大阪シニア自然カレッジ

いのちの営み探検部会

いのちの営み探検部会 3月活動報告

開催日2024年3月18日(月)
観察場所錦織公園(富田林市)
参加人数21名
テーマ目覚めてきた生きものたち

啓蟄も過ぎ、暖かい気配を感じ、本格的に目覚め始めた若芽や花によって大地が色付いてきている。土の中や地上の虫たちも活動を始めてきた。今回は、公園内を楽しく散策し、自然や生きものを通して春の季節を実感しよう。

公園西側の桜木の里には、早咲きで木全体としては開花期が長い、カワヅザクラ(河津桜)が満開。静岡県河津町で発見されたサクラで、オオシマザクラとカンヒザクラが自然交配して生まれたそうだ。東側の桜木の里には、ソメイヨシノ(染井吉野)が。此方は未だ蕾状態。1つの花芽から複数の柄が伸びだし、その先に花が咲く。普通は3~4個の場合が多いが、元気ある木なら6個以上咲き、夏の大雨や台風が少なければ多く咲く傾向がみられるようだ。桜の花は、前年の8~9月の花芽形成→休眠(10月から11月頃最も深い)→休眠打破(冬の低温を経験する間に成長を抑制する植物ホルモンが減少し、同時に成長を促す植物ホルモンが増加して休眠が解除)→成長→開花する。

今回出会った早春に開花しているコブシやレンギョウ、マンサクなど、葉が出るよりも先に開花している。草本のように光合成でエネルギーを貯めてからでなく、既に幹や根に貯めていたエネルギーを使っているのだろう。花芽と葉芽の開くタイミングは、何が契機になっているのだろうか。虫たちには目がいかなかったが、花を求めて飛びまわり、葉っぱや地上を這いまわっているのだろう。奥の池では、ヒドリガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、オシドリなどカモ科の7種とオオバン、カイツブリの確認、パートナーを見付けてそろそろ北の繁殖地へ帰るのだろう。ツバメが営巣のための新居の場所を探しているのか建物周りをスイスイと滑空。いよいよ春だ!!(T.M)

左はカワヅザクラ、1個の花芽から3個の花が咲いている。右はソメイヨシノの花芽を切ってみると3個の花が。少し元気がないな。
プロパンガス臭や酒粕に似た匂いとか醤油の香りがしていると言われるヒサカキの花、白い小さな花が枝にびっしり並んでいる。
マンサクやクロモジやアブラチャンなど、早春に咲く樹木の花は黄色が多いのはなぜなのか。花粉媒介をする昆虫などの活動時期と関係があるのかな?
ヒメウズ(姫烏頭)のウズは烏頭(トリカブトの根茎)のことで、葉の形が烏頭に似ているのが由来。径5㎜の花びらに見えるのは蕚で、その内側に花弁が5枚。

いのちの営み探検部会 2月活動報告

開催日2024年2月19日(月)
観察場所宮ノ上公園(和泉市)
参加人数16名
テーマ冬を越すいきものたち

冬は生き物にとってたいへん厳しい季節。
いきものたちはどのようにして寒さをやり過ごしているのだろう。落葉樹は冬芽を作り、静かに越冬。春を待ちます。草の中には葉を放射状に広げて、地面にぴったりつけた状態で冬を過ごすものもあります。この状態の草をロゼットと言います。地表を覆うようにして葉を広げ、陽射しを一杯に浴びて春を待ちます。春になると、種から芽を出す草よりいち早く成長できます。公園内には多様なロゼットがありました。園内は手入れ良く、草刈りがされていたけど、地面ぴったりに広がるロゼットは刈られることなく、無事。現 代を生きる延びるにも良い形と、勝手に納得しました。

日当たりの良い暖かいロゼットの下にはベニシジミ幼虫や、アブラムシなどが隠れていることもあり、虫たちの冬越しに出会えることもあります。今回は樹皮の下、木の枝などでいろいろな虫たちの生き様に出会いました。カマキリは卵を卵嚢に包んで越冬。イラガは幼虫が繭を作りその中で、越冬。しかし出会ったのは繭の抜け殻のみ。残念!コナラ朽ち木断面ではカミキリ幼虫と、幼虫の食痕が。ムクノキ樹皮の下には越冬中の数匹のダンゴムシとイチモンジハムシを見つけた。イチモンジハムシは黒光りする丸みを帯びた体と、その前胸部では鮮やかな黄色の中に4つの黒紋が並び、美しい。さらには、テントウムシとそのさなぎ、さなぎ抜け殻も発見。日常なかなか気づくことのない、小さな虫たちの厳しい冬を生き延びる姿に感動を覚えた。時々小雨が降る天候で、ムラサキシジミなどの蝶の飛翔に出会えなかったのが残念でした。 (A.F)

いのちの営み探検部会 12月活動報告

開催日2023年12月18日(月)
観察場所大泉緑地公園
参加人数11名
テーマ小鳥たちの混群を観察しよう

繫殖期を終えた秋から冬にかけて、野鳥たちは群れになることが多い。特に、複数種で作られる群れを混群と呼ぶ。代表的なものとして、シジュウカラ科のシジュウカラやヤマガラなどの群れにエナガ(エナガ科)やコゲラ(キツツキ科)、メジロ(メジロ科)などが加わる。なぜ群れるのか?食べ物を得るためもあるが、より重要なのは身を守るためである。数が増えれば、より多くの目と耳で周囲を警戒できる。また、天敵を見つけた際に発する警戒声は、異なる種でもよく似ており、混群の中で危険を知らせる共通言語として役立つ。

大泉池に到着すると早速、手すりに群がるユリカモメが目に飛び込む。その数、実に30羽以上。水面から目を移していくと、ヒドリガモの群れやアオサギ、カワウ、カイツブリなどが観察できた。水流の林では、地面や低い枝にシジュウカラ、スズメたちが飛び交い、木の葉にまぎれてメジロ、さらに目線を上げるとアキニレの実をついばむアトリの混群を観察できた。大芝生広場の脇の林では、エナガ、メジロ、シジュウカラに加えてコゲラの混群も観られた。大芝生広場での昼食中、上空で2羽のコウノトリが優雅に舞うのを偶然発見。滅多に会えないゲストに一同感激。思わず箸を止めてしばらく見入っていた。

昼食後は頭泉池に移動。スズメの群れやカモ類、カワセミを、湿地の木道では、オオバン、バンの若鳥、カルガモ、モズなどを観察した。メタセコイアの梢に、カワラヒワとシジュウカラの混群が飛来。おまけにカラスに追われるチョウゲンボウが出現してびっくり。今回は参加人数も少なく、混群に出会えるか不安もあったものの、天候に恵まれ、さらには思わぬ出会いもあり満足できる部会となった。(K.I )

いのちの営み探検部会 11月活動報告

開催日2023年11月20日(月)
観察場所錦織公園(富田林市)
参加人数14名
テーマ植物の紅葉は何のため?!

暑い日が続き、進まなかった紅葉も、ここ数日の冷え込みで、いっきに美しい彩りを見せるようになった。公園に入るとすぐに、大きなケヤキの黄葉が、さらに遠くには緑、黄、赤のグラデーションを示すモミジが美しい。なぜ落葉樹は秋には紅葉し、落葉するのだろう?葉の緑はクロロフィルを含む葉緑体による。太陽を浴びて光合成をし、二酸化炭素と水からグルコースと酸素を作る。

秋。日照時間の短縮、気温の低下は、光合成効率の低下をもたらす。葉は老化し植物生存に不利なため葉を落とす準備を開始。まずは再利用できる物質の回収を行う。クロロフィルを分解し、冬芽や根などの器官に運ぶ。これらを翌年の資源として貯蔵し、成長のために利用。さらに葉柄付け根に離層を形成し、葉と枝を結ぶ管を遮断。物質の流通を遮断する。結果、葉の細胞の液胞には老廃物と共にグルコースが蓄積する。

(参考:https://buna.info/article/1929/)

葉が赤くなるのはアントシアニン

離層の形成に伴い葉にグルコースが蓄積→このグルコースがアントシアニンの前駆体に結合するとアントシアニンは完成する。抗酸化作用や、活性酸素の生成の抑制といった働きがある。

黄色の葉:カロチノイド

黄色の正体は、カロチノイドという色素。もともと緑色の葉にもカロチノイドはあるが、クロロフィル量が圧倒的に多く、カロチノイドの黄色はクロロフィルの緑色に隠され、葉は緑色に見える。しかし秋、葉の老化に伴いクロロフィルが速やかに分解。隠れていたカロチイドの黄色が目立つようになる。カロチノイドは強い抗酸化作用を持つ。イチョウの葉は黄葉から紅葉への変化を示さない。このような葉はは遺伝子にアントシアニンを作る仕組みを持たないのかもしれない。

茶褐色になる葉

葉の中のクロロフィルの分解と共にタンニンの仲間が増え、茶色になる。タンニンは紫外線を吸収し、細胞内のタンパクや核酸などを紫外線から保護。

紅葉する木を観察すると、一本の木の中でもきれいに紅葉する葉や、黄色そして緑の葉などのグラデーションがある。何故・・・?アントシアニン産生には日光が大事らしい。重なり合った葉で葉の色を観察した。ヤマボウシの葉である。重なり部分に合わせて、明瞭な境界が見られる。上の葉の陰になった下葉の部分は黄色。十分に陽を浴びた部分は紅葉。陽の当たり具合によってアントシアニン産生が影響を受けることがわかった。

加えてもう一つ、錦織公園で紅葉を観察したい植物があった。2019年3月いのちの営み探検部会で出会った食虫植物コモウセンゴケ。大阪では準絶滅危惧種。今も無事に生きてるだろうか。きれいな紅葉を見せてくれるだろうか。・・・あった!! 美しい紅葉とは言えなかったが、しっかりとこの公園に根を下ろしていた。(A.F)