16期生12月11日講座報告
お天気に恵まれての野鳥観察。今回のコースは
*古市駅前広場~白鳥神社~誉田八幡宮~応神天皇陵~墓山古墳~下田池~仁賢天皇陵~峯塚古墳・峰塚公園(昼食)~芦が池~白鳥陵古墳~古市駅前広場
広場を出発して誉田八幡宮へと向かう。まずはヒヨドリ、ドバト。空にはアーアーと鳴くハシブトガラス。八幡宮では、ジョウビタキの声はするが姿は見えず。エノキの大木にようやくメジロを確認。門を出たところで、電線の上にずらりと並ぶカワラヒワ。尾羽のエビフライ形や黄色の美しい羽根やキリリコロロの声も確認。次に応神天皇陵横の叢でハクセキレイ、墓山古墳の堀にキセキレイ・アオジ・メジロ、さらにハシビロガモやヨシガモ、オカヨシガモ、マガモの夫婦?やコガモのメスを確認。カイツブリが水に潜る様子やオオバン、人懐っこいヒドリガモのピューピューという甲高い声を聴きながら移動。
峰塚公園での昼食後は、コガモやハシビロガモ、また上空にはオオタカの姿も。芦が池では、カワウのきれいな緑の目を確認、ホシハジロ・マガモ、カルガモ、またコサギ・アオサギ・ダイサギの違いをそれぞれ確認することができた。
最後は竹内街道を通り、白鳥陵古墳の堀も観察しながら古市駅前広場へ戻り、鳥合わせをして解散した。身近なスズメや声だけのものも入れて、30種を確認することができた。
古墳や街道などの話、歴史についても教えていただき、今回も楽しい野鳥観察会だった。 (*鳥の写真提供 OBのSさん)(K.T)
誉田八幡宮にて、メジロやカワラヒワの観察
下田池では人なつっこいヒドリガモを間近に観察
峰塚公園で昼食、遠くに二上山が
竹内街道を歩いて、白鳥陵古墳~古市駅前広場へ
カワラヒワの尾羽に注目、メジロの可愛い姿
コサギとアオサギ、コサギの足に注目
右上 ハシビロガモ(手前からオス、エクリプス、メス) オカヨシガモ、 ヨシガモ
左上 マガモの夫婦?
下左カイツブリ
下中央オオバン
本日のコース・みんなで鳥合わせ
16期生12月4日、5日講座報告
良い天気に恵まれて最高の研修となった。
1日目は兵庫県佐用町の大型放射光施設SPring8、SAKURAを見学した。佐用町の固い岩盤上につくられた施設だ。電子を光とほぼ等しい速度まで加速し磁石によって進行方向を曲げた時に世界最高性能の放射光を生み出す。ナノの世界を覗くには短い波長の光が必要となる。SAKURAは0.063nmの波長で分析できるというので水素原子のサイズ0.1nmと比較するとその分解能の高さがよくわかる。SAKURAの4個の実験ハッチと62本のビームラインを持つSPring8の実験設備を見学した。ビームラインは大学や研究所、企業の研究所などの最先端の研究に利用されている。リュウグウの粒子分析、光合成のメカニズム、クモの糸を分析し新素材の開発に利用するなどの実験例の説明を受けた。活発な質問と応答で盛り上がり楽しい見学会となった。
西はりま天文台では、到着後すぐに講座を受講し、観望会に向けての前知識として星の観察の仕方や、当日の月と金星、土星の様子、近いうちに起こる現象として12/8の月と土星の様子、土星の輪の見え方の変化、双子座流星群、火星と地球の距離によってサイズが変化することなどを学んだ。
なゆた望遠鏡は口径が大きく人の目の8万倍の性能を持つ。観望会はよく晴れた空のお陰で土星の輪や木星の縞を観察できた。土星の輪はとても薄いので来年は真横になり観察できなくなるそうだ。15年に一度起こる現象でこの1年間は土星に注目だ。13個の星を見せていただき終了後は外に出て星座についての説明も受けた。満天の星空の下で幸せな気分に浸った。
2日目、夜明けには、雲海を見、日の出を待った。赤い朝日がまぶしく見たかったものが全部見ることができたことに満足した。
兵庫県立人と自然の博物館に移動し午前は「近未来の南海トラフ巨大地震を科学する」というテーマで講義があり、地震が発生する理由から始まり、過去の大地震を文献やデータを元に解析した巨大地震の予測や災害に向けて考えておくことなど中身の濃い網羅的な内容だった。午後は博物館を自由に見学してから帰路についた。充実した2日間だった。
なゆた望遠鏡で見た星13個:ベガ アルビオ M15(球状星団) 土星 海王星 銀河 天王星 木星 アルマス(青い惑星) H星団(二重星団) M13アンドロメダ ガーネットマスター(赤色超巨星) 青い雪だるま(E.H)
16期生11月20日講座報告
春日山は春日大社の神域として守られ、照葉樹林が保存されてきた原始林である。
春日大社本殿前から出発してすぐに、規則正しく植栽され明るく向こうが見通せる木立を観察した。後で原始林と比較するためである。次に平城京の1万人の生活を支えた貴重な水、春日山を水源とする神聖な水谷川の流れと水谷神社について説明を受けた。
遊歩道を進み。急な斜面の浅い土壌で生きている大木の根の様子や木肌に地衣類をつけて弱った大木、あちこちで立ち枯れの木や倒木が照葉樹林の中に混在している様子を観察した。一方シキミ、ナギ、ナンキンハゼなどの本来の植生ではない木々が、シカが食べない木であることから生育範囲を広げていた。シカは手厚く保護されているせいか、森を構成する木々の葉や若木、下草を食べるので、森が変化し、シカが食べない木々や植物が残されているそうだ。試験的にフェンスで囲み、中と外の下草や若木の様子を比較している所では、明らかにフェンスの中で生き生きと植物が生育していた。
また、カシノナガキクイムシが要因となりシイ、カシ類に被害が発生し、立ち枯れや倒木の原因となっている。歩道に近い場所では、事故防止のために薬剤注入済の大木に、印のリボンが巻きつけられ注入回数などが記録されていた。ガイドをお願いした巨樹の会においても調査や保全活動が行われているそうである。維持管理には大変な苦労を要することを知った。
若草山山頂での昼食の後、春日山の深い谷筋や三笠山を眺めた。所々にムクロジ、ケヤキなどの紅葉が見られ、眼下にドングリ、クスノキ、スダジイ、ツクバネガシなどの深い原始林を見ることができた。
大仏殿や奈良盆地の景色を楽しんだ後、足元に注意しながら長い石段を下り全員無事に下山した。
見上げるとススキとナンキンハゼの紅葉が斜面を美しく彩っていた。( E.H)
16期生10月23日講座報告
雨予報のため野外活動が心配であったが、ほとんど影響なく屯鶴峯の地質観察をすることができた。
最初の座学では「屯鶴峯の地質からわかる1500万年前の火山活動」をテーマに講義を受けた。まず、日本列島には活火山が100以上もある。大阪周辺では少ない方ではあるが1500年前には瀬戸内火山帯の火山活動で二上山で活発な火山活動がおこなわれていたことが地質調査によって明らかになっている。2014年の木曽御嶽と1991年から93年の雲仙普賢岳の噴火についての体験談から登山者に注意を促す話もあった。二上山では雲仙普賢岳の火砕流のような火山活動があり火砕流堆積物が屯鶴峯を形作っていることを知った。
小雨の中、移動して屯鶴峯に到着。足元を確かめながら1つ目の観察ポイントに到着。別世界のようなダイナミックな自然の造形に驚きの声が上がった。曇り空ではあるが時々日が差し凝灰岩の白い山肌が眩しかった。二上山側の南を背に北の方向を眺めると向かいの山肌は北に傾いている。火砕流が南の斜面を登って北側に傾いた地層になったそうだ。地層はサージ(水蒸気爆発)を繰り返した証拠として層となっていた。火山豆石という小さな楕円形の石を探し観察した。噴煙の中で火山灰に水が付着し風で流されて形成される。貴重な情報源らしい。
次に2つ目の観察ポイントに移動。先生の後について滑らないように気をつけながらゆっくり移動した。
火砕流の流れが見える場所で、サイズの違う石が均一に分散している地層や衝撃によって層が割れている様子を観察した。衝撃の方向は層の変形を見るとよくわかる。
それぞれの現象に理由がある。地質地層に興味を持つ機会になった。10月末とは思えない蒸し暑い日にシニアが全身を使い汗にまみれワクワクし満足感を感じる1日になった。(E.H)
16期生10月9日講座報告
谷町4丁目にある「大阪管区気象台」を訪ねた。管区気象台は全国に5つあるが、その主な仕事は気象情報の発表と地震・火山観測に関することだ。
震度とマグニチュードの違い(震度は場所によって違い防災対策に必要)、阪神淡路大震災以降に89ケ所に増やして震度計測するようになったことを聞いた。危惧されている南海トラフ地震について「長周期地震動」や「南海トラフ地震臨時情報」について学んだ。
気象情報として「天気図」「警報・注意報」「天気予報」を作成しており、天気予報作成の4つの過程は①アメダスや気象衛星などによる「観測」②スーパーコンピュータによる「計算」③地域特性などを加味し予報官が判断する「予報の作成」④3回/日出す「発表」であり、警報や注意報は都度発表される。
「どのような学問をした人が気象庁に入庁」⇒理学部系が多い、「気象予報士の資格は必要か」⇒必要ない十分な研修がある等々、講座生は興味深々で次々に質問が続いた。その後、建物内の「予報現業室」と外にある「露場」にある観測機器を見学した。
午後から阿波座駅に移動し「津波・高潮ステーション」を訪ね、高潮発生の原理と過去大阪の被害や対策、地震による津波被害や今後の南海トラフ地震に対する準備や心がけについて学んだ。大阪では総長234㎞におよぶ防潮堤や独自のアーチ型防潮水門を備えた防潮対策が取られていることや大阪駅近辺でも海面より低く、津波の際には御堂筋より西側は浸かる危険があると聞いた。
防潮堤に586ケ所もある防潮扉を一斉に閉めるための「水防団」の取り組み、地震が発生した場合には①「まず逃げる」そして②「生ききる」ことを肝に銘じ、今すぐには「家族が集まる場所を確認」することが大切だと学んだ。(H.I)
地震火山活動の測定・機器保守や情報発信も気象台の役割。
南海トラフ地震臨時情報の有効期間は1週間(避難期間の限度との意見から設定)
アメダス、気象衛星など情報と地域の特性に過去の天気変化や一日7度の天気観望などから予報。
気温の測定機器に近づくと気温が変わると注意された。当日天気は?「晴れ」が正解。
映像による模擬南海トラフ地震映像を見る。大阪中心部は海面より低い。
過去の台風による高潮被害模様を見る。一斉に防水扉を閉めるなど「水防団活動」が重要。
16期生9月18日講座報告
16期生2年目のキノコ観察講座。9月半ばとはいえ、今年の異常気象ともいえる猛暑の中、集合時にはすでに汗びっしょり。初めに講師持参のカメムシタケを見せてもらった。カメムシににょきっと生えるキノコにびっくり。出発前にキノコ採集の基礎を教えてもらった。ポイント1、まずまわりの環境をしっかり見る。何から生えているのか。虫から生えるものもあれば、モグラの巣のトイレから生えるキノコもある。地面の下にも特徴がある。キノコの上だけを見るのではなく下から採集すること。採集したキノコはビニール袋に入れない。新聞紙やアルミホイルで飴ちゃん絞りにして紙袋に入れること。
さて、今日はどんなキノコが……と歩き出したがいつもなら可愛い姿を見せてくれる苔の上も乾燥し、皆無。草原を抜けて林間部へ。ポイント2、目星をつけて探す。キノコにはそれぞれ仲良しの木がある。クスノキにはキノコはつかない。マッタケがアカマツと仲良しであるようにお気に入りの木がある。カシやクヌギ、コナラなどブナ科は根っこにキノコがつく。竹林には竹にしかつかないキノコがあるがあまり見つからないとか。どんなところにキノコがつくか、目星をつけて探すことが大切と学んで歩き出すと、カワラタケやウロコタケ、マンネンタケなど乾いた系のキノコをはじめとしてテングタケ3種、イグチ9種、ベニタケ4種など次々と見つけ、立ち止まっては講師の解説に耳を傾けた。結果、20種以上の大収穫。
午後からは、涼しいラブリーホールの会議室で、座学。午前のキノコ観察を振り返りつつ、さらに知識を深めた。最後はみんなで採集したキノコをグループ別に並べ、じっくり観察し同定作業。なかなか同定しづらいものもあったが、みんなでワイワイとたのしく観察ができた。(K.T)
名前が出たキノコ
・シロテングタケ・コタマテングタケ・ヘビキノコモドキ・キクバナイグチ・コガネキクバナイグチ・ヤマドリダケイグチ・ニガイグチの仲間(イグチは?も入れて9種)・ウラベニイグチ・ウツロイグチ・ベニダケ4種・ナラタケモドキ・ノウダケ・ニセショウロ・コフキサルノコシカケ・ツガサルノコシカケ・ウチワタケ・カワラタケ・カイガラタケ・クロコブタケ・ニセキンカクアカビョウタケ・ホウライタケ属・モミジウロコタケ・マンネンタケ・おまけツノホコリ(粘菌)
カメムシタケにびっくり!冬虫夏草もいろいろ
上・テングタケの観察。傘・ヒダ・つば・柄・つぼの5つそろえばテングタケの仲間と考えられる。つまり毒キノコも多い
下・イグチの仲間、食べられるものもあれば毒もある
いろいろなキノコを観察
午後は座学でキノコの学習、それにしてもなんとカラフル、種類も多い
本日の収穫をグループ別に並べ、観察
キノコは傘の下側を観察しよう、色も形もいろいろ
これもキノコ?!中・ニセショウロを切ったもの、まるで薄皮まんじゅう?
収穫したキノコたちのポージング、撮る角度で見え方も違うものだなあ