18期生 1月28日講座報告
今日の講義の主な目的は「いろいろなタネと果実を知ろう」
内容は【動けない植物の移動方法*なぜ動かないとダメなのか*移動方法の多様性とタネ・果実の多様性*風で運ばれる*水で運ばれる*動物に運ばれる*自力でどうにかする】である。
先ずはタネと果実の違いは、果実は「子房(めしべの基部)」が成熟した部分でタネを包む殻や果肉のこと。タネは子房の中にある「胚珠」が成長、成熟したものである。
これをイチゴで説明すると私たちが食べている赤い部分はイチゴの茎が膨らんだ部分で偽の果実で、表面の粒々は種ではなく「痩果(そうか)」という果実で、この中に種子が入っている。リンゴもイチゴと同じで「花托(花の土台部分)」を食べていて芯として捨てている部分が果実でその中に種子がある。と説明を聞いて「えっ!」と驚きの声があがった。
風で運ばれる:種子は軽いものが多く葉、苞葉、翼、毛、種についている翼などで移動する。
水で運ばれる:水流や河川の氾濫で運ばれたり、雨粒などの水滴が当たり、種が飛ばされる。
動物に運ばれる:動物に付着する(棘や鉤や粘液質、泥などで)。動物に食べられアリに巣まで運ばれてアリが 不要な部分を捨てる。動物に貯蔵されて食べ残されてその場で発芽する等。
自力でどうにかする:果実や種子が自動的に弾き飛ばされる。その他振動散布や重力散布などがあるそうです。
午後はグループに分かれて長居植物園で実のついた植物や果実を採取してそれぞれ動く方法に分類した理由を発表。並べた植物を皆で囲んで発表者の説明と先生の説明で今日の聞いた講義を確認しました。採取した植物の中に先生も「珍しい」と言う植物もあり、「風で運ばれる」13種類 「水で運ばれる」3種類 「動物に運ばれる」16種類 「自力でどうにかする」3種類 合計35種類ありました。ちなみに「自力でどうにかする」はブラシノキ、イスノキ、タネツケバナでした。
動く方法が不明な植物はまだまだ多くあるそうなので散策の時に見た植物の動く方法を考えるのも楽しいかも! 今日は自然の楽しみ方を学んだ1日でした。(T・O)
本日は展示室から講座がスタート
今日の資料はスライドです。右下:ゴマ科の植物で動物に付着して移動するライオンゴロシ
左:フタゴヤシ(オオミヤシ)ヤシ科の植物で世界最大の種子 重力散布
発表を真剣に聞く受講生
先生からの質問にも答えます
18期生 12月3日講座報告
午前の講義は、「ミャクミャク」の目は何個ある?で始まった。鳥を知るのは観察が大切と、鳥類の特徴・見分けるコツを色々な側面で説明された。
①凄い「ものさしどり」:身近にいるスズメ・ムクドリ・キジバト・ハシボソガラスより大きいか・同じか・小 さいか。
②くちばしの形を見る。くちばしの形で食べ物が決まるので、見られる場所もわかる。
③歩き方も見てみよう。チョコチョコ歩き、ピョンピョン歩きなどを観察しよう。
④鳴き声も色々。日常的な鳴き声の「地鳴き」、繁殖期の「さえずり」。昔から鳴き声の特徴を「聞きなし」と表現し鳥に親しんできた。スマホで鳴き声を聞かせてもらい、楽しんだ。
⑤幼鳥・成鳥で羽の色が変わる、夏と冬でも色が変わるなど、難しいこともある。
などの説明の後、双眼鏡の使い方、図鑑の紹介、野鳥観察の注意事項で午前の部を終えた。
午後は大泉緑地に移動した。大泉池に着くとすぐに講師が空を見上げ、「オオタカが飛んでます」で観察会が始まった。講師より、池をゆっくりと見ることを勧められ、「よく潜っている鳥、潜らない鳥がいます。それぞれの鳥の行動の特徴をよく観察しましょう。」と30分程水面の野鳥を観察した。その後、潜らないのはヒドリガモ・ハシビロガモ、潜る鳥の大きいのはホシハジロ、小さいのはカイツブリとの説明があった。
それから落ち葉を踏みながら林の中に入り観察を続けた。鳥は見つからなかったが、講師が指さす木の上に小さな穴があり、キツツキの一種コゲラの巣の跡との説明があった。その後、別の池に移動し、よく泳ぐヒドリガモと比べるともたもたと泳ぐ鳥を観察した。この鳥はオオバンと言ってカモとは別の種との説明があった。この池でもじっくり観察の時間をとり、オオバン、バン、コガモなどを観察した。再度、林の中を歩き、講師が木の上を差し「ツグミがいます」との声で皆が見上げた。見つけた人、見つけられなかった人がいた。「ツグミは今は木に実があるので木の上にいるが、もう少しして木の実が地面に落ちると地面を歩き回ります」との説明を聞きながら、観察会を終えた。
午前の講義、午後の観察会とも、「鳥類入門」講座にふさわしく、分かりやすく、野鳥観察に興味を持てる知識を得ることができた講座であった。
最後に、講座スタッフ(野鳥部会員)が望遠カメラで撮った写真を添付します。(M.A)
講座の状況
視線の先には、カワウ・ヒドリガモ・カイツブリなど
木の上のツグミは何処に?
上:オオバン 左:頭上のトビ 右:コガモのメス
枯れ木に作ったコゲラの巣穴
18期生 11月26日講座報告
昨日の雨が上がり、薄曇りの奈良県庁前で説明を受け、観察会が始まった。今回は前年とは変わってコースを北エリア中心に巡るそうだ。先ずは歩道脇の桜の葉の観察。しかし人や自転車等が傍を通るのが気にかかり、早々と次に移動する。
しばらく歩くと最初の巨樹イチョウが目の前に現れた。黄葉が絨毯の様に広がり、頭上からはヒラヒラ舞い落ちる葉がとても綺麗で幸せな気分になった。「幹を触ってごらん」の先生の声に、手のひらを当てるとしっとりとして温かさが伝わり生命力の強さを感じた。
その後エノキ、スダジイ、ツバキ、イロハモミジ、イヌシデ、センダン等を観察しながらアラカシの木の下に。この木の下で輪になって眺めると、枝は高い所からしか出ていない。何故?下の枝は鹿の食害でこの姿になった聞き、なるほど納得だ。
東大寺近くの鐘楼のある場所で昼食を済ませ、杉の巨樹の観察。幹周りを計測すると5.38mこの近くでは1番大きいそうだ。ムクロジの観察では複葉の葉の説明を受けて丸い実を受け取る。中の種は数珠に使われ、皮は石鹸代わりになるそうだ。ここでペットボトルを使って石鹸の実験。水とムクロジの皮を入れて振ると泡立ってくる。面白い!液体洗剤の出来上がりです。
大きなムクノキやセンダン等を観察しながら最後は東屋での言葉遊び。配られた文字カードで作られた文は?「晴の日には葉をひろげ」「雨の日には根をのばし」「曇の日には枝をのばし」の三つだった。この言葉のように、休むことなく一生懸命生きている巨樹達に元気を貰い、秋色の奈良公園での観察会は無事終了。お疲れ様でした。 (Y.S)
黄葉の絨毯の上は人も鹿も気持ち良さそう!
上:幹に手をあてて!これって温かいのなかな? 下:この辺りを測るのですか? 3.31mです。
18期生 11月5日講座報告
午前の講義は、生物多様性の話から始められた。生物多様性とその周りの水・空気・土壌などを加えた生態系に生き物が存在し、私たちもその一部であり、生態系から多くの恩恵(生態系サービス)を受けていることを知って欲しい。その生物多様性が過去50年間損失し続けている。開発の危機、外来種・化学物質などによる危機、気象変動などによる危機と自然に対する働きかけの縮小による危機というものがある。
人口流出・高齢化により「里地里山」の荒廃が進み、里山の奥山化が進み、森は豊かになり動物の種類によっては増えているものもいる。一方、里地里山を好む動物は減っている。
人の暮らす場所と野生動物の暮らす場所(奥山)の「緩衝地帯」の里山がなくなり、増えすぎたシカ、イノシシ、サル、クマによる農業被害・人的被害が起きている。また、ペットが野生化したアライグマによる被害のような事例もある。
人の近くで成長し、容易にエサが食べられることを知り、人を怖がらない「新世代」の野生動物が登場してきている。この原因はほとんど人にあることを心して欲しいとの話に、改めて里山保全の必要性を感じた。
講義の後半は、大阪府で記録のある哺乳類は約40種との説明で始まった。イノシシ、ニホンザル、キツネ、タヌキ、テン、二ホンイタチ、ノウサギ、二ホンリス、ネズミ、ヒミズ・モグラなど多くの野生動物の生息数の現状、行動形態、何を食べるかなどの説明があり、興味深く聴いた。
午後のフィールド観察に向けて、「フィールドサインの読み方」の説明を受けた
・動物の「生活の痕跡」を探すこと。「のぞかせてもらう」という気持ちで。
・「3大フィールドサイン」は足跡、食痕(植物・動物を食べた痕跡)、糞
他に、爪痕、角とぎ跡、ぬた場、泊り場、巣など
続けて、シカの足跡、ササを食べた跡、糞の形を始め、多くの動物の事例を豊富な映像で紹介された。また、イタチやテンは目立つところに糞をして縄張りを主張している(サインポストという)などを聴いた。講義の最後に赤木先生の観察ノート(フィールドノート)を見せて頂き、綿密な記録と細かく美しいスケッチに感動した。先生から「皆さんも挑戦してみて!」。
午後は近くの長野公園に出かけた。公園の入り口で、フィールドサインを探すには、
・動物の気持ちになって、歩くこと。・周りとは「何か違う」異質なものを探すこと。
と説明を聞いて歩き始めた。
(写真1)早速、コケが不自然に剝がれているのを見つけた。イノシシがコケを剥いでミミズを探した跡と思う。夜にここへ来れば、イノシシに会うかもしれない。
(写真2)公園の隅のベンチの上で糞を見つけた。おそらくイタチの糞。このように目立つ所にあり、サインポストと言い、イタチが縄張りを主張している。
(写真3)不自然に土が掘られている。イノシシがミミズを探して掘り返した跡。
(写真4)土が不自然に盛り上がっている。モグラがエサを探してトンネルを掘ったあと。
公園を巡った後、東屋で先生が持参されしたイノシシの顎骨、メジロ、ノゴマのはく製等を観察し、講座を終えた。 (M.A)
写真3
写真4
上:イノシシの顎骨 左:メジロ 右:ノゴマ(雄)