13期生2月19日講座報告
午前はスライドを見ながら、大泉緑地の多くの生き物と菰巻きについて受講した。菰巻きは江戸時代に大名庭園で行われたのが始まりとされ、マツカレハの幼虫(マツケムシ)を除去する方法のひとつ。近年の菰巻き調査ではマツカレハの幼虫は少なく、獲れるのは益虫がほとんどで、今は生き物の調査を目的としている。また、大泉緑地にかつて(10年程前)いた生き物、梟(トラフズク)は虫や小動物、小鳥などを生きたまま捕らえ飲む込み、羽や骨、毛など消化できない物をペレットとして吐き出す。ペレットに入っていた蝙蝠や鼠の骨を観察、下顎骨、頭蓋骨、肩甲骨、大腿骨等全身が綺麗に揃っていて感動した。このペレットの観察によって大泉緑地やその周辺に生息している生き物たちがわかる。
午後は3班に分かれフィールドワークへ。1班クヌギ、2班ムクノキ、3班アキニレを担当。まず、菰巻をしていない裸の樹皮の間や裏にいる虫を採取。続いて菰を回収し、菰の下になっていた樹皮上の虫をすぐさま採取。部屋のテーブル上に菰を広げ、眠りから覚めて歩く回る虫を易しく、てきぱきと容器の中へ。カメムシ、テントウムシそしてクモ等沢山の種類と数多くの虫を採取した。生き物たちは冬の間も活動していた。最後に先生から「何故ここにいるのかを考えることにより観察眼が養え、そこから楽しさが生まれてくる」と教えられた。心に留めておきたい。(3班作成)
トラフズクが吐き出すペレットの中にアブラコウモリの骨がたくさん見つかりました。
何が潜んでいるかワクワクしながら、樹皮をめくります。
あちこちで悲鳴と歓声。どんな小さな虫も逃がしません!
13期生2月12日講座報告
午前は博物館内で講義を受けた。大地に根を張って動けない植物の移動方法には3つあり、①花粉で移動する(サクラ等)、②タネで移動する(タンポポ等)、③植物体の一部で移動する(主に水草の仲間)である。では、なぜ動かないとダメなのか(動くことでどんなメリットがあるのか)?それには諸説あるが、代表的なものは①逃避仮説:親株から離れることで生存率が上がる、②移住仮説:生育地を変えてできるだけ広い範囲に種子をばら撒く、③指向性散布仮説:特定の散布者に生育に好適な場所に運んでもらう。他にもあるがどの仮設が正しいかと言う証明は困難とのことである。
移動方法の中でよく知られている【タネ「種子、果実」】の場合は4つあり、①風で運ばれる、②水で運ばれる、③動物で運ばれる、④自力でどうにかするである。
では【タネ「種子、果実」】とは何か?遺伝子を運び、子孫を残すもので、いろいろな形状(変わった形の実物を観察して面白かった)がある。「種子」とは受精後胚が発達して形成される普遍的な散布体(動くもの)。例えば、スイカの種。「果実」とは種子とその付属物(花托等)からできている散布体である。スイカそのもの。面白いことに、綿毛で飛ぶ小さなタンポポの種も果実で大きさが違うが、スイカと同じ果実である。
タネの移動方法の①風で運ばれるは、「毛」でふわふわ(タンポポ、ガマ等)、「翼」で滑空(ウバユリ、アルソミトラ:種子の周りに約10cmの大きな翼がある)、②「水で運ばれる」は海流(ヤシ)、氾濫等の水の流れ(コオニタビラコ)、水滴(ヤマネコノメソウ)等、③「動物で運ばれる」は動物にくっつく(ツノゴマ)、鳥が運ぶ(クスノキ)、哺乳類が食べて運ぶ、食べ残し隠し忘れ(ドングリ)、アリが運ぶ(カタクリ)がある。④自力でどうにかするは、タネを弾く(フジ等のマメ科)である。
午後は当博物館の展示物を見学後、長居公園内で果実等を採取し、講義室で各班ごとに同定と移動方法の発表を行った。いろいろな果実等が見つかり、先生のウイットに富んだ講義で楽しく学ぶとともに植物のタネの多様性と不思議な生命力を感じる講座であった。(2班作成)
カエンボク(火焔木)の種。円盤状の薄皮に包まれていて風で散布される。
フウの木の果実を触ると種が落ちます。
たくさんの果実を採取し、先生と一緒に移動方法について推察します。
13期生2月5日講座報告
今日の講座は「信太山の自然観察と野外炊飯」です。信太山青少年野外活動センターに集合。AMはみんなで豚汁作り、PMは蝶のオオムラサキ・ゴマダラチョウの幼虫と二ホンアガカエルの卵の探索です。“サァー!”豚汁づくり開始。皆で持ち寄った材料の仕分け、男子は火おこし部隊、火の扱いに慣れているのか、鍋はすぐにグツグツと沸騰、材料を投入、あとは出来上がるのを待つだけです。ワイワイガヤガヤ楽しい料理?作り体験になりました。昼食は、豚汁と皆さんそれぞれ持参のおにぎり、美味しいおかずの差し入れ、食後のコーヒー、持ち寄りのおやつも付いて、いつものランチより豪華になりました。
午後は三輪先生から“和泉市の自然の豊かさ”についてお話があり、“自転車でいける自然遊びを目指しています!”のお言葉はとても印象に残りました。次はオオムラサキ、ゴマダラチョウ(運が良ければテングチョウ)の幼虫探索。幼虫はエノキの葉の裏につくので、そのために「ケヤキ」「ムクノキ」「エノキ」の葉の見分け方を教わりました。葉脈と鋸歯(きょし)の形状で見分ける。区別しづらいの一言でした。皆さんの努力の成果で、ゴマダラチョウの幼虫4匹の探索に結びつきました。次は二ホンアカガエルの卵嚢の探索です。林の奥へとブラブラ散策しながら移動。すぐに小さな池を発見。先生と受講生代表1名で池の水際まで行き、卵を捕獲。皆さん、ケースの中の多数のカエルの赤ちゃんになる卵を見て、感激の声!声!声!最後に先生からまとめのお話もあり、信太山の自然を満喫した一日となりました。(2班作成)
美味しそうな豚汁が完成です!
みんなで豪華な食事タイム。
二ホンアカガエルの卵たち。触ってみるとゼリーの様です。
13期生1月22日講座報告
谷町4丁目地下鉄駅からすぐの大阪合同庁舎4号館内の大阪管区気象台へ。こんな所に気象台があるとは大阪生まれだが、今の今まで知らなかった。入場は比較的厳しく誰でもがビル内には入れず、事前に入場申請し、ICチップ入りの名札型カードを受け取り入場できる。16Fの会議室に集合し、担当者の方からの挨拶の後、気象に関する簡単クイズ(気象庁の予算は国民1人当たりいくらか)で始まった。気象庁は国土交通省に所属し20年、現在の職員数は5000人で、思ったよりも少ないと感じた。地震と津波の話で日本は常にプレートの圧力を受けている。津波の速度は発生時が800kmで浅い方向へは速度が遅くなる、まぁ~それでも陸地到達時点では30kmになる。次に現業室を見学。ここでは実戦部隊がモニターを見ながら天気、地震を監視している部屋に入れていただき説明を受けた。地震発生時は震源地をコンピュターが自動的に算出して「ここ」って教えるのかと思っていたが、実際は人間が携わらないと最終的には場所を特定できない。見学の最後、アメダスに設置されている我々がよく目にする雨量計、風速計、温度計などの実物を前にして計測方法の説明を受ける。
午後は阿波座駅近くの津波・高潮ステーションへ移動。まずは大阪の高潮災害の歴史とそれに伴う防災設備の説明を受ける。館内は高潮に関する展示物がリアルに表現されており海抜0mがどういったものか実物大の家屋の一部を展示してあり高潮水害の時はここまで水位が上がったと表示されており理解しやすい。皆が興味を持ったのが南海トラフ地震時の津波の影響を表示できるディスプレイ。居住地選択して表示させると津波が届くかどうかを確認でき、自身に関係する人たちの居住地が水没するかを予測できた。最後、津波が大阪を襲った時の3次元バーチャル映像は迫力がありなかなか見ごたえがあった。南海トラフ地震もそう遠くない時間で押し寄せてくる気配を2つの講義で感じ、本腰を入れて緊急避難用具を検討いたします!!(2班作成)
コンピューターがずらり並んでいる地震監視の現業室。緊急時には人がもっと増えるそうです。
アメダス装置(温度計・雨量計・風速計)の説明を受ける。地上の測定装置は意外とシンプル。
津波の恐ろしさを体感する。“いつか起きる災害に油断をしてはいけない!”
13期生1月15日講座報告
白味噌作りの材料、ミンチに仕上げた大豆(300g)と米麹(800g)と塩(110g)を用意して頂いており、時短で半日もかからないうちにみんなで仕上げることができた。手を消毒し、消毒したボールに麹と塩を入れ混ざったら、大豆を入れ、手のひらでまんべんなく全体を練り込むようにかき混ぜる。固めになれば、豆の煮汁を足してもらう。手で形づけられるまで練り、それを丸めてみそ玉とし、容器にみそ玉をギューギューと並べて隙間なく、空気が入らないように真剣につめていった。
最後は表面をよくたたいて平らにし、食用品ラップフィルムを張り付けた。味噌の保存方法の説明を受けた。50日間室温で熟成すれば、美味しい味噌が出来ます。ちょうど春野菜と和えて食べるのも良し。熟成後は、冷蔵庫か冷凍庫に入れて、熟成を止め、空気に触れないようにすると日持ちする。もしカビが生えたらそこだけを取れば大丈夫。“手前みそならぬ麹は発酵食品で、腸内環境を整え体調がよくなる”と先生から麹のPR。手にずっしりくる味噌だったが、おいしく食べられるのを楽しみに持って帰った。
午後は、カレッジの部会担当理事から11部会の説明を受けた。どの部会も特徴があり、4月からはそれぞれに分かれて部会活動を楽しむことになります。
エプロン、三角巾姿で味噌づくりの説明を受けます。
麹と塩をよく混ぜ、大豆を入れ “美味しくな~れ!”とさらに練りこむ。ちょっと疲れ気味。
空気が入らないように味噌玉を容器に詰めます。集中して、真剣に!
13期生12月18日講座報告
午前中は資料館3階の剥製展示から見学。
迫力満点のライオンにアムール虎とベンガル虎、俊敏に動く豹とチータ。日本の体長1m位のツキノワ熊、キジ・クジャク・カモ等の鳥、小さいがゾウ・カバ・キリン・シマウマそして多数の魚の標本や、世界三大珍獣のオカピ(森の貴婦人)がある。三大珍獣はコビトカバとジャイアントパンダです。また、石のコーナーがあり、大阪府の石はドーソン石・和泉青石が展示されていた。
2階展示物では、マチカネワニの全身の骨格標本と、その横にキシワダワニ(70万年前)の頭部骨格標本とワニの年齢が分かる頭部(目の周辺)の鱗骨が展示されていた。ナウマンゾウの化石(レプリカ)も有り、牙の形状はマンモスはカールしているが、ナウマンゾウは前に伸びている。また、像の種類はアフリカ象・アジア象・マルミミ像の3種類である。そして、恐竜の名前の○○サウルスはトカゲの意味である。
午後からは化石の型作りをする。アンモナイト2種・2枚貝のイノセラムス、プテロトリゴニアのシリコン鋳型から1つを選び石膏を入れ、石膏が固まるのをワクワクしながら待ち、化石のレプリカを作る。最後に貝の化石(岐阜県瑞浪市発掘)が詰まった石灰岩をコンクリート釘で真上から叩いて親指大の貝の化石を取り出す。私は上手く1つ取り出せた。皆さんと楽しい体験ができた。(1班作成)
レプリカ資料の重要性を聞き、只今、アンモナイト、二枚貝のレプリカ作成中。上手く固まるだろうか?とちょっと気になるよ。
キシワダワニやマチカネワニの説明を聞きながら、想像の翼を広げ、60万年前の生息風景を思い浮かべる。
「この辺かな」「よーし、打ち込んでみよう」チーム一丸となって貝の化石の取り出しが始まる。さて、上手く取り出せただろうか?
13期生12月11日講座報告
先生は、岩湧山に年間通って1000種類の昆虫のマクロの写真を撮り続け、今では見たことがない虫とは出会わないそうです。山の虫を知り尽くした写真の報告とマクロの写真の世界の体験を見せて頂いた。「綺麗なものを見るだけが自然観察でない。」と話され頷きました。人間が嫌がる虫も先生のカメラにかかれば、綺麗な芸術写真に変わり、目を見張るものばかり。動画の映像では、ヒメバチの木に産卵管を指すところや、アオバズク(フクロウの一種)の飛び立つところ、ムササビの日没の活動、クマバチの巣箱作り、オオスズメバチが、シダクロスズメバチを土の中から捕まえる映像などなかなか見られない動画の紹介。カンタン、キリギリス、バッタの鳴いている映像、トンボ・チョウ・ナナフシの交尾シーンや産卵など。交尾中は動きがゆっくりで、ほかのものが気にならないので、撮りやすい。ジョロウグモが、葉にひっかかり、巣を切りながら、修正していくなど珍しい、なかなか見られない動画ばかり。
午後は、お札や微小貝のマクロの写真実習。1万円札や5千円札の数字の下にはNIPPONGINKOの文字が、肖像画の顔や眼には、模様がぎっしり。偽札なんて考えられないくらい緻密模様のお札を再発見。微小貝は、肉眼では、砂粒にしかみえないけれどマクロの世界では、貝の模様もはっきり、綺麗に光った貝を見ることが出来た。カメラのレンズも高価なものだけでなく、手軽な携帯電話やタブレットに百均のレンズをつければ、充分マクロの写真が撮れ、マクロの世界の楽しさを満喫することが出来た。(1班作成)
千円札の野口英世の頭付近の背景の模様を見ます。“見えた見えた!NIPPONGINKO”
先生がオリンパスギャラリーに出展された“ヒグラシ”の写真。単眼2つ、複眼3つがよく見える。
岩湧の森のクマバチ。巣作りに懸命でカメラを近づけても動かない。
13期生12月4日講座報告
朝、近鉄大和西大寺駅集合です。シニアカレッジ先輩の野鳥部会の方々と遭遇しました。泉北野鳥の会、3名の先生の御指導頂きながら平城宮跡に向かいました。途中、秋篠川でマガモ、コガモを見つけ、観察します。少し寒かったですが、穏やかなお天気の中、平城京跡地ではイソヒヨドリ、モズ、メジロを観察し、キジ、ウグイスの鳴き声を聞き、上空ではホバリングしているチョウゲンボウを目撃。途中、大極殿院南門の復原工事を見学しました。
昼食後、中々難問な[野鳥クイズ]に全員で挑戦です。10問中7問正解の方が2名で最優秀でした。水上池ではたくさんの水鳥(カワウ、カルガモ、オオバン、ハシビロガモ、ヒドリガモなど)に出会えました。向こう岸ではキセキレイ、ハクセキレイが元気に飛び回っています。人懐こいコハクチョウの綺麗な姿も近くで見ることが出来ました。約38種類の野鳥との出会いも有り、有意義な1日を過ごすことが出来ました。(1班作成)
電線に止まっているモズ。オスかな?
たくさんの水鳥を観察出来たが種類の見分けが難しい。
水上池のオオバン。オスとメスが交代で抱卵します。
13期生11月20日講座報告
午前中は九度山町散策。
2班に分かれて九度山町まちなか語り部の方の説明を受けながら、真田昌幸、幸村親子が大坂夏の陣まで過ごした真田ゆかりの里(真田庵、真田抜け穴伝説の古墳等)を散策しました。その後、弘法大師の母が住んでいた慈尊院へ。慈尊院は女人高野といわれ、高野山への玄関口でもあり、冬季の避寒修行の場とされていたそうです。高野山への道標の180町石、179町石を教えてもらい、“シニアカレッジ修了迄に世界遺産の高野山町石道を歩いて高野山まで登りたいね”と話題に上がりました。空海が伝えたと言われている(?)高野和紙の体験が出来る勝利寺紙游苑の境内の縁側で昼食のお弁当を食べ、いよいよ紙漉き体験です!
和紙は楮(コウゾ)を大釜で蒸し、黒皮を削ぎ、灰を入れて煮る、その後、叩きほぐして楮繊維にして、水とトロロアオイの粘液を混ぜて紙を漉き、天日で干す工程で作られています。紙漉きの仕方を教わり、干し板に張りタオルで水分と空気を抜く作業を経験しましたが、自分達が漉いた和紙が3月の修了証として頂けると思うと、皆さん熱心です。
今日も賑やかに色々な体験が出来た楽しい一日でした。翌日(21日)、NHKの番組「あさイチ」に、九度山町を案内して頂いたお二人の語り部の方が出演されました。(3班作成)
鎌倉時代に作られた高野山へ向かう最初から二つ目の179長石。“いつか私たちも高野山を目指して頑張ります!”
真田幸村父子の屋敷跡の真田庵。
きれいな終了証の和紙が出来ますようにと思いを込めて、懸命に水分を拭き取ります。