大阪シニア自然カレッジ

16期生講座報告

16期生4月24日講座報告

開催日2024年4月24日(水) 雨・曇・晴れ
講座名信太の森の自然観察
講師田丸 八郎先生(NPO法人信太の森のFANクラブ理事長)
場所信太の森ふるさと館、惣ヶ池湿地

午後からは90%の雨という天気予報、雨の中での自然観察を覚悟しながら講座開始。先生にも座学を早めてもらい、昼食時間もそこそこに11:50には野外観察スタート。

なんと16期生の運の強さか、はたまた聖神社の神様が守ってくれたのか、自然観察中は天候に恵まれ、時おり林の中を吹く風に癒されながら信太山丘陵(惣ヶ池湿地)の自然の豊かさを大いに感じることができた。団地や住宅地の間を通り抜け、道路を渡るとそこには「信太山丘陵里山自然公園」の管理棟があり、8月に一部(4分の1ほど)開園されるそうだ。その公園に隣接しているのが「惣ヶ池湿地」。大阪府下最大の湿地で絶滅危惧種も多く生息している。今日もイシモチソウやコモウセンゴケ、コバナノワレモコウなどを観察することができた。また、2000年に絶滅種とされていたシソクサは惣ヶ池湿地の整備により復活したとか。しかし、今また絶滅の危機が。

市街地から一歩足を踏み入れただけでこんなにも自然豊かな森や湿地帯が広がっているとは…別世界に入ったような不思議な感覚と驚き。しかし、その陰には長年にわたる多くの人の保全への思いと活動があってこそ守られてきたのだということを学んだ。「惣ヶ池湿地」は1999年より「大阪みどりのトラスト協会」が管理し、2014年からは「信太の森のFANクラブ」が中心となって保全活動を行っているとのことだが、私たちも自然に感動し自然から恩恵を受けるだけでなく、その自然を守るために何ができるのか、考え行動しようと思った。

「信太の森」といえば、「葛の葉伝説」や古くから歌にも歌われ、また多くの遺跡も発掘されている歴史と文化の地。「自然環境を守る」とは、自然だけを守ることではないのだと感じた。ウグイスの清らかな声や時おりセンダイムシクイの名前の由来にもなった「ツルチヨギミ」声を聴きながら、そして道中の植物を観察しながら子供のころの思い出も語り合える楽しい観察会となった。(K.T)

16期生4月10日講座報告

開催日2024年4月10日(水) 快晴
講座名大和葛城山の自然観察
講師桑田 幹雄先生、泉谷 一弘先生
場所大和葛城山自然研究路

スプリングエフェメラルと呼ばれるカタクリやショウジョウバカマ、可憐なスミレを観察し、あわよくばギフチョウにも会うことができたらと、はるばるとロープウェイに乗り大和葛城山に出かけた。

カタクリは花が咲くまで7~8年、寿命は50年にも及ぶ。葉が地上に現れてから4~5週間で花を咲かせて姿を消す、花が咲いている時期も2週間程度。西日本では主に山地に生息し、金剛山や葛城山などで見ることができる。

ショウジョウバカマは地面に張り付いたようなロゼット状の葉を出し、そこから伸びた花茎の先に紅紫色の4~8個の花をつける。花は10日間程度咲いており、その後花茎が急に大きく伸び種を風で飛ばす。カタクリとは異なり常緑多年草である。西日本では平野部から高山地域まで生息する。

スミレは市街地から里山や亜高山まで広く花を咲かせ一説には200種以上もある。近畿には20種程度と少なく、葛城山で見ることのできるスミレはシハイ、アリアケ、タチツボ、ノジスミレくらいだ。

ギフチョウは鳥海山から山口県まで生息し、3月下旬から6月中旬に発生、カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ、サクラの花を訪れ吸蜜する。卵はミヤコアオイなどに産み付けられる。翅は黄白色と黒の縦じま模様で後翅には青や橙、赤色の斑紋が並ぶ。『春の女神』と呼ばれている。

知識を得て葛城山の自然研究路を歩いた。講座生は斜面に広がるカタクリの群落に喜びの声を上げ、路上を飛び回るギフチョウに興奮しながらカメラのシャッターを押した。いったいどれくらいのギフチョウを見たのだろうか、ほんとに幸運であった。次にショウジョウバカマの群落を見た、咲き始めて盛りに近づいている様子だった。近くで「カーン、カーン」と乾いた音、オオアカゲラの木をたたく姿も見えた。受講生は珍しい野鳥にじっと見入っていた。

歳を重ねるたびに山に登ることは少なくなり、山野草を観察することは難しくなってきた。金剛山も山頂には行きづらくなったが、大和葛城山は数少ないロープウェイで登れる山だ。少し遠いが思い切って訪れたことで、様々な春の訪れを身体全体で感じることができた。本当に春の女神に出会ったようだ、この日の幸運に感謝する。

また、ていねいに講座生の質問に答えていただいた講師にも感謝する。(H.I)

16期生4月3日講座報告

開催日2024年4月3日(水) 雨
講座名多田銀銅山遺跡の見学
講師兵庫県猪名川町ボランティアガイド
場所多田銀銅山遺跡

降水確率90%という悪天候の中、しっかり雨対策をして集合し、白金2丁目のバス停から徒歩で20分ほどで悠久の館に到着した。4人一組で3班に分かれボランティアガイドの説明を受けながら古い家並みを抜けて金山彦神社、昭和期の機械堀りの跡の青木間歩、日本鉱業の跡地、豊臣秀吉が鉱山開発したといわれ大阪城の財政を賄うほどの豊富な銀銅が採れた台所間歩と瓢箪間歩まで見学した。青木間歩では機械掘りの坑道から上に続く体ひとつがやっと入るような江戸時代の手堀りの坑道を見る事ができた。また、緑色や青色の鉱脈を直に観察した。

間歩というのは坑道のことであるが入口には四ツ留めと呼ばれる鳥居のような形の木組みが設置されていた。金山彦神社の下の神宮寺は神仏習合で右に薬師如来、左に山の神様大山祇命を祀ってあった。鉱山の仕事と信仰の密接なつながりを感じた。

一方、足元を見るとあちこちにハクサンハタザオの白い花が咲いていて、あと10日くらいで辺り一面が白くなるほどの群生が見られるとの話だった。鉱山の指標植物のハクサンハタザオとヘビノネゴザは重金属耐性で生息し、重金属を根や葉にトラップすることができるらしい。古くから鉱山を探す指標になっていたとは驚きだ。ヘビノネゴザも夏には盛大に群生がみられるだろう。満開の桜の下のハクサンハタザオの白い群生を見たかった。他にもショウジョウバカマやシュンラン、ツツジ、スミレなどが見られたし、桜の木も開花してお花見気分でお弁当を食べる事もできた。

雨で疲れもいつも以上だったが、悠久の館の資料について説明も聞いてから帰路についた。参加した皆様本当にお疲れ様でした。(E.H)

16期生3月27日講座報告

開催日2024年3月27日(水) 晴れ
講座名オリエンテーリング入門
講師横田 実先生
場所堺市立健康福祉プラザ、大仙公園

久々の快晴の大仙公園において、オリエンテーリングの競技概要や使用する道具と競技テクニックなどを学び体験をした。

講師はオリエンテーリングのイメージを聞くことから始めた。ポイントへ行き探し物をするとか、スタンプラリーをイメージする意見が多かった。オリエンテーリングは地図とコンパス(方位磁石)を使い、決められたコントロール(ポイント)を順番に周り、時間を競う競技であると理解できた。

次にオリエンテーリング用地図の記号や表示の約束事と、コンパスを使って次への方向確認の方法を学んだ。コンパスはなかなか扱いづらい。

コンパスの使い方は①コンパスの長辺をレッグ(地図に示されたコントロールを結ぶ線)に合わす ②コンパスのリング内の線を地図の磁北線に合わす ③コンパスの矢印を前方に身体正面に持ち、リングのN表示と磁針のN極が合わさるように、コンパスを回さず身体ごと回す、これでバッチリ次の方向が判る。

競技テクニックとしてはサムリーディング(地図上の現在地を親指で常に押さえる)・歩測(地図上での距離を歩数で把握)・読図(地図から地形や風景をイメージ)・エイミングオフ(大まかな方向に目標を設定)・リロケート(迷った場合)などを教わった。

午後からは地図とコンパスを使い、設置された11のコントロールを二人一組で周るオリエンテーリングを実践体験した。地図を読み、コンパスを使い方向や現在地を確認しながらフィニッシュを目指した。

街中や地下街そして野外でも観察に熱中して『今、何所かな』と判らなくなり迷ってしまうことが多々ある。今いる場所はどこか、どの方向に進めばいいのかは教わった知識や意識が役に立つ。(H.I)

16期生3月13日講座報告

開催日2024年3月13日(水) 曇り晴れ
講座名人と自然公園のつながり
講師武田 敏文先生(日本パークレンジャー協会代表理事)とガイドの皆さん
場所くろんど園地(交野市)

くろんど園地は、大阪府政100周年の記念事業で金剛生駒紀泉国定公園に作られた自然公園。S40年代(高度成長期)に生駒山の土砂採取で自然破壊が発生、当時山火事も頻繁に発生したということで、「生駒山を守りたい」「この山を守ろう」(府民の森構想)と国から60億円の借金で 600ha買い上げたことが始まりだとか。府民の森を管理、維持するには大阪府と多くの府民の理解が必要だ。今回、ガイドをお願いした日本パークレンジャー協会の皆さんも、ボランティアで自然の大切さを私たちに伝えてくれている。

前日の大雨が嘘のように、少し寒かったものの雨具のお世話になることもなく、また時折暖かい日の差すなか園内をガイドしていただいた。私市駅前の公園で準備体操をし、民家の間を抜け山道へ、砂利道あり、ぬかるみあり、岩の上やら階段を越えてと、園内は実に変化に富んだハイキングコース。春というには少し早く、出会う花は少なかったものの、シュンランのつぼみやニホンアカガエルの卵とかえったばかりの小さなオタマジャクシと出会うにはグッドタイミングだったかもしれない。ラクウショウの気根や花をつけ始めたミズバショウ、カタクリの葉を見つけたり、大きな花崗岩の塊にびっくりしたりと。

また、くろんど園地には昼間はなかなか見ることができないが、夜間にはいろいろな動物たちが活動をしているなど、貴重な話を聞くことができた。スイレン池やミズバショウの湿地では、植物を守るため日々イノシシと戦っているなどの苦労と努力も知ることができた。いろんな人のいろんな苦労があって守られている自然公園。私たちにできることはまずは知ることか。ここにある自然に感謝し、自然を楽しみたいと思った。家に帰ると2万歩を超えていた。全員怪我無く、無事に歩ききることができよかった。安全に楽しくガイドしていただいたことに感謝。16期生2年目の講座に向けての自信につながったのでは。

16期生3月6日講座報告

開催日2024年3月6日(水) 小雨、曇り
講座名コケの観察
講師木村 全邦先生
場所橿原公苑

前日からの雨と春先の冷気の中でたっぷりと水を含んだ美しいコケの観察を楽しんだ。

コケは水・二酸化炭素、そして光があれば生きることができ、栄養素を必要としない。光はとても重要で、光を得ることにより土・石・岩・木など適した環境の上で生息する。夏の溪谷のように、湿度があり風が流れ光が届く環境を好む。維管束植物のように水や養分を吸い上げて運ぶ能力はないが、葉の表面には表皮がなく1列に並んだ細胞から葉に付着した露や空気中の湿気を直接吸収し水分を保持している。乾燥した環境では水分が奪われカラカラになるが、湿度が上がると葉が膨らんでくる。大気を汚染する有害物質によって枯れるなど環境に影響されやすく、その中でも特徴的なコケはヨーロッパでは環境汚染の指標として利用されている。根は仮根と呼ばれるものしかなく、何かに寄生することもなく好みの場所で生育し、古くなった下の部分はホコリと一緒に土のようになり湿気を含み新しく育つコケを支え、コケは絶えることなく生育する。生態系として長い目でとらえると、人の手がはいらなければコケの中に草の種が落ちて草むらとなり、昆虫や鳥が集まり、木が生えて森となると考えられる。

コケは蘚類、苔類、ツノゴケ類に分類される。蘚類は葉と茎の区別のある茎葉体、2nの胞子体とnの配偶体からなり、胞子体は胞子が熟すと蒴の蓋が外れ蒴歯が開き胞子が散布される。苔類は茎葉体と葉状体(ゼニゴケ)があり、蒴はバネのようにはじけて胞子を散布する。ツノゴケ類は葉状体で、胞子体はツノ状に立ち上がりはじけて胞子を散布する。また、コケは十分な水がなく胞子で増えることができなくても、クローンで増える無性生殖によってたくましく繁殖できるものもある。

以上のような基礎知識を得て野外観察に向かった。最初に標本袋の作り方を、次にルーペの使い方について丁寧な説明を受けた。ルーペ(×8、×10)は顔に密着させ対象物をピントの合う位置に持ってくる。コケの一部をつまみ取り下部をしっかり持って横から観察する。レンズのひずみや光の量が気になるが、太陽に背を向け明るい空に向かって観察すると明るく見えるとか。各々がルーペを使って観察を始め、コケの美しさに感嘆の声が上がった。講師の誘導に従ってゆっくりと移動し、気になるコケを取っては名前や特徴を教えてもらいながら橿原神宮の鳥居まで到着した。普段は気にも留めないコケの世界に興味を持ち、ゆったりと時間が流れる気持ちのいい日となった。(E.H)

16期生2月21日講座報告

開催日2024年2月21日(水) 曇り一時雨
講座名緑化入門
講師井上 昌美先生、中嶌 幸一先生
場所加太、城ヶ崎海岸

野外観察を中心に様々な生き物観察を楽しんできたが、少し趣を変えて自宅の庭やベランダで楽しむ植物について学んだ。午後からは大仙公園の桜たちの話と身近で多様な緑化センターの植物観察を楽しんだ。

ハイドロボールを使ったテーブルヤシの鉢植えを作った。ガラス容器と透明のプラスチックコップを用意、ガラス容器の中にコップを入れその隙間にカラーサンドを詰める、思い思いのデザインや風景を描き側面を飾った。最後にガラス容器の中のコップにハイドロボールとヤシを植え込みユニークな鉢植えが完成。講座生はワイワイ楽しそうに取り組んだ様子、いずれの作品も個性があってすばらしい出来栄えだった。

大仙公園には50種類1000本のさまざまな桜が植えられている。たとえば京都円山公園の16代目桜守がそこの桜の実生を育てた由緒ある「ヒトエシロヒガンシダレ」、関西ではここでしか咲かない奇跡の桜「チシマザクラ」等々、苦労話など熱心に説明があった。そのあと緑化センターの植物観察をした。

緑化センターは公害が問題となった時代に、緑化に取り組むとの国の方針により約40年前に開設された。公園や街路だけでなく、個人の庭にも緑を増やしたいとの想いで設計されている。大仙公園の見事な桜たちと緑化センターの植物が花を咲かせる春がもう近い、そのころに訪ねてみたい。(H.I)

16期生2月14日講座報告

開催日2024年2月14日(水) 晴れ
講座名生物多様性―植物の多様性保全
講師森 由紀子先生(施設職員)
場所大阪府立花の文化園

本日のテーマは「生物の多様性」、特に植物園ということで「植物の多様性保全」ということを中心に講義していただいた。

様々な環境の中で私たちも含め、多種多様の生物が互いに関わりをもって生きている。関係のないように見えてもそれぞれの関係をたどっていけば、浅く広く深く不思議とつながっていることがわかってくる。それらがバランスを保ちながら共存しているのだ。

生態系は、「生態系」「種」「遺伝子」の3つが多様でなければ維持できないと学んだ。植物の多様性という点で考えても、多様であればあるほど、そこから受ける恩恵も大きい。植物がもたらしてくれる酸素や大気中の水環境、食料や材木、繊維、薬品など資源の確保。また地球温暖化や気候変動の緩和。さらにレクリエーションや精神的な癒し効果、地域の伝統文化など、我々は植物から多くの恩恵を得ている。

しかし一方、私たちが植物に与える影響はどうか?様々な環境問題から絶滅危惧種が増えているという問題もある。植物の多様性から恩恵を受けるためにも、我々がその多様性を保全していかなければならないだろう。

花の文化園は、植物多様性保全の拠点園になっているとのことだ。環境省の、植物の生息域外保全を植物園に任せるという方策により、花の文化園も絶滅危惧種の生息域外保全を行うとともに、それら植物の特性情報の研究、蓄積、継承、自生地調査など行っているとのことで、園内での活動だけでなく、担当の紀伊半島にも分け入り、広く調査している。しかし、今心配されているのは、調査員の高齢化や不足。つまり、調査員が絶滅危惧種となっていないか(笑)と話されていた。シニアといえども私たちも調査員となって、せめて自分の身の回りの自然について観察、調査する意識をもつことで、植物の多様性保全の一助とならないだろうか。

午後からはポカポカ陽気の中、広い園内をたっぷりと時間をかけ、丁寧に案内していただいた。NHKでなじみとなったバイカオウレンやセツブンソウ、ヤドリギの宝石のような実などに感動。夏には絶滅危惧種の珍しい蘭の花が咲くと聞き、次の楽しみもできた。ちょっと涼しい温室で健気に生きている熱帯植物の花にも癒され、植物からもらったたくさんの恩恵に感謝。(K.T)

16期生2月7日講座報告

開催日2024年2月7日(水) 曇り
講座名アウトドアの安全
講師平木 祐治先生
場所堺市立栂文化会館

心臓突然死は年間7万9千人(毎日200人)もあり、救命措置を少しでも早く行うことで救命率は増加する。119番通報から救急車到着までの間に心臓マッサージやAEDを使用した救命措置を素早く正しく行うことで命を救うことの大切さを学んだ。

災害時の心得として、揺れ、停電、断水などに備えて1.自助(家具の固定、ガラスにシールを貼る、寝室に背の高い家具を置かない。)2.共助(近隣の人と協力して助け合う。)3.公助(3日後から)が考えられるが、自助と共助が特に大切だということ、またヘッドランプ、ランタン、ダンボールで作られたトイレ、目隠しのテントなどの準備をしておくなど便利な道具の紹介があった。また、自治会などの訓練で災害時の対応を体験しておくなど、30年以内に起こるといわれている南海トラフ大地震に常に備えて置く必要がある。

三角巾を使った実技では、たたみ三角巾の作り方、本結び、本結びの解き方を練習してから、肘や頭頂部、腕、足を捻挫したときの処置の方法を教わった。それぞれ仕上がりのチェックを受け巻き方のポイントなどの指導を受けた。実際に行ってみると出来そうでうまくできず何か変な仕上がりになる。それを例に正しい形に修正していただき要領をつかんでいった。。

AED(自動体外式除細動器)の実技では人形のジミー君の救命措置を装置の指示に従いながら行うことと心臓マッサージの方法やポイントを学んだ。また、心臓マッサージの練習用アッパ君を使って心臓マッサージの練習を行った。「もしもしカメよ」のリズムで行うが力加減や手のひらで押すコツがつかみにくく思うように音が出せず、納得するまで何度も挑戦する講座生の様子が見られた。

疑問点に対し沢山の質問が出され、お互いに考え込む場面もあり意見交換の楽しさを感じた。

今後の野外活動の備えとしてリュックには三角巾を準備しておきたい。

16期生1月24日講座報告

開催日2024年1月24日(水) 晴れ
講座名植物が動く方法
講師長谷川 匡弘先生
場所大阪市立自然史博物館

自然観察の中でも花や実や紅葉には心動かされるが、枯れて落葉した姿はあまり目を引かない。その時期に種子は様々な方法で散布(動く)される。種子や花粉がどのように動くのか学んだ。

自然史博物館の2F種子散布展示コーナーの説明から始まった。ケヤキは秋に下方の黄色い葉が落ちる、上方の茶色い葉のついた枝には種があり、強い北風が吹く時まで残っている。時には枝ごと400mも飛んでいくことがある。

植物の種類により動くことのメリットは違う。また動く方法は ①風で運ばれる ②水で運ばれる ③動物に運ばれる ④自分でどうにかする の4つある。

タンポポやケヤキなどは風に運ばれ、ドングリやエノコログサなどは動物に食べられたりくっついたりして運ばれる。アリに運ばれることも多く、種子に付いたエライオソームを食べるために巣穴に運ばれ、残った種子は巣の中で発芽する。ヤシの実やハマヒルガオなどは海流で運ばれ、フジなどは弾けたりツルを伸ばしたりして動く。

午後からは非常に寒い中、植物園に出て様々な種子を探し収集した。集めた種子を散布方法別に区分した。その後全員で講師の指導を得て散布方法の区分と植物名の同定を行った。成果物は①風散布16種 ②動物散布26種 ③水散布3種 ④自力散布1種 不明4種の合計50種、結構な種類を収集できた。

種子が動くことのメリットや運搬者の選定や運搬される方法など、そのシーンに合わせて様々な工夫がされ驚かされることが多く、その植物の営みはワンダーランドだった。(H.I)