大阪シニア自然カレッジ

15期生講座報告

15期生1月18日講座報告

開催日2023年1月18日(水) 曇り
講座名体は食べた物から出来ている、部会説明会
講師田中 富祐子先生((株)明治 食育担当 管理栄養士)
廣川理事、阿部理事(大阪シニア自然カレッジ)
場所栂文化会館(堺市)

午前は「寿命100年時代の健康寿命を延ばす」ためにはメタボ対策よりフレイル対策が大事で、栄養・運動・睡眠による筋力アップと骨の維持強化と口腔ケアをしっかりして口からしっかり食べることが大切である。筋肉にはたんぱく質、骨にはカルシウムをしっかり摂り、歩く時間が長い人ほど認知症になりにくいそうだ。みんな「我がこと」として熱心に耳を傾けた。

「チョコレートの世界へようこそ」ではカカオの含有率が同じ70%でも産地(ベネズエラ・ブラジル・ペルー)によって微妙に香味が違うのが試食して分かった。チョコレートの原料となるカカオは赤道を中心に南北20度の緯度でしか育たない植物で、実の形や収穫・発酵・乾燥させてチョコレートの原料になるまでの行程や紀元前2千年頃、人類最初のカカオを利用したなどのチョコレートの歴史も興味深かった。午後は受講生が講座修了後の活動の場となる各部会の説明を聞いて入会の参考にした。(T.U)

カカオ生産量№1のガーナの民族衣装です
チョコのテイスティング中、産地で微妙に顔実が違います
寿命100年時代を生きていくにはメタボよりフレイルの対策が大事!だよね

15期生1月11日講座報告

開催日2023年1月11日(水) 晴れ
講座名ネイチャーゲーム
講師井上 健太郎先生(自然体験活動講師)
場所栂文化会館、西原公園

2023年、最初の講座はアメリカのジョセフ・コーネルが1979に考案した自然体験プログラムを体験する講座です。先ずは名前とジャンケンを組合せた「はじめまして」これは各自が①あだ名②思い出の場所③好きな季節④飼ったことのある生き物を書いて、ジャンケンで勝った人が負けた人に質問インタビューをして、それを自分の用紙の裏に書いて早く4人分集めるのだが、ジャンケンが弱いとなかなか終わらず苦労する人もでる。「森の色合わせ」は18の色と同じ葉、枝、実、花、コケ、石、虫など自然の物を見つけるゲーム。道行く人が「何をしているのかな?」との視線も気にせず皆熱心に探して最終10種類以上の色合わせを完成させた。

午後は「カモフラージュ」ゲームで大いに盛り上がった。自然の中に人工物を紛れ込ませてそれを見つけるゲームで、「あった!」と声出し禁止、指差し禁止、Uターン禁止の3禁止ルールでスタート。先生が手を頭の上にかざしてくれると100%見つけたサインであるが1回目は脇腹や肩近辺に手が示されて「まだまだ、あるのか」と再チャレンジ。コースを上も下もじっくりと目を凝らして探すも、不思議なことに人工物が自然に融合して見つからず、皆3回チャレンジしたが全部見つけた人はゼロで悔し結果でした。ネイチャーゲームの目的である「五感で自然を感じて心と体で直接自然を体験して自然と自分が一体である事に気付くこと、普段気が付かない事を発見、自然とのつながりに気付く」を今日は体験して少しは感じることが出来た。(T.O)

「森の色合わせ」どれも色がバッチリ合っている!?
「う~ん」どこにあるのかな、目が痛くなるほど探している。
「こことここに有る」の説明に「こんなところにあったのか」
これ、本物?偽物?

15期生12月21日講座報告

開催日2022年12月21日(水) 晴れ
講座名ネイチャーフォト入門
講師阿倉 薫先生
場所ラブリーホール(河内長野市)

今回はレンズを通して動植物の撮影を行なう講座だ。先生のカメラ撮影のきっかけは、アオクサカメムシの幼虫の美しさに魅せられて始めたそうだ。以前は岩湧の森に年に100回程通い、1,000種類以上の虫たちを撮影されてきたそうだ。午前の座学ではカメラの仕組みやマクロ写真の撮影方法、マクロレンズの種類や使い方を教わる。一般的には一眼レフカメラにマクロレンズを用いるのだが、ここではデジカメやスマホに100均で調達出来るマクロレンズを使用する。各自持参したマクロレンズやルーペ等をカメラやスマホに装着し、お札やコイン、ビー玉等を撮影する。肉眼では見えなかった細かなデザインや文字が浮かび上がり、思わず歓声が・・・。         

午後は近くの公園に出て接写撮影の実習だ。冬なので虫たちではなく、花や樹木の撮影になった。その後室内に戻り、先生が撮り貯めていた動画を鑑賞した。ヒメバチの産卵シーンやセイタカアワダチソウについたヒゲナガアブラムシの出産シーン(卵ではなく胎生で生まれる)、アカヒキガエルが太いミミズを捕食するシーン等珍しい映像がいっぱいだ!レンズを通しての小さなマクロの世界、今まで知らなかった岩湧の虫たちの世界を映像で見ることが出来、学びの多い楽しい一日だった。(S.Y)

アケボノソウの蜜腺にアリが整列?楽しいね!
見てみて、こんなに大きく見えるよ。印刷の細い線までクッキリ。
レンズ、何処に付ければいいのかな?
もっと近づけてって言われても、ピントが合わないよ~。

15期生12月14日講座報告

開催日2022年12月14日(水) 曇り
講座名地質観察②「大阪城の石垣と周辺の地形・地質」
講師佐藤 隆春先生(大阪市立自然史博物館外来研究員)
場所大阪城公園、大阪歴史博物館(大阪市中央区)

OMMビル前で、周辺の地形の概観の説明を受けた。大阪平野は淀川の氾濫による土砂の堆積でできたデルタであること、その中にある上町台地は1~数万年前は「大坂山脈」だったそうで、10m以上の谷もあり削ったり埋めたりして現在の地形になったということだった。

歩き始めてまず豊臣期の石垣(ドーンセンター北側・追手門小学校内)を見、大坂橋から大川と寝屋川との合流部と上町台地の形状を見た。

大阪城公園では、江戸期の石垣(現在)は豊臣期のものを数メートル埋めてその上に作られたものだそうで、その際に大量に集められた石は運び込んだ大名によって刻印や石材が違うことを確認し、京橋口枡形・桜門枡形の巨石を見た。

最大の「蛸石」はよく見ると「蛸」のような姿が…カメラで撮ると更にくっきりと写り、皆納得できた。

玉造口付近では落葉・腐葉土をかき分けて上町層の貝化石探しをした。最近の赤貝の殻(たぶん)はすぐに見つかったが、その後なかなか…やっと小さな二枚貝の殻が一つ見つかりホッとした。

先生と分かれ歴史博物館で昼食後、各自館内見学をした。「こんな講座もいいね。」という声も聞かれた。(U.T)

豊臣期の石垣(移設復元)石の種類を聞かれ、熱心に観察
刻印石 「田」の字以外にも彫ってあるけど、何処の藩かな?
桜門枡形の「蛸石」 「あっ、蛸が!」左端下部に見えますか?
「12,000年前の貝化石をさがせ!」 落ち葉・腐葉土をかき分けて・・・

15期生12月6日、7日講座報告

開催日2022年12月6日(火)~7日(水) 晴れ、曇り
講座名西はりま天文台一泊研修
講師施設担当者
場所西はりま天文台、Eーディフェンス・スプリング8、SACLA、人と自然の博物館

今日は2回目の一泊研修で最初の施設見学は構造物の耐震性を見直すのに構造物の破壊過程を調べる施設として建設された実大三次元震動破壊実験室(Eーディフェンス)である。ここでは実大規模の建物に前後、左右、上下の揺れを与えて耐震性向上の研究をしており、実験棟の面積は約5,200㎡、高さ約43m、振動台には1,200t積載できるそうでスケールの大きさに驚きである。次は世界最高性能の放射光(細かく強力な電磁波)を生み出すことが出来て、この放射光で物質の種類や構造、性質を詳しく知り基礎研究、応用研究、や産業利用に役立てているスプリング8とSACLAを見学、両施設ともに日本が世界に誇る施設です。日本の技術力は凄いですよ。そして夕食後はここ西はりま天文台のなゆた望遠鏡での観望会がスタート。幸いに夜空には雲が無く大いに期待できそうである。先ずは土星から「はっきりと輪が見える」海王星「いかにも遠くにある星かな」木星「明るくてしま模様が見えた」天王星、月、アルデバランス等々最後に火星と全部で10の星を見ることが出来て1時間半の観望会に皆満足したけれど、本当に寒かったネ。

翌朝は雲海は見えなかったが、日の出や山々の風景を楽しんで兵庫県立人と自然の博物館へ向かう。ここではブロッコリーのDNAの抽出実験に挑戦した。「必ず抽出に成功するとは限りません」との先生の言葉に手際よく分担して真剣に作業して、材料をろ過して最後にエタノールを入れると、やった!ひも状のDNAが確認出来ました。ここは国内の公立博物館では最大級で数多くの多種多様な展示物が有り、それぞれが楽しんだ。2Fの男子トイレには化石や岩石の標本が女子の方には蝶の標本が展示されていて驚かされました。今回も楽しい思い出をお土産に家路に、お疲れ様でした。(T.O)

スプリング8の内部
実大の2階建てが小さく見えるEーディフェンスの実験棟
今回最初の集合写真だよ
どんな星が見えているのかな?
西はりま天文台をバックに、は~い笑顔
真剣に抽出実験を、結果は?

15期生11月30日講座報告

開催日2022年11月30日(水) 曇り
講座名竹炭焼体験
講師柴山 朗生先生(富田林の自然を守る会 炭焼班)、他スタッフ6名
場所滝谷、奥の谷

今回初めての講座「竹炭焼体験」。富田林の自然を守る会の炭焼班の活動基地(枇杷庵)での講義からスタート。炭の種類や特徴、今何故竹炭なのか?など炭についての話や窯の構造図を見ながらどの様に熱が伝わり炭になって行くのかの説明を受けた。その後三つの班に分かれて竹材作りの実習作業に入る。先ずは竹を窯に入る長さ、80㎝に切断。次に竹割り器を使って四等分に割る。最後に窯にすき間無く詰めるために節を落とす。安全に道具を使うための装備や手順の説明を受けて作業にかかった。最初二人でしていた竹割りも慣れてきたのか一人でこなす人も現れ、準備していた竹を予定より早く切り終える事が出来た。

午後は窯を使っての実習。此処には窯が二つあり、今回は空の窯に竹材をすき間なく装填する。約300本入るそうだ。火入れ口の近くや残りのすき間には小さな竹を詰め、蓋をして土かぶせをして密閉する。次の火入れ作業では、団扇を使って風を送るが薪の燃焼がなかなか安定せず苦労したが無事かまど口を密閉出来た。火入れをしてから炭が出来るには17時間ほどかかるので、炭焼作業はここで終了して、この後はもう一方の窯から炭焼班の方が焼き上げた炭の窯出し体験をした。竹炭の他に空き缶に入った松ぼっくりやどんぐり、蓮の花托等が入っていて、綺麗な姿に驚きの声があがった。持参の袋に竹炭やどんぐり等を頂き、笑顔で終了した。(Y. S)

のこぎり作業は三度目です。
様になってるでしょう!
すき間無く詰めてます。
まだまだ入れないとね。
ブルブル  頭叩かないで~
松ぼっくりやどんぐり、蓮の花托などの花炭 黒光りして綺麗です!

15期生11月16日講座報告

開催日2022年11月16日(水) 晴れ
講座名九度山散策と紙漉き体験
講師松島ガイド他2名(まちなか語り部の会)、下西苑長(紙遊苑)
場所九度山町、紙遊苑

駅から3班に分かれ、ガイドさんの案内で九度山の町を散策した。雪深いと思われるようだが、紀ノ川の影響で比較的温暖で雪も大阪府と殆ど変わらず、水運により交通の要衝として栄えてきたそうだ。高野山の開山に当たっては、川で運ばれた資材をここから町石道を通って運び上げられたことなど説明を受けた。また、九度山は真田昌幸・幸村に関する伝承がたくさんあり、面白く聞かせてもらった。慈尊院は弘法大師の母公が晩年に住み、亡くなった後、弥勒菩薩となり祀られていて女人高野の寺としても知られている。

弘法大師が厄除観音を祀った勝利寺の庭や街並みを見下ろしながら昼食を済ませて、午後からはその一角の紙遊苑で「高野紙」の紙漉き体験をした。下西苑長から「小学生の皆さんが上手に自分の卒業証書を漉いて帰りますよ」と聞かされて自分の修了証書になる紙を漉くとあって説明を聞くのも皆真剣そのもの。順番が近づくと「緊張してきた」との声が上がる。枠の真ん中を持つこと、液に入れる角度、掬ったら枠を前後左右に痙攣の時のように小さく振る、枠の水が少なくなったら振らないことなどがポイント。「言うは易く行うは難し」でなかなか・・・出来具合で頑固か素直か分かるそうです。戸惑いつつも全員キレイに漉くことが出来、頑固な人はいない(?)ようでした。漉いた紙の修了証書を楽しみにして、九度山の富有柿をお土産に本日の講座は終了です、(T.U)

15期生11月9日講座報告

開催日2022年11月9日(水) 快晴
講座名奈良公園の巨樹観察②
講師甲斐野 幸一先生(グリーンあすなら代表)、スタッフの方2名
場所春日山原始林北遊歩道、若草山

今日も青く澄んだ空の下で春日山原始林と若草山を巡る講座が春日大社前からスタートした。右側は春日大社の神山である三蓋山、左側は世界文化遺産の春日山原始林の遊歩道を若草山山頂へ向かうが、この道は自然道ではなく昭和初期に整備された自動車道で道幅も広く原始林には不釣り合いかな。途中でナギ【春日大社の神木で鹿は食べない。葉型は広葉樹のようだが針葉樹である】カゴノキ【幹の模様が「鹿の子」に似る】イチイガシ【樹高が30mほどに大きくなり、神社や寺院に多い木】モミ【常緑針葉樹の高木で樹高は30m以上になる】などの解説や原始林もカシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」が増えており、対策と駆除活動の話や樹齢460年の杉の切り株を見たりしながら山頂に到着。

鹿にお弁当を食べられないように注意しながら昼食を済ませ、山頂から原始林をじっくり観察してスタート地点を目指して奈良の街並みを見ながら銀穂の揺れるススキと紅葉したナンキンハゼに囲まれた結構な急傾斜の石段と山肌を下るのは大変でしたが、今日一日秋を満喫して家路に着きました。(T.O)

15期生11月2日講座報告

開催日2022年11月2日(水) 快晴
講座名野鳥観察②
講師上村 賢先生(日本野鳥の会)、泉谷 一弘先生、相原 正温先生
場所錦織公園(富田林市)

昨日の雨が上がり、朝から青空が広がる良い天気だ。パークセンター前に集合し、公園マップ、チェックリスト、ミニ図鑑を受け取り、今日のコースの説明を受ける。冬鳥が帰ってくる時期でもあり、公園の池を巡るコースだ。最初の赤穂池に着くと、目に入ったのは「マガモ」。特徴や雌雄の違いなど解説を聞きながら双眼鏡で観察する。

「岸にある倒木の辺りはカワセミがよく出てくるよ」との先生の声に一斉に探し始める。「あっ、いたよ!」の声が上がる。鮮やかな水色の背中がキラリ。きれいだ!!左から右岸への横断飛行を双眼鏡で追うことが出来た人は、思わぬプレゼントに大喜びだった。又、捕らえた魚を枝に打ち付けて食事する姿も観察出来た。

空を見上げるとアオサギが飛んでいて、何度も旋回を繰り返している。大きくてかっこいい!丘の上の枯れ木に止まる雌の「モズ」、アラカシのドングリを啄む「ヤマガラ」を観察しながら奥の池に。カモ達の群れの後ろに「オシドリ」らしき姿がチラホラ・・・。池の一番奥手なので見辛いが、何羽かの雄のオシドリの姿を確認出来た。決め手は派手な羽の色だ。

午後は「メジロ」「シジュウカラ」「コゲラ」の混群や可愛い「エナガ」も観察し、パークセンターに戻って鳥あわせをする。今回は姿、声を合わせて29種類だった。先生の楽しいお話を聞き、ゆったり観察出来た秋の日。充実した楽しい一日になった。(S.Y)

15期生10月26日講座報告

開催日2022年10月26日(水) 快晴
講座名ブナ林の保全
講師土井 雄一先生(ブナ愛樹クラブ代表)、スタッフの皆様
場所和泉葛城山

今日も快晴、天然記念物のブナの自然林がある和泉葛城山へ向かう。山頂へのルート変更で到着時間が遅れてしまったが、土井先生やクラブのスタッフの皆さんに笑顔で出迎えてい頂いた。今日のスケジュールやブナ林の現状、見所などの説明を受けて早速ブナ林の観察へ出発。

ブナの葉は縁が波形で、くぼんだ所に葉脈(7~11対)が向かっており、樹皮の質感と模様、果実は「ソバグリ」と呼ばれるようにソバの実に似ているなどの特徴でブナの木を見分ける。近年は温暖化などの環境の変化で充実した果実が非常に少なくなっているそうで、見学の途中で200個ほど集めたブナの果実を水に入れて実生に使えるか調べてみたがすべての実が浮いて使える種子は無かった。天然記念物指定区域内のブナには番号が付けられており約800本のブナが有る。ここの大きなブナは樹齢300年未満で白神山地の木の方が大きいそうだ。

昼食後はブナ愛樹クラブの作業小屋に移動しひのきの間伐体験をした。林業事故の多くは伐採の時に起こっているそうで、危険回避の大切さを学んでとりかかった。まずV字型の受け口を作り、追い口から交代しながら鋸で切っていき、全員で「ゆっくり ゆっくり」と声を掛け合い、安全に切り倒すことができた。

最後に切り倒した木を各自玉切り(輪切り)にし、竹べらで皮を剝き、お土産にもらって帰った。帰宅後、湯船に入れ香りを楽しんだ人も多かったのでは・・・(U.T)