いのちの営み探検部会 5月活動報告
今日はアメンボの観察。日頃は池や小川に生息するアメンボに目を止める機会がなかったが、今日はじっくりと観察。まずはアメンボの特徴を聞く。
- カメムシの仲間で、日本には約30種類が生息。
- 危険を感じると飴のようなにおいを出し、体が細いことから飴棒(アメンボ)と呼ばれた事が名前の由来(諸説あり)
- 重さは0.04g、アメンボ25匹でようやく1円玉の重さになる。
- 脚には細かい毛が生えていて、体内から分泌される油分を足に塗る事で水をはじき、表面張力を活かして水面に浮かぶ。
- 肉食で、小さな虫が水に落ちた波動を脚で感じ取り、餌とする。
- 春に水中で交尾し、産卵。卵が孵化すると脱皮を繰り返し成虫になる。
その後、パークセンター裏の石水苑から観察をスタート。多数生息しているアメンボを、小網を使って採取。右に左に動き回ってなかなか同定ができない。さらにアメンボ池に向かうが、ここでは名前と違って全く姿が見えない。最後に河内の里の水車脇の小川に移動すると、再び多数のアメンボを発見。何とか撮影した写真をもとに同定を試み、「コセアカアメンボ」と「ハネナシアメンボ」らしいと推測し、観察を完了。
水面に浮かぶアメンボ達。涼しい顔をして(?)水中に沈まないのがうらやましい。
動き回った後でようやく落ち着いたところを撮影、「コセアカアメンボ」と推定。
写真を拡大すると小さな羽が見える。「ハネナシアメンボ」かな?
いのちの営み探検部会 3月活動報告
まず初めに、タブレットを用いて「農研機構」や「NHK」の動画を見て、スギナは地下茎が伸びて繁殖力が旺盛で田畑の困り者、生活史や繁殖の方法、ツクシの胞子や前葉体から幼体への変化などの知識を得てからスタート。子供の頃、♪♪ツクシだれの子、スギナの子~♪♪と口ずさみ、ツクシは成長して大人になるとスギナになると思っていたが・・・・。ツクシはスギナと同じ地下茎から出てきて、時期をずらしてツクシのほうが先に出てくる。そして、スギナが出てくるころにはツクシはほぼ枯れてしまう。つまり、親子関係でなくてスギナは光合成をして養分の調達をし、ツクシは胞子を作り繁殖を担うという役割の違う同僚関係といえるのか。
40倍率の簡易な携帯顕微鏡で胞子を見ると、4本の腕(弾子)が見え、息を吹きかけ湿らすと胞子本体に巻き付き、しばらくして乾燥すると腕(弾子)が伸び、隣り合った胞子が弾けあう様子が見られ自然の不思議を感じる。
当日は、気温も低く風もあり寒い一日だったが、道端や畑地にはタンポポ、スミレ、ナズナ、タネツケバナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザなどなど、民家の庭先にも春の園芸草花が彩り、春のポカポカとした気持ちの良い暖かさはもうすぐだ!!(M.T)
いのちの営み探検部会 1月活動報告
比較的暖かい日が続き、日中は3月の気温だとか。数年前にもシモバシラの霜柱を見たいと挑戦したが、時期は2月、すでにシモバシラは何度も霜柱を作り、地上茎組織が氷で破壊され、もはや霜柱を作れないとのこと。翌年金剛山に出かけ、アキチョウジにスカートの裾を翻すような、美しい霜柱を見た。今度こそシモバシラの霜柱をと、観察時期をひと月、前にずらし、再挑戦。しかし今冬は一度もシモバシラに霜柱ができていないとのこと。暖冬のせい!! 地上部が枯れても、まだ倒れずに立派にたっているシモバシラを、ボランティアガイドさんに案内していただいた。いつかきっと,美しい霜柱に会えるといいな!
暖冬なら、早春の花は見事に咲いているかも・・・。いくつかの可憐な花に出会った。バイカオウレン、セリバオウレン等、キンポウゲ科の植物。しかしセツブンソウはまだだった。期待していたフクジュソウもほんの数輪が開花。温度計を用意して、花弁内の温度を測ろうと楽しみにしていたのに。フクジュソウは太陽の方向に花を開き、熱を集めて花内部の温度を高める。花粉の発芽や花粉管の伸長、種子の成長を促進。寒さで活動能力が低下した昆虫に、熱を報酬として与えることで昆虫を誘引するらしい。
園内にはまだ花が少ない中、ガイドの方にはいくつかの珍しい植物も案内していただいた。絶滅危惧種のハタケチャダイゴケ、スイセンの原種、ネバネバのトチの芽など・・・・・。丁寧な案内をしていただきありがとうございました。(文・写真:A.F)
いのちの営み探検部会 12月活動報告
初冬の寒さのためか 参加者は5名と少なかったがおち場を踏みながら植物・昆虫・鳥と「いのち部会」らしい雑談で楽しい一日を過ごしました。もちろんテーマの種子にまつわる生存戦略の観察と考察の話で盛り上がりました。 動物と違って大地に根を張る植物は動けません。なぜ動かないとダメなのか?
動く必要性
- 親から離れることで生存率が上がる。(劣性遺伝を防ぎ絶滅を回避する)
- 育成地を変えることで広い範囲や異なるタイミングで芽生え育ちます。
- 生育に好適な場所で育つ
などが考えられます。
種子による移動
種子には芽を出して育つための遺伝子と栄養分を詰め込んいます。カプセルは頑丈で乾燥や猛暑・厳寒などに耐え、何十年何百年と発芽せずに好ましい環境が来るのを待っています。
①風を利用の散布
- 綿毛で風を受けるもの タンポポ
- 種子に翼を着けて滑空するもの ボダイジュ、モミジ、アオギリ
- 極小種子でほこりのように飛び散るもの ラン、エケベリア
- 強い風の時に振り出されるもの ケヤキ、イヌシデ
②水による散布
- 河や沼、海流を利用するもの ヤシ
- 雨滴を利用するもの ネコノメソウ
③動物による散布
- 動物に果実を食べてもらい、果肉は消化され種子を排泄し散布する
- 貯食散布 果実を食べるためや越冬等の時食料として貯蔵するが食べ残しや探し損ねたものから発芽する
- 付着散布 動物の体や足に付着し散布する フック型・逆さとげ型センダングサ・錨・粘着オオバコ
自力散布
- バネ仕掛けのように弾き飛ばし散布する ツリフネソウ・ゲンノショウコ・フウロソウ
(Y.T)
いのちの営み探検部会 10月活動報告
ナニワトンボとは、日本特産種の赤くならない赤トンボの一種で、体長が30mm~40mmと小さく、オスは成熟すると黒化し、やがて蒼白色の粉が生じてくる。西日本に広く分布し、丘陵地や低山地の樹林に囲まれた浅い水際に生息する。6月下旬ごろ出現し、11月末ごろまで見られる。名前は最初に発見された大阪にちなんでいる。
快晴の秋空に恵まれるも暑くなりそうな天気の中、寺ヶ池公園の駐車場近くの東屋で集合。簡単な説明の後、池の方へ移動する。途中で赤トンボの仲間であるヒメアカネや、野鳥のエゾビタキ等を観ながらしょうぶ園に到着。周辺の林縁部を丁寧に探していると、「ここにいるよ」の声が。皆の注目が集まるところ、あじさいの枯れた枝先に水色の小さな『ナニワトンボ』がいた。その後もあちらこちらで個体を発見し、ハート形に連結したペアまで確認できた。おまけに、リスアカネのオスメス等も観察できた。
「ナニワトンボは初めて見た」という会員がほとんどであった。大変貴重なトンボに出会い大満足な部会となった。
いのちの営み探検部会 9月活動報告
カマキリの採餌行動や形態を観察し、バッタ類を追いかけて楽しむ予定が、カマキリが花を求めてくる昆虫を待ち伏せしている花が見当たらず、草むら・林縁部でも見付けられず、暑さも強くなってきたので諦めて早々と終了。
昆虫は一般的に複眼と単眼という2種類の眼を持つ。甲虫類は成虫になると複眼のみ、逆に単眼だけのものもいるようだ。
複眼
物の形を判断。個眼とよばれる数万の小さな眼が集まっている。複眼には網膜がなく、一つの個眼に入ってきた光は、その内部に像を結ぶのではなく、光は視細胞を一様に刺激し一つの情報をつくる。(いわばデジカメの「画素」に相当する)一つ一つの個眼が少しずつ異なる位置で光を集め、デジカメが一つ一つの画素の情報から画像全体を形成するように、全体として一つの像を形成する。もし複眼の視力を人の視力に換算すると0.1に満たないともいわれている。カマキリの眼は昼間は緑色だが夜には光を吸収する黒色になりエサを探せる。
偽瞳孔
複眼の中の黒点。見ている側から筒状の個眼の奥が見えている。一部の個眼だけが光の反射が無いので黒く見える。見ている角度により位置は移動。ガなど夜行性の昆虫は複眼のしくみの違いにより見られない。
節足動物門の昆虫類ではなく袋形動物門に属するハリガネムシがカマキリや大型のバッタ類の体内に寄生することがある。ハリガネムシの一生は、水の中の卵→孵化して幼生(幼体)→カゲロウなど水生昆虫の幼虫が捕食→羽化した水生昆虫の成虫の体内で休眠→カマキリなどが水生昆虫を捕食→カマキリなどの体内に入り養分をとり幼生(幼体)から成体へ→カマキリなどを水辺へ導き脱出→雌雄が出会い産卵。
出会えなかったカマキリとクルマバッタモドキの頭部 大きな複眼と小さな3つの単眼
クルマバッタモドキ/下左写真=耳(受信器官) 下右写真=各ふ節の下面は肉球状で滑らかな面に、その先には鋭い爪で凸凹面にも止まれる
暑~い!!日陰を求めて虫探し
上からササキリ・マダラスズ・オンブバッタ幼虫
ショウリョウバッタの触角時計
いのちの営み探検部会 7月活動報告
大阪の予想最高気温が35℃と厳しい暑さの中『ブルービー(青い蜂)の観察』に10名が参加。ルリモンハナバチ(ミツバチ科)はスジボソコシブトハナバチに寄生するらしい。オオセイボウはドロバチ類の幼虫に。ミドリセイボウはルリジガバチの幼虫に、イラガセイボウはイラガのまゆに寄生する。(以上セイボウ科)等の簡単な説明の後…。ルリモンハナバチがよく現れるアメンボ池近くに向けて出発。途中でキムネクマバチ、タイワンタケクマバチ、トンボの仲間等を観察しながら、アキノタムラソウの群落があるポイントに向かう。
アキノタムラソウの花には、トモンハナバチ、クロマルハナバチ等のハナバチの仲間やクマバチ、ハナアブの仲間が蜜や花粉を求めて飛び回っている。それらを注意深く観ていると、いました青い蜂、ルリモンハナバチが。その後もあちらこちらで見かけたので、写真におさめようと追いかけるがピントが合わず、なかなかうまく撮れなかったのは残念だったが、多くのルリモンハナバチに会えたのでまずまず満足できた。
(今回は観察できなかったがミドリセイボウは特に美しく、岩湧山の四季彩館テラスで出会えるかも)(K.I)
ブルービーを探す
ニイニイゼミの抜け殻
タイワンタケクマバチ
いのちの営み探検部会 6月活動報告
始まるまでの待機時間に、まず一週間前に錦織公園で採取した変形体を観察してもらった。まさにアメーバか?移動の様子はすぐには観察できないが、午後の確認ではかすかに移動が見られた。
粘菌観察を当カレッジで初めて取り組んだのがいのちの営み探検部会であったとか。それ以来、講座でも和歌山県立自然博物館の川上新一先生に講師をお願いしている。私も15期生で粘菌の沼にすっかりはまってしまって1年あまり。ようやく一人でも見つけられるようになったばかり、なかなか簡単には姿を見せてくれない。さて今日は?と心配したが、私事で延期してもらったお蔭や粘菌仲間との下見、前日の雨、何よりも会員の熱心な観察のお蔭で大収穫だった。
午前中は、粘菌について簡単な説明をして私たち粘菌仲間で呼ぶところの粘菌平と粘菌谷を観察。赤いウツボホコリ、白いツノホコリ、灰色のシロウツボホコリ、黄色のアオモジホコリらしきもの、淡いえんじ色?のムラサキホコリと不明の黄色の粘菌一種を見つけた。ムラサキホコリは前々日の下見ではほとんど姿を見せなかったのが、一気にあちこちに発生。見つけるたびに歓声が上がった。皆、それぞれにスマホに可愛い粘菌の姿を収めることができた。
午後からは、念のために持参した主に烏帽子形公園で採取した粘菌の標本をもとにルーペや顕微鏡(粘菌仲間が持って来てくれた)で子実体の姿の美しさ、不思議を観察して解散となった。雨後の暑くもなく寒くもなく、そして適度な湿度のなか粘菌観察としては最良の日だった。K.T(写真協力K.A)
錦織公園で採取した変形体
ウツボホコリ
ツノホコリ
シロウツボホコリ
アオモジホコリらしきもの
ムラサキホコリ
不明の粘菌
いのちの営み探検部会 4月活動報告
白やピンク、黄色、紫。色とりどりのの可愛い花の季節となった。一般に、花が美しく目立って見えたり、よい香りがしたり、蜜を分泌したりするのは、鳥や昆虫などの動物を誘引するための適応である。このような花は虫媒花、鳥媒花とよばれる。一方小さく目立たない花もある。その多くは風媒花である。風の力を借りて花粉をとばす。色、香りなどの魅惑的な花の特徴は、風媒を目指すものにとっては無用。開花していても気づかれることすらない。
今回は、風媒花を中心に、種々の植物の子孫を残すための戦略の観察を試みた。1番の目当てはカテンソウ。所々で群落を成すが、小さく地味な花は人目を引くことは少ない。かつて動画でカテンソウを知って以来、この花のダイナミックな花粉飛ばしを、自分の目で見たいと思い続けてきた。じっと待っても、なかなか花粉を跳ばさない。花に手掌を近づけ、そっと温めた。しばらくして煙のようなものが。花粉が跳んだ!! 次いで、別のおしべも腕を伸ばし花粉を跳ばした。一瞬の出来事。残念ながら写真に記録はかなわなかったが、しっかりこの目に焼き付けた。
次に目指すはイロハモミジ。秋の紅葉やプロペラのような実は馴染みがあるが、花は??今が花の季節。気づきにくい風媒花である。雄花と両生花があり、まず雄花が、遅れて両生花が咲く。両生花には数本のおしべと先端が2裂した一本の長いめしべがある。花は赤みを帯び、緑の葉とのコントラストが美しい。次に、スイバ。スイバは雌雄異株。雌株と雄株がある。雄花は細い柄でぶら下がっていて、風で揺れながら花粉を放つ。雌花は花粉をのがすまいと、赤くふさふさした柱頭を持つ。どの花にも子孫を残すための巧みな仕組みを見た。(文:A.F 写真:K.IとA.F)
春の花