大阪シニア自然カレッジ

いのちの営み探検部会

いのちの営み探検部会 3月活動報告

開催日2026年3月16日(月)  晴れ
場所大和葛城山
参加人数8名
テーマ早春の山に生きる花や蝶。 特にフキの花(フキノトウ)について

 早春の大和葛城山。いろんな成長段階のフキノトウが見たい。加えて早春の蝶や、花々もと、期待を一杯抱えてロープウェイで登山口へ。お天気は上々。空は青く、奈良盆地と、周りを囲む山々も、くっきりとうす青く連なり、先ずは自然の美しさを堪能した。

今回目指すはフキノトウ。フキは野山に自生する、キク科、多年草、雌雄異株。フキとして食するのはフキの葉柄。そしてそのフキ根茎に、葉に先だって早春に咲く花がフキノトウである(図−1)。フキノトウは雌雄異株で茎先に多数の頭花をつける(図−2)。オバナは星様の花びらを持つ筒状花で、花粉を持つ。その筒の中には虫が好む蜜を多量にため込み、虫を呼び込む(図−2)。蜜を求めてやってきた虫たちは、体に花粉をつけて飛び立つ。他方メバナは糸状で白く繊細な形状(図−3)。雄花と異なり、虫を呼び込むための花粉も蜜もない。虫を引きつける魅力に欠ける。どのようにして虫を呼び込むのだろうか。雌株のフキノトウはメバナの間に少数のダミー雄花(中性花)を混在させている。このダミー雄花は真の雄花と同様の星形形状を持ち、虫が好む蜜を分泌する。オシベ、メシベはあるが、これらは単なる見せかけ。性的機能はない。中性花のもつ蜜と、オバナに似せた形状に引き寄せられ、花粉をつけた虫たちはメバナを訪れ、花粉をメバナに運ぶ。自由に動くことのできない植物が、近親交配を避けるための工夫を、今までいろいろと見てきた。フキノトウは雌雄異株という形をとることで、近親交配を避け、多様な発現系をえた。種として安定して生存・進化できる利点を獲得した。

今回は、早春の花々や蝶との出会いも期待したが、小さな花々に、わずかに出会っただけだった(図−4)。フキノトウもまだ若く、メバナが受粉し,タネをつくり、旅立つまでの過程を見ることができなかった。次の機会には、フキノトウのタネの旅立ちまでを是非みたいものだ。 (文:A. F. 写真:E. H., K. T., A. F.)

根茎
雄株
中性花
早春の花たち

いのちの営み探検部会 2月活動報告

開催日2026年2月16日(月)  曇り
場所烏帽子形公園
参加人数14名
テーマ冬の自然観察 生き物たちの様子を観察しよう!

 この時期生き物たちはどのような状態で生きているのでしょうか? 特に、冬の時期にはほとんど見かけない昆虫たちはこの時期は卵?幼虫?蛹?それとも成虫?冬越しの形を二十八の瞳で確かめようと探検開始、最初に集合場所の東屋近くの桜の木の幹にハラビロカマキリの卵嚢を発見。次にエゴノキの実を観察した後遊具のある広場で、クヌギの剝がれそうな皮をめくるとカメムシやゲジゲジのような虫、小さいゴキブリなどが潜んでいた。また、クワガタムシを見つけようと情熱を燃やす部会員(Nさん)が近くに落ちていた枯れ枝を割ると、そこはアリの巣だったようで無数のアリとその幼虫がいた。その後の森の中で、積み上げられた木の間にナメクジ、ダンゴムシやキノコムシの仲間などが観察された。そしてNさんが遂に見つけたとコクワガタ、を皆に見せてくれて午前の観察を終えた。

 午後は自由参加とし、プール跡の廻りを10名で生き物探しを継続。クスサンの繭やゴミムシの仲間、ニホンアカザトウムシ、マイマイカブリ、おまけにエノキダケ(きのこ)の小さな株などが見つかった。

 Nさんの大活躍もあり、思っていた以上の生き物たちがしっかりと生きていることを多く確認できて、見どころの多い大満足の観察会であった。   (K.I)  

ヤマガラが大好きなエゴノキの実殻が開いて地面に実が落ちている
朽木の中にはアリの巣
ヤマトデオキノコムシも越冬中
ナメクジとダンゴムシ
執念で見つけた立派なコクワガタ ♂
クスサンの繭 すかしだわらと呼ばれているらしい
アカハネムシの幼虫
ニホンアカザトウムシ 白いものは分泌物
マイマイカブリが出てきていた
天然のエノキダケ発見

いのちの営み探検部会 11月活動報告

開催日2025年11月17日(水) 晴れ
場所鶴見緑地公園
参加人数8名
テーマカモの雄・雌を確認しよう エクリプスって?

 今年も冬鳥のカモたちが10月頃から次々と渡って来ています。雌は全体的に褐色の地味な色合いをしているものが多いが、雄は鮮やかで華やかな色合いをしています。雌は巣内の卵や抱卵する自分自身を外敵から守るためにも、自分の存在をできるだけ目立たないようにしている。雄が派手な装いになるのは、より美しい羽毛を持つ雄を好む雌にもてるためです。そんな雄も繫殖期が終わると、自然界で生き抜くため雌と同じような地味な姿になります。渡って来た直後は、まだ完全には派手な装いになりきっていない雄も多くいます。そんな雌のような姿の雄のことをエクリプスと呼んでいます。

 今回はカモたちの雄・雌の違いとエクリプスを観察です。まずは大池でコガモを観察。5~6羽のコガモの中に頭部の緑色が出ていないエクリプスの雄1羽を観察。その後多くのカモが集まるエリアへ移動してオナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ等の雄・雌やエクリプスをじっくりと観た後、日本庭園の池でマガモの雄・雌とカルガモを観察して修了しました。(K.I)

上陸して来たカモたち
マガモ 雄(右)と雌
オナガガモ 雄換羽中
ヒドリガモ 雄換羽中
キンクロハジロ 雄(上)と雌
オナガガモ 雄(上)と雌

いのちの営み探検部会10月活動報告

いのちの営み探検部会 10月活動報告

開催日2025年10月20日(月)曇り
観察場所奥の谷(富田林市)
参加人数13名
テーマ昆虫ハンター”カマキリ”の観察

昨年の部会では一匹もカマキリを観察できず、「今年こそは!」とリベンジを誓う世話人たち。そんな中、前週の奥の谷での昆虫部会で多数のカマキリを観察したとの情報を得たため、観察場所を錦織公園から奥の谷に急遽変更。

奥の谷へ向かう道中でたくさんのオオカマキリの卵嚢を見つけた後、カマキリの生態のお勉強。

  • 物の形を判断する左右の複眼の間に、明るさを感じる三つの単眼がある。
  • カマキリは肉食性でハエ・蚊などの昆虫だけでなく、カエル・トカゲ・小鳥まで捕食するケースもあるらしい。
  • 前翅(ぜんし)と後翅(こうし)を持つが、短距離を飛ぶのが精一杯。
  • 後翅の付け根に耳が1個あり、2万ヘルツ以上の超音波を感知できる。
  • 孵化→脱皮→羽化→交尾→産卵までの一生を、連続写真を見ながら学ぶ。
  • ハリガネムシはカマキリの体内に寄生し、最後にカマキリを水辺まで誘導し、脱出する。

 次にカマキリの探索を開始すると、立て続けに「いた、いた」の声が上がる。オオカマキリ7匹とコカマキリ1匹の合計8匹をゲットし、見事に昨年のリベンジを果たす。参加者から、バッタを入れた虫かごにカマキリも入れたら、アッという間に完食してしまった、との報告もあった。さらにカマキリを水に浸しハリガネムシの脱出を期待するが、願いは届かず。 最後に、捕獲した卵嚢を解剖し、整然と収納されている無数の卵を観察し、これにて本日の部会は終了。(AU)

オオカマキリの全身、捕獲した中で最大は約8㎝。素手で掴むと前脚の鎌で攻撃されて、思わず「イテテ!」
オオカマキリの頭部はエイリアンにそっくり!? 左右にある複眼、その中の偽瞳孔、複眼の間にある単眼が観察できる
コカマキリはオオカマキリと比べてかなり小型。前脚の鎌の内側の白と黒の帯が特徴的
オオカマキリの卵嚢の内部には無数の卵が整然と並ぶ。観察のためとは言え、ゴメンネ

いのちの営み探検部会 7月活動報告

開催日2025年7月21日(月)
観察場所松尾寺、松尾寺公園
参加人数7名
テーマノアザミの受粉など、いろいろな花々の受粉の工夫

野山を歩くと、春から夏にかけてしばしば目につく美しいアザミの花。花の表面を刷毛あるいは指先でそーっと触ってみて下さい。アザミの花は小さな花の集合体。紫色の突起の表面から白い粉が吹き出してきませんか?!これはアザミの花粉です。写真1中央の丸い集合体は幾つもの蕾。蕾から管状・紫色のオシベが伸び、開花です(写真1)。管状オシベの中には葯とめしべが包み込まれており、オシベに昆虫などが触れると、管内部からオシベ表面に花粉が押し出されてきます。次いでめしべ花柱がおしだされ、花粉を纏いながらめしべが伸長。この時めしべの柱頭は開いておらず、これらの花粉は自身の受精に使われることはありません。昆虫の体についたまま、他の花に運ばれます。自身の花粉がなくなると、アザミ花柱の先端(柱頭)が開口、蜜を求め他のアザミ花粉を纏った昆虫がやってきて柱頭に花粉を付けます。このようにして自家受粉を避け、他家受粉を行うことにより、より多様性を持った子孫を残すことが期待できます。アザミはまだしばらく、観察できると思います。もし見かけたら優しく触れて、オシベ、花粉押し出し、メシベ伸長、花柱柱頭の開口などを観察してみてください。

他にも他家受粉のための工夫を示す植物はいろいろと知られています。ホタルブクロやキキョウなど。例えばキキョウでは同じ茎に咲く花の間では、オシベ優勢で自身の花粉を出す時期と、オシベが萎れ、メシベ柱頭が開き、他の花からの花粉の受粉状態にあるものが見られます。これも自家受粉を避ける仕組みなのでしょう。

今回は祭日でもあり参加者は少なかったが、道中、様々な生物に出会い、それぞれ興味の赴くまま、多様な生物のいのちの営みを見いだし、みんなそれぞれに頑張って生きてるなと言う思いを強くした。(本文:A.F、写真:H.I、K.H、A.F)

いのちの営み探検部会 6月活動報告

開催日2025年6月16日(月) 晴れ
観察場所烏帽子形公園(河内長野市)
参加人数15名
テーマ粘菌を観察しよう

今年は粘菌の出現が少なく、前日の下見もかろうじて4種確認。当日はどうなるかと心配されたが、1時間半ほどの間に子実体10種と落ち葉の中に変形体も確認することができた。やはり観察会は楽しい。集団の力の大きさを実感。

初めに、6月8日に奈良で行われた粘菌観察会に参加して学んできた粘菌の探し方を参加者に伝授するところから。「倒木・朽木・落ち葉など、粘菌のエサとなるバクテリアが居そうな場所を見つける。特に今の季節は落ち葉につく粘菌が多いとのことで、まず粘菌の這痕(葉脈とは違う黒い筋など)のついた落ち葉を見つけ、その周辺をほじほじ棒でほじほじ、微小のつぶつぶに注目しながらひたすら探す。」ということで、いざフィールドへ。落ち葉につく粘菌はなかなか見つけられなかったが、倒木や朽木の上などに次々と子実体になった粘菌を発見することができた。

昼食後、以前烏帽子形公園で見つけた粘菌の標本を見ながら、本日見つけた粘菌を確認して解散した。(K.T)

本日確認できた粘菌(倒木・朽木の上)

ウツボホコリ・シロウツボホコリ・ホソエノヌカホコリ・ツノホコリ・エダナシツノホコリ・ナミウチツノホコリ・ムラサキホコリの仲間・ツツサカズキホコリ・マメホコリ・コマメホコリ・落ち葉の中の変形体

解散後、さらに5種発見(落ち葉やササの上)

クネリカタホコリ・ハイイロフクロホコリ・ガマグチフクロホコリ・ジクホコリ・モジホコリの仲間?

(写真:Y.H、K.T)

いのちの営み探検部会 5月活動報告

開催日2025年5月19日(月) 晴れたり曇ったり
観察場所錦織公園
参加人数15名
テーマアメンボを観よう

今日はアメンボの観察。日頃は池や小川に生息するアメンボに目を止める機会がなかったが、今日はじっくりと観察。まずはアメンボの特徴を聞く。

  • カメムシの仲間で、日本には約30種類が生息。
  • 危険を感じると飴のようなにおいを出し、体が細いことから飴棒(アメンボ)と呼ばれた事が名前の由来(諸説あり)
  • 重さは0.04g、アメンボ25匹でようやく1円玉の重さになる。
  • 脚には細かい毛が生えていて、体内から分泌される油分を足に塗る事で水をはじき、表面張力を活かして水面に浮かぶ。
  • 肉食で、小さな虫が水に落ちた波動を脚で感じ取り、餌とする。
  • 春に水中で交尾し、産卵。卵が孵化すると脱皮を繰り返し成虫になる。

その後、パークセンター裏の石水苑から観察をスタート。多数生息しているアメンボを、小網を使って採取。右に左に動き回ってなかなか同定ができない。さらにアメンボ池に向かうが、ここでは名前と違って全く姿が見えない。最後に河内の里の水車脇の小川に移動すると、再び多数のアメンボを発見。何とか撮影した写真をもとに同定を試み、「コセアカアメンボ」と「ハネナシアメンボ」らしいと推測し、観察を完了。

いのちの営み探検部会 4月活動報告

開催日2025年4月21日(月)
観察場所流谷付近
参加人数13名
テーマ山菜を探してみよう

今回は、いのちの営み探検部会の活動の趣旨にはそぐわないかもしれませんが、山菜を観察してあわよくば持って帰って「おいしくいただけたらいいなぁ」と思い計画しました。

ウグイスの囀のBGMを聴きながら雲一つない快晴の中、天見駅前からスタート。新緑に彩られた山々そして咲き始めたフジや道端のスミレやタンポポ、レンゲの花を愛でながら進み、ボ谷の林道へ。ここからが活動の本番。林道に入ってすぐの道端にイタドリ、ミツバ、フキを見つけては写真を撮り、摘み取りました。その後も、ウド、ゼンマイなどを採取。タラの芽は食べるには少し成長しすぎたものが多く採取できたのはごくわずかでしたが、ウドは目が慣れてくると、あちらこちらで見つけられるようになり、かなりのお土産ができました。コシアブラも採りたかったものの、時間的に難しいと判断して今回は諦めました。最後に八幡神社で昼食を済ませ、採れた山菜類を確認した後解散しました。(K.I)

いのちの営み探検部会 3月活動報告

開催日2025年3月17日(月)
観察場所和泉市松尾寺公園周辺の農道
参加人数13名
テーマツクシの胞子とスギナの観察

まず初めに、タブレットを用いて「農研機構」や「NHK」の動画を見て、スギナは地下茎が伸びて繁殖力が旺盛で田畑の困り者、生活史や繁殖の方法、ツクシの胞子や前葉体から幼体への変化などの知識を得てからスタート。子供の頃、♪♪ツクシだれの子、スギナの子~♪♪と口ずさみ、ツクシは成長して大人になるとスギナになると思っていたが・・・・。ツクシはスギナと同じ地下茎から出てきて、時期をずらしてツクシのほうが先に出てくる。そして、スギナが出てくるころにはツクシはほぼ枯れてしまう。つまり、親子関係でなくてスギナは光合成をして養分の調達をし、ツクシは胞子を作り繁殖を担うという役割の違う同僚関係といえるのか。

40倍率の簡易な携帯顕微鏡で胞子を見ると、4本の腕(弾子)が見え、息を吹きかけ湿らすと胞子本体に巻き付き、しばらくして乾燥すると腕(弾子)が伸び、隣り合った胞子が弾けあう様子が見られ自然の不思議を感じる。

当日は、気温も低く風もあり寒い一日だったが、道端や畑地にはタンポポ、スミレ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザなどなど、民家の庭先にも春の園芸草花が彩り、春のポカポカとした気持ちの良い暖かさはもうすぐだ!!(M.T)

いのちの営み探検部会 1月活動報告

開催日2025年1月21日(火)
観察場所大阪府立花の文化園
参加人数14名
テーマシモバシラの霜柱と早春に咲く花々の生存戦略

比較的暖かい日が続き、日中は3月の気温だとか。数年前にもシモバシラの霜柱を見たいと挑戦したが、時期は2月、すでにシモバシラは何度も霜柱を作り、地上茎組織が氷で破壊され、もはや霜柱を作れないとのこと。翌年金剛山に出かけ、アキチョウジにスカートの裾を翻すような、美しい霜柱を見た。今度こそシモバシラの霜柱をと、観察時期をひと月、前にずらし、再挑戦。しかし今冬は一度もシモバシラに霜柱ができていないとのこと。暖冬のせい!! 地上部が枯れても、まだ倒れずに立派にたっているシモバシラを、ボランティアガイドさんに案内していただいた。いつかきっと,美しい霜柱に会えるといいな!

暖冬なら、早春の花は見事に咲いているかも・・・。いくつかの可憐な花に出会った。バイカオウレン、セリバオウレン等、キンポウゲ科の植物。しかしセツブンソウはまだだった。期待していたフクジュソウもほんの数輪が開花。温度計を用意して、花弁内の温度を測ろうと楽しみにしていたのに。フクジュソウは太陽の方向に花を開き、熱を集めて花内部の温度を高める。花粉の発芽や花粉管の伸長、種子の成長を促進。寒さで活動能力が低下した昆虫に、熱を報酬として与えることで昆虫を誘引するらしい。

園内にはまだ花が少ない中、ガイドの方にはいくつかの珍しい植物も案内していただいた。絶滅危惧種のハタケチャダイゴケ、スイセンの原種、ネバネバのトチの芽など・・・・・。丁寧な案内をしていただきありがとうございました。(文・写真:A.F)

バイカオウレン
シモバシラ・フクジュソウ
キノコ