15期生12月22日講座報告
大阪狭山市駅に集合してさやか公園に向かい、現地に到着していたメンバーと講師の先生と合流し、時計回りに歩きながら野鳥観察を行った。
まず、水面のカモ類の観察からスタートした。池の水が少なかったが、マガモ、オカヨシガモ、カンムリカイツブリ、コガモ、ヒドリガモなどを見ることができた。この池は藻を食べる水面採食ガモが多いそうで、潜水採食ガモとの違いやまた、留鳥・漂鳥・冬鳥についての説明も受けた。たくさんの人が双眼鏡を持参され、熱心に観察されていた。茂みの多い所では、ハクセキレイ、キセキレイ、アオジ、ツグミ、カワラヒワ、イカルチドリなどが見られ、計32種類の鳥の見ることができた。突然ミサゴが現れ、ホバリングしている様子を観察できたり、病院の看板の上にハヤブサが見られ、感動的だった。鳥の名前や生態に詳しい人もおられ、話しが弾む様子も見られた。
四阿で昼食の後、狭山池博物館に移動し、5~6名ずつ4グループに分かれ、それぞれガイドさんに案内・説明を受けながら見学した。最古のため池という狭山池の歴史や堤の構造、水を通す桶など、改修で発掘されたもの等が展示されていて、技術と規模の大きさを実感した。何度も改修され、下流域の耕作面積の拡大の様子もわかった。(Y.S)
「え~ゴミの間に? あっ見えた!」
カワラヒワの群れだよ
石と同化?
イカルチドリが見えますか?
モズの顔・頭・羽・腹・尾じっくり観察できた!
15期生12月15日講座報告
今日はいつも受講生の関心度が高い「気象と天気」の講座である。講師はカレッジの講師を初めて担当して頂く気象予報士の木村先生でどんな講座になるのか楽しみである。
最初は気象情報全般の知識を25問のクイズ形式で学ぶ。基礎的な気象情報なので簡単かなと思ったが全員が正解したり、三択問題で答えが三つに割れたりして難しい問題も有りました。25問中6割の15問正解が合格点でしたが皆さん合格しましたか?
ここでクイズ 問、地上で1辺1mの正方形の上で空気の重さはどのくらい?
答、① 1㎏ ② 100㎏ ③ 10,000㎏ 何番でしょうか?
気圧を「空気の重さ」ととらえて気圧を理解する実験を体験することに。
実験①「空気の重さがあるか?」
実験②「空気の重さはどのくらい」
実験③「ペットボトルで雲をつくる」
この雲をつくる実験は結果が見えるので楽しい体験でした。
この後も天気予報や台風とは、台風の災害とめぐみ、日本の四季、注意が必要な天気、防災気象情報などについて動画を使っての講義が行われ、終了時間がオーバーしましたが中身の濃い講座となり先生に感謝!中身の濃い分、頭の中の整理が追い付かない私には次回はもう少し緩やかな講義が良いかな。皆さんは大丈夫でしたか。
クイズの答えは③番です。(T.O)
いろんな画像、動画を使っての講義
実験器具
左:「雲をつくる」右:「空気の重さはどのくらい」
ゴメンナサイ! 雲作りに失敗しました
右から金剛山、富士山、ヒマラヤ、キリマンジェロの山頂から持ち帰ったペットボトル。高度の高いところは空気が少ないことが分かります。
15期生12月8日講座報告
高槻駅からバスに乗り、高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)に着いた。芥川側にある、小さな博物館だ。四階建てになっていて、一階からは川辺に出る事が出来、観察も出来るそうだ。四階にある入口から入り、施設担当者から全体の説明を聞き、展示室見学が始まった。二階には芥川の生き物の水槽が沢山並んでいて、その中に代表魚と言われている“ムギツク”を見る事も出来た。一階は鳥・哺乳類の剥製や昆虫の標本・ワニの化石も展示していた。中でも鳥の剥製の展示数は、関西では一番だそうだ。
午後はJT生命誌研究館と安満遺跡公園の見学だ。人数制限の為、二班に分けての見学になった。JT生命誌研究館って何だろう?玄関に入るとシンボルとも言える“生命誌絵巻”が飾ってある。38億年前、扇の要に、ある一つの生き物が誕生し、扇の縁の現在までの歴史と多様性等が描かれている。ここは、全ての生き物の、生命の物語を研究している所のようだ。ガイドの説明に頷いたり、首を傾げたり、一度で理解するには難しい・・・でも「又来たい」との声に少しほっとした。
安満遺跡公園は2,500年前の弥生時代の集落遺跡を含む公園だ。広大な緑地の中に歴史拠点が少しあるだけなので、遺跡を見ると言うより、緑を楽しむ公園のように思えた。家族で遊びに行きたくなった!
剥製の鳥たち。鳶や鷹もいます。
芥川のムギツクです。
これが生命誌絵巻です。
”これ、何かな?”弥生博士教えて!
15期生12月1日講座報告
前夜の雨で石川は水かさを増し、予想最高気温13度、風速7メートルで河原での観察は厳しい条件下でした。増水のため1500万年前の溶岩の露出部は中州状になっており近づけず、また安山岩の柱状節理も炭酸ガスの湧出部も少し遠くより見ることになり、残念でした。近畿地方は若くて熱いフィリピン海プレートが沈み込み、浅い場所で脱水分解し「有馬型温泉」となり、かつては「汐ノ宮温泉」があったとのことでした。
河原で花崗岩・砂岩・チャート・礫岩・流紋岩・石英等を拾い、見分け方を学びました。チャートは色が豊富で美しく人気でした。また、安山岩の中に含まれるカンラン石はローマ人から宝石ペリドットとして珍重されたそうで、割ってもらった面をルーペで観察すると小さな粒が見つかり盛り上がりました。
その後汐ノ宮公園、千代田神社へと異動しながら、石川の周辺の平坦な地形と段の様子を観察し、平坦部は古い年代の河川敷であること、浸食・堆積と隆起を繰り返して何層にも河岸段丘が見られることがわかり、TV番組の「ブラタモリ」の世界の一端を実感できたようでした。河原への通路の確保等、準備いただいた先生に感謝しつつ終了しました。寒い中お疲れ様でした。(Y.S)
熱心に石探し「これって何やろ」?
色はいろいろ、つるつる肌のチャート
安山岩の中に宝石ペリドットが・・・
汐ノ宮公園から嶽山を望む
15期生11月24日講座報告
今日は予想最高気温が13℃と12月中旬の気温で、この寒さが一段と木々の紅葉、黄葉を色鮮やかにして私達の目を楽しませてくれている。緑色の葉が紅葉、黄葉、褐葉に変化する仕組みや樹木にとって、どんな意味が有るのかを知ることにより樹木の知恵を見ることが出来る。落葉樹は冬芽で寒い時期を過ごし、春に枝葉を成長するための栄養分を秋に葉の中の栄養分を回収する過程でいろいろな色素が作られたり葉緑素が分解されて葉の色が変わり最後に葉柄の基部に特殊な層をつくり落葉する。美しい紅葉になる為の3要素は日光、低温(氷結しない程度)、温度差である。
野外ではケヤキやトネリコの実を飛ばしたり、常緑針葉で高木のセンペルセコイアの高さを先生が手を上に伸ばしたら2mになるので、それで計測したり、サクラの枝の樹齢を調べる方法やアメリカフウの葉や実の観察、クスノキのダニ部屋の話や観察、紅葉したカエデの色の違いで太陽の方角を考えてみるとか先生の多様な知識で楽しむことが出来ました。後半に少し雨に降られましたが先生の話好きの影響か?予定のコースを回りきることは出来なかったが秋の紅葉を満喫出来た講座となりました。お疲れ様でした!(T.O)
野外学習に備えてまずは座学
人気のメタセコイアを観察
紅葉が鮮やかな風に揺れるアメリカフウ
高木のセンペルセコイアの高さ計測に挑戦
15期生11月17日講座報告
今日の観察会は、興福寺近くにあるスダジイから始まった。先ずは、新しい試みの「葉っぱ図鑑」の説明を受ける。
行く先々の木々の葉や実を拾い、画用紙にテープで貼り付け、名前や特徴などを書く。イチョウ・ソメイヨシノ・クロマツ・イチイガシ・・・ドングリは貼りにくい!子供の頃に戻ったようで、自分だけの実物図鑑はなんだか嬉しい。
次に大きなクロマツを使って、樹の高さや幹の太さの測り方を学ぶ。地上から1.3mで幹周りが3m以上の樹木を巨木とされているが、このクロマツは3.7mで立派な巨木だ。しばらく歩くと、竹に幹を貫かれたムクロジが見えてきた。幹周りは4.6mだ、大きい!昔はこのムクロジの実(皮)で石鹸を作り、中の黒い種は、数珠や羽子板の羽根に使われていたそうで、植物の恵みに感謝だ。
午後は、飛火野から春日大社周辺の巨樹巡り。幾つかのクスノキを、交代しながら測って、巨樹を体で感じる事が出来た。又、とてもいいお天気だったので、春日大社のご神体である御蓋山や遠くの春日山原始林まで見渡せて、クロマツの巨樹を見ることも出来た。(Y.S)
松の葉っぱって何本かな?
ムクロジ石けん水出来たよ!泡いっぱい!
葉っぱ図鑑で~す
只今計測中。大きそうだね~!
15期生11月10日講座報告
午前中は大泉緑地で双眼鏡の使い方と野鳥の探し方のコツの指導を受けた。先ず遠くから近くへと見ていくことが基本とのこと。前日より続く雨で心配されたが朝には上がり、ハクセキレイ・ジョウビタキ・アオサギ・コガモ・カワウ・オオバンや念願のカワセミの美しい姿もじっくり見られて楽しそうだった。講座生の殆どが双眼鏡を持参し、熱心に観察しておられた。
午後からは座学で、野鳥の魅力とバードウォッチングの基本となる鳥(ものさし鳥)、留鳥・夏鳥・冬鳥・旅鳥についてなどのレクチャーと、大阪で見られる野鳥の紹介も受けた。初心者の図鑑はイラストのものが使い易く、チャームポイントや観察日時を書き込んで「自分の図鑑」にしていくことを勧められた。「この講座を楽しみに双眼鏡を買いました」とか「退職の時に買った双眼鏡がやっと日の目に合いそうです」と言う声も聞かれた。(Y.S)
並んで望遠レンズでの観察
野鳥の魅力を学ぶ
枯れた竹に佇むカワセミ
じっとしているアオサギ。エサを待っています!
15期生10月27日講座報告
今日の座学はタンポポである。講師の木村先生が大学生以来ずっとタンポポの調査に携わっておられ植物学の面からだけでなく名の由来、方言・古名、文献、花言葉、いろんな目的での使われ方などクイズを交えた多岐にわたる話とタンポポ調査による日本在来種と外来種の分布状況、分布状況の変動の要因分析など実態に即した内容で皆さんにはタンポポの見方と知識がプラスされたのではないでしょうか。
カンサイタンポポは花が咲くのは春だけ、種は虫媒花で夏は地中で寝ていて秋に目を出し、成長は遅いが長生き(約50年)である。セイヨウタンポポは花が咲くのは春に多いが1年中咲いて、種は虫媒の必要はなく、水があればいつでもすぐ芽を出し、成長が早いが寿命は短い(約3年)日本と外国のタンポポの違いである。
ここでクイズ:タンポポに最も近縁の植物はどれか?*レタス *ゴボウ *ダイコン *ヒマワリ さあ~答は!
野外学習ではドングリの見分け方。ドングリの実だけでの判断は難しいのでそれぞれのドングリの特徴を実と殻斗と葉の3点セットで見分けます。今日の講座は従来、春に実施しているがコロナ禍の影響で花が無いこの時期となったが先生の配慮により実のある講座となりました。
豊富な資料でタンポポの座学
生憎この時期は花が無く雑草の解説です
このロゼットはヒメジョオンです。タンポポとの違いが分かりますね
ドングリの実と殻斗と葉
左からマテバシイ、クヌギ、コナラ
15期生10月20日講座報告
奥の谷は、滝谷不動尊から道を少し入った所に有る、小さな谷間です。例年、座学は建物の屋根裏部屋で、プロジェクターの画像を見て行っているが、今年はコロナ感染予防の為、外のテント下で行った。
頂いた資料を見ながら、里山の成り立ちや保全活動のお話等から、なぜ間伐が必要なのかを聞くことが出来た。特に竹に関する問題は、高齢化等で竹藪が広がり続けており、周りの里山林を浸食していることだ。その後、山を歩いて、間伐前、間伐後の林を比べてみたり、竹が里山林に侵入しているのを見ると、座学での話が実感出来た。
午後はいよいよ間伐だ。ヘルメット、アイゼン、スパッツ、革手袋、ベルト、ノコギリ等、慣れない装備に四苦八苦。全員装備完了、竹林に!三班に分かれて先ずは竹選び。倒す方向を決めて、ロープを掛け、人が居ないかを確認してから切り始める。「倒れるよー」の声の後、「わぁー」と大きな歓声が上がる。感動だ!切った竹は長くてとても重いので、3~4m位に切り分けて下の広場まで運んだ。間伐作業が終わった後、機械でチップにする作業も見学出来た。チップは肥料になるそうだ。
秋晴れの一日、里山での楽しい体験だった。
テントの下での座学です。
このあたりでいいかな?ゴシゴシゴシ・・・
みんなで力を合わせて!!
倒した竹を切り分けています。
15期生10月13日講座報告
午前中の座学では、『稲作管理の実態と環境クイズ』に答える形で説明を受けた。
- 大阪府の稲の作付け面積
- 一人1年間に食べる米の量(平均)は50kg位
- それに必要な水田の面積
- 1反(10a)の稲作に要する労働時間は大阪府は56時間で全国平均の2倍以上
- 荒廃農地・耕作放棄地
- 1年間に使われる農薬の目的と量
- 「外来生物」
午後は電車で美加の台駅に移動し、徒歩で惣代の棚田へ向かった。殆どの田が落水していて、稲刈り直前と思われた。落水後10日~2週間干し、1割程度青い籾が残っているうちに刈り取るそうだ。既に刈った株からひこばえが出て実り始めているものもあり、見ることができた。刈り跡から機械で植えと手植えされた所もわかり、労働実態が見て取れた。蒸し暑い中、皆さん秋の草花や棚田の風景を見がらのウオーキングを楽しんでおられた。初めての内容の講座で、米作りの実態と美しい棚田の景観と価値を再認識した学習となった。
棚田の風景(谷津田)
棚田と稲作管理等のレクチャー
窒素肥料過多だと葉の色が濃い
棚田の最高地点
田の形に合わせて田植機を入れた跡がわかる