大阪シニア自然カレッジ

17期生 3月4~5日講座報告

開催日2026年3月4日(水)~5日(木) 晴れ
講座名卒業旅行一泊研修
講師藤五 和久先生 スタッフ2名(天神崎の自然を大切にする会)
高垣 誠館長(南方熊楠記念館)
藤原ガイド 和田ガイド(熊野古道 語り部の会)
場所天神崎 南方熊楠記念館 熊野古道

 ナショナル・トラスト運動の先駆けとして知られる天神崎に着くと、大潮の干潮にあたり、ウユニ塩湖どころか岩礁が10cm以上現れて歩き放題です。晴天の浜を歩くと、海、磯、森が間近に見られ、貝やゴカイの巣の化石などが見られました。その地層は1千万年以上前からとのことで独特な岩礁には興味をそそられます。引き続き、ナショナルトラスト運動での土地取得や自然維持の苦労話を聞いた後、日和山に向いました。湿地で見つけたセトウチサンショウウオ(絶滅危惧種だそうです)とその卵嚢は、箕面公園で見たオオサンショウウオと異なり小さくかわいいものでした。赤松や空の鳶を見ながら標高35.5mの日和山に登り、田辺湾の絶景を堪能し、下山後には綺麗なオレンジ色のオオキンカメムシを見て天神崎を後にしました。

南方熊楠記念館には事前にバスで熊楠の生涯や功績を描いたDVDを見た後、館内の説明を受けました。東大に入学し損なったり、でも海外留学して有名な研究家と進行があったり、並外れた研究を成し遂げたり7mの履歴書を書いたり個性豊かな人だったことがわかりました。粘菌の研究などあまり人が注目しないようなところを掘り下げ、高い評価を受け植物にとどまらず多様な研究をされたことが展示されていました。その後、番所公園の散策に出発し、海岸沿いの綺麗な景色、灯台、気根や締め殺しのアコウなどの変わった植物を見ることができました。

 この後、白浜温泉ホテル 紀州半島に向い、明日の熊野古道に備えました。 …が。卒業旅行で恒例の枕投げはありませんが、盛り上がった一夜を楽しみました。

熊野古道館は、熊野三山への公式参詣道である熊野古道中辺路にある、滝尻王子の向かいにあり、中辺路町の観光案内や歴史紹介を兼ねた無料の休憩施設です。滝尻王子からは熊野古道の聖域に入りますが、厳しい道のりのため、古道を歩くのは次の道の駅からとなりここでは記念撮影と熊野古道中辺路の押印のみでした。

道の駅から中辺路に入り、古道の中では優しいコースと聞いていましたが、予想以上の山道歩きです。『六根清浄』と唱えながら杉・檜の巨木の林の合間に、トリカブト・榊・樒の生える道を歩きます。途中トロッコ跡(高野槙・樒など林産物の運搬)、和歌山から26里の一里塚、500mごとの道標などの説明を受けながら、牛馬童子に到着しました。樒は毒があるため、狼除けに墓に植えていたこと、おたくさ(アジサイ)が植わっており、その由来(シーボルトの奥さんをちなんだ)など語り部さんがいろんなことを説明してくれました。山道をほぼ抜けるころ、空に大きな飛行機雲があり、「カイロス」のものかと話しながら近露王子に到着しました。

昼食後、野中の一方杉をめざし、バス停から約2kmの山道です。水仙などを見ながら野中の湧き水を過ぎ、継桜王子の看板を過ぎるとゴールです。そこには南(谷)側にのみ枝を伸ばす幹回り8mに及ぶ巨木が8本ありました。これらの巨木は800年以上の樹齢の天然記念物で、那智大社を慕うよう枝が伸びているとの説もあるとのこと。石段の上には継桜王子社がありますが、石段途中から、老木の洞に入れるところがあり、中は大人10人以上が入れそうな広さがありました。近くには奥州藤原秀衡にまつわる秀衡桜もあり、世界遺産の熊野古道中辺路に、一部ながら挑戦することができました。

2日目は山道が多く、大変でしたが、巨木と歴史ある宝篋印塔や石像を見ながら歩き、木の洞に入るなどの体験もできました。平安時代から多くの人々が熊野をめざして歩いたその想いを感じながら古道を歩くことで、今回の卒業旅行も密度の濃い、より感慨深いものとなりました。(Y/M)

天神崎
日和山へ
南方熊楠記念館と番所公園
熊野古道館、滝尻王子
中辺路を歩く
野中の一方杉