに見る若い女性達に望遠鏡をのぞかせてあげた。言葉は通じなくても野鳥観察の楽しさは通じ合う。
雄カモは雌カモより羽が派手というのは冬の求愛(繁殖)の時期だけの話とか。子育てする夏のシベリア等では雌雄の区別もわからなくなるほどに地味になるという。シベリアの人が日本の冬のカモを見るときっと驚くでしょう、と。極楽橋辺りでジョウビタキを発見。橋をくぐって東へ西へ飛び回るその都度、カレッジ生も橋の上で東へ西へ。しばしジョウビタキ君のショーを楽しませてもらった。
最後は、恒例の「とりあわせ」。その日見た鳥、見なかった鳥をスケッチ絵で丁寧に説明頂いた。水鳥、陸鳥都合31種類を観察、参加総人数25を上回り上出来の由。素晴らしい大阪城の御濠や公園にて多くの野鳥に出会え、幸い雨にも降られず、初めての探鳥会は上首尾に終えることができた。
キンクロハジロ
虹彩の黄色、後頭部の寝癖?が印象的
しなやかに軽やかにユリカモメ
シジュウカラ
黒ネクタイはトレードマーク
極楽橋付近で楽しませてくれたジョウビタキ
ジョウビタキに見入るカレッジ生
本日の総まとめ「とりあわせ」