16期生6月21日講座報告
火力発電所が更地になり少し寂しい感がする多奈川駅に集合。歩いて25分で水産技術センターに到着した。同センターでは大阪湾を対象に「海辺を守る」「海辺を再生」「魚資源を調べる」「魚を増やす」という活動を行っている。映像による業務説明のあと大阪湾の主な漁法や主な魚種の展示水槽を見学。エサを水槽に落とすとなんと10尾ものヒラメが砂の中から姿をあらわした。
栽培漁業のための稚魚飼育水槽の見学、水槽にはキジハタ・トラフグなどの稚魚や成魚が泳いでいた。キギハタは「あこう」と呼ばれる高級魚であるが大阪湾から出ていかないなど効率のよい魚種としてセンターでは力を入れて栽培放流している。
午後はセンターから歩いて10分ほど、貴重な自然海岸「豊国崎」に移動、採取方法や注意を聞き、防波堤から磯の広がる波打ち際に降りた。真剣にまた童心に戻り石をひっくり返したり海藻に隠れている生きものを探した。潮の引きが弱く採取しにくかったが磯の動物の代表的な七門すべて採取できた。その後の同定では岩にへばりつく「ヒザラガイ」を解剖し、岩をガリガリかじるヒザラガイの歯をルーペで観察した。歯は磁鉄鉱でできており磁石にくっつくそうだ。(H.I)
大阪湾での漁法のジオラマ、よ~くわかります
ウニやタコはどこかな。いっぱい採れるかな
キジハタ10年生の成魚、おいしいですが顔はコワオモテ
先生の説明や皆なからの質問で盛り上がった同定でした。
触ると柔らかいスポンジのようなダイダイイソカイメン
16期生6月14日講座報告
平年よりも早い梅雨入り、ぐずつく天気の中で、講座が始まった。まず初めに「素朴な質問です。水田は自然でしょうか。自然としての価値はあるのでしょうか。」「赤とんぼは水田で繁殖することを知っていますか。」の質問に、皆さんはどんなことを考えただろうか。何か忘れていた大切なことを思い出させてくれたような気分になったのは、私だけだろうか。
その後は、「難しい質問です。わかりませんよね。」と言いながら、話を進めていかれる先生のお姿が印象的だった。確かに細かな数字が並び、いささか難しく思ったが、一つの質問が次の質問へとつながり、さらに次の質問へと、ストーリーになっていたのだと思った。1970年代の大きな社会の変化。宅地開発や食生活の変化、また国の農業政策など、さまざまな変化の中で、水田や米の作付面積が減少していったことが、数字をとおしてわかった。
また、私たちの口に米が入るまで(農家さんが出荷するまで)どんな作業があるのか、また天候や害虫、カビなどとの闘いなど、どんなに機械化が進んだとしても必要な作業は飛ばすわけにはいかないこと。農地が狭ければ狭いほど、人の手も時間もかかる大変で大切な作業であることもよくわかった。それが棚田となれば、どんなに大変なことか。また、水田だけでなく、周りの池や樹木や水路などなど、多く人の手が関わる環境の中で、長年そこに適応し、生息しているさまざまな生物との関係についても考えさせられた。
午後は美加の台まで電車で移動し、惣代の棚田へと歩いた。心配したお天気も何とかもち、野外学習もできた。時期的にもよく、実際に田植えされたばかりの水田を観察することができ、先生の説明と合わせて、午前の学習の振り返りができた。また、農道を歩きながら、帰化植物や在来の植物を観察し、実地学習を楽しんだ。最後は、少し時間と体力的なこともあり、全員で最終目的地まで行かずに、希望者だけになったのは少し残念だった。(K.T)
棚田に続く道。間伐も大切な作業。
水田を観察。
「水田を守るとは・・・」
惣代の棚田
2022年に選定
ふるさとの誇りを未来に
16期生5月17日講座報告
晴天ではあったが気温30度超えの予報があり熱中症の心配をしながらのスタートになった。双眼鏡や鳥類図鑑を持参している講座生が多く熱心な様子が伺えた。
大泉池ではサギ、カワウのコロニーが見られた。中央休憩所の日陰からの観察で体の負担が少なくスコープを通してじっくりと観察することができた。大きな木の下方にはコサギ、上方にはカワウが巣を作り、側にはアオサギの巣も見られた。群れでありながら共生している様子が観察できた。成鳥と幼鳥の羽の色の違いやカワウの成鳥のエメラルドグリーンの虹彩、首元の色彩の白黒黃色のコントラスト、喉元をふるわせて暑さをしのぐ様子など講師の説明が興味深く何度もスコープを覗き飽きることなく観察した。ひなが育つ時期でもありこの様な光景を見られた事は非常に幸運だったらしい。続けて公園内でシジュウカラの囀りを聞きながら声から様子を感じ取ることやスズメの幼鳥の柔らかな色調の羽と成鳥との違いを観察した。「見たいものをじっくり見ることが観察なのですよ。」という講師の言葉が印象に残った。
午後の座学のテーマは「鳥の羽根と鳥類標識調査からわかること」
羽根の構造を知ること、羽根の色で種類や幼鳥と成鳥の違いがわかることを学んだ。他にも虹彩やくちばしの色も幼鳥と成鳥の見分け方になる。カスミアミを使った大規模調査で鳥に標識を付け追跡調査を行っていることも学んだ
最後に鳥の剥製や頭骨格で構造や色彩を観察した。カラスのくちばしのキャップには大いに盛り上がった。
参考:YouTubeでイヌワシ 伊吹山 米原で検索するとライブ配信が行われています。(E.H)
カワウ、コサギのコロニーを観察
上方にはカワウ、下方にはコサギがいます。
木の上にはカワウの巣が沢山!
講義風景
1960年頃作製の標本。色が保存されています!
標本で羽の構造を観察します。
16期生4月26日講座報告
本日の講師木村先生は、タンポポの研究・調査に50年以上携わっておられる。その豊かな知識と熱意たるや、講義を受けながら何度も「目がテン」「目からウロコ」を体験した。まずは明治時代に食用として北海道に導入されたものを、かの牧野富太郎博士がセイヨウタンポポと命名したことや、やがてセイヨウタンポポが日本中に広がると予言した通り2005年をピークに外来種のセイヨウタンポポが日本在来のタンポポと次々に入れ替わっていったことなど、驚き。ところがその後日本の在来種が復活し、やがてその勢力は逆転していく。これは50年に及ぶタンポポ調査によって検証されている。
50年と言えば西原公園のある、この泉北ニュータウンの歴史と同じである。開発とともにセイヨウタンポポが増え2005年をピークに在来種のカンサイタンポポと入れ替わっていく。そしてニュータウンに緑が増え自然が豊かな街へと変わっていくとともに、またカンサイタンポポが復活しセイヨウタンポポが消えて行く。ただし、開発工事などが行われる駅前広場や新しい農地開発の場所にはセイヨウタンポポは増えるのだ。なんと不思議。これはなぜ??? それはセイヨウタンポポとカンサイタンポポの「生態的性質の大きな違い」が大いに関係しているのである。「生態的性質の大きな違い」とは???さて、本日の学習を覚えていますか?【同じタンポポでも西洋と関西(日本)では大いなる違いが・・・】「タンポポ調査を通して、自然環境を知ることが出来る」という木村先生のお話はとても興味深いものである。身近な植物から教えられることはたくさんあるのだ。目からウロコ。
さて、午後は雨の中の野外観察。あいにくの雨と今年はタンポポの開花が早く肝心のタンポポは十分に観察出来なかったが歩く道すがら多くの植物について外来・在来や名前の由来、生態などなど多くを教えて頂き時間はあっという間に過ぎ、教室へ。その後、教室でカラスムギの穂を使っての実験と観察では教室のあちこちから「動いた」「回った」「びっくり」の歓声が上がる。ここでも、やはり目がテン。手作りのミニ図鑑もいただき、感動いっぱい、満腹の時間であった。(K.T)
追記:木村先生の長年のタンポポ研究に、NHKも注目。NHK「おはよう日本」4月30日(日)「サイカル研究室」で西原公園を舞台にタンポポについて放映されます。ぜひご覧ください。
タンポポにも、いろいろあるんだなあ。
種の大きさが違うと、どんな違いが?
雨の中、真剣に聴く16期生。
びっくり!水につけたらカラスムギの白いノギ、軸の周りを回転!
16期生4月19日講座報告
16期生の第1回目の講座。観察するということはしゃがみ込んで細部を見ること、俯瞰的に見ることから視野が広がり生物多様性、地球の歴史、生物の進化にまで繋がる。身近なフィールドでじっくり観察する事で自分のデータベースをつくることができる。また、観察して気付いたことを人に話すことが何より大切という事を学んだ。
野外観察においてイチョウの雌雄の木を観察し地面に落ちた雄花を拾い上げじっくり観察。雌株では葉の付け根に付いた小さな実を見つけた。実は半年かけてゆっくり成長し秋にはあの銀杏の実となる。春にはその準備が始まっている。
午後は落ち葉を踏みしめ自然の森に入った。目を閉じて五感を研ぎ澄ますと匂い、風、鳥の鳴き声など感じることができると説明を受けた。
最後に雨の日ならではのプログラム。視点を色において落ち葉、実、花、葉っぱを集め白いお皿に盛り付け作品名をつけて写真を撮った。瑞々しい植物を使って各々の感性で制作した作品は見応えがありお互いに写真を撮り合ったりして雰囲気が盛り上がった。インスタ映えする写真撮れたかな。(E.H)
雌雄異株のイチョウを観察
講座風景
思い思いに色集め
森の中感覚を研ぎ澄まし集中しよう
映える花のプレート
16期生4月12日講座報告
心配した空模様も少し雨粒が落ちてきた程度、16期生の皆さんにはほとんどその前に集まって頂けました。さあ、2年間待ち続けた16期生の新規講座の開始です。
スタッフが開講式開始を告げ、相原代表理事はまず初めにコロナの影響で2年間中断し再開に心配が有りましたが、たくさんの皆さんにお集まり頂き安心しました。有難うございます」との感謝の気持ちを述べました。続いて、南大阪エリアの豊かな自然を楽しみたいとの思いから始まった「カレッジの生い立ち」や「会員数」を16期生227名・現会員数188名と報告、「活動の特徴」は少人数で和気あいあい、ホームページはスマホからも閲覧でき検索数も上位にあること、専門講師と15期生だったほやほやのスタッフや会員から選ばれた理事が運営する手作りでストレスフリーな講座であること、16期生の皆さんには自由に自分のスタイルで講座を楽しんで欲しいとの思いを伝えました。各理事からはコロナ感染防止対策や会員に応募協力頂いたお礼を述べ、記念写真の撮影を行いました。
午後からは16期生それぞれ自己紹介の時間。講座に参加するまでの経緯やその思い、日頃の趣味や関心ごとなど紹介があり、経験豊富な様子から16期生皆さんの多士済々な様子がうかがえみんなでワクワクドキドキが楽しめそうです。その後3つの班に分かれて班長副班長を決め、講座に関する質問など意見交換。最後に次週講座の説明をし開講式は無事終了しました。(H.I)
少し緊張の記念撮影!さあ、ワクワクドキドキが始まります。
「自由に自分のスタイルで楽しんで下さい」
これからよろしくお願いします。それぞれ個性的な自己紹介。