16期生10月18日講座報告
太陽、月、天体望遠鏡、惑星、恒星についての話、星座早見盤の作成と利用の仕方そしてプラネタリウムソフトMitakaを使った宇宙旅行の講座を楽しんだ。
地軸の傾きにより季節によって太陽の高さが異なる事。太陽の黒点フレアの観測。フレアによって磁気に乱れが生じGPSの誤差が増えて電車の安全システム、車のナビ、流通管理システム、ロボットによる農作物の収穫に異常が生じる事。金環日食、皆既日食の起こる理由。月については皆既月食、部分月食、中秋の名月や旧暦で長い期間月を愛で楽しむ日本の文化の話。太陽の周りを回る惑星についてそれぞれの特徴について詳しい説明があった。地球には一つの衛星、月があるが木星には95個、土星には146個もの衛星があるという。星座の星(恒星)については春夏秋冬それぞれの大三角形を目印にして星座を構成する星についてギリシャ神話を交えながらの説明を楽しんだ。
プラネタリウムソフトMitakaでは地球から見た星空と地球からどんどん離れて宇宙から見た星空の両方を見る事ができた。我々の住む銀河系以外の銀河まで眺め最後には宇宙の果まで連れて行かれた。今わかっている宇宙全体を画像で見ることによってイメージしやすく理解が深まった。
理論的な詳しい説明と同時に楽しい解説が心地良かった。
最後には講座生からの質問に対して詳しい解説があり、知れば知るほど奥の深い学問だと実感した。
夜空を双眼鏡で楽しみたいと思う。(E.H)
16期生10月11日講座報告
近鉄長野線滝谷不動駅に集合して滝谷不動尊めざして歩く、20分ほどで「奥の谷」入口に着いた。「奥の谷」は「富田林の自然を守る会」が里山保全をされている電気も水道もない自然あふれる里山だ。
里山保全と生物多様性について、野外での座学が始まった。落葉広葉樹林の林床を整理し太陽の光が差し込めば、スプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれる植物たちが早春に一面に花を咲かすこともできるとの説明を聞き、この里山にシハイスミレやチゴユリが咲き、蝶が飛ぶシーンが頭に浮かんだ。しかし、現実の「奥の谷」里山林では ①雑木林にヒサカキが密集し林床が暗い ②スギなどの人工林に手入れがされず林床が暗い ③竹の侵入などの問題があり、その対策として人工林や竹の間伐をするとともに雑木林でヒサカキの伐採を行っている。
今日の里山保全実習は雑木林のヒサカキの伐採だ。昼食後、ヘルメット、スパッツ、のこぎりとベルト、皮手袋を着用した講座生はどこから見ても山の作業人になった。首筋から足首まで虫よけスプレーを振りかけ準備は万端、三人一組でヒサカキの伐採に取りかかった。講座生は急な斜面に注意しながら、伐採の指示を受けたヒサカキを一生懸命に切っていく。のこぎりの使い方にも斜面の足場にも次第に慣れ伐採作業は進んだ。作業は1時間超であったが多くの木を伐採することができ、結構広い斜面の林床は日が差し明るくなった。講座生は達成感に表情も明るく、疲れた様子も見せずに満足感がうかがえた。
トンボが田畑の中を飛び回り、カマキリが講師の頭の上に飛んでとまる、子供のころの風景を残す「奥の谷」の里山からは心の安らぎを与えられた。自然から受けるサービスの一つを実感できた一日であった。(H.I)
稲穂がまぶしい「奥の谷」の風景
講師の帽子の上にカマキリが飛んできた
ヒサカキの伐採開始、どんだけ切るんやろ
斜面の上のほうまで伐採が進み、大分斜面が明るい
伐採作業の成果物、すごいやん!
稲穂の奥には伐採した明るい斜面が見える
やったね!みんなでバンザイ
16期生10月4日講座報告
「自然を観察する」とは、どういうことなのか。ただ、「見て知る」のではなく、「自然」を自分の目で捉えて、自分から何かを感じて発見する、「気づき」を大切にすること。それこそが「自然観察」なのだと教えていただいた。「気づかなければ、何も見えない。」は、とても印象に残る言葉だ。
菅井先生からいただいた資料の冒頭に、「不思議を感じ、いのちを味わい、生き方を学ぶ自然観察の視点」とあったが、「自然」を「いのちの営みの不思議」として捉えること。見て知るのではなく、心の目で直観し洞察したとき、はじめて「いのち」そのものが見えてくる。いのちってすばらしいなあと感じ、いのちのすごさに気づく。そして、自分のいのちもまた、生物の多様性と深くかかわり、支えられて存在しているのだ、と気づくことの大切さなど、いかに「気づき」が大切かを教わった。そして「気づく」ためには、「視点を変える」「見ようと意識する」「出会ったその時、その場所で、その物だけでなく、そのまわりや奥にあるいのちの営みの深さや、関わる全てのものの在り方を見る」ことが大切だと。
自然観察は、「自然」という窓を通して世界を見ること。それは、人生を豊かに深くするための窓でもあるのだろうか。「自然観察、奥が深い!」と感じる講義だった。そして、先生の博識とユーモアたっぷりの話で教室に笑い声がわく。1例をあげれば、いのちとしてみるとゴキブリが天然記念物級のすごい存在なのだと。(私の中でゴキブリの認識が変わりそうだ。)シロツメクサの種も素敵なプレゼントだった。(あれだけ採集するのは、大変な作業だろうな。)
午後からの自然観察では、100mと歩かないうちに、次々に出会う「気づき」。1時間半の中で20以上の不思議に出会えた。文化会館前の道路の石に始まり、街路樹や道端の小さなカタバミ、季節外れの桃の花やツクツクボウシ、空の雲のでき方やケヤキの幹の不思議、キノコと地衣類の共生、なめくじの出現、カラフルな落ち葉、クスノキの葉の作戦、最後にカラスの糞の芸術作品のお話などなど。なんといのちの営みの不思議なことか。世界は不思議で満ち溢れている。すばらしい、そして楽しい自然観察会だった。(K.T)
ハート形の可愛い姿、おまんはだれじゃ?(シロツメクサの種だよ。)
文化会館前の石。このつるつる光る石は?(硬いチャートが人を支える。)
こんなところにもいのちの営みが…(健気なカタバミが黄色い花を咲かせる。)
植えたばかりの桃(10歳くらい?)を10年以上の杉の間伐材が支える。これもまた共生か。
橋を挟んで2本のモミジバフウ。紅葉している(左)、まだ紅葉しない(右)、なぜ?
きれいに色づく葉、秋だなあ!この色は?大きさの違いは?(きっとそれぞれに意味があるのです。みんな違ってみんないい!)
16期生9月27日講座報告
雲はどうしてできるのか。空気には重さがある。地表では1m2あたり10トンにもなるにもかかわらず私達は同じ空気の中にいるので釣り合っている。風船は上空で膨らむ。水蒸気は目に見えないけれど、冷えると水になり目に見えるようになる。などクイズ形式で説明を受けた。また、講師が実際に高山の空気をペットボトルに入れて持ち帰ったものが大阪ではぺしゃんこにつぶれている様子など、実物の紹介は受講生の興味を引いた。実験では、空気を抜いて密着させた2つの半球の容器は外からの空気の圧力に押されて離れない事や、少量の水を入れ振り混ぜたペットボトルにポンプで空気を入れて急に栓を外すと雲ができる様子を確認した。
高気圧、低気圧の風の流れ、地上天気図、気象衛星ひまわりの画像、レーダー画像から四季の変化や台風のでき方、進路、海水面の上昇などの説明を受けた。身近なことではあるが理屈で考える機会の少ない気象について、理論に基づいた知識を得る機会になった。
また、防災に関してハザードマップの見方、気象庁のホームページで得られる気象の情報やNHK防災アプリの活用方法など、防災に関する知識を持って自分を守ることを教わった。スマートフォンを使って日常的に使いこなしておく必要を感じた。
合間の豆知識として、日本の雨の種類(春雨、小糠雨等)雨かんむりの漢字(雫、靄など)雲の種類(飛行機雲、ひつじ雲等)光学現象(彩雲、ブロッケン現象等)の紹介も、気分を変えて楽しめた。本格的な山好きの講師が自らの写真や経験を例にあげての講座は、ぬくもりのある興味深いものとなった。(E.H)
16期生9月13日講座報告
前日の激しい雨のなごりか、濁った水が流れる金剛山登山口に集合、初めての山の植物観察が始まった。春に比べて花は少ないのではとの心配をよそに、たくさんの秋の野草を楽しんだ一日となった。
金剛山黒栂谷は平地より3~4℃気温が低く、植生は常緑広葉樹林帯、山頂あたりでは落葉広葉樹林帯との境界にあたると講師から話があり、続いてユリ・スミレ・ホトトギス・キクなどを例として、花の構造の説明を受けて出発した。
歩き出してすぐに林道上にスズメバチの巣が落ちており、ちょっとビックリ。ハチがいなければ大丈夫と聞き少し安心したが、いきなりスズメバチの巣の解説から始まった。
林道脇にはシュウカイドウやヒガンバナ、ミズヒキが咲いていて、色とりどりで目を楽しませてくれる。赤いツリフネソウもかたまって咲いていた。その周りをモコモコとしたマルハナバチが飛んでいて、ときどき蜜を吸うためにツリフネソウの花の中に潜り込んでいく。蜜腺の位置と花の形がこのハチを選んだのだ。この花とハチの関係は深い。
派手さはないが多くの野草が咲いており、名前をメモしただけで30種以上の野草が。それぞれの花について話を伺った。そのたびに交替で写真を撮り、楽しい時を過ごした。
昼からは講師がとっておきの野草を用意してくれていた。林道わきの見逃してしまうようなところにヤマトホトトギスが咲いていた。ユリの仲間だが、山の中にひっそりと咲き、ほかの花とは少し違ったその姿から、森の不思議を見つけたような思いがした。(H.I)
シュウカイドウの群落
咲きそろった様はみごと、林道歩きが楽しい。
スズメバチの巣
落ちて壊れていたが、巣の内部には柱も壁もあった。ハチは見事な大工さん!
ツリフネソウにハチが潜り込む様を体全体で詳しく説明。なるほど!
ツリフネソウ
下の大きな花びらがハチの足場になる。やさしいね。
ヤマホトトギス
ユニークな姿と名前の由来となった特徴的な斑紋。見とれるね。
ヨシノアザミとマルハナバチ
長くて丸いカラフルな体毛がカワイイ、ヨシノアザミの蜜もOK
ヒガンバナ
秋の道端を彩る。鮮やかの一言
16期生9月6日講座報告
過去126年で最も暑い夏、6~8月全国の平均気温が統計上最高に(気象庁)という報道があったが、世界気象機関WMOも今後5年で世界平均気温は最高になるだろうと予測しているとか。言葉だけでなく、誰もが異常な暑さを実感した8月だった。
今回の講座のテーマ、地球環境問題とは、まさにこの気候変動(地球温暖化)の問題だ。いわゆる産業革命(1750~1850年代)後の100年間のCO₂の排出量はその後の50年でさらに加速、なんと4倍以上に増加している。2015年のパリ協定で「世界の平均気温上昇を、産業革命から2度未満、できれば1.5度未満に抑える」「今世紀後半に温室効果ガス(大気中に含まれるCO₂やメタンなどのガスの総称)の排出を実質ゼロにする」と決めたが、50年で4倍以上に膨らんだものを50年でゼロに……?さらに先生から「あと20年程度で世界のCO₂排出をゼロにしなければ取り返しのつかない変化に見舞われる」と聞き、今日は悪い意味で目が点に。ようやく地球温暖化がいかに恐ろしいものかと気づかされた。(えっ、これでは私たちの未来はどうなるの?)脱炭素技術、いわゆるクリーンなエネルギーを作る技術も進み、大いに期待したいところだが、それを作るには、それ以上のエネルギーが必要だとか。(う~ん、どうする人間)
ヒトが使える一次エネルギーは、たった3種、化石燃料・核エネルギー・自然エネルギーだと教わった。安心安全なのは自然エネルギー。太陽光・風力・水力・バイオマスにせよ、すべて太陽エネルギーにかかわっている。と言われてもなかなか太陽エネルギーのすばらしさを実感することは難しい。そこで、太陽熱がいかに利用できるか実感できるものとして、講座に取り入れてくださったのがソーラークッカー作りとソーラークッカーによる調理体験。残念ながら、昨日まで晴れだったのが、今日はなんと曇り・雨。調理はできなかったが、ソーラークッカー作りに真剣に取り組み、完成。レンジシートとクリップだけで簡単に。後はお手製の黒い缶に卵を入れてゆでるだけ、だったのに残念。ゆで卵は宿題ということで卵1つずつをお土産に持って帰ってもらった。さらに先生からはソーラークッカーの型紙のコピーまでいただき、楽しみが増えた。
午後からは、「どうやってCO₂排出をゼロにするのか(脱炭素への道)」についてグループ討論。皆さん真剣に意見を出し合っていた。その一つ一つの提案・意見にたいして先生から丁寧な説明があり、私たちも深く考えさせられる1日だった。私たちの未来を、若者たちや大企業、国家に任せるだけでなく、私たちシニアも地球環境問題について考え、できることをコツコツと無駄なく実行していきたいと思った。(一人で考えるよりみんなで考えるっていいものですね。知恵がわく。勇気がわく)
CO₂をどう減らすのか?
まずは、ミニで練習
意外に簡単かも
できましたね!
完成!巌先生発案のソーラークッカー3号「マンタレイ」
16期生7月26日講座報告
泉北高校に到着して少し汗が引いたところでまずビオトープ池で生き物の採集をおこなった。背景にはコナラやシリブカガシ、水辺ではアカメヤナギの木、オオミクリやヨシ、ツルヨシ、ジュズダマなどが茂る水たまりのような池でじっと目を凝らし生き物を探した。慣れてくると大胆に網を使ってヨシノボリやトンボのヤゴ、アメンボ、ヌマガエルを採ることができた。植栽した植物以外にも自然に環境に合う植物が現れたり水鳥に運ばれてきたと思われる水草が増えているという話があった。
冷房の効いた実験室に戻りプランクトンの講義の後、前もって準備していただいたプランクトンを顕微鏡で観察した。試料に合わせて倍率を調整したり接眼レンズを通して写真を撮ったり集中して楽しんだ。また、ビオトープ池で採集した試料も検鏡し微小な生き物を見つける事ができた。小さな池でも多様な生き物が生息していることがよくわかった。
午後は、学校ビオトープ池の造成と管理についての座学。ビオトープについての考え方、造成のプロセス、完成後の長年の調査やそのデーター蓄積について興味深い話が聞けた。生態系を底辺で支える植物性プランクトンの話から発展しビオトープ池という人工の生息環境を作ることでそこにも地域に生息する生物との繋がりができ自然環境を豊かにする事ができる事を教えていただいた。話題が植物、昆虫、両生類など幅広く楽しい講座となった。(E.H)
16期生7月19日講座報告
晴天の中、南海本線二色浜駅に集合。15分ほどの近木(コギ)川河口にある葭原でカニ釣りに興じ、昼からは二色浜の河口干潟で生物採取し同定を行った。
竹竿にタコ糸を結び、重りを付けた2mほどのタコ糸にエサをつけ、葭の根本にあるカニ穴をめがけてエサを垂らした。カニがハサミでエサを挟み口に運ぶ瞬間を待つ、歓声をあげながら釣れたカニと格闘していた。1時間ほどの成果はハマガニとアシハラガニ。「水道水で飼えます、エサはなんでもいいです」と講師。
午後は河口を二色浜まで歩き、潮の引いた干潟で石の裏や潮だまりなどをタモ網やスコップで浜の生物採集を行った。同定で判明したものは、ハサミの片方が大きく白いハクセンシオマネキ、めずらしく前に歩くマメコブシガニ、イソガニ、ユビナガホンヤドカリ、ユビナガスジエビ、タテジマイソギンチャク、あさり、クチバガイ、みんながウナギと間違ったミミズハゼ、ウミニナなどいっぱい。強い夏の日差しの中、無心に生きものを探したくさんの成果があった。(H.I)
意欲満々、さあ早くエサに食いついて。
干潟の石を裏返したり、何かいないかな。
葭のの根元にいたハマガ二。30分格闘したが釣れなかった。
左はメス、卵を抱くため、ふんどしが丸く大きい。
干潟のダンサー、オスは大きなハサミをフリフリ踊る。
カニなのに、前に歩く。変わり者です。
夏空の広がる干潟、みんなが無心に探した。
16期生6月28日講座報告
最初に堺自然ふれあいの森とは里山を残して自然環境の保護、循環型管理を行い、遊びや学習、散策などを通し里山文化を伝承する場であると説明を受けた。次に両生類は魚に近い爬虫類は鳥に近いという違いを覚える事を目標に各々の生態の違いについて繁殖方法、雌雄の違い、見た目の特徴を学んだ。
最後に4、5人のグループに分かれてのワークショップ。みんなのカエル池(湿地)の保護を中心に各々が住民、農業経営者、企業、市職員、ガソリンスタンドの立場から街づくりの計画を立てるため意見交換し結果を発表した。自然環境と人の生活について深く考える機会となった。
午後の野外活動では、両生類と爬虫類にとらわれず植物や昆虫など講師自ら次々と見つけたものを紹介しながらの観察となりふれあいの森を楽しむ事ができた。カエル、ヘビが苦手という人もいたが改めて知識を得られて良かったとの声も聞かれた。カエル、オタマジャクシは観察できたがトカゲ、カナヘビの姿が見られずあきらめムードの中、森の中の朽木の下で発見しみんなで協力して捕まえ大盛りあがりになった。そして異常な土盛りの下にはモグラの穴があるのがわかり素手を突っ込んでそのしっかりした感触を確かめた。このように予想外の発見もあり気持ちの良い日になった。
終了間際に雨粒がポツポツと落ちてきてタイミング良く大雨に合う前に帰路についた。(E.H)