大阪シニア自然カレッジ

11期生講座報告

11期生11月16日講座報告

開催日2016年11月16日(水) 晴れ
講座名紅葉と冬芽の観察
講師栗谷 至先生(大阪自然環境保全協会理事)
場所万博記念公園(吹田市)

あの『太陽の塔』を背にして、栗谷先生が本日のテーマ「紅葉と冬芽の観察」を簡単に話された後、ヒマラヤスギのおびただしい雄花を見ながら、自然文化園の植物観察に出かけました。

まずは先生から頂いた資料を基にして椎の木やモミジの木の同定の実習です。二進分類で究極までしぼり、椎の木は「シラカシ」にたどり着きました。「では図鑑で確かめてみましょう。」と先生が取り出した植物図鑑にはたくさんの付箋があり、図鑑の重要さが伝わってきました。モミジは葉の重鋸歯の有無をルーペで確認し「タカオカエデ」と同定しました。

「DNA鑑定導入で分類もころころ変わっているのが現状です。」と今後の分類の難しさを示唆されましたが、この資料を作るのに費やされた時間と労力に、感謝です。葉の色の変化についてはクロロフィル(緑)・カロチノイド(黄)・アントシアン(赤)の用語はもちろんですが、植物の生きるメカニズムに驚いたことでした。

「外から見ると美しい景色を創り出しているけど、植物は冬の寒さで細胞が破壊されないように、落葉の前に栄養分を完全に吸収し、そして落葉することで、幹や根に栄養分を集中させ、冬芽を硬い皮(鱗片など)で覆って身を守ることをしているのです。」冬芽を顕微鏡で見ると、銀色の鱗模様でした。真っ赤に彩るアメリカフウに囲まれてのランチは三ツ星以上です。

午後はソラード(森の空中観察路)という高さ約3~10mの歩道橋を歩きながら、タイワンフウやギンドロなどの樹木の上層部の観察をしました。「人は今から冬支度だけど、植物は春を待つ支度をしていますね。」とポツリと先生の声。ゴールは360度一望できる高さ約19mの木の塔の展望台です。EXPO’70から46年、あの賑わいは地下に眠り、今は色鮮やかな森林が時を刻み続けています。「シラカシとアラカシが交配すればワラカシー」「こんな茶畑になってあっちゃ!」など、栗谷先生の愉快なギャグも楽しく聴き、園内を彩る木々や冬芽の観察をしながら紅葉や落葉のメカニズムについて学び、そして何よりも秋を心ゆくまで味わうことができました。

「おちばをしおりにして ぼくは ほんのあいだに あきをしまいます」詩『おちば』(三越左千夫)の1部より(活動報告作成2班)

太陽の塔の前で
赤い絨毯で食欲増進
標高82メートルの展望タワーからの眺めは最高です。

11期生11月9日講座報告

開催日2016年11月9日(水) 晴れ
講座名きのこ入門
講師下野 義人先生(三重大学大学院協力研究員)
場所ノバティホール、烏帽子形公園(河内長野市)

午前中は研修室にての座学。

「キノコはどんな生き物なのか?キノコの役割とは?どんなところに生えるのか?キノコの分類の仕方~毒があるかないか」など「キノコとは」について学びました。「真核生物」「原核生物」など難しい用語に首をかしげることもありましたが、スライド写真や戴いた資料をもとに、「キノコのような菌類は分類体系では植物より動物に近い」「分解者のキノコがいなかったら、地球は生き物の死体だらけ」「毒キノコについての言い伝えはすべて誤りであり、知らないキノコは食べないこと」など下野先生のユーモアたっぷりの話に次第、次第にキノコの奥の深さと不思議な世界に引き込まれていきました。

午後は秋色に染まる烏帽子形公園でのキノコ採集と観察。公園に着くなり「ほら!」と先生の手にはクヌギのどんぐりのような黒っぽいものがあり、それは「エリマキツチグリ」というキノコでした。「今日は珍しいキノコに会えるかもね。でも落葉の上だけ見ても分からないので、落ち葉の下や木の根も丁寧に採集するように」1時間、キノコ狩りに没頭し、見る見るうちに採集した色とりどりのキノコがテーブル一面に並べられました。

同定は先生ですが、キノコを色んな角度で観察したり何度も匂いを嗅いだりする先生の真剣な姿に釘付けとなりました。白いキノコを手にし、キノコのかさに水酸化カリウム液(KOH)をかけると黄色くなりました。「ほら、これは間違いなくアケボノドクツルダケです。猛毒です。」と笑顔を見せる先生。

でもやはり私たちの関心事はどのキノコが食べられるか否か。それを先生も察し採集したキノコの断片を「はい、飲み込まないで、しがんでください。どんな味かな?」いくら安心・安全と言われても「えっ!」と思いながら恐る恐る口にしました。「わさび味風?」このキノコはワサビタケと言う名で一番の特徴といえば、なんと言っても「激辛味」、どおりであとから辛味がきました。

「野生のキノコで食べられるものはあるけど、美味しいとは限らないよ。やはり市販されているものが1番かな。」公園の一区間での採集でしたが、有毒キノコもあれば薬用キノコもあり、またおしっこで育つキノコもあり、名前がわかっているだけでも38種類、名前がわからないものを入れるとなんと40種類以上のキノコを採集し観察することができました。それにしてもキノコの世界の面白さに脱帽です。(活動報告作成2班)

こんなに採れました
ワサビタケを噛む 辛い!
アケボノドクツルダケ
KOHがかかると黄色に

11期生11月2日講座報告

開催日2016年11月2日(水) 快晴
講座名奈良公園の巨樹観察①
講師中村先生、米澤先生、重栖先生 (グリーンあすなら)
場所奈良公園、興福寺、春日大社周辺(奈良市)

まさに感慨にひたる「巨樹巡礼」の1日でした。巨樹・巨木を求めて、あすなら会の中村先生の話を聞きながら、奈良公園から興福寺、春日大社裏山へ歩けば、いくら歩いても話題は尽きません。言葉の端々の「生命力~生きるための知恵」を耳にし、はっと立ち止まることも度々。

午前中は、奈良公園内の樹木の観察。大きく傾いた南円堂斜面のスダジイの幹と露出した根の広がりが人間の仕業だと知ると心が痛みます。ヤドリギの秘密が分かり、巨木黒松の高さの測定(幹回り3.6m高さ22m)にもチャレンジ。竹に幹を貫かれたムクロジ(無患子)は公園の名物樹木らしいけど、竹は「すまない!」ムクロジは「大丈夫だぞ!」と思うと、竹もムクロジもどちらも痛々しく感じます。

午後は、飛火野から春日大社周辺の人の通らない細道へ入っていきました。まずはせせらぎ沿いの主幹が殆どなく、表皮で生きるクスノキの生命力に言葉を探しました。空洞から見上げると飾り気を捨てた幹が青い空を力強くさし「生きているぞ」。公園内最大のイチイガシを見て、春日大社のご神木のナギの堅い幹に触れる。クライマックスは雄大なスギを目にする。「今まで人に切られずに生きているわけを考えてごらん。」と中村先生。

激しい歴史の波は春日の森を幾度も切り倒してきたことを思うと、春日の巨樹たちは私たちに人間の営みをしみじみと考えさせているようにも思える。巨樹の幹や露出した根に心を惹かれました。

*奈良公園の芝生と見晴らしが美しいのはシカのおかげ。シカの食べない草木はナンキンハゼ、ナギ、イヌガシ、アセビなどは、雑木林になり生き続けている。

*植物から学んだ知恵~ムクロジ(皮は石鹸、実は数珠玉・羽子板の羽根の黒い玉)サイカチ(実は入浴剤棘は武器)トウカエデ(種子の落下の様子からプロペラ)ナギ(切れない葉はお守り代わり)クスノキ(葉や枝は虫よけ)スダジイ・エノキなどの実は縄文時代からすでに保存食。

*樹木の年齢は年輪で推測するが、切らないとわからない。スギ類は幹回り1mで100年。歴史書簡で分かることもある。

*春日大社参道沿いの巨木スギは秀吉時代に植林されたもの。

*数種類のドングリの大切な視点は葉や実の形、大きさ葉の裏の色、鋸歯の有無、葉脈樹皮の色や硬さ

(活動報告書作成2班)

クスノキのエネルギーを背に受けて
秋空のもと足取り軽く
巨木クロマツの高さを測る
ムクロジの幹から竹が?

11期生10月26日講座報告

開催日2016年10月26日(水) 晴れのち曇り
講座名昆虫入門
講師鈴木 真裕先生 (大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 環境動物昆虫学研究グループ)
場所堺自然ふれあいの森 (堺市)

昆虫とは一般に、体が頭・胸・腹に分かれていて足が6本あるものを指し、中でも現在のトンボ・カゲロウの祖先(旧翅昆虫)が古く、今から2-3億年前に登場したとの事らしい。世界に生物種は合計3000万種存在し、昆虫は約100万種(日本は約3万種)で生物種の中では1番に種類が多く、昆虫の多様性は森林、草原、河川、湖沼、海などの生態系の多様性が影響し、日本に昆虫の種類が多いのも里山が数有り、里山自体が多様な生態系を凝縮した環境で出来ているためだとレクチャー。

また、一方いくら種類が多くとも危機がつきもので開発・乱獲、人間活動(里山管理等)の縮小、外来種の存在、気候温暖化の影響などで減少している話には考えさせられました。写真による昆虫類の”目”分類の問題も出され、セミがカメムシ目に分類されるとは一同驚愕!!言われればカメムシと同じように体からの匂いはあるかも、後日(来年?)確認する事をお忘れなく。

次にふれあいの森での畑・田・アラカシ広場ゾーンで昆虫網を使って昆虫採集”見つけ採り・石起こし””スウィーピング””ビーティング”の3方法を3班が交代で実習。午後は採集した昆虫名を教わり、観察ツマグロヒョウモンチョウ、キタテハ、クビキリギリス、オオカマキリ、ツマグロオオヨコバイ(カメムシ目)、オンブバッタ、ナミテントウ、モリチャバネゴキブリと多彩、中にはヒメジャノメチョウの幼虫、誰が捕ったのか優秀賞もの。次に昆虫網による赤とんぼの採集、リスアカネとアキアカネを捕ったが時期が遅かったので見つけるのが難しかったが秋晴れの良い散歩になりました。

ナニワトンボ

赤トンボで世界で唯一オスが青くなるトンボ。
「ナニワ」という名前は、お分かりの通り、「浪速」で大阪を意味しています。

これは初めて発見されたのが大阪である事によるそうです。分布は瀬戸内海周辺に限られてている点が大きな特徴でこのような分布を示すトンボは見当たらないとのこと。2007年に絶滅危惧種Ⅱ類にリストされています。(活動報告書作成3班)

大きな昆虫網を振り回して
採集した昆虫を前に青空教室
アキアカネ

11期生10月19日講座報告

開催日2016年10月19日(水) 晴れのち曇り
講座名ブナ林の保全
講師弘田 純先生(大阪みどりのトラスト協会、ブナ愛樹クラブ代表)、他、スタッフ数名
場所和泉葛城山 (大阪府、和歌山県の境)

和泉葛城山のブナ林は1923年に国の天然記念物に指定されました。ブナの繁るコアゾーン(約8ha)と緩衝樹林帯のバッファゾーン(約50ha)を市民と自治体の協力でブナ林の保全活動が進められ、ブナの移植転換も含め次世代に引き継ぐ努力をされています。説明いただいた後、早速、ブナ林へ。

木漏れ日のなか高低差のある周回コースではあったが、ブナの苗木の移植されたところや、うす黄色に色づいた「ブナ」、シデ、コナラ、ホウノキ、クヌギ、リョウブの大木、目を落とせば赤い実をつけたミヤマシキミ・マムシグサ、可憐なエイザンスミレ、コウヤボウキ等々を観賞をするうちに、難なくゴール。コース終了近くになると受講生もブナを始め草木の特徴を会得した気分で、疲れは何処へやら。

午後はバッファーゾーンでのヒノキの間伐実習。腰にのこぎり、頭にヘルメットの勇ましい姿でいざ出陣。まずはヒノキの倒し方、倒す方向へロープを引っ掛け、のこぎりで幹の1/3まで倒す側へ切り口を入れ、次に反対側の追い口をノコギリで切り刻む、そのうち木の倒れる音が「ミリッ」と、掛けたロープをみんなで力を合わせ引っ張るとヒノキは難なく倒せる。説明は容易いが、実践では腰が入っているのか、いないのか、ノコギリの音が響かない。慣れない体勢に汗をかきながら悪戦苦闘、倒したヒノキは運びやすい長さに切断、枝落しもして終了。2本も間伐したチームも。お疲れ様!!

お土産は倒したヒノキの輪切り、檜皮を剥ぎとると良い香りが。花瓶敷き・鍋敷きにするも良し、入浴時にと使用用途はお好きなままに。ブナ(椈)は雄大で美しい姿から森の女王と言われます。ブナの林に風が通り抜ける時「ブ~ン」という音がすることから、「ブ~ンと鳴る木」→「ブナの木」→「ブナ」がその由来です。一方、材としての利用が難しいことから役に立たない「ぶんなげる木」という不名誉な説も有り。(活動報告書作成3班)

木漏れ日の中 森林浴
倒したヒノキに飛びかかる!
ヒノキ製鍋敷き?花瓶敷き?

11期生10月12日講座報告

開催日2016年10月12日(水) 快晴
講座名ビオトープ入門
講師木村 進先生 (大阪自然環境保全協会理事、たんぽぽ調査事務局)
場所午前:堺市立栂文化会館、午後:大阪府立泉北高校

此のところ嫌な天気続きであったが、久しぶりに天候に恵まれ、さわやかな秋晴れのもとでの講座となりました。

午前は、栂文化会館で”ビオトープ”の言葉から開始。ビオトープ(Biotopドイツ語)は、BIO(ビオ:生命)とTOPOS(トープ:場所)の合成語で、「生きものの暮らす場所」という意味です。ひとつのビオトープの保全・復元・創造が連鎖してビオトープが増えて行けば少しでも生き物が住みやすい環境に戻したり繁殖したり出来る様になれるのではないでしょうか。

2005年から約10年間、環境教育や生態学教育に役立てたいと泉北高校はビオトープ池の造成工事を要望、認められ今日に至っています。落ち葉の除去や水位の確認、外来種の迷惑な放棄など維持、管理は大変です。

午後は泉北高校に移動、ビオトープ池の実地学習、メダカやザリガニ、池の水を採取、2人ひと組になって顕微鏡を使っての観察、小学生以来の顕微鏡は60倍から600倍の倍率仕様、ゾウリムシ、ミカヅキモ、ユーグレナ、赤いゾウリムシなど聞きなれない微生物の動きにあちこちから「見えた、見えた」の歓声が!肉眼では見えない生き物が一杯いました。この他にも、泉北高校にはメタセコイア、ユーカリ、ナンバンキセル、サンジソウ等々、普段目にする事が出来ない植物も多々あり、次々と講義してくださる先生の知識の引き出しも尋常ではありません。

泉北高校ビオトープ池:堺市の主に泉北丘陵のため池や沼に生息する生き物を守り育てる造成池で、池には先生が幼少期(約50年前)に大浜公園で採取したメダカも生育観察されています。訪れれば生徒からも、メダカからも”こんにちは”の挨拶を受ける事、間違い無し。但しヤブ蚊に注意!(活動報告書作成3班)

ビオトープとは
池で採取 ザリガニが多い
見えた、見えた!

11期生10月5日講座報告

開催日2016年10月5日(水) 曇り時々雨
講座名淡水魚入門
講師佃 十純先生(加呂登池自然クラブ)
場所大泉緑地(午前:加呂登池、午後:講習会室)(堺市)

台風の関係で午前と午後の部が振替講座となる。

午前は加呂登池での淡水魚捕獲、先生から”網仕掛けの要領””網すくいの要領””ザリガニ釣りの要領”をわかりやすく、ユーモアたっぷりにレクチャーして頂きました。早速シニアの面々は胴付長靴を装着、トラップを持ち池へ、へっぴり腰もすぐ慣れて収獲は「モツゴ・タモロコ・ヨシノボリ・スジエビ・ミナミヌマエビ・ドジョウ・ザリガニ・カダヤシ・メダカ」と思いのほかの大漁となりました。

午前のメインテーマはメダカとカダヤシ、メダカは環境省指定の絶滅危惧種、カダヤシは1913年に蚊の天敵“蚊絶やし”として移入されました。字のごとく蚊(ボウフラ)を食べます。メダカは卵を産む(卵生)のに対し、カダヤシは卵を胎内で孵してから体外に出す(胎卵生)です。卵を食べられてしまう危険の高いメダカと比べ、カダヤシの方が繁殖する確率が高く、メダカがカダヤシに淘汰される場合があるということです。

カダヤシは特定外来生物に指定され、「飼育」「運搬」「輸入」「放流」「販売」「譲渡」等が規制されています。加呂登池での実践講義終了後にカダヤシとザリガニ以外は元の池へ放流。これは池を外来種から守る為と聞かされ、固有種を守るための地道な活動姿勢を垣間見ました。

午後は煮干し(カタクチイワシ)を使っての解剖観察、煮干しの頭を二つに割って白い耳石・アメ色の脳みそ・エラ・心臓と見分け、胴体からは骨・黒い血管・白い神経・食道・胃・幽門・腸とこれ程までに煮干しを食い入るように見たことはない。不思議な世界。後半は淡水魚の講義で世界には約3500種の淡水魚がいて純淡水魚(コイ、フナ)・通し回遊魚(アユ、ウナギ)・周縁性淡水魚(スズキ、クロダイ)に分類されるとの事。

淡水魚の宝庫として世界有数の古代湖の一つ琵琶湖も生態系の維持(自然環境を守る・生活用水の流入禁示・外来種の撲滅等)固有種を守る活動がされています。在来種と外来種きちんと認識することが大事ですね。

オトナの中学理科講座:魚は一心室一心房の心臓を持ち、心室から送り出された血液はまずエラ(鰓)を通って酸素を補給、動脈血に、体中を巡って心房に返ってくる時には、酸素の少ない静脈流となっており、そのまま再び鰓に向かって送り出されます。(活動報告書作成3班)

池に入りました!何か楽しい
獲れた魚、ザリガニを分類
きれいに解剖?出来ました

11期生9月28日講座報告

開催日2016年9月28日(水) 曇り時々雨
講座名農業体験②
講師四日 克彦先生、他スタッフ数名
場所ゴールドファーム(北坂農園・神於山農園 岸和田市)

農業体験は2回目となるが、前回と同様に雲行きが怪しい中、6月29日の苗植えから金ゴマがどのように育っているか思い描く体験参加でもあった。

午前は農園スタッフの指導のもと、各班ローテーションによる”サツマイモの収穫””難波ネギの苗植え””大根畑の草取りと土寄せ”であるが、さすがに”サツマイモ収穫”では皆さん熱が入っている様子。サツマイモを傷つけないように茎の根本20cm廻りからクワとスコップで掘り起こすも難しい。中には割れた無残なサツマイモも。

雨が降り出した為、雨を避けてゴマの陰干しをしているビニールハウスに入ると、乾燥して弾けた金ゴマに会えました。陰干しの下のブルーシートには金ゴマが散乱していました。これが6月29日の苗植え金ゴマと聞かされ成長の速さにビックリ、約3ヶ月の収穫サイクル。乾燥したホウを手で割りゴマを採るではなく、ゴマはホウが自然に弾け、落ちる仕組み、落ちたものを集め、目の粗い金網から目の細い金網で順番にふるいに掛け、余計な物を排除し、最後に唐箕がけをし、さらに篩(ふるい)にかけてより細かく選別すると、金ゴマの出来上がりとなります。手間がかかっているのですね。

午後は神於山(こうのやま)農園での”鞍馬大根の間引きと土寄せ””牛糞堆肥を一輪車を使っての施肥作業”、時間が経つにつれ皆さんの話し声が小さくなる。足元がふらつく。その時うまい具合に雨が、先生好機とばかり本日の農業体験はこれにて閉店。助かった!

お疲れ様:此の所の雨で、畝と畝との谷底はぬかるみ、靴が取られ抜け難く、シニアの皆様悪戦苦闘、これがお疲れの最たる要因か。

お土産のサツマイモ(金時芋)と鞍馬大根の間引き菜(希望者)を、農園スタッフご教示のノウハウ料理で試食すれば疲れは何処かへ飛ぶことでしょう。(活動報告書作成3班)

金ゴマを干してます
収穫したサツマイモ
1輪車を使いこなして
丁寧に間引きます

11期生9月21日講座報告

開催日2016年9月21日(水) 曇り
講座名地質観察
講師佐藤 隆春先生(大阪市立自然史博物館 外来研究員、理学博士)
場所ラブリーホール、石川、千代田神社(河内長野市)

台風一過、秋の気配を感じさせる中での初の地質観察講座。

午前は大阪南東部の地形・地層・岩石に関する座学、午後は汐の宮駅近辺での石川河床の地質観察と河岸段丘観察であった。本日の講座目標は”花鳥風月を愛でることができる、心と場所をつかむ”と先生は冒頭におっしゃられ、受講生も本日の目標に怪訝そうな顔をして聞き入っている様子。

河岸段丘の地形と生い立ち・川のはたらき・川のつくる地形と堆積物・岩石、溶岩の見方・崖のでき方・大阪周辺の地質図・近畿中央部の地形と活断層等々と午前中の講義を終え、昼食後、石川河床の現場観察となる。川の蛇行、浸食、ポイントバー、攻撃斜面、汐の宮火山岩、河岸段丘と現場・現物講義、やはり実物を見ながらの説明は良く耳に入り理解度が増すようだ。

次に川原の石ころを4種類以上を見つける事を課せられ、皆さん一生懸命、石を割って中を確認する人、きれいな石を探す人、早々と4種以上見つけてノルマを達成する人、1500万年前の石(汐の宮火山岩)を探す人、又、変わった石と先生に見ていただくとアスファルトとの答えにガッカリ河床地質観察、河岸段丘、段丘面(千代田神社の北側)観察を終えたが顧みるに川の成り立ちと仕組みに少々気づいたか、本日の講座目標のかけらが何となく見えた気がした。気の所為?

感謝:先生が早朝、石川川原への通路確保(雑草の刈り取り)と整備・雨の為の水位確認をして頂き、受講生の安全が守られました。有り難うございました。(活動報告書作成3班)

本日の目標は・・・
溶岩の柱状節理(奥の岩)
普段は渡って見れる、残念
石を割って断面を見る

11期生9月7日講座報告

開催日2016年9月7日(水) 晴れ
講座名天体入門
講師中島 健次先生(那須香大阪天文台 台長)
場所すばるホール(富田林市)

暑い夏を避け(夏休み)、1ヶ月ぶりの講義。11期メンバー皆さん元気そうでなにより。台風の影響も有りそうな本日、室内での一日講座環境は申し分無し。ただし、午後からのプラネタリウムの時間が心配。

午前は地球・太陽・月から始まる初歩的講座「太陽と月の動き方による四季、満月・半月・三日月の現象、大きさ比較(109:1:1/4)、太陽の温度等の説明、春・夏・冬の大三角、秋の四辺形、星座を交えた星空説明、反射式天体望遠鏡の構造説明」を先生の豊富な知識とユーモアを交えたレクチャーを受けました。なかでも月の姿・形による旧暦日付名の新月、三日月、上弦の月、十六夜、立待、居待、寝待、更待、二十三夜等の説明では日本人の風情、心情、愛着心が久しぶりに呼び起こされ、また、各国の月の表面模様の説明(ウサギの餅つき、ロバ、カニ、ライオン、本を読むおばあさん等)では、民族の違いは有れ、月は身近なものに映っているようで、その模様の由来を調べてみたい気分となりました。面白くて興味深い神話・伝説に当たるかも?

午後からはドーム20m大画面のプラネタリウムによる羽曳野丘陵の夜空の観賞説明。説明者の声が何となく心地よく響き、ドーム内の暗さ加減が良いのか、不覚にも目覚めたときは星座だらけの画面で本日終了。

反省:人目の届かぬところで良心を偽らなければ、その効用は公の場に現れてくる。心体光明、暗室中有晴天。
(動報告書作成3班)

なんと太陽系外惑星3200個以上も・・
天体望遠鏡を覗く
夢の世界へ案内してくれます