12期生10月25日講座報告
講座開始時に10人程が先生から名前を呼ばれてドッキリ。「川」や「木」等の文字が苗字に含まれる方が呼ばれのだが、これは日本人が自然との関わり合いが深いことを示す証とのこと。
興福寺近辺から観察を開始、クロマツやイチイガシ・ムクロジ・ソメイヨシノ・クスノキ3兄弟・ナギ等の巨樹を観察。さらに樹木の名前の由来や見分け方、また葉の色や大きさ・形状・鋸歯の有無・葉脈の模様の違いを教わる。先生の解説は楽しく興味深かったが、全てを紹介するのは難しいので数例披露すると、
- サクラは葉の付け根にある蜜線で蟻を誘い、道中のダニや毛虫を捕らせる。
- サイカチは小動物から豆を守るため、枝に棘を生やす。
- ムクロジの実は皮が石鹸、中身は数珠に利用された。
- エノキは成長が早くて目立ち日陰にもなるため、一里塚に植えられた。
- 鹿の草食による芝刈りを人力で行うと、約2億円の経費がかかる。
最後は飛火野近辺でジャンケン大会の勝利者が、スタッフの方のお手製の装飾品をゲットし勝鬨を挙げたところで講座が終了。
ムクロジの幹の中に竹が浸入、昨年よりその数が増しているらしく自然の猛威を感じます。
クスノキの幹にできた巨大な洞を前に集合写真。皆さんの元気な姿と対照的に年々弱りつつあるそうです。
スタッフの方に用意していただいたジプロックに、採取した葉や小枝・ドングリ・種を入れるが、アッという間に満杯
12期生10月18日講座報告
今日の「信太の森の自然観察」講座は自然カレッジでは初めての講座である。
ここ信太山丘陵は市街地に囲まれ広さは約300haで大阪では珍しい湿地帯や草原が点在し50種を超える絶滅危惧種の植物が生息し、生物多様性が豊かな地域である。絶滅危惧Ⅰ類の白色のサギが飛翔するような形をした花を咲かすサギソウが自生しており、それを増やそうと受粉さして無菌培養して種子を播いているが根付くのが難しいようである。
- コバナノワレモコウ:湿地に生える多年草で花は白色でときには淡紅色で枝の先に細長い花穂をつける。大阪では自生しているのはここだけである。
- ミミカキグサ:食虫植物で黄色い花を咲かせて、花後に顎が残って耳かきの様な形となる。
- カヤネズミ:日本で一番小さなネズミで体重は500円玉程しかない。草の上に球巣をつくる。
この地はツツジも有名であってヤマツツジ、モチツツジ、ミヤコツツジ(ヤマツツジとモチツツジの交配種)が季節には咲くそうである。このような生物の多様性を保持していくのに長年にわたって保全活動を続けられており、皆様の努力に敬意を表するとともに、自分たちの身近な自然を大切にしなくてはと再認識した。信太山丘陵には別の季節にも訪れてみたいですね!
先生の説明に聞き入る受講生
ミズオトギリ(水弟切)の実
ススキに作られたカヤネズミの巣
12期生10月11日講座報告
10月とは思えない暑さ。滝谷不動駅から現地に着くまでで汗びっしょり。奥の谷ではトイレはバイオトイレ、電気は太陽光発電のみで容量が少ない為講座中はトイレの電源を切るなどの説明を聞き、元はミカン倉庫だった建物の屋根裏部屋で座学開始。途中プロジェクターの電源が切れるハプニングがあったが、生物多様性、里山の現状を学び、かまどで炊いた豚汁の昼食。外で食べるのは美味しい。
お腹いっぱいになった後、竹についての座学。日本の竹は地下茎を直線的に年3m以上伸ばし節からタケノコを出す。ほっておくと里山林、人工林にどんどん侵入して植生がダメになる。今の日本の里山林は高齢化などで手入れがされず放置されていて、山全体が竹林になっている所が多いとの事。
他に竹の種類、竹と笹の違い、年齢の見方、切る時期などを聞きいよいよ間伐実習。ヘルメット、スパッツ、皮手袋、ベルトにノコギリを付け装備完了、恰好は一人前。斜面での作業になるので滑り止めとしてアイゼンがあればなお良いとの事。間伐体験をする竹林は元々ミカン山だった所で今は一面竹に覆われている。一番良い状態の竹林は傘をさして歩けるぐらいの間隔があり、下草が生えているとの事。
作業上の注意を受けグループに分かれ伐採開始。倒す方向を決め倒す側にノコギリをいれ、倒す方向に人がいないことを大声で確認し、反対側にノコギリを入れ切断。倒れる時は「ワー」と大きな歓声が上がった。倒した竹は思ったより長く重い。持ち運びしやすいように3mぐらいに切り分けふもとの広場まで運んだ。チップにして肥料に使ったりして無駄なく活用するとの事。
最後にヒヤリとした事、先生から見て危なかった事を話し合い終了。竹の知識を深めたり、カマキリの寄生虫のハリガネムシを見つけたりした里山の一日でした。
伐採時に注意することの説明を聞いています。
決めた方向に上手く切ることができました。
切った竹を広場まで運び出します。重い!
12期生10月4日講座報告
後期スタートの今日の講座は「キノコ入門」である。
一般には食生活でキノコとの関りは深いが“キノコはどんないきものなのでしょうか?”と聞かれてどれだけ答えられますか。先生から提供いただいた資料は75ページ(コンパクトにコピーし配布)で、これを理解すればキノコの世界の入り口には立てるかな。
午後からは烏帽子形公園でキノコ採集し、同定して解説して頂いた。全員が枯葉の下、木の根元、切り株、藪の中など蜘蛛の巣や蚊にも負けず鵜の目鷹の目でキノコ採集に熱中しました。カサのあるのや、球形や、20㎝から2㎝大小様々、白色、褐色、灰色、赤色など全部で37種類。
- テングタケ:色は褐色で形は細菌時では半球形で成長してカサが広がり平らになる。毒キノコでベニテングタケより毒性が強いと言われている。
- ドクツルタケ:奇麗な白色だが人が死亡する程の強い毒を持つキノコです。カサが円錐形のかわいらしい形から成熟すると開いていき平らな形状になる。KOH(水酸化ナトリウム:一部のキノコの判別に用いられる)で黄色なる
- ワサビタケ:切り株上などに群生し名前の通り強い辛みがある。
今年は天候不順で例年より種類が少なかったが次回を期待しよう!
12期生9月27日講座報告
講座は「野鳥観察の基礎知識」からスタートし、鳥の特徴や歴史・分類を学ぶ。
ハシブトガラスとハシボゾガラスの違いを聞いて、孫に教えてやろうと意気込む方も。さらに野鳥観察のための道具や場所・注意事項の解説も受ける。これからの観察時には野鳥や自然に迷惑をかけないフィールドマナー「やさしい気持ち(『や』:野外活動、無理なく楽しく、『さ』:採集は控えて自然はそのままに‥‥)」を遵守しましょう!
午後は大泉緑地で実践、昼食もそこそこに大泉池に集まるアオサギやカルガモ・カワウ等の姿を双眼鏡で追っかけて大はしゃぎ。鳥の2種類の鳴き方「さえずり」・「地鳴き(ジナキ)」の違い等を教わりながら、水流~樹のみち~大芝生広場~頭泉池のコースを巡る。途中、先生持参の望遠鏡でハクセキレイの頭部の模様やダイサギの黄色の嘴等を見て歓声が上がる。ようやく双眼鏡の使い方に慣れたのか、頭泉池では対岸のゴイサギ・オオバン・カルガモ・ヒドリガモ等を見つけて大喜び。
最後に中央休憩所で鳥合わせ、鳥の活動が鈍る午後、曇天で葉が茂り姿を見つけにくい等の悪条件ではあったが、何とか25種を観察できた。11月の大阪城公園での講座に期待を膨らませたところで終了。
池の水面や対岸に何種類もの野鳥を発見。皆さん、夢中になって双眼鏡で野鳥探し。
カメラの性能が低くよく判別できませんが、頭泉池ではコサギ(白色のマーカー)・アオサギ(灰色)・ゴイサギ(青色)3役揃い踏みも(?)
講座の最後は定番の鳥合わせ、先生は参加人数くらいの野鳥を見つけようと意気込んでいましたが、見事25種を観察!
12期生9月20日講座報告
本年度初めての農業体験、神施山農園へ。ゴールドファーム設立の経緯、本日の作業内容の説明を受け作業開始。
先ず難波ネギの植え付。苗を植えるための溝を作り30㎝間隔で1ヶ所に8~10本植える。食べると柔らかくぬめりが多く美味しいとの事。植え付けた細い苗からは想像できないがどのように成長するか楽しみです。
農村公園に移動。金ゴマの脱穀、干してある状態でゴマの枝をたたき金ゴマをシートに落とす。次にたたいた枝を外しシートの上で一粒も残さない様、再度たたく。かなりの量が落ちた。取り出したゴマを目の粗いフルイから細かいフルイに順番にかけ余分なものを取り除く。今回の脱穀作業はここまで。製品になるまでにはまだまだ工程があるとのこと。
その後北阪農園へ。ゴマの刈り取り作業、葉を落としてから刈り取り麻ひもで束ね干場へ。先ほどの脱穀作業とあわせ大変な手間がかかることを痛感した。いよいよ待望のサツマイモ掘り。葉の取り払い方、掘るときに注意する事の説明を受け作業開始。なかなか難しくスコップで切られて無残な姿になったサツマイモあり、見事なのを掘りあげ歓声を上げる者もあり、収穫の楽しさを充分味わってお土産にいただきました。
店頭ではほとんど見ることのない「なにわの伝統野菜の難波ネギ」「国内産金ゴマ」を知ったことは今回の講座の大きな収穫でした。
難波ネギの植付
金ゴマの脱穀
こんなに大きなサツマイモが取れました
12期生9月13日講座報告
今日は金剛山山頂周辺でのフィールド学習です。
スタート地点への集合手段は自力(歩き)組と他力(ロープウェイ)組の2通り。山頂北側の金剛山駅からカタクリ路を植物観察しながら南側の国見城跡へ向かう。
遊歩道の花は小さいものが多く朱赤色のフシグロセンノウ(直径4~5㎝)が今日観た花では一番大きかった。ミズヒキの花の上半分は赤色、下半分は白色で和名はこの紅白が水引に似ていることに由来する。ヘクソカズラは可憐な花なのに臭気のせいで薬用の効用や美肌化粧料の効果があるにもかかわらず、このような可哀そうな名前がついている。「屁糞葛も花盛り」と言う諺まであるそうです。“嫌な臭いが有って好かれない屁糞葛でも愛らしい花をつける時期があるように不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力がある”と言う意味です。少しひどい例えですよね。植物の名前の由来を調べるのも面白いかもしれませんね。
「観察しながらメモを取って、帰ってから図鑑やネット検索で調べると記憶に残りますよ。」と同行して頂いた神山先生からアドバイスをもらいました。それはわかっているが、なかなか実行できません。皆さんは如何ですか。
山頂で集合写真!講座参加の証拠写真?
見返り草:名前の由来は通り過ぎた時に見返る程美しい花なので
ヤマシャクヤクの結実した黒色の種子と結実しない赤色の種子
12期生9月6日講座報告
約1カ月の夏休みが終わり、久し振りに講座再開。皆さん元気そうで何より。曇りがちの天気で、夏場としては絶好の講座日和。17年間加呂登池に関わってこられた佃先生のユーモアあふれる説明に笑いが絶えない。
午前中の座学はカタクチイワシの煮干しの解剖からスタート。煮干しを切断し爪楊枝で脳・耳石・心臓・肝臓等を仕分けるが、小さな耳石を見つけ感嘆の声も。その後は3種類の淡水魚類群集やメダカとカダヤシの違い等を教わる。
午後は古事記にも掲載されているらしい加呂登池へ。2組に分かれ、まず入水グループは初めて使う胴長に興味津々、着用に悪戦苦闘する者も。泥に足をとられながらもトラップを仕掛けたり追い込みを掛けたり。一方のザリガニ獲りグループも最初は戸惑っていたが、コツをつかむと入れ食い状態に。陸に上がりいよいよ獲物の仕分け。
始めは一匹一匹先生に教えを乞うていたが、自力で仕分けができるようになる。特にメダカとカダヤシの違いもわかり、やはり「百聞は一見に如かず」!メダカ8匹を始め、モツゴ・タモロコ・ヨシノボリ・カダヤシ・スジエビ・ミナミヌマエビ・ザリガニ(推定100匹超)等の大漁に、一同大満足のうちに講座が終了。
胴長を着用し、魚を追い込み網で捉える高度なテクニックを披露(誰ですか、「胴長短足」と言っているのは?)
スルメをエサにザリガニと知恵比べ、見事人間が勝利し獲物をゲット!
大漁だった淡水魚等を皆で仕分けて行くと、何と9種類にも及びました。
12期生7月26日講座報告
二色浜駅前のセミの凄まじい鳴き声に送られ近木川へ。
近木川は二度ほどワーストワンになった事があるぐらい汚れがひどかったが最近は改善されてきて、アユの遡上も見られるなど先生の話を聞いている間に多かった水量もみるみるうちに引き、カニの生息しているヨシの根本にある巣穴が見えるほどになりカニ釣り開始。40分程で100匹近いカニを釣り上げた。
黒ベンケイガニ、ハマガニ、アシハラガニの3種類でオス、メスの見分け方、それぞれの体の特徴、雑食でヨシの葉、魚の死骸などを食べるなどの説明を聞き、観察後元の生息場所に返し干潟へ移動。今回は見ることのできなかったハクセンシオマネキも生息しているとの事。
午後から干潟で生き物探し。熱心にアサリを掘っている人、引き潮の流れに足を取られそうになりながら魚を追う人、楽しそう。ハゼ、カニ、ヤドカリ、貝類、海藻など採取した物を持ち寄り観察。縦にも歩くことができるマメコブシガニ、ウナギの赤ちゃんのようなミミズハゼ、昨年から増えてきたレッドリストのウミニナ、大阪ではこの辺りのみ生息しているクチバ貝など多くの生物を見る事が出来た。
先生から護岸工事で無くなったワンドが再生された(汽水ワンド)そこにどのような生き物が住みついているか調査している。天然の浄化槽である干潟を取り戻し、多様な生物が生活できる環境が出来たらとの話を聞き、自然遊学館に移動。本日の講座を終わった。
足の毛が濃いクロベンケイガニです
何がいるかな?
採取した生き物の説明
12期生7月19日講座報告
ネイチャーゲームとはゲーム形式で自然と遊び、楽しみながら「自然への気づき」「自然からの体験や感動を分かち合う」を自ら学ぶ事が出来るとの説明があり、今の子供たちはテレビ、ネットの画面で見たことを知っているつもりになっている。実体験で知ってほしいとの話があった。今回は五つのゲームを体験した。
- この指とまれ:カードのヒントで同じ種類を持っている人が集まる。なじみの生き物でも知っているようで知らない事があり、情報交換の必要を体験
- フィールドビンゴ:木の特徴の書かれたビンゴカードを持ちグループに分かれ西原公園へ、体験した事、感動した事は皆で分かち合う事を学ぶ
- カモフラージュ:植え込み、地面などに置かれ隠れているものを見つける。これは自然界の生き物はどのように生活しているかを知り、自然を見る目が育つようになるとの事
- カメラゲーム:目を閉じた人とペアーを組み、目を閉じた人に見せたい景色などを瞬間に見せ頭に焼き付ける。のち記憶を絵に描く。瞬間瞬間の思い出を作ってあげる事が出来る
- フォールドポエム:畳んだ紙に上から順番に送る言葉(次の人は見える)、送られた言葉の返答(次の人には見えない)を書く。開いて読むとそれぞれの思いが入った詩になっていた。これは気楽に書くことができ思いを伝える事ができる。
ネイチャーゲームをする事により、今までとは違う形で自然を楽しみ、遊び、自然から学ぶ事を童心にかえり楽しんだ一日でした。
この指とまれ
同じ仲間はどこかな
フィールドビンゴ
樹の幹の特徴は?
カモフラージュ
どこに隠れているのかな