大阪シニア自然カレッジ

13期生講座報告

13期生11月6日講座報告

開催日2019年11月6日(水) 晴れ
講座名地質・地層の観察
講師佐藤 隆春先生
場所ふたかみ文化センター、ドンズルボー(香芝市)

午前中はふたかみ文化センタ-で【ドンズルボーで火山活動を読む】のテーマで講義を受ける。

今から1300万年から1500万年前の瀬戸内火山帯で火山活動が行われていた頃の二上山の火山活動の様子を学ぶ。猪牟田ピンクテフラ(火山灰)の分布図から火山災害時の被害の大きさ知る。私達の居住する堺市周辺にも105万年前、九州のカルデラ噴火で噴出した火山灰が40㎝も堆積している跡がみられる。

午後からは車でドンズルボーに移動する。ゆったりした階段を上り、滑りやすい凝灰岩の白い岩の間を注意しながら登ると、白い岩の絶景が見える。バブルの頃に一角を潰してしまったとの説明を受ける。残念である。白い地層のなかにある火山豆石を観察する。円盤型をしている。次に火砕流の流れの見える場所に移動する、岩の間の険しい道なき道を辿る。いくつもの地層が重なっている。火砕流の層の中に黄色い鉱物、火山ガラスの変形したものなどを観察する。

「火山活動の地層を調べるのは根気のいる仕事であるが、過去に起こった出来事を見出すことができ、石はその気になれば、いろんなことが分かるものである。」との話を聞く。今、この場所で過去に爆発が起こり、火砕流の流れた様子が想像できるような気がした。(3班作成)

13期生10月30日講座報告

開催日2019年10月30日(水) 晴れ
講座名地質・地層の観察
講師佐藤 隆春先生
場所ファインプラザ大阪(堺市)、光明池緑地(堺市・和泉市)

午前中はシダ植物について講義を受けました。シダ植物の名前は人為的につけられた呼び方で大きさ形は多種多様だそうです。

午後は光明池周辺に生息しているシダの観察に出発。今日はレポートを書く当番だから頑張るぞと意気込みましたが、あまりにも沢山の種類でギブアップ。歩きながら説明して頂いた沢山のシダの名前を紹介すると、コハシゴシダ、コシダ、ベニシダ、エンシュウベニシダ、サイゴクベニシダ、オオイタチシダ、オオベニシダ、ギフベニシダ、トウゴクシダ、シケシダ、トラノオシダ、ハカタシダ、アマクサシダ、ミドリヒメワラビ、ワラビ、オクマワラビ、ハリガネワラビ、ヒロハイヌワラビ、ゼンマイ、カニクサ、ミズスギ、ホラシノブ、ノキシノブ、タチシノブ、イノモトソウ、オオバイノモトソウ、イヌケホシダ、これらのシダの仲間で食べられるのは、ゼンマイ、ワラビ、コゴミ(草ソテツ)だけだそうです。

今までは我が家に生えているシダの名前も知りませんでしたが、これからはシダいに関心を持っていけるかな?(3班作成)

カニクサ、ミズスギなど珍しいシダを観察。葉を裏返したり、根元をのぞき込んだりと種類の見分け方が難しい。
コシダ(子羊歯)の群生。高く伸びる茎は、かごを編む材料になる。
ノキシノブ(軒忍)。“これもシダやったんや。家にもあるわ。”と再認識。

13期生10月23日講座報告

開催日2019年10月23日(水) 晴れ
講座名奈良の巨樹観察②
講師甲斐野 幸一先生、他2名(グリーンあすなら)
場所春日奥山遊歩道、滝坂の道(奈良市)

秋晴れの中、奈良公園の春日奥山原生林の巨樹、巨木観察の講座です。

最初に春日大社のイチイガシの巨樹とナギの木が出迎えてくれました。ナギはご神木で鹿も食べないので増える一方です。滝坂の道(柳生街道)を進み、スギ、モミ、イチイガシ、イヌシデ、アカガシなどを観察します。渓流沿いを歩き、途中石畳があり、昔、生活道路として使われていた道で荷車が行き来していたそうです。今でも轍のあとが残っています。寝仏、夕日観音、朝日観音などの石仏が歩く人々を見守ってくれ、70年ほど前に掘られた防空壕の穴も残っています。首切地蔵のある休憩所で昼食。

午後は春日奥山遊歩道を引き返します。モミジとケヤキの枝の一部がひとつに繋がっている“連理の枝”があり、仲睦まじいように見えますがケヤキは “しっかりしーや”とモミジに言っているようです。等間隔に人の手で植えられたモミジ・サクラは、彩を添えてくれます。巨樹の中で負けじと育つサクラは高く伸び、高い所で咲く花は、愛でられることはありません。ナギ、ナンキンハゼの繁殖、シカ、ナラ枯れの被害など問題が多いが倒木更新しながら1200年にわたって保護されてきた原生林です。

今日は少し疲れましたが、いっぱい森林浴もし、巨樹、巨木に癒された楽しい一日でした。(3班作成)

春日大社のスギ、イチイガシの巨樹の説明を受けます。
威厳のある大杉の老木(幹回り8m 樹齢600年)。“滝坂の大杉”と呼ばれています。
600年)。 “滝坂の大杉”と呼ばれています。 昼食後のゲーム。ホウノキの幹回りと同じ長さのロープに12人が入りました。

13期生10月16日講座報告

開催日2019年10月16日(水) 晴れ
講座名粘菌の観察
講師川上 新一先生(和歌山県立自然博物館 学芸員)
場所堺自然ふれあいの森(堺市)

大阪シニア自然カレッジとしては初めての粘菌講座。

午前中、座学でスライドを見ながら、粘菌について易しく解説していただいたが、中々アカデミックな内容であった。粘菌はかつて別名変形菌とも言い「菌」と言う名前が付けられているが菌類でも動物でも植物でもなく、アメーバ動物の一種とされている。粘菌はキノコや苔と同じく胞子で子孫を残します。飛散した胞子がピッタリの条件の場所に着地すると中からアメーバが生まれる(細菌アメーバと言う)。で、アメーバは餌(バクテリア等)を食べてどんどん大きく成長し、機が熟すると、きのこのような子実体になる。

粘菌は一生のうちアメーバのような動物的な時期が有れば、キノコのような菌類的な時期もある。粘菌は核がたくさんあって分裂して増えるが細胞質が分かれない為、細胞としては1つ(単細胞)で、1時間に数ミリ~数センチ動く。

午後は室内で粘菌の見本を観察した後、全員が「粘菌を見つけてよう」と元気いっぱいにフィールドワークへと出かける。先生から探すポイントを聞き腐朽木、腐葉土、生木樹皮を沢山の眼が凝視するがなかなか発見の歓声が起こらない、しばらくして先生「これはどうですか?」の声、「これはキノコ類ですね」「これは菌類ですね」となかなか見つけることができない。ついに「おめでとう!」の先生の声に歓声が沸き、最終的にみんなで4種を見つけることができた。

最後に顕微鏡で「ウツボホコリ」の色の鮮やかさ、「シロウツボホコリ」のつくしの様な可愛い形状、「ツヤエリホコリ」の愛らしい胞子を見て感動の声があがった。日常に見過ごしている小さな世界の美しさと神秘さに触れた一日だった。(3班作成)

秋晴れの中、いよいよ粘菌探しに出発。未知の世界を見るようで楽しみです。
あちこちから、「残念!」「発見!」「おめでとう!」の声々。先生にその都度、粘菌かどうか確認してもらいます。
朽ち木で発見した“シロウツボホコリ”。触ってみたら柔らかいです。

13期生10月2日講座報告

開催日2019年10月2日(水) 曇り
講座名淀川の生物多様性
講師小田 優花先生(大阪府立環境農林水産総合研究所)
場所生物多様性センター(寝屋川市)

午前中は久しぶりの座学。森・川・海などで様々な生物が他の生物と繋がりあって生きている、“生物多様性”をテーマに生物多様性の恵みや危機の説明を聞き、生物多様性を守るために私たちができることは何かを考えた。

午後からはビオトープ池で餌を入れたもんどり網を池に仕掛け、どのような魚に出会えるのかと期待に胸が躍る。隣の小さなビオトープには稲が実り、今回は見ることが出来なかったが絶滅危惧種のコナギが育っている。田んぼの端で細い糸トンボが卵を産みつけているシーンを見ることが出来た。池のほとりでカマキリを見つけ、先生がカマキリの尾の部分を水につけると、なんとも不思議。お腹の中に寄生していた細い虫が尾の部分から少しずつゆっくり出てきて、その長さは20㎝近くもあるハリガネムシです。初めてのことで目が釘付けになるとはこのことだと思った。

淀川のシンボル魚、イタセンパラもセンターの水槽で見ることが出来た。ビオトープは自然がいっぱいで好奇心を広げてくれる。生物の多様性を守るには地域に昔からいる生物を大事にする事、捕まえたものは他の場所に移さない事、ペットは手放さない事など生物多様性の恵みを受けて私たちは豊かに暮らしている。今回の講座も珍しい体験をさせて頂きました。(2班作成)

イタセンパラ。ちょうど交尾時期でオスは婚姻色の淡い青紫色に変身。二枚貝に卵を産み付けます。
もんどり網の仕掛けの説明を受けます。この日はタモロコ一匹だけに出会えました。
ビオトープをのぞき込み、どんな生き物が居るか探します。

13期生9月25日講座報告

開催日2019年9月25日(水) 快晴
講座名府民の森・ほしだ園地の自然観察②
講師武田 敏文先生、正野 明先生、他6名(日本パークレンジャー協会)
場所ほしだ園地(交野市)

シニア自然カレッジに参加して二年目のもはや6か月。公共交通機関(私鉄電車、地下鉄、バス)の利用や徒歩で目的地に行く楽しさも覚えました。

ほしだ園地で自然観察をしながら、私たちは秋空とこの季節の植物や昆虫との出会いを楽しみました。今、山裾に沢山咲いている「ヒヨドリバナ」。アサギマダラのオスがこのヒヨドリバナの蜜を吸い、メスを呼ぶためのフェロモンを作る事など、自然界の仕組みは面白い。

楽しみは「星のブランコ」と名付けられた美しい吊橋。吊橋を渡るとなぜか幼い頃のドキドキ、ワクワクの冒険心がよみがえり、渡り終えると「やったぜ!!」とついVサインをしたくなりました。あまり揺れなかったのは、少し残念です。自然観察をしながらの楽しさ満載の一日でした。(2班作成)

ヒヨドリバナに止まるヒョウモンチョウ。残念ながらアサギマダラには会えませんでした。
人道の吊り橋では日本最大級規模(標高180m全長280m)の吊り橋“星のブランコ”を渡りながら、空中散歩を楽しみました。
展望デッキからは疲れも吹っ飛ぶ絶景で、京都方面まで見えます。

13期生9月18日講座報告

開催日2019年9月18日(水) 曇り
講座名ウミホタルの観察
講師山田 浩二先生(貝塚市立自然遊学館研究員)
場所大阪府立青少年海洋センター、せんなん里海公園(泉南郡岬町)

今日は初めての夜の講座で、先ずは先生からウミホタルの生態や構造を学びます。

体調2~3㎜のミジンコの仲間で、昼は砂の中で寝ていて、夜はエサを求めて海底を這うように泳いでいます。求愛の時、刺激を受け捕食者回避の時(捕食者を驚かせ仲間に危険を知らせる)、体内に蓄積していたルシフェリンと酵素のルシフェラーゼを放出し、それが海中の酸素と反応して青紫に発光します。

後半はそれぞれ手作りの仕掛け容器を持って砂浜へ行き、暗くなるのを待って海中に投入します。20分後引き上げますが、この日は強風のせいかウミホタルは数匹しか確認できず、もう一度チャレンジ。さらにもう一度と、何度か繰り返していると徐々に増えてきて、引き揚げの度に仕掛け容器の海水を地面に撒くと、終わる頃には地面に刺激されたウミホタルの素敵な青い星空が広がりました。キラキラした青紫の光に魅せられた夜でした。(2班作成)

“ウミホタルってどんな生物?”を学びます。
強風の中、仕掛けを海に投げ入れます。底まで沈めるのに懸命です。
地面に撒いたウミホタルに“わあ~きれい!”と歓声。ウミホタルさん、ごめんなさい。

13期生9月11日講座報告

開催日2019年9月11日(水) 晴れ
講座名大阪市立科学館見学
講師施設担当者
場所大阪市立科学館(大阪市)

集合時間が10時で、日差しが痛いくらいの時間帯になり、最寄りの駅から科学館までの短い距離を歩いただけで汗だくです。

科学館前には子供たちが続々とやってきまして、「結構にぎわっているな~」と感じました。ただの箱モノではないなというのが感想です。館内では4階まで上がって順を追ってフロアーを下がって見学するのですが、あまりの子供の多さと、昼食のレストランまでの時間が迫ってくるので、ゆっくりと見学しておられません。

昼食後はプラネタリウム「天の川をさぐる」を鑑賞、ちょっと寝てしまったが、いびきをかくまではなかったかな~自分ではわからない?最後はサイエンスショーを見ました。「電池が分かる」という内容のショーでしたが、知らない間に夢中になって聞き入っていた自分がいました、なかなかおもしろかったです。(2班作成)

送風機の上で“おどる風船”どこかへ飛んで行ってしまうことはありません。焚火の上で燃えカスが踊るのと同じだそうです。
これからプラネタリウムの鑑賞です。目を閉じないで美しい星空を楽しみましょう!
乾電池の力はすごい!シャーペンの芯とカッターナイフを合わせると火花が散りナイフの鉄が溶けました。

13期生7月31日講座報告

開催日2019年7月31日(水) 晴れ
講座名キノコ観察②
講師下野 義人先生(三重大学大学院協力研究員)
場所箕面公園(箕面市)

まずは箕面駅前にて先生から本日の概要説明。“梅雨明け後の一週間目で、少し乾燥がすすみ、キノコの発生が少ないかも?蚊も少なく水気が少ないのかも?キノコは湿り気が必要。”と先生のお言葉にもめげず、いざ出発。

一の橋を左に折れ、滝道と別れて山道に入る。数分後、先生の歓声。毒キノコのコニセショウロ(切断すると切断面が黒い)を先生が最初に発見。少し勾配がきつくなった道筋はキノコが少なくなったが、目的地の休憩所の辺りは少し広場になり、枯れ枝の下や枯葉をより分けて、たくさんのキノコを採集。さらに山の斜面に向って少し足をとられながらの採集。

採集数は約70にもなり、皆さんの前向きな活動で、当初の推測より多数の種類が採集出来ました。同定は先生にお任せ切りでしたが、いろいろ質問が飛び交い和やかな「キノコの観察講座」となりました。同種に見えるものも顕微鏡、DNA鑑定をしても判断しづらいこともあるとのことで、キノコも奥が深いです。

一部を紹介します。

カンゾウタケ属

カンゾウタケ
食べられる!

イグチ属

キイロイグチ、ダイダイイグチ
色が鮮やか。

ベニタケ属

ツチカブリ
ナメクジが入っている?苦い!

シロハツモドキ
一番大きい。

テングタケ属

アケボノドクツルタケ・フクロツルタケ
毒。

ヒナノヒガサ属

ヒナノヒガサ
小さく目立たない。

講義終了後、「滝までのトレッキング組」と「反省会組」とに別れ、今日も楽しい一日で終わりました。(2班作成)

あちこち、キノコを探します。見つけたら先生に“食べられますか?”とまず質問します。
たくさんのキノコを前に満足の観察会。名前はとても覚えられません。
カンゾウタケ(肝臓茸)
食べることが出来る。ビーフステーキに似て、美味しそうです。

13期生7月17日講座報告

開催日2019年7月17日(水) 曇り時々晴れ
講座名高山植物観察と梅花藻鑑賞
講師檜山 尚美先生、武田 千鶴子先生(伊吹山もりびとの会)
場所伊吹山、地蔵川(米原市醒井)

今日は伊吹山(滋賀県)の高山植物観察を楽しみに堺を出発。途中合流された先生から車中で説明があり、伊吹山は日本百名山の一つで、標高は1,377m。気候の特徴として「風が強い」「霧が多い(駐車場に到着した時も一面に霧が漂っていた)」「雪が多い(昭和2年に11mの積雪を記録)」の三つがあり、この気候により、1,300m級の山でありながら高山植物の珍しい固有種が33種類もあるとのこと。駐車場から西登山道(山頂まで約40分距離約1,000m)を「伊吹山お花畑植物ガイド」を片手に植物観察しながら山頂に向かった。

薬草のミヤマトウキ、イブキトラノオ、赤い花がよく似た木本のシモツケと草本のシモツケソウ、オオヨモギ(別名イブキヨモギ・托葉あり・伊吹もぐさの原料)とヨモギ(托葉なし・食用)の見分け方、クガイソウ(葉が輪生)と ルリトラノオ(葉が対生)、可愛いいピンク色のイブキフウロ、カワラナデシコ、黄色い花のキバナノレンリソウ等の花々を観察。また、繁殖力が強く困った草のフジテンニンソウやアカソを刈り取りシモツケソウ等の再生作業、鹿の食害防止のネットの設置等植生維持に努力されていた。

その後、伊吹山を後にして、梅花藻の観賞場所、地蔵川(醒井)に向かう。地蔵川の清流の中に白い小さい梅に似たな梅花藻の群生を観賞。冷涼さを感じさせる川の中の可憐な花を見て心が癒された。今日は長距離の走行で少し疲れたが、穏やかな天気の中でいろいろな花を観察、観賞をして楽しい一日でした。(2班作成)

シモツケ(下野)が見頃です。保護区域のよく似たシモツケソウは、7月下旬が見頃です。
地蔵川清流に可憐に咲くバイカモ(梅花藻)。皆さん、いっぱいの“涼”をもらって帰路につきました。