13期生1月9日講座報告
今日の講座は「里山観察とお粥作り」。
七草粥を食べたことはあるけれど、採集からお粥作りまでの経験のある人は少なくて、貴重な体験ができそうです。先生より里山地域の概要説明で、以前はミカン畑とのこと、今は森、時の流れを感じました。ライフラインが通じてないため、電気はソーラー、トイレはバイオ、水は雨水他、つい自分の生活の便利さ・楽さを痛感。
春の七草の資料を見ながら皆で採集スタート。名前は言えても、摘み取ることは難しい。手馴れた人はさすがに多く採集。採集した七草らしきも含め、先生の同定を受け、それを、女性チームが料理、釜に七草粥が完成。お漬物、玉子焼き、梅干し、唐揚げ、昆布も添えられ、各自のお椀には湯気の立つ七草粥、そしてワイワイガヤガヤと楽しそうな会話もすすみ、奥の谷はさながらランチバイキング会場。七草粥を食べると邪気を払うとの言い伝えがあります。参加の皆さん、この一年無病息災が約束されそうです。
午後は奥の谷の裏山の散策です。途中、竹炭の窯があり、竹炭の作り方の説明を受けます。今も消臭剤等に利用されています。尾根を歩く中で、左右の斜面の違いの説明を受けました。人の手が入らないと森は照葉樹、竹林に遷移していき、最終的には社寺林・鎮守の森になりバランスの悪い生態系、小動物が生きづらい状況になってしまいます。いろいろの原因で里山保全が難しくなっていますが、生物多様性の視点でこれからもこのような活動が重要になってくると教わりました。
講習終了後、カニまでついた最高の懐石料理で新年会!お酒も入り皆さん、ほのかに赤い顔、いろいろ会話もすすみ、親密さも深まったようです。今日も一日楽しく過ごすことができました。(2班作成)
食べられるかどうか、毒がないか、など先生に同定して頂きます。七草はこちらに分けましょう。
自分たちで摘み取った七草粥と持ち寄りのおかずでランチタイム。心も体も温まり、満足、満足。
間伐された木の皮を皆で賑やかに剥いて、1本干してきました。どこかで木の階段に使われるでしょうか。
13期生12月19日講座報告
ここ数日の冷え込みは少しおさまり、この日の気温は最高13℃、最低4℃、降水確率0パーセント。
SAYAKAホールへの足取り軽く到着。初めに「気象はわかりづらいし、わかるものではない。」という言葉を聞き、ほっとして肩の力が抜けたように感じた。前半は先生が支援・協力しておられる発展途上国であるバングラデシュなど、それに関連するODAやJICAなどの話を混じえながら気象庁(現在は国土交通省管轄)の組織、気象情報の流れ、世界気象機関など普段聞けない内容を話され、そ~なんだとものしりになった気がした。当然のように目にしている気象予報が多数の気象予報士のおかげで私たちに発信されていることを改めて実感し、ありがたいと思った。
その後、いろいろな警報、危険度分布、避難情報の種類と避難行動など近年多発する災害時に知っておくべき話を聞いた。特に【指定緊急避難場所】と【指定避難所】を区別しチェックしておこうと思った。今後のために準備しているといざというときにあわてなくてよい。
午後の講座はいろいろな雲の種類を聞き、【雲を見て、天気を予想しよう】の後で、少しお遊び心の入った天気の推定クイズ。天気図を見て、○月○日の天気を読み取る、次に、「高層天気図」を見ながら翌日の予想をするという難題に取り組んだ。(???が頭の中を飛び交った。)天気予想をするため各気象観測が自動化されている部分は多いが、緻密な部分は判断が必要で、やはり人の作業だと聞き、感心しました。
天気予報の裏側には私たちが知らない多くの活動がまだまだあることだろう。そう思うと、関係機関の方々に感謝したい。この日の夜、子どものころ、近所の友だちと下駄や靴を飛ばした遊びを思いだした。♪あーしたてんきになーれ♪(2班作成)
この雲の名前は?羊雲です。低い位置に発生する高積雲で明日は雨かな?
実況天気図や気象衛星ひまわりの画像を見ての指定場所の天気の推定。う~ん、難しい!
この数字は何でしょう?数値予報天気図です。コンピューターで自動作成されたものだそうです。
13期生12月12日講座報告
今日も小雨からの作業が始まった。
男性はハウスの解体、女性は昨年「なにわの伝統野菜」に認証された難波葱が育つ畑の草抜き。この葱は7月の農業体験時に採取した種で、ゴールドファームの方が苗床で10センチ程に育て、9月の体験で定植したものです。今では25センチ程になっていたが、害虫駆除用に木酢液のみ使用の無農薬栽培と、さらに台風と日照不足のため生育は良く無い。しかし来年1月から3月頃には50センチ程になるらしい。女性はサツマイモの蔓の山に混じったビニールシートの回収、材木や廃材の移動。休憩時には建てかけの小屋の話を先生から伺った。
次はみんなで9月6日に植えられた鞍馬大根の収穫。力も要らず次々簡単に抜けた。30㎝近い物から10㎝に満たない物まで様々。大きな大根20本程をからし漬用に、その他は皆で分け、お土産に戴いた。
神於山農村公園に移動。朝とは違い青空になったが風は冷たい。昼食時、先生から試食用に提供された鞍馬大根のからし漬は、歯ごたえも良く甘さと辛さのバランスが良かった。この試食は受講生にこの味を記憶させるためと戴いたレシピ通りに作ればこのような良いからし漬けができる意図が見えました。からし漬体験は皆さん賑やかに素早くアッという間の出来事。
台風による甚大な被害にもめげずに、金胡麻・鞍馬大根・難波葱等の希少品種を守り育てるゴールドファームのスタッフの皆様の強い思いが伝わってきた。片手には自然への畏敬の念、もう片手には鞍馬大根とからし漬。大地の恵みに感謝しつつ帰路についた。(2班作成)
台風で倒壊したハウスの留め金外しの作業です。
今日のメインイベント、大根の収穫スタート!大ぶりの大根はからし漬けの講習用に残りはお土産に戴きました。
“八つ切り?”“違う違う四つ切や!”賑やかな大根切り。あっという間にからし漬けの作業終了です。皆ですればとにかく早い。
13期生12月5日講座報告
今日の講座は「ネイチャ-クラフト」の創作、最近のシニアの方々に「手作り~」が人気になっている。脳の活性にいいのかもしれませんね!午前はクラフト材料集めと冬が訪れたふれあいの森の散策。サァー出発!
堺自然ふれあいの森は5月、7月に続き3回目の訪問で、皆さんの段取りは抜群、手慣れたもの。材料集めと先生の説明を聞く。同時に耳と手を動かすのは大変でした。
先生からこんなお話がありました。
- シリブカガシ(尻深樫):別名はイッチンどんぐり
- イヌツゲ:役に立たない・・・どうして?
- 南天:赤い実・薬用になる
- ヤマハゼ:ウルシの仲間
- ネズミサシ(鼠刺し):とげをネズミの撃退に利用?
- キクイムシ(木食い虫):里山の現代病になっています!
- ヤマモモ:昔の人はシンボルツリーとして利用!
狸の糞を発見!家族で同じ場所に脱糞とのこと。
昼食後、今日のメインイベント:ネイチャ-クラフト(リース)作り。まずは練習にススキを使ってのネズミ作り。簡単なようで難しいです。サァー 次は、各自お手製の葛のつる台を使ってリース作り。これは自由課題のため、意外と創作意欲をくすぐられたのか?皆さんは夢中で真剣になりました。集中のあまり無言! 会話も一休み!次に「どんぐりでネズミ?製作」、玄関にでも飾れそうです。
最後に自作のクラフトを持ち、集合写真を撮りました。皆さんの「幸せ」の顔、顔、顔!心が癒された一日でした。(2班作成)
13期生11月28日講座報告
野外での冬鳥や留鳥の野鳥観察(バードウォッチング)。観察を始める前に先生から双眼鏡の調整の仕方、観察時の「静かにそっと」等のフィールドマナーの講義があった。
探鳥リストを持って観察開始。最初は鳥をよく観察できると言う「水浴び場(バードバス)」に行った。頭上に小さな「ヒヨドリ」が木に止まっていて、双眼鏡で観察しようとするがよく移動するので中々捉えられない。難しい。「メジロ」「シジュウカラ」等を観察している途中、珍しい「オオタカ」がいるとの情報があり、コースを変更して現地に急行。先生の探鳥用望遠鏡でやっと観ることができた。翼を少し広げて凛々しい顔。その後、日本の野鳥で最小と言われている長い尾の可愛い「エナガ」、「百舌鳥の速贄(はやにえ)」と言われ、大阪のシンボルの鳥である「モズ」、頭泉池では「マガモ」「カルガモ」「ヒドリガモ」「オオバン」、珍しい「アカハジロ」等を観察。カモ類は渡り鳥で、夜はここでは安全な池の蓮の間で寝るとのこと。
先生は突然飛び出した鳥を見て「ハクセキレイ」と瞬時に同定された。素晴らしい。これもいつも観察されている成せる業(わざ)か。最後に野鳥のイラストで特徴等の講義と鳥あわせをした。参加人数以上の32種類も観察できたので「大成果」。リストにないアカハジロ・オカヨシガモ・カンムリカイツブリの野鳥も観察できた。野鳥の可愛さと逞しさを感じられた楽しい野鳥観察でした。(2班作成)
「どこどこ?」「あそこあそこ!」「いたいた!」 黄葉の中、鳥をレンズに合わせるのは難しい。
頭泉池では一番数が多いヒドリガモ。ピューピューと泣きそれぞれに違う羽色で個性的。
シダレヤナギの上のアオサギは上から獲物を探しているのかな。
13期生11月21日講座報告
午前の座学では「樹木の季節変化」「葉の色の変化」「冬芽の状態・各部の名称」「ブナ科とニレ科の見分け方」そして「ドングリの見分け方」の講義。
落葉樹は「開葉期→展葉期→着葉期(光合成)→落葉期」と1年サイクルで変化。落葉前に葉の中の栄養分を回収して幹や根に蓄える。副産物として葉緑素(緑色のクロロフィル)が分解され、緑色の葉から紅葉、黄葉、褐葉に変化し、美しい景色を織りなす。紅葉する理由(目的)は「落葉する直前に養分を回収し組織を守る説」「害虫に対する戦略説」等が言われているが結局は解らないとのこと。植物の不思議さと逞しい一面を感じる。
午後は宮の上公園で植物観察。モミジバフウやメタセコイヤは、紅葉の色に鮮やかさを欠いていたのは秋に暖かい日が続いた影響かもしれない。イロハモミジは、高い所では紅く、中ほどは黄色で、下は黄緑色になっていた。上空から日光が当ることで、上は温度が高く下になる程温度が低くなるためとのこと。面白い変化である。アラカシやクヌギ等のドングリを「検索表」を見ながら調べた。ドングリの形や殻斗の形で同定したが、アラカシとシラカシ、クヌギとアベマキ等よく似たものの判別は中々難しい。
先生の和やかな駄洒落と、時には脱線しながらの講義はたいへん楽しく、いろいろな「気付き」に出会えてますます植物に興味を持った。天気の良い日に野外を歩きながら、四季の自然に触れ、自然を観察するのは楽しいものだ。(2班作成)
イロハモミジにうっとり。グラデーションの紅葉が美しい。
モミジバフウ(アメリカフウ)を見上げます。
クヌギのどんぐり。りっぱな座布団(殼斗)です。
13期生11月14日講座報告
午前の座学では、スライドを交えての説明。
生物学的な定義に基づくと、キノコ(茸)は、厳密な意味においては植物に分類することはできないと考えられ、動物と植物のどちらにも分類することができない菌類という第三のグループに属する。石炭はどのようにしてできたのか?現在も同じような条件で石炭ができるのか?答えはノーである。当時古代には分解者の腐生菌が存在しなかった。落ち葉や木材が分解されずに堆積し、石炭となることができた。キノコが環状に生える不思議な現象「フェアリーリング」(妖精の輪)。キノコ菌が散って段々と輪を描く状態でキノコが生えてくる。午後からのキノコ採集でこのフェアリーリングが確認できた。
午後は長野公園へ移動し、班ごとに分かれて採集し先生に同定して頂いた。木にへばりついているオオミノコフキタケを最初に見つけることができた。その後続々とチリメンタケ、大きなハナビラニカワタケ(プルンプルンで美味しそう)を採集。
話は変わって、本日は先生の誕生日でした。イギリスのチャールズ皇太子と同年で誕生日が同じだということ。密かに年齢をチェック。年齢よりホントお若いのに皆が驚き!!拍手とハピーバースデイを皆で合唱し誕生日をお祝いしました。
寒い中、先生に同定して頂きましたが、同定できないキノコもあり持ち帰って調べるとのことです。専門家の方でもキノコは難しいのだな~と感じました。やはり素人は安易にキノコに手を出すなということですね!(2班作成)
きのことは?の説明を受けます。
たくさんのきのこが採集でき先生は同定に忙しい。
これがきのこ?ツチグリ(土栗)
13期生11月7日講座報告
本日は気温24℃まで上昇、半袖でも快適な講座でスタート。
- アラカシは、葉っぱの上半分の鋸歯が荒いのでアラカシと呼ばれる。
- サクラは葉の付け根にある蜜腺で蟻を誘い、道中のダニや毛虫を捕らせる。
- マツの葉は何億年前は葉が1枚だったが、光合成を多く得るために長い年月を経て2枚になった。
- サクラの木は皮目から息をしている。(知らなかった~)
- イチョウの葉は鴨の足に似て生きた化石とも呼ばれている。
- 木の高さの測定、器具を使っての実測。腕での簡易的な測定方法も教わる。
- 鹿が口の届く雑草・枝葉を食べるので(独特な景観:DeerLine)公園は約2億円の草刈りの経費削減。鹿と人との共存が保たれている。
- グループ分けをしての名前ゲーム。関連する共通点は何か?「山」「川」「木」等の文字が苗字に含まれていると分かり、自然との関わり合いが深いことを示す。
- ムクロジは仏教文化とともに日本に入ってきて、実は数珠になり、実の皮はサポニン成分が含まれているので石鹸となる。
- ナンキンハゼは紅葉の時期、赤が綺麗で人気であるが、外来種、「原則駆除」となってしまった。
木は枝を切られたり、幹に穴が空いたりした時、自分自身を守るために傷口を修復する。脳が無いのになぜ働くのか?傷口が空気と触れて反応するといった説があるらしいがまだ科学的には証明されていない。今まで考えもしなったことが身近なところにまだまだ存在するのだなあと感じた次第です。先生は我々に「木の気持ち」を熱く語られ講座が終了しました。(2班作成)
ナンキンハゼの紅葉は公園で1番人気ですが、シカは好まず増えすぎて困っている。
天を仰いでいる?指の先をイチョウの木のてっぺんに合わせた底辺が木の高さです。
シイノキの空洞。穴を塞ごうと自ら努力している。
13期生10月31日講座報告
金剛山ロープウェイ「金剛山駅」を降りると気温は9度、想像以上の寒さで、太陽の光を浴びて、なんとか寒さをしのげることができた。金剛山の植生、落葉や紅葉の仕組みのレクチャー後、秋の金剛山植物観察をスタート。
この時期、山頂周辺のちはや園地には、花は少なく、樹木や木の実、草の実を主に観察した。イロハモミジ・ウリハダカエデなどの紅葉をはじめ、テンナンショウ、ツルリンドウ・ユキザサ・ツルウメモドキなどの実を観察した。ノコンギク・シロヨメナ・アキチョウジ・イヌタデ・フシグロセンノウ・センブリの花などが辛うじて残っていて、合わせて50種類以上の草木が観察できた。
観察している所々にヤマガラが飛び回り、手のひらを出すと人懐こく寄ってきて、餌をせがんできた。冬に向かって餌をせがむ練習らしい。ヤマガラを相手に山頂に向かい頂上の手前(奈良県側)で、空を見上げると風でそよそよ揺れるブナ林の素敵な紅葉。しばしたたずみ、癒しの時間と空間に心が洗われ、秋の金剛山植物観察を終了しました。(1班作成)
フシグロセンノウ(節黒仙翁)
野草では珍しい朱赤色の花。
紅葉をバックに集合写真。寒さを我慢してニッコリ。
テンナンショウ(天南星)の実
赤いトウモロコシ?美味しそうですが有毒です
13期生10月24日講座報告
和泉葛城山の標高650m付近から頂上(858m)に茂る天然のブナ林は貴重な森林として大正12年に国の天然記念物に指定された。
ブナは平均気温が6~13度の涼しい地域で生育し標高1000m以下ではほとんど見られないことから、生育の南限と言われる。幹は白っぽく葉脈が10本前後のホンブナと、幹はやや黒っぽく葉脈が15本前後のイヌブナがある。成長は非常に遅く、日当たりの具合で異なるが、日陰ではH5年の種が24年経ってやっと1cmの幹で高さが60cmにしか育っていなかった。幹の断面には年輪が見られず材質が非常に硬い。種は6~7年周期で豊作となり、リスや昆虫が食べきれなかったものだけが地面に落ちて発芽し300年程かかり大木になるとの事。ブナ林が貴重な所以である。
昼食後、3班に分かれて間伐の実習。足場と周囲の確認、倒す方向をしっかり設定し、手鋸で作業。受け口の寸法や追い切りの方法など、沢山のノウハウがある。輪切りのヒノキのお土産は風呂に浮かべると檜のいい香りが大変心地良いとの事。イヌシデ、タラノキ、ヒバ、リョウブ、コシアブラ、タカノツメの木やツルリンドウ、センブリの可憐な花なども沢山観察する事ができた。
台風の影響で大木がたくさん倒れ、一度の災害で数百年の営みが無になる自然の厳しさを実感した。(1班作成)
霧がかかって美しいブナ林のコアゾーンを眺め、説明を受けます。
作業小屋の前でハイポーズ!装備は万全です。
倒れたヒノキに一目散!枝落としに頑張ります。