大阪シニア自然カレッジ

11期生講座報告

11期生9月20日講座報告

開催日2017年9月20日(水) 曇り
講座名ウミホタルの観察
講師山田 浩二先生(貝塚市立自然遊学館)
場所大阪府立青少年海洋センター(教室:大西洋)、せんなん里海公園(泉南市岬町)

今日の講座は夜の講座です。

夜食と手作りの仕掛け(ウミホタル観察用入れ物)を用意してマイクロバスで青少年海洋センターへ、暗くなるまで山田先生からウミホタルの講義。ウミホタルは海に棲むミジンコの仲間で、体長約3㎜、暖流が流れる海域の浜辺に生息します。

日本近海のウミホタルは我が国固有種です。ウミホタルが砂の中で生活し、夜間にエサを求めて活動し、魚の死骸などを食べます。(別名海の掃除屋とも)メスは体の中に卵を産み、寿命は約半年です。発行物質のルシフェリンは体内では黄色ですが、口から海中に放出されると、酸素と反応して鮮やかな青紫色に発光します。(余談ですがオワンクラゲ、タンパク質GFPでノーベル賞を受賞された下村脩博士はウミボタル発光基質の結晶化を成功されました。)山田先生の講義の後、各自仕掛けを準備して浜へ出発です。

腹ごしらえをしながら暗くなるのを待ち、仕掛けを海に沈めて20分ほど放置。仕掛けの紐を引き上げると何か光っています。容器を揺らすと更に光ります。海水を地面に撒くと辺りが満天の星のようになり、その軌跡は抽象的な絵画のようです。(ショックを与えると発行します)夜光虫のぼんやり青紫色でなく、地上の蛍とは違う、ウミホタルの鮮やかな青紫色の光を楽しんだ1日でした。夜の静かな浜辺も素敵でした。(活動報告2班)

暗くなるまで静かな浜辺でディナー
一生懸命仕掛けを設置 海の底に沈めます
ウミホタルの光 青く輝いてます

11期生9月6日講座報告

開催日2017年9月6日(水) 晴れ
講座名大阪市立科学館の見学
講師江越学芸員 (プラネタリウム) 、長谷川学芸員 (サイエンスショー)
場所大阪市立科学館(大阪市)

1ヶ月振りにお会いする皆さんの顔は何か嬉しそう、輝いているように見えました。休み明けの講座は暑さを避け、大阪市立科学館の見学です。

午前中の講座は小中高生たちと一緒にプラネタリウムで、星と月の勉強。夏の大三角、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブで、細長い大きな三角形です、そしてかすかに見える天の川、月の光が無ければ(プラネタリウムだから月の光を消してみました)無数の星がよく観えました。反対に月を見てみると、新月、三日月、半月(上弦、下弦)満月と形が変わります。日本では月の模様はまるでうさぎが餅つきしているように見えますが国によっていろんな形に見えるんですね。地球の唯一の衛星月の海、クレーターが見えます。黒い模様の部分はたいらになっています、月の不思議な地形は見ていて飽きません。

涼しくてリラックス出来ました。午後からは、4階から3階、2階と移動しながら宇宙とその発見や私たちの暮らしを支えるいろいろな物質の化学を、たくさんの実物、資料を見て回りました。14時からサイエンスショーマイナス200度の不思議、「超伝導」で磁石が宙に浮かんでビックリ長い夏休みが済んで第1回目の講座は頭にも身体にも、やさしい楽しい講座でした。最後に11期生Nさんから、鉱物の話しをして頂き今日の講座は終了となりました。

大阪市立科学館です
液体窒素です沸騰してるように見えるでしょう
超伝導 磁石が宙に浮いてます

11期生7月26日講座報告

開催日2017年7月26日(水) 曇りのち晴れ
講座名高山植物の観察と梅花藻鑑賞
講師藤井 文雄ガイド(伊吹山もりびとの会)
場所伊吹山(滋賀県 米原市)、 醒ヶ井(滋賀県 地蔵川)

猛暑の時の涼しい山の植物観察は楽しみの講座ですが、渋滞にはまりせっかくのマイクロバスでの移動も観察時間を短縮しなければならず残念だったが、途中から藤井ガイドもバスに合流して伊吹山についての説明と注意点を車中で聞く。

ドライブウェイ駐車場に到着した時はガスがかかり視界も悪かったがゆっくりと西登山道を植物観察が出来た。縦列だったのでガイドの声が聞きとりにくい点もあったが、目前の花を楽しむ。ガスも少しづつ晴れてきて下から吹いてくる風は涼しくて心地良い晴れていると直射日光も強く熱中症が心配されたがその心配も無く頂上では青空も出て時間短縮したランチタイムを楽しみました。

後1週間したらもっと花が咲いて素晴らしいですよと藤井ガイド、キンバイソウ、カワラナデシコ、シモツケソウ、クガイソウ、オオバギボウシ、ミヤマコアザミ、アカソ、コオニユリ等々ここでも鹿の被害を防ぐためネットを張っていました。帰りはガスも晴れ眼下を見下ろしながら駐車場へ次の醒ヶ井へ直行30分位の鑑賞時間だったが冷たく澄んだ水に手を浸し咲き誇る梅花藻に感嘆!冷えたミニトマトも美味しかった。(活動報告作成3班)

1週間後はもっと咲き乱れてる
伊吹山1等三角点にて 青空が素敵
咲き誇る梅花藻

11期生7月12日講座報告

開催日2017年7月12日(水) 晴れ
講座名きのこ観察②
講師下野 義人先生(三重大学大学院協力研究員)
場所烏帽子型公園(河内長野市)

やっと晴れました、でも蒸し暑い一日となりそうです。昨年の11月に「きのこ入門」でレクチャー戴いた下野先生に場所も同じでのきのこ観察、梅雨の晴れ間で土も湿っていてきのこ観察が期待できそう、前回と季節も違うのでどんなキノコに出会えるか楽しみです。

下野先生を先頭に徐々に八方に広がり声は聞こえど姿は?やぶ蚊と格闘したり、暑さに降参したりでしたが、収穫したキノコを手に東屋に集合。テーブル一杯のキノコを見て思わず歓声、種類別に分けたところで昼食。食事もそこそこに同定を開始約50種のキノコの名前が次々明らかに、一番目を引いたのは真っ赤な「カエンタケ」極めて強い毒性を持ち、食べると死亡率が高く、触ることすら危険である。受講生も採取する時先生の指示もあり手袋をしました。

また傘が草色をしたクサイロハツ、ベニタケの仲間など舌を噛みそうな名前のキノコ、今回も食べられるキノコはあるのか?ニガイグチを試食苦い!今回は苦いの一言でした。前回よりは多く採取出来ましたが予想ではもっと採れるはずだったと先生。異常気象はキノコの出方にも影響しているのかもしれないですね。(活動報告作成3班)

あった あった!
猛毒のカエンタケ触らないで!
同定はしっかりと

11期生7月5日講座報告

開催日2017年7月5日(水) 雨のち曇り時々小雨
講座名水田の生き物観察
講師中谷 憲一先生(高槻市立自然博物館 研究員)
場所午前:鶴見区民センター調理実習室(大阪市鶴見区)
午後:鶴見緑地・自然観察体験園(大阪市鶴見区)

中谷先生こと「ガタロ先生」に稲に生きる生き物のレクチャーを受ける。

40種ほどスライドを見ながらタニシ、イナゴ、トノサマバッタ、ウンカ、ヨコバイ、カメムシ、サカマキガイ、カブトエビ、トノサマガエル、イトトンボ、ヒメアメンボ、ミジンコ、アメリカザリガニ、アミミドロ等々、子供のころ遊んだ懐かしい名前がぞくぞく、トンボの交尾、産卵の様子は聞いてビックリ!最近の子供達は水田や畑で遊ぶことなど殆どないだろう、ゲームより自然、実体験をして欲しいな。

昼食後地下鉄で鶴見緑地・自然観察体験園へ移動水田で午前中に学んだ生き物観察、小雨の中、カマキリ、クマバチ、ハムシ、ヌマガエル、アメンボなど見れた。アメンボが専門の先生からアメンボはアメの匂いがするからアメンボと言われ早速アメンボを捕まえて匂ってみるが・・わかりにくい匂いでした。

そして捕まえた生き物を解説していただきました。やぶ蚊も多くみんなで献血してしまい、痒い。お天気が悪いので人出も少なくゆっくり観察出来ましたが梅雨とはいえ、こう毎週雨に降られるとテルテル坊主が欲しい。(活動報告作成3班)

梅雨の曇り 水田をのぞく
寄ってたかって、羽根の中は赤い
カマキリがバッタを捕らえた瞬間

11期生6月28日講座報告

開催日2017年6月28日(水) 雨のち晴れ
講座名京都深泥池、京都府立植物園観察
講師竹門 康弘先生(京都大学 准教授)、鈴江氏(植物園ボランティアガイド)
場所深泥池(京都市北区)、 京都府立植物園(京都市左京区)

小雨の中、電車遅延のアクシデントにもめげず先週の休講の分も取り返すべくミステリアスな深泥池へ。

室町時代の説経節『小栗判官』に大蛇が棲むという話がある外、近年ではタクシー乗客の女性が突然消えた事件が新聞で取り上げられたこともある池。住宅街にひっそりとある深泥池は国指定天然記念物深泥池生物群集に指定されており氷河期からの生き残りとされる生物と、温暖地に生息する生物が共存しており、学術的にも貴重な池として著名である。窒素やリンなどの無機塩類がほとんど含まれない貧栄養性の湿原が広がる。ここでは有機物の分解が進まず、枯死した植物が堆積して浮島が存在する。タヌキモやモウセンゴケのような食虫植物、約60種類以上生息するトンボ、しかしここでも外来植物やブルーギル等の魚類鹿の被害等のイタチごっこがある。自然保護の難しさ、次世代への贈り物はちゃんと出来るのだろうか。

午後からは京都府立植物園へ、丁度移動時間も含めお弁当タイムは雨も上がり園内のベンチで日差しを避けながら食事。ボラティアガイドの案内で見どころを回る。途中雨に遭ったりしたがアジサイやバラ、センべルセコイア、香りの強いシナノキ、ボダイジュなど緑もきれいだった。時間の関係で温室を見れなかったのが残念でした。(活動報告作成3班)

池から掬い上げて食虫植物タヌキモです
梅雨の晴れ間バラの香りに吸いつく?
ヒメコウホネ
黄色い小さな花です

11期生6月7日講座報告

開催日2017年6月7日(水) 雨
講座名金剛山の植物観察②
講師桝谷 祥子先生(金剛山の植物に親しむ会)
場所金剛山 黒栂林道(大阪府 千早赤坂村)

今日は梅雨入り、予報では小雨パラパラだったのに金剛山植物観察は又しても雨に降られました。(1回目日程変更)それでも桝谷先生から今が一番見頃のウツギ今日は花も緑もきれいですよの一声で元気が出ました!

林道を傘を持っての観察は顔を寄せ合ってというわけにもいかず譲り合っての観察でしたがマルバウツギ、バイカウツギ、オオバアサガラなど水もしたたる花はきれいでした。クサイチゴの赤い実や黄色の実、ヤマグワの熟れた黒い実は甘くて美味しかった。

止みそうにない雨、空をうらめしく睨みながらお昼まで粘りましたがタイムアップ!お弁当を食べる場所も確保出来ず(屋根のある所がない)バス停や車内での昼食となった。午前で終わったのは残念、次回は晴れるよう願いたい。

雨はツライ
ヤマグワの実は美味しい
オオバアサガラ

11期生5月31日講座報告

開催日2017年5月31日(水) 晴れ
講座名シダ植物の観察
講師辻 謙一先生
場所午前:ファインプラザ大阪(大阪府立障害者交流促進センター 堺市)
午後:光明池緑地(和泉市)

「シダ植物の観察」辻先生からの丁寧な資料を元に午前中はシダ植物の基礎知識を勉強する。

マイナーな植物だがスギナ(ツクシ)、ワラビ、ゼンマイなど身近な食材だと思うと親しみが湧く。シダの各部位の名称や葉身の形と分岐、包膜の形と色など、昼からの実習に向けて猛ダッシュ!果たしてどこまで覚えられるやら。でも興味のある受講生からは熱心な質問が相次ぐ。

午後は辻先生作成の光明池周辺のシダマップを手に観察へ、ニュータウンの中にまだ残っている雑木林を行く。観察するシダがみな同じに見えるような。ベニシダだけは分かると声が聞こえたりウラジロもどきのシダがあったり暑さも手伝って歩く速度も遅れ気味、予定した8ヵ所は全て回れなかったがシダの奥深さには驚きだった。

シダマップでの8ヵ所の観察場所の内6ヵ所で出会ったシダの一部
(5,7は時間の都合で省略)

  • 1:カニクサ、ワラビ
  • 2:ベニシダ、マルバベニシダ
  • 3:オオバノイノモトソウ、フモトシダ
  • 4:フユノハナワラビ、ハカタシダ
  • 6:ホシダ、トラノオシダ
  • 8:シシガシラ、ハリガネワラビ
シダは手ごわいなあ
ミドリベニシダ
包膜(葉の裏)が紅色にならないタイプ
密の基地みたい、シダがあちこちに

11期生5月24日講座報告

開催日2017年5月24日(水) 曇り
講座名都市公園の野鳥観察④
講師仲 淳一先生、市川先生、立石先生(泉北野鳥の会)
場所大泉緑地公園(堺市)

大泉緑地に10時集合。仲先生から今日の探鳥マップの探鳥コースについて説明の後早速、大泉池でカイツブリを見て気持ちが和む。3班に分かれてコースを巡る。池に沿いながら探鳥して行くとアオサギが営巣していた。その巣の卵を4、5羽のカラスが狙っているのを見る。親鳥がなんとか守ろうとしているのを見て胸をなで下ろす。今の時期は子育てを終えた鳥と真っ最中の鳥がいて終えた鳥は、もう餌を運ぶことが無くなるのでなかなか姿を見るのが難しいらしい。

曇り空なので我々にとっては暑くもなく探鳥し易いのだが肝心の野鳥の姿は先生方も気の毒がる位見れなかったがカワウ、ゴイサギ、コサギ、バン、シジュウカラ、オオバン、ケリなど鳥合わせをすると22種(鳴き声だけも含まれる)首が痛くなるほど上を向いて木々の中を覗き込み、鳥の姿を捉えた時は嬉しい、今日も皆と楽しく1日を過ごせた事に感謝したい。

カイツブリを追いかける
鳴き声を頼りに、首を上げる
カワウ 羽根の模様がウロコ状
(ニコン フィールドスコープED)

11期生5月17日、18日講座報告

開催日2017年5月17日(水)、18日(木) 晴れ
講座名春の一泊研修旅行 原生林自然観察(芦生の森)
講師三船氏、高御堂氏(ネイチャーガイド)
場所京都大学フィールド科学教育センター森林、ステーション芦生研究林(京都府美山町)

初めての一泊研修、こころウキウキ全員マイクロバスに乗り2時間程して京都府南丹市の美山かやぶきの里に着く。

山のふもと、なだらかな傾斜地にかやぶきの家屋が38棟、点在している。まことに、「日本の原風景」のどかな眺めである。付近を散策すると中を見学できる「美山風俗資料館」があり囲炉裏、風呂、かまど、納屋など昔なつかしい道具なども見られた。外に出るとカフェがありコーヒー、アイスクリームを食し一息つく。平日ということもありゆっくり散策出来た。それにしても途中のバスの車窓からの新緑の眺めは格別で楽しめた。4時30分に宿、河鹿荘に着く。この日は夕食後、親睦会、その実ささやかな宴会ということで、皆、揃って、大いに楽しんだ。

2日目、メインとなる芦生の森トレッキングツアーが行われる。バスで河鹿荘を出発、研究所事務所を通り下谷を過ぎ長治谷まで行き、そこから上谷を辿る。バスを降り周囲の山を見ると様々な緑の色に感嘆する。色合い、新鮮さなどがとても喜ばしい。そして、その緑に囲まれた青い空の絵のことをギャップというと教わる。途中、池がありイモリが十匹程のんびり浮かんでいるのに驚くのだが、池の縁に大きなモリアオガエルの卵塊に気づいて、またビックリする。歩いていくとブナ、トチなどの木々が見られるのはもちろんのことだがトチの木の根元に大きな穴がありクマの越冬穴ということで思わず微笑む。また終始野鳥やオオルリがさえずり心地よかった。ガイドの方が鳴き声を真似られ興味深かった。由良川の源流を辿り杉尾峠にたどり着くと眺望が開け日本海が、冠島や毛島なども見え、芦生の原生林から絶えること無く豊かな水が流れ続け、若狭の海を潤しているのがみえました。水は生命の源、壮大な景色に満ち足りた気持ちでバスに揺られ帰路に着く。

これからトレッキングです、楽しみ!
かやぶきの里を散策
なつかしい道具もあり
エッ これが源流!!
こんな山道 楽々