大阪シニア自然カレッジ

11期生講座報告

11期生12月20日講座報告

開催日2017年12月20日(水) 晴れ
講座名大阪管区気象台、大阪府警本部見学
講師各施設担当者
場所午前:大阪管区気象台(大阪合同庁舎4号)、午後:大阪府警本部(大阪市)

冬日和の朝、今年最終の講座は私達の生活に密接に関係している上記2か所の見学です。

普段、田舎の都会に暮らしている我々にとって日々動いている大都会の地下鉄ひとつ乗りこなすのも難儀。頭と身体の衰えを感じつつ合同庁舎にある気象台へ、16階にある部屋は目視が必要であるため(眺めは素晴らしい)高層階必須。施設担当者から気象の観測、自然現象を正確に把握、天気図の作成、予報官達の予測、刻々と変わる自然現象に気を許せないなどレクチャーを受けた後17階の予報室へ移動、複数の大型モニターに天気図が表示され多くの予報官が立ち働いていた。

色々な情報の解析、プラス長年の経験、なかでも世界有数の地震、火山国の日本地震発生から十数秒後には緊急地震速報、約1分半後震度速報、約3分後津波警報、注意報、約5分後地震情報、津波情報を発信、24時間体制で監視している。地震火山課の担当官が手作りの起震計を用意して下さっていてわかり易かった。南海トラフ地震への恐れも少し解消した、だろうか。16階に戻ったら「アメダス」の装置説明があり雨量計(0.5ミリから観測可能)など実際に雨水を貯めて観測する様を見て、また触れてみる。

午後からの大阪府警本部見学まで時間があったので希望者のみだが大阪歴史博物館でボランティアガイドによる遺構見学に参加遺跡を見学できる地下ギャラリーには驚いた、巨大なビルの地下に保存されているとは一見の価値ありです。

午後は大阪府警本部前に集合、2007年完成の黒川紀章氏設計のハイテク城。外観の圧倒的な存在感に見とれてしまいます。目指す大阪府警の玄関、ロビーは、拍子抜けするほど、気安い雰囲気で、広報コーナーの係官も、恐れていた厳めしさは感じられず、なるほど開かれた警察、と、ほっとした。見学者用プログラムの特殊詐欺に関するお話しは我々シニア世代には重要なこと、通信指令室や交通管制センターの見学は、有り難い経験だった。110番に通報したらこんなところに通ずるのか、と、意を強くした次第。本部内の廊下を案内されて、枡形の陣?と城ファンの片鱗。超大型のエレベーターに、大人数の出動を連想したり、ニュースの添えられる府警本部の雄姿、とくに南東部の弧を描くようなカーテンウォール両脇のアルミパネルを凝視してしまう、これはもう、ファンの域だろうか。(活動報告作成1班)

手作りの起震計で実験
アメダスの装置 雨量計
電子メール型架空請求詐欺について

11期生12月13日講座報告

開催日2017年12月13日(水) 曇り時々晴れ
講座名岸和田散策、大阪湾のさかなの世界
講師岸和田ボランティアガイド(岸和田散策)、きしわだ自然資料館施設担当者
場所岸和田市街、きしわだ自然資料館

今日の講座は冬の寒さの下、午前中岸和田市内の散策、午後にきしわだ自然資料館で展示物の見学と「チリメンモンスター探し」です。

ガイドさんの案内で、岸和田駅前から駅前商店街へ、紡績業や織物業で栄えた岸和田の賑わいを今に伝える大正の面影が残る建築物、五軒屋町の寺院、だんじり会館、岸和田城と八陣の庭など岸和田の名所を散策し、町の歴史を学びました。だんじり会館ではガイドさんの「だんじり」に対する思い入れと情熱のこもった説明、迫力ある「だんじり祭り」の映像と音響で冬の寒さも少し和らいだ気がしました。

きしわだ自然資料館で昼食後、館内見学組と、「チリメンモンスター探し」の2班に分かれ交代で行動。展示されている岸和田の自然や生きもの、岸和田で発見されたナウマンゾウ、キシワダワニの化石など、そして触られ過ぎて背中の毛が薄くなっている大きなホッキョクグマやライオンなど迫力のある動物のはく製を見学、「チリメンモンスター探し」では、チリメンジャコ(カタクチイワシ)に混じって採れるモンスターと呼ばれる可愛いカサゴ、タチウオ、タコ・エビなどの稚魚をピンセットで探し観察した後、各自お気に入りのモンスターで「チリ・モンコレクションカード」を作成しました。細かい作業でしたが意外と熱心に面白く取り組みました、でも眼は確かに疲れました。チリメンジャコを食する時、今日の事を思い浮かべきっとじっと眺めてしまうと思います。(活動報告作成1班)

この建物は旧四十三銀行の岸和田支店だった大正時代の建物。
華麗な装飾に見とれる
お気に入りのチリ・モンです

11期生12月6日講座報告

開催日2017年12月6日(水) 晴れ
講座名野鳥観察⑤(初冬の平城宮跡探鳥会)
講師仲 淳一先生、野上先生、山西先生(泉北野鳥の会)
場所平城宮跡(奈良市)

心地よい探鳥日和のなか、近鉄大和西大寺駅前を出発、奈良時代(和銅3年)の都であった平城宮に向かう。平城宮跡資料館前にて仲先生より今日の探鳥コース、午前は草原・林で見る鳥、午後からは池の鳥、冬の水鳥、上空ではタカが探鳥出来るとの説明を受けた後2班に分かれ出発。

早速、ピーピー(ヒヨドリ)、ガーガー(ハシボソガラス)、チィチィ(冬のウグイス)の鳴き声が聞こえてくるが姿が見えないが、初冬の景色、枯れた原野と大極殿もなかなか良いものだ。大極殿西側の池にはコガモ、バン、カワセミ、クイナ、木の枝にはシジュウカラ、エナガ、ジョウビタキ、モズ復原事業情報館西側の池ではアオサギ(恐竜の子孫らしい)大極殿東側上空で優雅な姿で飛んでいるノスリ(タカ科)を観察した。

午後、水上池周辺のヨシ原・林で今回の目玉であるアリスイ(キツツキの1種)が観察できるはずであったが残念ながら姿を現してくれなかったが、水面にはオシドリ、コガモ、ヨシガモ、マガモ、人馴れしたコブハクチョウ等が見られ、チョウゲンボウ(ハヤブサ科)が民家の電線に止まって休息している姿も観察出来た。コナベ池上空では大きな翼を広げ飛び去って行くオオタカ、ウワナベ池ではキセキレイを観察。

今回の鳥合わせでは39種の鳥類に出会い、延べ5回の探鳥会で、双眼鏡やスコープで鳥たちを覗く楽しさを教えていただいた。少しは探鳥出来る様になったかな。(活動報告作成1班)

スコープを覗く
チョウゲンボウ じっと止まっていた
恒例の鳥合わせ 鳴き声も合わせて39種

11期生11月21日、22日講座報告

開催日2017年11月21日(火)晴れ、22日(水)晴れ
講座名秋の1泊研修(西はりま天文台、他)
講師各施設担当者(スプリング8、兵庫県立大学、西はりま天文台)
山内 健生研究員(兵庫県立人と自然の博物館)
場所1日目:SPring-8(兵庫県佐用郡)、兵庫県立大学西はりま天文台(兵庫県佐用郡)
2日目:兵庫県立人と自然の博物館(兵庫県三田市)

ここ数日来の木枯らしとは、うって変わって抜けるような青空!寒さ対策だけは万全に、一同マイクロバスにてイザ出発。気心も知れて和やかな車内、笑い声に包まれてはしゃぐうちに早くも最初の見学地「SPring-8」と「SACLA」に到着。

甲子園球場の36倍の敷地に別世界に来たかのような最新技術装置に先ずビックリ!ここは本当に兵庫県佐用町?「SPring-8」世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。X線自由電子レーザー施設「SACLA」はSPring-8の光の、更に10億倍という非常に明るい「X線自由電子レーザー」を発生させて、原子レベルで解明する世界最高性能の研究施設です。技術立国日本を支える重要施設である事を理解して、次はメインイベント西はりま天文台へ。

雲ひとつない青空は澄んだ星降る夜空となり、期待に胸躍らせ日本国内最大、公開望遠鏡として世界最大を誇る「なゆた望遠鏡」での観望会に臨む。ルーフが開きゆっくりと星を捉えていく。同席した幼稚園児にも負けない歓声で口径2mの「なゆた」に目を押しつけるとダイヤのような煌めきをしている星、また夏を代表する二重星で白鳥座の星、アルビレオ。天上の宝石と呼ばれ、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」では、トパーズとサファイヤと表現されている。400年前の光と言われ不思議な気分、霞んで見えにくい昴星団も黒布に置かれた白砂のようにハッキリと観望できた。星の色で若い星と老いた星がわかり星にも終焉があるとか。今夜は新月、風も無く絶好の観望会と言う事で屋上で肉眼での観望会、星降るがごとくの空を満喫しました。

翌朝、「佐用の朝霧展望ポイント」を目指し早朝6時から出発。爽風のなか20分も歩けばポイントへ到着、雲海に浮かぶ島々のような山々、日の出とともに色ずく雲海厳かな気持ちで日の出を待ちました。素晴らしい散歩で朝食も美味しく頂き最後の見学先「兵庫県立人と自然博物館」へ。昼食をはさんで見学と今夏も話題になった、特注セミナー「知っておきたいマダニの話」を受講「生態と予防法」特に予防法には耳目が集中。「人と自然の博物館」は西日本では最大規模の自然系博物館で展示は多岐にわたります。限られた時間では十分見学できませんでしたが、また訪ねたい博物館です。

SPring-8とSACLAとは
日本の技術の素晴らしさ!
世界最高の技術が誇らしい
人型に合わせて これは私にも出来る
漆黒の空に向って
雲海を背に 寒くないぞ

11期生11月15日講座報告

開催日2017年11月15日(水) 晴れ
講座名九度山散策と紙漉き体験
講師阪井 和枝先生、中尾 智美先生(九度山町まちなか語り部)、紙遊苑 施設担当者
場所九度山町(和歌山県)、紀州高野紙伝承体験資料館 紙遊苑(和歌山県)

「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」あの「真田丸」の舞台地、真田三代ゆかりの里を2班に分かれ九度山町まちなか語り部の阪井先生、中尾先生にガイドして頂きながら、まずは「真田のみちエリア」(真田庵、真田抜け穴伝説の真田古墳など)を散策しました。途中真田ゆかりの品を並べた店々があり楽しませてくれます。なかでも真田紐の強さにはびっくり!まさに優れもの。

その後、清流、丹生川の橋を渡り、弘法大師の母が住んでいた慈尊院へ。高野山へと続く道しるべ「高野山町石道」の最初の180町石を見つけ、「高野山へ続くこの道をいつか歩いてみたいね。」と次の活動への意欲が高まり、さらに179町石まで歩き、今日の目的地「勝利寺境内の紙游苑」に到着。茅葺屋根の紙游苑の縁側に腰を下ろし、柿色の山を見ながら、膝の上の六文銭弁当の昼食は何とも優雅な一コマでした。

午後の講座は空海に教えてもらったと伝えられる手すき和紙「高野紙」の紙漉き体験です。楮(こうぞ)の木をどのようにして和紙にするか、楮(こうぞ)の幹の皮を剥き表面の黒皮を取り除き、白皮にして煮た後に叩いて繊維をほぐしてトロロアオイのネリと混ぜた液を漉いて紙を作るという先人たちの知恵と努力を知るだけで戦わずして負ける心境です。しかも空海の時代から伝承されていることに大きな価値を感じます。

いよいよ紙漉きの実践、自分で漉いた高野紙が修了証紙になると思えば、この和紙に対する思入れは大きくなります。講師に紙漉きの手順を見せてもらうけど、いざやってみるとそう簡単にはいかない。でも一人ひとり丁寧に手ほどきしていただくと、1枚1枚、持ち味のある高野紙が出来上がりました。3月、素敵な修了証書をみんなで手にすると思えば今からでもワクワクしてきます。およそ1200年、途切れることなく伝承されてきた高野紙の紙漉き体験は貴重な体験でした。充実した時間を過ごし、九度山を語るには欠かせないという富有柿を土産に帰路につきました。(活動報告作成2班)

高野山の表玄関・女人高野の慈尊院
紅葉の下 愉快な仲間と
手く漉けますように

11期生11月1日講座報告

開催日2017年11月1日(水) 晴れ
講座名地質・地層の観察(屯鶴峯)
講師佐藤 隆春先生(大阪市立自然史博物館、外来研究員)
場所午前:ふたかみ文化センター(奈良県香芝市)、午後:屯鶴峯(奈良県香芝市)

「屯鶴峯」何と読むのだろうと思いました。天然記念物ですがこんな近場にカッパドキアに似たところがあるとは。

午前は「ドンズルボウで火山活動を読み解く」その成り立ちからの講座でした、1500万年前、気の遠くなる昔々二上山の火山活動で火山灰や火山弾が湖に降り積もり、その後の地殻変動で隆起したあと雨や風などの自然作用で浸食され、現在の地形となりました。白い地層の重なりは二上層群(にじょうそうぐん)ドンズルボー累層(るいそう)とよばれる白色凝灰岩(ぎょうかいがん)で堆積物にはザクロ石、黒雲母流紋岩のブロックを含んでいます。小さい噴火が何回も有り地層の厚さは150mにもなりました。

前知識を詰め込んで昼食の後いよいよ現地へ急な階段を上りきると視界が広がり真っ白い世界が!遠くから眺めると、松林に多くの鶴が屯(たむろ)しているようにみれることから「屯鶴峯」(どんづるぼう)と名付けられたそうです。太陽に反射され白さが眩いほど足元に気をつけながら火山豆石や地層の断面を詳しく説明していただきました。遠い九州での巨大噴火の火山灰は大阪や関東まで火山灰を降らせるのです、地層を読み解く面白さ、楽しい講座でした。(活動報告作成2班)

11期生が持ち込んだ化石について説明を受ける
足元を気にしながらの絶景
この風景をこわさないで!(アイゼンの跡がある)
手で触れ地層を読み解く

11期生10月18日講座報告

開催日2017年10月18日(水) 曇り
講座名奈良の巨樹観察②
講師甲斐野 幸一先生 重栖先生、杉本先生(グリーンあすなら)
場所春日山遊歩道 、春日山原始林(奈良市)

連日の悪天候の影響で当初予定していた滝坂の道から春日山遊歩道、春日山原始林に変更し、しかも雨を気にしての講座となった。

少し肌寒くはあったが湿り気のある空気は心地良かった。2回目の甲斐野先生の楽しい講座は「木の気持ち」を第一に、木がなりたい姿で成長しているかどうかを見て歩きましょうと木の代弁者になって「木の気持ち」を熱く語られました。春日大社の神域として守られてきた、原始の姿を残す森春日山原始林、しかし16世紀には豊臣秀吉による約1万本のスギ植栽、幾度の台風災害などで補植したりして人工の手が加えられています。

鬱蒼と茂った巨木、常緑広葉樹温帯性、寒帯性の樹木も混生し互いに日光を求め枝を広げるより日光を取り込むべく上へ上へと伸びたケヤキなどもろい砂岩の上に60~70㎝の土、根を横に横に広げ幹回り3m越えの巨木が踏ん張っている。「木の気持ち」を考えてみる。もの言わねどちゃんと主張している、その健気さに驚くとともに強い生命力を感じました。

子鹿が時々姿を見せ”可愛い”と癒されていたのですが、鹿害で原生林ではナギやナンキンハゼの分布が広がり台風などで木が倒れたとき次に大きくなる若い木がとても少なく、世代交代が問題になっています。自然の保全しっかり見つめて考えないといけないですね。(活動報告作成2班)

巨木とは地上から130cmの位置で幹周(幹の円周)が300cm以上
若草山頂上 見晴しは残念!
横に伸びた根っこは空洞

11期生10月11日講座報告

開催日2017年10月11日(水) 晴れ
講座名淀川と水生生物
講師淀川資料館 施設担当者、小田 優花先生(水生生物センター)
場所淀川資料館(枚方市)、水生生物センター(寝屋川市)

秋晴れの1日、日本で最初の河川博物館「淀川資料館」へ、玄関で”くらわんか船”が出迎えてくれました。

資料館スタッフの方の案内で「くらしと淀川」「淀川の歴史」「淀川の環境」等、繰り返し大きな洪水に見舞われ治水・改修工事をされたこと、そして今スーパー堤防(高規格堤防)事業の再評価を実施しています。広い河川敷やヘリポート、備えよ常に再認識しました。爽やかな日差しの中淀川べりを水生生物センターに向かって徒歩で移動、途中影を見つけランチタイムに。川の流れを見ながらのランチはまたひと味違う感じでした。

休憩の後の移動は少々足も重くなり暑さもぶり返したようで、水生生物センターに着いた時はホッとしました。小田先生から生物の多様性について講義のあと展示されている淀川水系の淡水魚を見ながら生態の説明、そして一番の目玉は天然記念物・絶滅危惧ⅠA類のイタセンパラ(板鮮腹)、紫の婚姻色に染まったオスはとても奇麗でイシガイへの珍しい産卵の様子などビデオで見せていただいた後、水辺ビオトープでもんどり網の実践、イタセンパラは多分採取できないでしょうとのことでしたが意外や意外投げ入れたもんどり網からイタセンパラのオスが、奇麗な婚姻色に歓声が、生息環境の変化で絶滅の危機に瀕し水生生物センターで飼育繁殖今は淀川城北ワンドに生息しています。他にもタモロコやモツゴ、メダカ等が採取できました。

当センターでの希少生物の野生復帰の取り組みを知る事が出来ただけでなく、私達は生物多様性のサイクルが健全に保たれるようしなければならないと思いました。(活動報告2班)

乗船した旅人に酒や食べ物を売るくらわんか船。酒くらわんか、飯くらわんか
秋晴れのなか風爽やか、頑張って歩こう
イタセンパラ(オス)婚姻色が鮮やかに光る

11期生10月4日講座報告

開催日2017年10月4日(水) 晴れ
講座名大阪湾のウミウシ観察
講師田中 広樹先生(大阪自然環境保全協会)他、スタッフ3名
場所城ヶ崎海岸(和歌山市加太)

今回は加太湾城ヶ崎海岸でのウミウシ観察です。

田中先生が「ここ城ヶ崎海岸は日本で唯一、容易に多種のウミウシ観察ができる磯ですよ。」と、にこやかに話されて講座が始まりました。さて幻想的な色彩・容姿のウミウシとはどんな生き物なのでしょうか?

早速、頂いた「大阪湾で観察された49種類のウミウシの写真資料」を手掛かりに、洗濯板のように浸食された岩場を歩きながら、最も見つけ易い?オカダウミウシ探しです。と言っても私たちはそのオカダウミウシを見つけることが出来ません。すると「いましたネ。これです。」と濡れた石に付いているオレンジ色の1mm程度の点を田中先生が指さしました。「えっ!これ?」あまりにも小さいのにびっくり。

ルーペで見ると確かに触角を愛らしく動かしています。オカダウミウシを確認すると私たちも簡単にオカダウミウシを見つけることが出来るようになり、その後は「これはエダウミウシ」「アメフラシ」「ふむふむ、クロミドリガイ」「おっ!ハクセンミノウミウシだ」と午前中だけでも10数種類のウミウシを見つけ、観察ができました。

爽やかな秋空にトビが舞い、煌めく波間、穏やかな海面を見ながらの長閑なランチタイム。午後からはウミウシだけでなく、磯に棲む生き物たちの観察も出来ました。潮だまりの岩場に腰を下ろし、宝石箱を開けるように1つ1つ、石をそっとひっくり返すと、イソギンチャク、クモヒトデ、ヤドカリなど次々と愉快な生き物たちが飛び出してきます。潮が満ち始めると、採集した21種類のウミウシを田中先生が同定しながら、ウミウシの特徴を面白楽しく解説されました。全て雌雄同体、鰓呼吸、巻貝の仲間で幼生の頃には貝殻を付けているが、成長の過程で貝殻を消失。食べ物は種類により多種多様で毒素を体内に溜めるものもいれば、動物でありながら光合成するもの、他の種類のウミウシを食べてしまうものもいる。

いつの間にか、徐々に海水が岩のくぼみに流れ込み、宝石箱の蓋を静かに閉じていきます。「短時間にこんなにたくさんのウミウシを見た人たちは皆さんぐらいですよ。」と締めくくりの言葉。城ヶ崎海岸のウミウシ、そして海の生き物たちに拍手を送りたいです。「ウミウシ」って大きいと思っていませんか?出会ってビックリでした。(活動報告2班)

これがオカダウミウシ ピンセットで採取
をひっくり返して 探してます
これもウミウシ 背中の青色がきれい
く見れば可愛い?!ウミウシのファンが増えそう

11期生9月27日講座報告

開催日2017年9月27日(水) 曇り
講座名自然観察
講師武田 敏文先生、他、スタッフ3名(日本パークレンジャー協会)
場所府民の森 ほしだ園地(大阪府交野市)

今年4月のくろんど園地の講座に続いて、今日は「星のブランコ」のほしだ園地の自然観察です。

私市から前回と同じく3班に分かれ七夕伝説の天野川沿いにほしだ園地へ、途中野の草花の観察、先生がヌスビトハギの花弁根元中央を強く推すと突起が飛び出しました。普段の観察とは違う方法にビックリ、面白い体験でした。そして桐の実も殻を割ると真っ白な綿毛に包まれた小さな種子と核のようなものが観察できました。道筋あちこちにナラ枯れによる大木の立ち枯れが目に付く、急勾配のわんぱく道を登っているとヒヨドリバナに止まるアサギマダラが、目を凝らしてよく見ていると何羽か飛びはねていた。

視界が広がると切り立った崖頂部が、ハヤブサが毎年、営巣するとのこと、そしてなみはや国体の登はん会場となった16.5mのクライミングウォールがそびえる。初心者も挑戦できるが10歳いや5歳若ければと(影の声が)ちょっと挑戦?星のブランコまで後少し、ランチが済むまで雨が降らないよう念じながら、もうひと踏ん張り、全国6位の長さの吊り橋、大阪にこんな吊り橋があるなんて、天空を歩いている様な高さ、素晴らしい景色を堪能してやっとランチ、お腹が鳴っています。ランチのあと先生方によるクイズを楽しんで帰路へ群生したコンテリクラマゴケを観察。遭遇したくないスズメバチが樹液を吸っている古木を遠回りして静かに通過(ドキドキ)植物、コケ、樹木、昆虫いろいろ観察できました。クイズ「楸」読めますか?(活動報告2班)

クライミングウォ-ル挑戦したい
吊り橋の下を歩く 上に吊り橋が見える
星のブランコ 天空の散歩