大阪シニア自然カレッジ

14期生講座報告

14期生6月8日補講講座報告

開催日2022年6月8日(水) 晴れ
講座名自然公園の観察①
講師武田 敏文先生 3名のガイドの皆さま
場所くろんど園地

絶好のハイキング日和。準備体操後、3班に分かれて出発。川のせせらぎを聞き、滑らないよう注意して足を進める。白くかわいらしい花が印象的なテイカカズラはつる性の植物。花は初め白く、次第に淡黄色になりジャスミンに似た芳香がある。ムラサキ色の花はタツナミソウ。日当たりを求めて一方向に偏って咲き、とてもかわいい花の形。日本を代表するユリと言われるササユリ。白い花やピンク色の花でひっそりと咲いている。葉がササに似ていることが名前の由来である。

昼食後、自然公園の意義は、自然の大切さを学ぶ環境教育の場であるなど興味深いレクチャーを受けた。後半コースのミズバショウの群生地向け出発。ウグイス、ホトトギスの鳴き声を聴きながら森林浴気分で心地よい。独特の匂いを持つがきれいな花を咲かせるドクダミ、トラの尻尾のようだと言われるオカトラノオなど観察しながら、ミズバショウの群生地に到着。葉っぱの大きさにビックリ!現在約2,500株あるそうで、ミズバショウの見頃は4月初旬。是非また訪れたいものである。

次にモリアオガエルの泡巣がある池に案内してもらう。カエルは水中で産卵するのがほとんどだが、モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝などに白い卵塊を産みつける。ガイドさんも初めて見るというモリアオガエルが池の中で、私たちを見張るように卵塊の見える位置に心配な様子でじっとしている。親は大変だ。泳ぐ姿がかわいいく時間を忘れて見入る。今日一番の盛り上がりとなった。ガイドさん達のおかげで、沢山の自然に触れ楽しく充実した講座も終了。本日の歩行距離10㎞ほど全員完歩お疲れさまでした。(N.S)

14期生6月1日補講講座報告

開催日2022年6月1日(水) 晴れ
講座名琵琶湖の環境と薬用植物観察
講師滋賀県藤原主査、山浦 高夫館長(山科植物資料館)
場所滋賀県大津合同庁舎、日本新薬 山科植物資料館

午前は、日本最大の湖である「琵琶湖の環境問題」についての講座。近畿の水がめと言われ、私たちの生活には欠かせない存在である琵琶湖の概要や価値についての話のあと、治水・利水の対策、1977年の淡水赤潮の大発生に伴う工場排水規制や石鹸運動などによる水質汚濁対策、ヨシ群落の保全活動など住民や地元企業が自治体と一体となって水環境を守ることに取り組んできたことや、近年は外来魚や外来水生植物の大量発生の問題やプラスチックごみ問題に取り組んでいる。現在は「琵琶湖」を切り口としてマザーレイクゴールズ(MLGs)により2030年の持続可能社会へ向けた13のゴールを設定しているなどの様々な環境保全対策の説明を聞き、水環境を守る大変さと大切さを認識した。今日の講座で滋賀県の皆さんに感謝の気持ちが湧いてきたようであった。

午後は、日本新薬の山科植物資料館で薬草の観察。資料館の歴史や薬用植物がどんな薬に使われているかなどの説明を聞いて、園内の植物観察へ。園内には3080種の薬用・有用植物を栽培していて、回虫を駆除する薬になるミブヨモギやウコン、ベニバナ、コンニャク、レモン、アーモンド、アセロラ、ムクロジなど馴染みのある草木も多く、薬効などの説明を聞きながら、花や果実、葉っぱなどの匂いや味などを確認し、その度に感嘆の声が上がった。また世界三大珍植物と言われ、一生の間2枚の本葉だけを伸ばすキソウテンガイなどの珍しい植物や毒草なども紹介してもらいその特徴や効能を教えてもらった。最近の新薬はほとんどが科学的に合成して作っているが、長い歴史の中で薬草の果たしてきた役割は大切な遺産で、いつの日か自然の物から作る薬がもっと必要になるときが来るかもしれないと思った。(K.T)

14期生5月18日補講講座報告

開催日2022年5月18日(水) 晴れ
講座名里山の竹の間伐体験とクラフト作り
講師田淵 武夫先生(富田林の自然を守る会代表)
カレッジ里山保全部会 野間様 牧野様
場所滝谷・奥の谷

暑いぐらいの良い天気に恵まれ滝谷不動駅から奥の谷まででひと汗かき到着。田淵先生に里山の成り立ちと保全活動のお話を聞き、この自然を維持していくことの大変さがじわじわとわかってきました。竹切は危険が伴うためヘルメット、スパッツ、滑り止めのアイゼン?革手袋、最後にノコギリとダニ除けスプレーで準備OK。この辺り元はミカン山だったとのこと。山を守るには竹を全部は伐れないし設計図どおりにはならないため「順応的管理」方法を取らざるを得ないなどのお話。植物のガマズミ、ウツギ(卯の花)などの説明や手入れをしている森としていない森の比較、竹は3ヶ月で10mも成長すること、竹藪の竹は全て同じクローンであること、竹は幹が空洞の為【節】で弱さを保持している、では竹はどの科の植物でしょうか?じつはイネ科の草本と聞いて一同驚きました。やっと目指す竹林へ到着。富田林の自然を守る会のお手伝いの方から見本の伐り方を教えて頂き、講座生の実習開始、倒す方向を見定めノコギリを使って交代しながら切り倒しましたがなかなか難しくしんどかったですね。2mぐらいにさらに切り(たまきり)竹細工用に担いで運んだ。

午後は、皆さん何を作るか思案しながら決め、思い思い太い竹や細い竹を切ったり削ったり、先生に教えてもらってるのか、作ってもらってるのかわからない人もいませんでしたか?最後はなんとか作品として出来上がりました。よい季節でよい体験できました、お手伝いいただいた方たちにお礼申し上げます。(hiro)

14期生5月11日補講講座報告

開催日2022年5月11日(水) 雨のち晴れ
講座名昆虫入門③
講師鈴木 真裕先生
場所堺自然ふれあいの森

午前の座学はまず昆虫は6本足の生物である、など前回の復習から①昆虫とは②昆虫の多様性③ふれあいの森の昆虫 の順に進みました。地球上に昆虫が出現したのが4.8億年前、現在約100万種が存在しており、植物の27万種よりはるかに多い。では種類の多い順は?カメムシ目と答えた人が多かったのはひいき目でした?皆さん驚いたのは1位コウチュウ目37万種、2位ハチ目13万種、チョウ、ハエ、カメムシの順でした。日本でもコウチュウ目10600種、ハチ目4500種などでやはり5位はカメムシ目2920種がいる。昆虫の多様性として里山では山雑木林、田、畑などでクワガタムシ、トンボ、ハンミョウ、カメムシなど環境への適応に応じた昆虫が生きていることを知った。堺自然ふれあいの森の紹介では、ギシギシアブラムシのカメムシ類イシガケチョウのチョウ類サルハムシ、コメツキムシのコウチュウ類アサヒナカワトンボのトンボ類などの多くの写真を見て午後の観察への期待が高まり、昆虫の目(モク)当てクイズでは頭をひねって回答し楽しみました。

午後は幸いお天気も晴れ、第二豊田川みちを採集網やかごを持って思い思いに上を見たり下を見たりの昆虫採集で久しぶりに汗をかいて走り回りました。網から箱へ取り込むときに逃がしてしまうので苦労をしましたね。森の館に戻って一人一人図鑑を片手に苦労をしながら何とか同定できましたでしょうか?今日の観られた昆虫は7目35種となりました。皆さんよく頑張りましたね。良い季節にいい汗をかいて楽しい日になりました。(hiro)

14期生4月20日補講講座報告

開催日2022年4月20日(水) 晴れ
講座名ネイチャーフォト入門
講師阿倉 薫先生
場所ファインプラザ大阪

さわやかな青空。今日は、カメラのレンズを通して昆虫などの観察や撮影を行う講座。岩湧の森で出会った虫たちを1000種類以上撮影され、その中から様々な写真や動画を鑑賞。ユニークな動きで散歩するナナフシモドキの動画で癒される。アブラムシはメスだけで子どもを産むことができる「単為生殖」だそうである。ヒメバチはコナラの木に長い産卵管を入れて器用に卵を産む。知らないことがまだまだいっぱい!「昆虫に出合うたびに感動するんです!すごいですよね。」と仰る講師の優しい言葉に昆虫愛があふれている。

トンボの雌雄の見分け方は、横向きにして腹部の根本付近がふくれている(副性器)のがオス、滑らかであればメス。これからはじっくりと観察してみよう。嫌われがちなクモは眼が8個で種類によって位置や形状が違う。クモをじっと見ることがないのでこんなにあるなんて驚き。最後に100均で買えるというマクロレンズを使って、紙幣や硬貨の細かい部分を撮影。肉眼では見えなかった細かい文字やデザインがはっきり見ることが出来た。賑やかな声に包まれ笑顔のまま講座終了となった。(S.N)

14期生4月13日補講講座報告

開催日2022年4月13日(水) くもりのち晴れ
講座名補講講座 生命の歴史物語と自然博物館見学
講師各施設担当者
場所JT高槻生命誌研究館、高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)

今年度最初の補講はJT高槻生命誌研究館から始まりました。生命誌とは?地球誕生から46億年。では生命は?ここで扇型の生命誌絵巻が登場、38億年前に生命が誕生し、現在地球上には5000万種いる生物も元は1種の生命であった。展示物の説明を受けながら、祖先細胞、ゲノム、DNA、RNA・・・段々頭の中は二重らせん状になってきました。人間の細胞は37兆個で構成されている事、脊椎動物の祖先はミクロミンギアとの事。46億年の時間生き物の多様性と共通性を体験して、何とか我に返った感じがしたのは私だけだったでしょうか?説明員の方々お世話になりました。

その後高槻駅よりバスで高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)に異動し昼食。午後は遊びながら学ぶとのコンセプトの展示物や芥川に生息する魚類の水槽や生き物、鳥類の剝製、昆虫標本も説明を受けた。カナヘビのお出迎えを受けての芥川緑地観察では、ツクシンボも残っていました。研究員さんの専門であるアリを主体とした昆虫観察ではタイワンタケクマバチ(クマバチ類)、キバネアシブトマキバサシガメ(カメムシ類)、アミメアリなど沢山を観察できました。鳥のイカルがきれいな声で鳴き観察会の最後にカワセミも姿を見せてくれ、面白いお話を聴けて楽しい一日となりました。(hiro)

14期生3月23日講座報告

開催日2022年3月23日(水) 曇り
講座名修了式と記念講演「すべてはつながっている~私達の生活と自然との関係」
講師赤木 智香子先生(ラプター・フォレスト代表)
場所国際障害者交流センター ビッグ・アイ研修室

今日は、大阪シニア自然カレッジでは初めて3年に亘っての14期生の講座修了式に臨むことになりました。コロナ禍一年間の休講があり講座生さんも体調や生活のリズム作りもなかなか難しかったと思います。よくがんばって今日に至りました。

修了記念講演は哺乳類入門講座を担当して頂いております赤木先生です。人と自然は互いに密接に結び付いて影響を与え合っていること、生物多様性やその保全の必要性、様々な生態系と我々が恩恵を受けている生態系サービスは生活の基盤であり「セーフティーネット」=助け合いでもあること。里山の荒廃、餌付けによる人を恐れない新世代動物の出現、地球環境の変化などの生物多様性の危機を向かえ、我々は野生動物との適切な関係を保ち、隣人として野生生物の生活を「少しだけのぞかせてもらう」気持ちで行動をしよう。そしてフィールド・マナーを守り五感で自然を楽しみましょうとお話をして頂き、質問にも丁寧にお答えいただき時間が足らない程でした。先生自作のハヤブサ・イヌワシのエンピツ画のプレゼントまで戴きました。

その後修了式となり新谷代表理事からのご挨拶と17名の講座生さんへ修了書の授与と1名の方に皆勤賞が贈られました。最後に「思い出のひと言」や懐かしいフォトで3年間の思い出を感じながら終了しました。(hiro)

14期生3月16日講座報告

開催日2022年3月16日(水) 晴れ
講座名地球環境問題と私達の未来(お日さまの力で料理しよう)
講師巖 圭介先生
場所堺市立栂文化会館 研修室+屋外

14期生の正規講座の最終回は地球環境問題がテーマ。難しい勉強かと思った人が多かったが、先生から環境問題を身近に分かってもらえるよう実験を中心に行いたいと聞いて笑顔が広がった。地球温暖化対策については、世界中で二酸化炭素の排出削減の取り組みが行われているが、これらのことを実行していくにはエネルギーの使い方を考えなければならない。今日はその一つとして太陽光を利用して料理を作るという実験をした。

ソーラークッキングの原理は、光を吸収すると熱になることを利用して調理をすることで、ポイントは①反射板を増やしてできるだけ広い範囲の太陽光を集める。②黒い容器で熱を吸収する。③集めた熱を逃がさないように保温する。という3つです。季節により太陽の角度が変わるので上手く合わせられるように作ることが必要との注意点を聞きクッカー制作に。初めは紙に印刷した4種類を練習。比較的簡単なものから始め少し複雑なものまで、何年振りかで山折り谷折りなどの工作に取り組みました。一通り練習したところでいよいよレンジシートを使って先生発案の「ソーラークッカー2号」の制作に取り掛かるが、練習の紙とのサイズの違いや折り方に苦労しながらも何とか全員完成できた。

調理は、ゆで卵に挑戦。卵を入れた黒い缶に水を入れて保温用にビニール袋をかぶせてクッカーの真ん中に置く、暫くすると水滴が付き段々触れないほど熱くなりみんなびっくり。今日は快晴で太陽の光がソーラークッカーに降り注ぎ1時間半程でゆで卵が出来た。先生持参のクッカーはいろんな種類があり、中には130℃まで温度の上がるものもあって紙コップでプリンも作れた。他のクッカーではフライパンで目玉焼きや更には鍋でパンケーキやご飯も炊けそのたびに歓声が上がった。試食するとプリンはちゃんと固まっていて美味しいし、ご飯もしっかり炊けていた。最初は半信半疑だった人も簡単なソーラークッカーでもこれだけのことが出来るということに驚き、一人ひとりが太陽エネルギーをできるだけ賢く使い、化石燃料の消費量を減らして気候変動を止めることが持続可能な社会をつくることになるのだと実感した講座となりました。(T.K)

14期生1月12日講座報告

開催日2022年1月12日(水) 曇り一時氷雨
講座名鳥類の観察と世界の植物
講師桑田 幹雄先生、相原 正温先生
場所鶴見緑地公園、咲くやこの花館

寒くなりそうだが空は青く澄んでいる。防寒対策バッチリで鶴見緑地公園向けて元気にスタート。大池周辺では、頭頂がクリーム色のヒドリガモ、長い尾羽のオナガガモ、目が金色のキンクロハジロなど最近の野鳥観察で見かけたお馴染みのカモ達がいっぱい。ユリカモメも仲間に加わって賑やか。カワセミ情報を聞いて探していると発見!毎回講座ごとに出合うことができラッキー。今年も幸先がいいと顔がほころぶ。鳥の声を聴きながら歩いているとジョウビタキも発見。可愛い目と背中のオレンジがチャームポイント。寒風の中、鳥合わせで30種類確認することができました。

午後からは、日本最大級の温室で世界の植物に出会える「咲くやこの花館」へ。熱帯地方では高さ30mに生長するインドボダイジュ、燃えるような赤い花のカエンボク、カトレヤなど多種類のラン、きれいな花に魅了され外の雨音も気になりません。ヒマラヤの青いケシと呼ばれるメコノプシスは気品があり楚々としている。展示室では【こけ展】が開催中で、こけの盆栽などこけの作り出す不思議な世界を覗いた。12月に受講した粘菌のコーナー見学を最後に充実した講座終了。寒い一日お疲れさま。(S.N)

14期生12月22日講座報告

開催日2021年12月22日(水) 晴れのち曇り
講座名クラフトづくりとネイチャーゲーム
講師現地担当者
場所大阪市立信太山青少年野外活動センター(和泉市)

今年最後の講座はクラフトづくりから始まった。マイ箸づくり、まが玉づくり、杉焼板クラフト、動物焼板クラフトの4種類からそれぞれが選んだものに挑戦。久しぶりの工作に慣れない手つきで取り組む人も多かったが皆さん熱心に取り組み、立派な作品や自画自賛?の作品が出来ました。

昼からは自然に親しむアクティビティ。お題に書かれた自然のものを探しビンゴを作るネイチャービンゴからスタート。3班の対抗戦で行い「黄色や青色のもの」、「顔より大きい葉っぱ」、「いい香りのするもの」、「季節を感じるもの」などお題の12種類を探しました。各班が創意工夫を凝らして集めてきたものを並べ、班長が順番に1種類ずつ品物をアピール!カレッジの飯田理事が審査委員となり判定の結果、7ポイントを獲得した3班の優勝となりました。

続いては地図を見てポイントを回りながら自然にちなんだクイズに答えるオリエンテーリング。これも班別に8ポイント10問のクイズを解いて回りました。今まで学んで来たことを思い出して、知っていることを教え合い和気あいあいと回っていましたが、最後の問題の「サンシュユという木の枝を利用して作る食べ物は?①パン②クッキー③ヨーグルト」という問題には各班とも苦戦。サンシュユは薬用植物で赤い実は解熱剤として使われているということは知っている人もいましたが、枝の利用ということで皆さん悩んでいました。正解は③番のヨーグルトですが、作り方に興味のある方はネットで調べてみてください。今日は慌ただしい師走のなかアウトドアで自然とふれ合う1日になりました。みなさんよいお年をお迎えください。(T.K)