16期生1月17日講座報告
フィールドワークなどで自然を楽しむためのマクロ写真撮影入門講座。岩湧山の岩湧寺を中心に昆虫を中心とした写真や動画を撮影されてきた講師にデジタルカメラの知識や撮影時の工夫や注意点を学んだ。
まずスマホを使ってのマクロ撮影にチャレンジした。
実習①「お札のNIPPONGINKOの文字を探してマクロ撮影」→スマホで撮影するときは片手で持ち親指でシャッターを押す、もう片方の手でスマホを支える。安定するし格好もよい。
実習②「教室の壁に色々な高さに張り付けられたビー玉を撮影」→野草などの被写体は高い所か足元か暗いところなど状況は様々、姿勢や体の安定に注意。野外では体のブレを防ぐための工夫としてストック代わりに100均の伸縮突っ張り棒を使用、軽くて安くてよい。棒やカメラのストラップを伸ばしてカメラを安定させる。
デジタルカメラにある深度合成モードを活用すると被写体全体にピントが合った撮影ができる。セミのヒグラシ頭部のマクロ写真は2つの複眼とその単眼がはっきり確認できた。
手作りの照明を使って撮影した動画の「カタツムリが粘菌を捕食する」はすごくリアルで明るく鮮明だった。ひと昔はプロの領域だったが、市販カメラと工夫一つで撮影が誰でもできる。
実習③「午後からは会場近くの公園で被写体を探してマクロ撮影」→ヤツデやサザンカやスイセンなどをいろいろな角度から近接撮影した。
風景や野草の全体を撮影するだけでなく、マクロ撮影し細部に注目することで気づきが増え、草花や昆虫などに対しての理解が深まる。これからは工夫をしながらピントのあった写真撮影ができるように心がけよう。(H.I)
マクロってなに?実習が始まりました。
ちょっと苦しいな、高いところは。
いまいちなマクロ撮影、お札・ビー玉・ヤツデ・スイセン・サザンカです。
出来上がりはバッチリ、手作りの動画撮影用照明を装置。
おまけで発見、マダラマルハヒロズコガの幼虫。
16期生1月10日講座報告
2024年初の野外活動はあいにくの雨天であったが予定を変更することなく楽しい一日となった。
最初に大阪シニア自然カレッジ代表から年頭の挨拶があり講座がスタートした。春の七草、芹(せり)、薺(なずな)、御行(おぎょう、ハハコグサ)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ、コオニタビラコ)、菘(すずな、カブ)、蘿蔔(すずしろ、ダイコン)について写真を見ながら説明を受けた後、市販の「春の七草セット」で栽培された七草を観察した。(七草すべてを野外で見られないので参考に。)
次に竹についての講義。里山管理をすることにより植生を保持しなければ荒れ果てた竹林によって土地が侵食されるという現状を改めて理解した。中国から日本に竹が伝わった由来や竹の種類や特徴など興味深い話題、竹材として利用する場合に切る時期や絶やしたい時に切る時期など、参考になる話もあった。
野外観察の前に全員でお粥と焼き芋の下ごしらえを済ませ、火の番や調理をスタッフにお願いした。
雨の中ではあったが寒い冬の時期ならではの野草のロゼットや枯れたチガヤの草むらなど、里山管理された自然の中で懐かしさを感じる散策ができた。
里山観察から戻ると、七草粥は見事に炊きあがり焼き芋も立派に焼けてかまどの中に並んでいた。
熱々の七草粥を何度もおかわりし、お漬物や梅干しなど分け合ってお釜の中はすっかり空になった。焼き芋もほっくり甘く焼き上がりみんな笑顔で和気あいあいのお昼を楽しんだ。
最後は、竹細工。竹の種類や竹を切る道具の説明を受けて思い思いに花入れやペン立て、カップを作り焚き火で熱を加えては布で磨いて作品を作り上げることができた。(E.H)
16期生12月20日講座報告
誰もが一度は「あれ、何?」と不思議に思ったのではないだろうか。湾岸線から見えるカラフルでユニークな建物。今回はその舞洲スラッジセンター(下水汚泥処理施設)と舞洲工場(ゴミ焼却施設)を見学した。どちらもオーストリアの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏デザインによるもので、日本ではキッズプラザ大阪や赤坂の21世紀カウントダウン時計のデザインも手掛けたとか。自然との調和を意識して曲線を多用し、緑に囲まれた唯一無二のユニークなデザインである。その建物の中で、私たちの日々の生活に大きくかかわる下水汚泥処理とゴミ焼却が、最新の技術でより安全に自然環境を配慮して効率的に行われている。さらにエネルギーを生み出し、有効利用できる資材を作るなど考えられているとか。どちらの施設も担当者の方が親切に、また楽しく飽きることなく案内してくださった。
舞島スラッジセンターではまず建物を支える67本の柱が森の木をイメージしているとか。また、下水処理後の汚泥から、さらに汚泥ケーキと水に分ける実験や処理した灰をAIにより運び移動する可愛い車も見られ楽しかった。
舞島工場では子供達も楽しく学習できるように各階工夫されていた。その中で大きなクレーンでゴミをつかむ様子や畳やベッド、自転車など粗大ごみが次々に運び込まれ処理されていく様子に驚いた。また、どんなに機械化が進み、AIで管理するとはいえ、機械についた灰や汚れをきれいにするのはやはり人の手。また摩耗する機械を再活用できるように手を入れるのはやはり人なのだと、働いている職員の方を見て感じた。
日々私たちが当たり前のように出している生活排水や生活ごみ、また粗大ごみなどについて考えなければならないと実感。環境施設で、フル稼働で処理してくれている人たちがいるのだということを忘れてはいけないと思った。(K.T)
舞洲スラッジセンター入り口 窓に舞島工場の煙突が写っている。ユニークな柱、67本すべて違うデザイン
汚泥と水に溶かしたポリマーを混ぜて振ると、汚泥ケーキと水に分離。その他、汚泥ケーキ・焼却灰・溶融スラグ(袋の中、建設資材として活用)・汚泥圧送管の中にたまった塊(取り除く作業が大変、動脈硬化か)
楽しい音楽に合わせて構内を移動、賢い可愛い!
舞洲工場 巨大クレーンでゴミをひとつかみ、みんなで輪になって大きさを実感
舞洲工場の模型 中と外
いろんな場所で記念写真
職員の皆さん、有り難うございました。
16期生12月13日講座報告
12月とは思えないような良い天気に恵まれ、さらに上村先生曰く、こんなにたくさんの野鳥に出会えるとは予想外。超ラッキーだったようだ。集合の喜志駅で野鳥ミニ図鑑を頂き、コースの説明を聞き、いざ出発。最初の観察場所、農耕地では、ハクセキレイ、アオサギ、ヒバリ、モズ(雄)、チョウゲンボウ、タヒバリ、モズ(雌)を観察。ハクセキレイはかの古事記ではイシタタキと言われているとか。確かに尾を上下に動かしながら移動する姿は石をたたいているようで可愛い。またチョウゲンボウもよほどお気に入りなのか、飛び立っても必ず同じ家の屋根の同じ場所に戻ってくる。おかげでその姿を望遠鏡でじっくり観察することができた。羽の色や顔の模様の可愛いこと。モズもしっかり観察できた。
次はレインボーホールに向けて移動。ドバト、ツグミ、スズメを観察。スズメはふっくら可愛い冬姿に。スズメに似た野鳥は多く、なかなか見分けがつかない。野鳥を知るには、まずスズメをじっくり観察してスズメを知ることから。「これはスズメではない」と判れば、違いが判るとか。同じことが猛禽類でもいえる。まずはトビについて大きさ、羽の形、色を知ることからだと。なるほど。
次に粟ヶ池での観察。初めにマガモだと思っていたら、なんとアヒルだと。頭の中に?がいっぱいになった。微妙なくちばしの色の違いとアヒルの方が少し大きい?しかもマガモとアヒルが仲良く群れで行動している?これはなかなか見分けが難しい。粟ヶ池でも多くの野鳥を観察できた。アヒルは野鳥ではないので、それ以外でマガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、カワセミ、ダイサギ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワウ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、クサシギ、そして超々珍しいセイタカシギ。細くて長い脚に丸い体が印象的。
次に石川の左岸右岸。ここでも、オオバン、カイツブリ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、キンクロハジロ、イソシギ、カワラヒワ、カワセミ、モズ、カワセミ、ダイサギ、アオサギ、キジ、タシギ、アオジ(声だけ)など全部で30種を超える野鳥を観察できた。
最後に大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林寺内町を案内してもらいつつ、富田林駅に到着、解散となった。なんとも贅沢なオマケ付きの野鳥観察だった。有難うございました。(写真はOBのSさんの提供、有難うございます。)(K.T)
場所を変えつつ、じっくり観察。最後に寺内町散策。
上:チョウゲンボウ、顔が可愛い猛禽類
下:モズの左雌と右雄
粟ヶ池で白のダイサギ、黒のカワウ。なかなかの立ち姿。
左上:アヒル?マガモ?一緒にいるよ。
右上:コガモだけど子ガモじゃないよ。
左下:オカヨシガモ、お尻が黒いのよ。
右下:キンクロハジロ(金黒白3つの色を持つ鳥)
なんて長い脚、セイタカシギ。なかなか出会えません。
右下:短くてごめん。でもコロンと可愛いイソシギ。
左:エノキ、右:ムクノキ
野鳥の好きな木の実を知ると観察も面白くなる。
16期生12月6日講座報告
午前は公民館で座学。最初に大阪とその周辺の第4紀地質図を見ながら和泉山脈、生駒山の斑レイ岩、二上山の火山岩、金剛山の花崗岩、上町台地、千里丘陵などの色付された地質の説明を受けた。地質の違いから地形がわかるという。和泉山脈からは貝の化石が出たことから昔海だったことがわかる。
化石から何がわかるか。化石の出た場所を調べることにより当時の地層、年代や生物がどのように進化してきたかを知ることができる。
大阪では1964年に大阪大学の工事現場でマチカネワニの化石が発見された。1994年には岸和田市の水道工事現場で500万年前のキシワダワニの化石が発見された。和泉山脈では6600万年前のモササウルスの下顎の化石が見つかった。
地質年代表は地球の歴史を刻む時計だという。この見方を教わり138億年前に宇宙が始まり38億年前には生物の起源、古生代カンブリア紀には生物が一気に発展しジュラ紀は恐竜の時代となったが6600年前に巨大隕石の衝突により恐竜は絶滅し小さな生き物が生き残ったことを学んだ。
宇宙探査機による小惑星の岩石の分析や化石の放射性同位体の量の測定により次々と新しい知見が報告されているという。
話題が豊富で話し好きの講師の話は尽きなかったが、化石のレプリカ作製は事前に準備万端整えていただき講座生は楽しんで作業できた。石膏が固まる間には講義を続けていただき効率良くお昼前には完成した。
午後は、きしわだ自然資料館に移動し2階の展示室で解説を受けた。チリメンモンスターから始まりキシワダワニ、モササウルス、ナウマンゾウなどの展示をゆっくりと時間をかけて見ることができた。
講師の博識とパワーに圧倒された一日となった。(E.H)
16期生11月22日講座報告
紅葉と冬芽の知識を得て、午後から泉北高速線和泉中央駅から桃山学院大学のある宮の上公園までの約2㎞を樹木の紅葉や冬芽の解説を受けながら歩いた。
「大阪にあってもコナラです」などと少し脱線気味な紅葉と冬芽の座学を受けた。紅葉には紅葉・黄葉・褐葉と3種あり、いろいろな色素ができたり、葉緑素が分解されたりで違いが生まれる。紅葉の3大要素は①日光②低温③温度差であり、年や場所や枝のついた箇所によって差がある。冬芽には「花芽」と「葉芽」と「混芽」の3種類あり、葉が落ちる冬の時期に目立って枝先にみられると教わった。
午後は晴天のなか、歩き出してすぐヤマモモにからみついたクズの除き方(根元をきる)。続いてマンション前のシマトネリコは奇数回羽状複葉で種のつき方も造りも同様だと確認した。10分ほど歩いた歩道橋の上から見事な黄色に色づいたメタセコイヤに見とれながらその話を聞き、クヌギとクリの葉の違い、シラカシとアラカシの違いなどについてなど次々と話は続く。公園にいつたどり着くのか心配になってきた。
宮の上公園ではケヤキの種子の付いた枝先を飛ばしたり、サクラの枝先の冬芽と芽鱗痕から樹齢を想像したり、サクラの落ち葉から香りを楽しむ方法を聞いたり色々と楽しい話があった。最後に紅葉したイロハモミジとその翼果の見事な様子を見て観察を終えた。
見逃してしまう街の風景の中にも、足を止めて見つめてみると気づかなかったものが多くあることを知った。サクラの冬芽を見ながら春に咲く花や緑葉に覆われる姿や季節を思い、ホッコリとした暖かな一日だった。(H.I)
気持ちよい青空にメタセコイヤの黄褐色が映える
話は続く、講師は話のタネをたくさん
引き出してもらったので
サクラの枝中央部にある芽鱗痕、これから先が1年で伸びた枝
冬芽もいろいろ
見事な紅葉と翼果、クルクル回って飛んでゆけ
16期生11月15日講座報告
穏やかな秋晴れの中、奈良公園での観察会が始まった。まず初めに配られた紙に各自誕生日を書いて提出。これは後の楽しみだとか?次に画用紙が配られ、それぞれの葉っぱ図鑑を作ることに。葉やドングリを拾っては説明を聞き、セロテープで貼り付けてメモをする。ソメイヨシノからスタートし、スダジイ、イチョウ、クスノキ、興福寺の五重塔を見つつ移動。橘の実を愛で、次はクロマツ。葉の観察、ムササビのエビフライを探し、松脂のにおいや樹皮の亀甲模様を確認。松くい虫で枯れた松、足元の芝生、なぜか奈良には多いナンキンハゼの謎を理解。サイカチの棘に驚き、ムクロジの実からできる石鹼水や数珠の話から日本の習慣の歴史にも触れた。イチイガシやケヤキを見て、荒池園地で昼食。
午後からは巨樹観察を中心に移動。エノキ、コブシ、イヌシデの種が風で舞う姿を想像し、飛火野へ。見渡す芝生を移動して、大洞クスノキを観察。八度の落雷で中は空洞で今も黒く煤けた跡が残る。それでもしっかりと樹皮が巻き込み生き続ける巨樹の生命力に感動。クスノキ三兄弟や、ケヤキとクスノキの共生する姿に植物の知恵を知った。
ただ樹木を観察するだけでなく、この異常な気候変動の中でも逞しく慎ましく、そして共生しながら命をつないでいこうとする植物の知恵や不思議に触れた。また実験あり、樹高や幹周を測ったりするなど、有意義で楽しい観察会だった。
さて、最初の誕生日を書いた紙は、それぞれの誕生木が記入されて手元に返された。短い昼休憩のときにガイドさんたちが全員分調べて書いてくれたのだ。(私はオウゴンキャラボクだった。)すてきなマイ葉っぱ図鑑とともに、なんて素敵なプレゼントだろうか。「ありがとうございます。」(K.T)
本日の収穫、世界で一つのマイ葉っぱ図鑑!
ムクロジの実(左)・シカの大好きなスダジイの実(右)なかなか見つからないのはなぜ?
石鹸できました!原料はムクロジの実の皮。
ムクロジの巨樹、中の空洞には立派な竹が。ちょっと心配。
立派なエノキの根。かつて土塀の上にあった根。土塀は崩れ、あとは形だけ?
重なる落雷にも耐えてきた大洞クスノキ。守っていきたい。
決して捕まったのではありません。巨樹(イチイガシ)の大きさを実感しているのです。
16期生11月8日講座報告
晴天に恵まれた気持ちの良い秋の一日、汐ノ宮で地質観察を楽しんだ。
午前は座学。佐藤先生が執筆された学術的な冊子を見ながら、古瀬戸内海と瀬戸内火山岩類について説明を受けた。その後ジオパークとは、から始まり、大阪東南部の地形地質、嶽山と汐ノ宮の火山岩や河原の石ころ、川の作る地形について講義を受けた。
午後は汐ノ宮に移動し、石川の川岸をたどって川の中ほどの溶岩の観察を行った。柱状節理を間近に見、手で触れて上から下へ移動すると滑らか、下から上へは引っかかりがあることを確認した。柱状節理の一辺は約20cmあり、高さはその10倍の20mくらいあるらしい。溶岩の冷却面に対して垂直に柱状節理が入ることを、乾いた田んぼや鏡餅を例にわかりやすい説明を受けた。溶岩と泥岩の境目では、黄色い泥岩の中に溶岩が入り込んで混ざり合った黒い安山岩が見られた。泥の地面に溶岩が流れ込んだ境目には、崖の斜面があったと考えられるらしい。1500万年前に溶岩が流れ、石川はまだできてから40万年くらいしかたっていないという。川面にはあちこちで炭酸ガスが湧出する様子が見られた。岩石の観察では泥岩の中にガラス質の鉱滓、カンラン石の宝石ペリドットを見つけることができた。ずっとこのままここに居たいような気分だったが、先生に促されて次は河原の石ころ観察。河原の石は上流から流れて来るので、そこから地層を知ることができるという。それぞれに石を集めて先生に同定をしていただいた。
溶岩と石川を離れ、次は段丘断層の観察。平坦部分は段丘で急な断層は川が流れていたところだという。実際に段差の場所を見ることができた。坂の途中の土が露出した崖では石ころが見られた。これは昔の石川で28000年前の地形らしい。最終目的地の菅原神社の前で、この辺りも石川だったと聞いた。
壮大な時間スケールの話を、身近な地域の地質地層の成り立ちをテーマに勉強し、汐ノ宮のジオパークに魅力を感じ、地質について興味を持つことができた。(E.H)
16期生11月1日講座報告
ブナ生育の南限の環境に近い和泉葛城山では、ブナの自然林が国の天然記念物の指定を受けてから100年を迎える。
快晴の中、午前中はブナ林を周遊し観察した。午後からは愛樹クラブでヒノキ伐採と丸太切りを体験した。愛樹クラブは自然林の周辺でブナの植樹や育樹などをしながらブナの森を守る活動をされているボランティアグループ。
ブナとイヌブナの樹皮や葉の違いなどを聞きながら歩いた。標高が低く気温が高めの葛城山では自然林のブナが減少を続けており、枯れたブナも多く見受けられた。観察の終わるころにはブナとコナラやリョウブやウリハダカエデなどとの区別ができるようになった。ブナは5~6年ごとに多くの実をつけるが、今回はブナの殻斗や実は全く見当たらず足元は落ち葉だけだった。
大峰や高野の山並みを見渡せる広場での昼食ののち、愛樹クラブの作業場に移動してヒノキの伐採を体験した。木を倒す方向を決め、倒す方向に受け口を切り、反対側に追い口の切込みを入れる。その後、木に結び付けたロープで引き倒す。交代してノコギリで切込みを入れる実習をするが、斜面の足場やノコギリの使い方が難しく助けてもらうことが多かった。講座生がロープを引き、倒したヒノキの枝を切り払った。
ブナの自然林は減ってはいるが、和泉葛城山の山頂付近ではブナに加えコナラやカエデやリョウブなどが色とりどりに見事な紅葉を見せてくれた。天気に恵まれて暖かな楽しい一日であった。(H.I)
見事な大きさと枝ぶり、ブナも歳を経ると貫禄あるな!
色とりどりな紅葉に思わず見とれて立ち止まった。
ブナの殻斗(カクト)と果実、今年は見つけられなかった。
自然林のブナの5年くらいの実生、若いね、うらやましい。
腰を入れ受け口を切る、なかなか様になってるよ。
ヒノキの丸太切り、持ち帰ってヒノキ風呂かな?
上天気と紅葉に満足、講座生と先生が集合
16期生10月25日講座報告
今回は、「きのこ入門」ということで、きのこ超初級の16期1年生。カラフルで豊富な資料ときのこの巨大模型を使って、いろいろな角度から楽しく詳しく興味深く説明してもらった。きのこに対する認識もすこし変わった気がする。自然界の中できのこの果たす役割や、菌根ネットワークの話、きのこと動物や植物との比較など、興味深かった。オマケの菌類利用の最前線の話から、代替肉・代替脂肪・代替レザー・代替プラスチックなど、さらにマイクロプラスチックの問題解決にも一役買ってくれるのではないかと。菌類の力の偉大さを感じた。菌類すごい!マッシュルームウオッチングの楽しみ方も学び、午後からの観察がワクワクするものとなった。
そして、秋晴れの中、趣のある高野街道を歩いて烏帽子形公園へ。うまく見つかるかなあと心配しながら、紙袋と割り箸をもっていざ採集。みんなの熱意の賜物か、途中の烏帽子形神社の祈願のおかげか、1時間ちょっとで30種以上のきのこを観察、採集することができた。「えっ、これもきのこ?」「小っちゃ~い!」「よく、見つけたね!」「きれい!」そしてお決まりの「これ、食べられますか?」の質問に、すかさず「どんなきのこも1回は食べられますよ。」と先生の優しい声。皆さん、2回目は一生ないかもしれないので、毒きのこには、くれぐれも注意してください。(中には、触っただけでも大変なことになるカエンタケもあり)
最後は、採集したきのこを並べて同定。顕微鏡も使ってクロアシボソノボリリュウタケの子嚢(しのう)の中の胞子も見ることもでき、すっかりきのこの魅力に憑りつかれた秋の一日だった。(K.T)
同定したきのこ(30種)
・テングタケの一種・ベニタケの一種・カバイロツルタケ・ニガクリタケの一種・アセタケ・アカヤマタケ・ハラタケの一種・ムササビタケ・ホウライタケの一種・ウチワタケ・ワヒダタケ・エゴノキタケ・ハカワラタケ・ホウロクタケ・カワラタケ・ウズラタケ・ネンドタケ・カワウソタケ・ニクウスバタケ・コフキサルノコシカケ・ツガサルノコシカケ・アラゲカワラタケ・クジラタケ・ホコリタケの一種・ニセショウロの一種・ノウタケの老菌・クロコブタケ・チャコブタケ・クロアシボソノボリリュウタケ・サガリハリタケ・おまけでムラサキホコリ(粘菌)の一種も見つけました(笑)
大きなきのこの模型でわかりやすい説明
なんとアリから生えた冬虫夏草(きのこ)
さて、きのこはどこだ?(烏帽子形公園できのこ採集)
これもきのこ?サガリハリタケ見~つけた!
本日の収穫物を並べて同定します
最後に、可愛いきのこたち!ハイ、ポーズ!