17期生5月28日講座報告
今日は、加太の海岸までやってきて、ウミウシの観察です。ウミウシのイメージは海のナメクジのような…?しかし、全く違って綺麗でかわいい生き物でした。駅から、2㎞ほど歩いて目的地の城ヶ崎海岸に着きました。非常に凹凸した段丘のような感じですが、横倒しの地層のうち、やわらかい層が浸食されて洗濯板上になったとのことです。目の前に広がる海についての説明から始まりました。大阪湾は二つの出入り口(明石海峡と紀伊水道)があり他にはあまりない湾であり、その特殊な環境のため多くの生物がいるとのことです。ウミウシは雌雄同体で貝類に属しますが、美味しくない体を作って外敵から身を守り、貝殻を捨て、動きがゆっくりでも現在まで生き延びている生物。模様の綺麗なウミウシも多数います。
早速海岸に降りて、足元に気を付けながら、赤クラゲ以外危険な生物が居ないので、干潟の石をひっくり返し、丹念にウミウシを探します。最初は、どのような物かが分からず苦戦していましたが、まずはオカダウミウシを見つけ、交尾をしている大きなアメフラシを見つけました。そしてウミウシ探しに夢中になりましたが、あっという間にお昼の時間になりました。
昼食後、再び磯へ行き何度も何度も石をひっくり返して探し続け、10種類見つけることができました。青いアオウミウシやオレンジ色のキヌハダウミウシ・イソウミウシは綺麗でかわいいものでした。その他に、タコやヒトデ、赤クラゲなども見ることができ、好天の干潟で童心にかえって楽しい観察会となりました。
アメフラシ
見つけたウミウシたち
ウミウシノート1
ウミウシノート2
17期生5月14日講座報告
デジタルカメラが登場して約25年、130万画素から性能は著しく向上し、今では主流はスマホカメラになって、1億画素のカメラまであるそうです。ネイチャーフォトはこれらのカメラを用いて自然を撮影した写真(風景、山や空、野生の動植物、水中写真)で、知識や撮影方法、便利グッズ、アプリなどについて学びました。接写やマクロ撮影などを多く紹介され、顕微鏡モード、焦点深度合成モードがあるカメラは活用しやすいようです。タイムラプス(長時間の変化を短く撮影すること)で粘菌の成長の変化がハッキリとみられ面白く驚きました。そして実際に、先生が用意されたドングリや小さい貝、十円玉を大きく写したり、旧札の千円札にあるNIPPONGINKOUの細かい文字を探したりして楽しみました。
午後は、近くの長野神社(重要文化財の本殿、天然記念物のカヤノキをはじめ、周囲の変わった形の植物群、昆虫、花など)でネイチャーフォトの被写体を探し、各自撮影をしました。戻ってから4~5人のチームごとに披露しあい、被写体は同じでもアングルや移し方によってそれぞれ違い興味深いものでした。最後に、先生の世界クルーズ時の船上の夕日、星空(南十字星)、雲など美しい映像にうっとりし、またトンボの交尾、胎生のアブラムシ、オナガグモの餌取り、ハエトリグモの顔のアップ、ナナフシの交尾など普段見られないものをたくさん見せていただきました。
自然の動物 昆虫
昆虫たち
17期生5月7日講座報告
今日は、京都の深泥池の特殊な植生についての講座からです。周囲1.5km面積9ha(浮島3ha)の深泥池は、暖温帯にある低層湿原と、本来もっと寒冷な地域に成立する高層湿原の特徴を併せ持っています。その浮島には12種もの食虫植物が生息する特殊な生態系のため、昭和2年に天然記念物に指定されました。
まずは、池のタヌキモを観察しました、小さな袋が多数付いて、緑色のものと黒いものがあり黒い袋は餌の微生物を捕まえたものだそうです。小ぶりなオオバナタヌキモ(外来種)も観察できました。ジュンサイも生息していますが、水面いっぱいに繁殖するため、年に1回の駆除が必要で、ジュンサイのお土産はもらえますが大変な作業とのことです。またこの特殊な生態系を生み出した理由は周囲の地層がチャートから成っており、入り込む河川がないことが上げられます。雨水は栄養が乏しく、水以外から栄養を取り込む食虫植物には有利な点だそうです。また、14万年前の氷河期から高層湿原は貧栄養な水質、PH、少ない酸素量、冬の寒冷化などいくつもの要因が重なり他に類が無い生態系を維持していることを学びました。そのため外部環境から新たに水や外来生物が流入すると、すぐにその生態系に影響が出てしまうため、外来魚の駆除も毎週行い、樹木の伐採テストや水質、水位を管理して維持など、貴重な深泥池の存続の大変なことを知りました。
午後は、京都府立植物園。大正13年に開園し、昨年100周年を迎えた日本最古の公立植物園で甲子園球場6個分の面積、12000種の植物があるそうです。早速、花壇に咲くアヤメから多種の花を見ました。アイスランドポピーは蕾が下を向いていて咲くと額がなくなるとのことで興味深いものでした。180種ある桜の中で最も開花の遅い5月に咲く「奈良の八重桜」、ジュラシックツリーと呼ばれる2億年生存し続けているウォレマイパインメタセコイヤ発見の経緯、イロハモミジの7つに分かれた葉と赤い種、変わった形のショウブの花、金魚葉椿の葉、アイラトビカヅラの花、呼吸根などの説明を受けました。巨大なヒマラヤスギは実は松の仲間とのこと。また、鑑真和上由来の中国の瓊花についてなど、興味深い話も聞けました。ガイド終了後、4700m²もあり4500種の植物がある温室へ移動。中には唇のようなバリコウレアトメントサから始まり、かわいいフクシア、変わった形の蘭の仲間等を楽しみました。(Y.M、M.N)
温室の植物
17期生4月25日講座報告
午前は、火山活動の概要から、大阪周辺の代表的な火山地層の講義でした。現在は、活火山は112座あり、休火山・死火山の分類表記は廃止になったそうです。 火山爆発として最近起こった木曽御嶽山や雲仙普賢岳の火砕流の体験や被害状況、富士山は1200間10回の噴火がありその想定被害を学びました。桜島のように噴火し続けている山もありますが、予想していない大きな噴火は大きな災害になることを改めて理解できました。 現在本州西部と四国には火山がありませんが、1400~1600万年前に形成された二上山付近は、多くは地下深くの溶岩が固まった岩頸ですが、屯鶴峯では火砕流の堆積ででき、14層を確認できるところがある事を知りました。
午後は、何とか天候も回復してきたので、是非とも屯鶴峯の景色を見たいということで現地へ。二上山駅から登山口まで2.5㎞を歩きなんとか到着。登り始めたら、すぐに広大な白い地層が見られしばらく感動です。そして実際に地層を触るとザラザラで小さな石を見つけました。確かに球形ではなく、楕円(ラグビーボール状)や円盤状の1~3mmの豆石を確認できました。天候の不安もあり早々に駅に戻りましたが、またゆっくり訪れたいと思える奇岩の景色でした。
屯鶴峯の火砕流
14回以上火災流が発生した
火山灰が固まり出来た豆石
17期生4月9日講座報告
あくあぴあ芥川は、高槻にある全長23kmの芥川の豊かな自然環境とそこに生息する50種に及ぶ生き物について、学べる自然博物館で450種の展示があるとのこと。2階にある大型水槽で、飼育されている魚に餌をやりながら観察し、様々な淡水魚について説明を受けました。鯉、銀ブナ、オイカワ、タモロコ、カワムツなど上~下流域に分けて展示されており、餌が入ると水槽は大騒ぎでキラキラ光る魚はとても綺麗です。説明で鯉のヒゲは4本あることや喉に歯があること、鯉は底から餌を食べ、オイカワは浮いている餌を狙うなどそれぞれ個性があることを知りました。各水槽では、ウナギ、スッポン、イモリ、ドジョウなどが展示されていました。
昼食後、JT生命誌研究所へ移動。まずは蘇智慧先生による「イチジク植物とイチジクコバチの共生関係」の講義。おかげで、なぜ無花果と書くのかが理解できました。無花果の実は内向きに花が咲き、受粉のためにはそれぞれ対応した種のイチジクコバチが実の内側の花に侵入し受粉させるとともに、コバチの産卵が起こり生まれた雄は一生花の中で過ごすという特異な共生があるとのこと。不思議でちょっと考えられない共生関係を学びました。ただし、今食べている無花果には、共生のしくみは無いためコバチは入っていないと聞くと、皆安心しました。
その後、館内の展示を3班に分かれ見学。中村桂子名誉館長の生命科学から生命誌への移行という考えに基づいた、生命の起源や進化、生きていくための生命現象などいろいろな展示がありました。38億年かけてシアノバクテリアから生命が進化し、地上に上がる経過の展示や、蝶の食草園ではそれぞれの蝶の好む餌が育てられ、その研究を通じて足に味覚があることが分かったなど、非常に興味深いものでした。また食草園では講義で聴いたイヌビワ(イチジクの仲間)がありコバチが入った前後の実を観察しました。最後に17世紀に昆虫の生態を研究、絵にしたマリア・ズイヴィラ・メーリアンさんの展示と生きた化石といわれる肺魚を見て、生命の進化と細かな観察を通した研究の面白さが再認識できました。(Y.M)
びわの実のコバチ有無
1JT研展示見学
17期生3月12日講座報告
『動物たちとの接点』をテーマに、今日は天王寺動物園を訪れました。大正4年にでき、今年110周年を迎え、上野、京都に次ぐ日本で3番目に古い動物園です。令和3年から地方独立行政法人となり動物たちの構成や施設の改善を進め、国内ではJAZA(動物園水族館協会)に所属し、国際的視野にたって動物たちの保護、交配等の情報交換を行っているそうです。
講義では、クロサイとシロサイの違い(口の形)やレッサーパンダとジャイアントパンダの違い(暑さの耐性)、フンボルトペンギンは常温で飼育できること、フラミンゴの色(紅色)は甲殻類の餌によるもので動物園では色素を活用していることを知りました。ペンギンやシマウマの白黒にも意味があり天敵から身を守っていることや、動物たちの健康診断(体重測定や血液検査等)、ライオンの爪切りの方法など興味深い話でした。天王寺動物園では、餌代が現在年間9千万円ほどかかるそうですが、コアラが居た頃は非常に高かったこと、また昔は鳥が逃げて捜索が大変だったことや、雄だと思っていたカバのゲンちゃんはDNA鑑定で実は雌だと最近分かったこと、ホッキョクグマのホウちゃんは、ゴーゴとイチという名の親から生まれてついた名前(いかにも関西!)など楽しく話を聞きました。
先生のお話を聞いた後、園内の見学。フラミンゴ舎からアフリカサバンナゾーンへ行きカバ、クロサイ、キリン、エランド、レッサーパンダ、マングース、ツル舎を見ました。園の中でも、ライオンとキリンとあべのハルカスが同時に見る事のできるところがベストポジションとのことでした。(N.M)
クロサイと白サイの説明
ラミンゴから離れない講座生
シロクマ
レッサーパンダ
飼育員から動物たちの説明を聞く
サイの定期健診
奥からハルカス・キリン・ライオン
17期生3月5日講座報告
午前中は、苔についての座学。コケは本来「木毛」という意味で、小さな植物(のようなものも含む)の総称で、蘚類(スギゴケの仲間)、苔類(ゼニゴケの仲間)、ツノゴケの3グループに分類され、日本には1900種類が見つかっています。「コケ」と呼ばれていてもモウセンゴケは種子植物、アカミゴケは地衣類、スミレモは藻類、ウチワゴケはシダ植物など似たようで違う植物、菌類が多くとてもややこしそうです。
コケは光合成を行う植物ですが、根・維管束がなく花を咲かせず雄と雌があり、その構造は、植物体(主に緑色の葉や茎)と胞子体に分かれており胞子で増えていきます。その葉に特徴があり単細胞が一列に並ぶだけで、空気中の水分を取り込みやすくなっています。約4億年前に地上に現れ、当時は最も背の高い植物だったとのこと。今回も古代の大気が影響していることや、コケから始まり維管束ができて植物に進化していくことを学びました。
午後の野外観察では、まずルーペの使い方から学びました。目にルーペを近づけ、対象物をルーペに近づけて見ます。また、必ず太陽を背にして直接見ないことが注意点です。雨の中、傘をさしながらの観察となりましたが、コケにとっては幸せな環境です。樹木に張り付いたサヤゴケ、エゾスナゴケ、ホソウリゴケ、胞子体のかわいいコゴメゴケ、ジンガサゴケ、コバノチョウチンゴケ、トサカホウオウゴケ、ヒロハツヤゴケなどを見る事ができました。ルーペで見つけるたびに「これ!」と歓声が上がり、可愛いコケの小さな世界を楽しみました。(M.Y、N.M)
最初に見つけたエゾスナゴケ
提灯の形をした胞子を持つチョウチンゴケ
横から見るとキノコのような陣笠の形ジンガサゴケ
マツガゴケ拡大
排気ガスを浴びる街路樹にも付いていた。マツゲゴケ
エゾスナゴケは見事に星☆の形
ハイゴケ