18期生7月30日講座報告
今日は夏休み中の泉北高校にお邪魔して校内にあるビオトープについての講義と顕微鏡によるプランクトンの観察です。酷暑が続いており先生から「野外学習は短時間にして教室での講義をメインにしましょう」との話に皆「よかった!」
「ビオトープ」とは「bio(生命)」と「topos(場所)」の合成語で「多様な動植物の生息空間」を意味します。ここ泉北高校のビオトープは2006年10月に完成後木村先生やサイエンス部の皆さんが長年継続して採取した各種のデーターは貴重な資料となっています。
ワンポイント:穂先に茶色のソーセージみたいな花穂を付けるガマはガマ穂(雌花の集り)から出ている雄花が接しているがヒメガマは雄花が離れています。
生態系において生態ピラミッドの下層を構成しているプランクトンや生物の分類体系の講義の後は顕微鏡での観察である。用意して頂いた観察材料を顕微鏡で見ると裸眼では見えないちょっとしたミクロの世界へ。オオカナダモ、アオミドロ、ボルボックスなどの藻類、ミドリムシ、心拍が見えるミジンコ、芝生や土壌に生育しているイシクラゲなどの観察を時間も忘れて楽しみました。ワンポイント:菌類(キノコ・カビ)のDNAは動物に近いそうですよ。お疲れ様でした。(T.O)
上:ビオトープの観察風景
下:校内で育てている植物の説明
ミクロの世界を覗く
小さな生き物に夢中です。
ガガブタの花
オオカナダモの花
18期生7月23日講座報告
今回は移動式天文台を展開する那須香大阪天文台の中島台長による天体の講座です。
まずは太陽の話。昔習ったことだが、きれいな映像と上手な語りで改めて太陽のすごさを知る。強大なフレアの発生で2017年9月6日にGPSに誤差が発生したこと、2012年の日食のことなどの話題もあった。次は月の話。月の満ち欠けの映像による解説は分かりやすい。十六夜月、立待月、居待月など月を楽しむ文化の紹介もおもしろい。
星の話は惑星から始まった。「水金地火木土天海」と習った惑星のそれぞれの特徴を聞き多様な姿を知った。星座の部では、星座は国際天文学連合で88の星座が決まっている、全ての星はどれかの星座に属していると聞き驚いた。北斗七星、夏の大三角形、冬の大三角形などは「アステリズム」と呼ばれ、星を観察する時の目印になる、ということを知った。
アステリズムと星座と特徴のある星の映像での春・夏・秋・冬の星空の説明は分かりやすく、ユーモアもあり楽しめた。日本は夜が明るく星を眺める場所が少なくなっているが、星が見える所で、講座の中で作った「星座早見盤」を持って星座観察をしたいと思った。
最後は、宇宙旅行を体験しましょう!と、宇宙空間を飛んでいるような映像を紹介していただいた。幻想的な映像に見とれると共に、パソコンでここまできれいな編集ができることに感心した講座であった。
休憩時間に、持参された「反射望遠鏡」で窓からの景色を見れたのも良い体験となった。(M.A)
太陽の構造がわかりやすい
このような星座を考えた人は偉い
上は夏の大三角形、下は冬の大三角形(アステリズム)
日本では星が見えない?(夜の地球)
星座早見盤の説明
星座早見盤製作中
18期生7月9日講座報告
初めての地質観察の講義は、私選ジオパーク「汐ノ宮・石川・嶽山」の紹介から始まった。ジオパークとは、地球の成り立ちや自然を楽しみながら、その地域ならではの文化や歴史、人々の暮らしを体験できる場所。今日は汐ノ宮、石川での観察で何が分かるのかを、資料を見ながら説明を受けた。大阪南部の地形や地質、河川によって作られた地形(河成段丘)、河原の礫の観察で上流の地質が分かるなどを学び、午後のフィールドワークに期待が膨らむ。
午後は酷暑になる予報の為、嶽山は中止して、汐ノ宮・石川での観察になる。まずは河原に降りて礫の観察。拾った石を先生に鑑定して頂くのだが、石が熱くてまるでカイロのようだ。又、珍しい石だと思ったのが鉱滓(コウサイ・溶鉱炉などでの作業で生じる不純物)だと分かりがっかりする人も。それでも花崗岩、安山岩、砂岩、泥岩、礫岩、チャートなどを手にしてしっかり観察だ。次は中洲に渡り、柱状節理の安山岩を触ったり座ったりして感触を確かめる。割れて転がっている安山岩をハンマーで割り、中に有るかんらん石や輝石などをルーペで観察した。水面を見ると、所々炭酸ガスの泡が上がっている。かつては「汐ノ宮温泉」と呼ばれる施設があったらしい。しかし、河原は日陰がほとんど無くて暑さの限界を感じ、場所を大きな日陰が有る公園に移動した。此処で差し入れのアイスキャンディーを食べやっと一息つく。小休止の後、河成段丘の観察のため坂を上る予定だったが酷暑なので中止にした。公園からの眺めを観ながら段丘の解説を受け、今日の講座は終了した。(Y.S)
1500万年前の溶岩(柱状節理)
大きな日陰で小休止!
ハンマーで割って観察。これは、かんらん石?輝石?
いろいろな石。名前分かるかな?
18期生7月2日講座報告
緑化入門の緑(みどり)色は安心・安定の色であるので緑の観葉植物を飾ることで明るい雰囲気となり心が安らぐ効果が有ります。そこで今回は観葉植物を植える鉢をひと工夫してカラーサンドを使ってお好みの色や模様で飾りました。
井上先生から作る観葉植物の特徴や完成後の注意事項を聞いた後、スタート。10種類以上のカラーサンドからどの色を使って、どんな模様を描こうかな?色の組合せを楽しむ人、模様に工夫を凝らす人、それぞれがオリジナル作品を完成して満足、満足!この後は植物を枯らさずに長く楽しみましょう。
後半は中嶌先生による樹木や剪定の基本の講義と緑化センターの草本、木本を観察した。見慣れた植物でも改めて解説を聞くと気づきが有りますね。
ちなみに三大紅葉樹は「ニシキギ」「スズランノキ」「ニッサボク」で鮮やかな紅葉が特徴の落葉樹です。では今日はこれで終わります。また来週!(T.O)
テーブルNo.1の皆さんの作品
テーブルNo.2の皆さんの作品
テーブルNo.3の皆さんの作品
テーブルNo.4の皆さんの作品
テーブルNo.5の皆さんの作品
初夏を代表する花木のヤマボウシ
大きな葉は食べ物を包んだり焼いたりに使うホオノキ
18期生6月18日講座報告
今回は最高気温36℃の猛暑日となりました。汗をかきながら2回目となる「堺自然ふれあいの森」に集合しました。講師の緒方先生から、涼しい教室でふれあいの森の概要をの説明を受け、涼しい時に屋外へ出ました。足のある人間には、足のないヘビは気持ち悪い、足の多いムカデも気持ち悪い、とユーモアのある講義が始まりました。建物の日陰では、ヘビは変温動物のため体が熱くなると日陰で過ごし、冷えると日なたで過ごす、森のシリブカガシの木の下では、ドングリを食べにアカネズミが来るとそれを食べるためにヘビが来るなど生態の説明を学びました。そこから水田に行き、生き物を探しました。草の上にトカゲ(多分ニホントカゲ)がいたり、水田の中にオタマジャクシを見つけたり、飛び跳ねるカエルを捕まえたりしました。
水槽に入れたカエルを前に、これはヌマガエル、この近辺の水田のカエルはほとんどこれとのこと。大きい方がメス、小さい方がオス、オスはメスに抱きつき排卵を促し、それに精子を掛けて子孫を残すなどの説明を受けました。
午後からの講義はクーラーが壊れるというハプニングが起こり、急遽椅子をもって一階のピロティに移動。これが功を奏し、涼しい風が吹く屋外講義となりました。この近辺で見られる両生類、爬虫類の種類、その生態の特徴をクイズ形式で学びました。講義中、二ホンマムシの子供(標本)、ヒバカリの子供(実物)を見せられ、恐る恐る観察しました。そして、1.5m大のアオダイショウの登場。緒方先生に首を捕まえられ腕に巻き付いた姿で登場しました。体をなでながら歓声が上がりました。
「相手を知ると怖くなくなる」との先生の言葉を聞いて、講座を終えました。
*ヒバカリ:名前の由来は、このヘビに咬まれると毒のため「その日ばかりの命」であるから来ているが、実は無毒である。
*アオダイショウ:毒を持っていないが、咬まれたら傷口を消毒するなどの適切な処置が必要です。(M.A)
カエルを追いかける。捕りました。
捕らえたカエルを見ながら日陰での講義
ヒバカリの子供
アオダイショウ。よく見るとかわいいでしょ!
ヌマガエル。右のカエルには白い「背中線」がある(珍しい)
左は午前の屋内での講義。右は午後のピロティでの講義。風が吹き抜け、自然の中で動物達とのふれあいができた。
18期生6月4日講座報告
今日は大阪府と奈良県にまたがる金剛山(1,125m)での植物観察です。土井先生からの資料を手にまずはバス停周辺の花やツボミや実を付けた木々の観察からスタート。「クマシデの果穂」夏までは緑色をしているが秋に熟すと茶色になる。「クリのムシコブ」クリタマバチの幼虫が芽に寄生してムシコブを作る。「アブラチャンの実」油分が豊富で生木でもよく燃える。「ヤマグワの実」山桑の果実は最初は白っぽく次第に赤や紫、そして黒へと熟していく。「ガマズミの実」初めは渋みと酸味が強いが冬が近づくと甘くなる。「ウワバミソウ」アクやクセが無く様々な料理に使える山菜です。「フタバアオイ」家紋の葵紋のモデル。葉はハート形。「コウライテンナンショウ」別名マムシグサ。幼株はすべて雄株で大きく成長したものが雌株になる。などなど資料の観察種一覧74種のうち60種ほど観察が出来ました。
数多くの植物の解説をして頂き記憶容量がオーバー気味となりました。でもタゴガエルの鳴き声や小さな体のミソサザイの大きな鳴き声、それに渓流の水音を聞きながら、木漏れ日のさす林道を歩き、とてもリフレッシュした一日となりました。(T.O)
左上から時計回りにヤマグワの実・クリのムシコブ・クマシデの果穂・アブラチャンの実
左上から時計回りにガマズミの実・コウライテンナンショウ・ウワバミソウ・フタバアオイ
林道で森林浴と観察です
ヒノキの林の中に大きなトチノキが1本
18期生5月28日講座報告
今回は南海本線「二色浜駅」に集合、講師の山田先生と合流し、旧紀州街道を通り近木川(コギガワ)に到着。先生の案内でフェンスの横をすり抜け、堤防をよじ登り、恐る恐る斜面をすべり降り、川面近くで集合。まるで冒険ごっこのようなスタート。日陰で先生からカニ釣り要領の説明を受け、釣り道具を準備して、意外にも水のないヨシ原に向います。ヨシ原のカニの巣穴の前にエサを置くとカニが出てきてハサミでエサを掴みます。このタイミングでゆっくりエサを巣穴から離しカニが完全に出てきたら、糸を引き上げます。やった~!釣れた~!の声。わ~!逃げられた~!の声。大歓声で釣り上げたカニは20数匹。先生の説明が始まり、甲羅の模様で「これはハマガニ」「これはアシハラガニ」、裏返して細長いふんどしはオス、幅広ふんどしはメスなど。その後カニは川に戻されました。
午後は干潮の前浜で干潟の生物探し。約1時間、砂を掘ったり、石をはがしたり、網で掬ったりで、たくさん集まりました。ケフサイソガ二。イソガ二、多様な模様のヒライソガニ、たてに歩くマメコブシガニ、食べられるモクズガニ。貝類ではアサリ、大きなアカニシ、マツバガイなど。魚ではミミズハゼなど。怪しげなヒモイカリナマコ、アメフラシ(ウミウシ)、大きなヤドカリのコブヨコバサミなど。先生の説明を楽しく聞きました。
この日は暑からず寒からず。昼食は高速道路の日陰で気持ちの良い海風に吹かれ、リフレッシュできた講座となりました。
カニ釣り カニの探そう探そう
巣穴から出てきたカニ。釣れるかな?
河口のカニ釣りの成果です
干潟を探索。何がいるかな?
A:アカニシ・アサリ B:マメコブシガニC:ヒモイカリナマコD:タテジマイソギンチャクE:アメフラシF:コブヨコバサミ
18期生5月21日講座報告
午後から雨が降り出すとの予報で、午前の座学を午後に変更してフィールドワークから始めた。森の館の広場に出て、網と虫籠等の容器を受け取り、先生から採集場所や班の中での容器の共用などの説明を受けた。先ずは里での採集。畑や田んぼ、広場など開けた場所だ。広場では蝶々・ハチなどは少なかったが、畑に行くと蝶々があちこちに、トンボも見かけてここでは沢山取れそうだ。ところが網には入るが、網から籠や容器に入れるのが難しい!逃がしてしまって落胆の声があちこちで聞こえた。次は森へ。山を少し上がって木々に囲まれた広場での採集だ。ここでは落ち葉の中や木の幹、枝の陰等をさがす。コウチュウ類やチャバネゴキブリ等が見つかった。
昼食後は映像を見ながら昆虫の「目」(モク)の講義だ。「目」の種類・種数の多い「目」などクイズを混ぜながら学んだ。同定するには先ずは何目かを決めないと探すのが難しいそうだ。同定作業は班ごとに分かれて相談しながら決める。先生自作の資料「鉢ヶ峯の昆虫」と図鑑、ルーペを使っての作業だが良く似た物が多くて大変だ。講座修了前には、ヤマトシリアゲ(メス)・キマワリ・コチャバネセセリ・キリギリス・オバホタル・ナナホシテントウのサナギなど、多くの昆虫の同定することが出来た。
昆虫採集は初めての方、何十年ぶりにした方など、童心にかえって虫を追いかけた楽しい一日だった。(S.Y)
里での採集風景
昆虫の定義とは?基礎を学ぶ
網から容器に移動中。うまく出来るかな?
キマワリ(コウチュウ目)森で見つけたよ
キリギリス(バッタ目)小さくて可愛い。
ナナホシテントウのサナギ(コウチュウ目)
グループでの同定作業。細かく観察して決めていく。
18期生5月14日講座報告
今日は初めて植物以外の講座で座学と石川で魚類の採集をする「淡水魚入門」である。まずは魚の生態に関するクイズで知っているようで、知らなかった答えにビックリ。「フナのヒレを描けますか?」ヒレの無いフナの絵にヒレを描くのですが、ヒレの数位置は分かっているようで、いざ描くとなると難しいですね。皆さん描けましたか?
後半は淀川の変化により、それに伴い自然環境の変化があり淀川の生態系に大きな影響を与えている現状や高校生による南河内地域の自然再生の活動で生物多様性保持には自然環境の大切さを再認識した。
天気も良く水も冷たくなく魚類の採集には好条件で有るが、先生から「魚の成長期には少し時期が早く魚が見えないですね」と、言われたが”1人1匹を目標”にタモ網を手に先生は投網を持っていざ出陣。初めは網の中は石や砂、藻や枯葉等で魚はゼロだったがやがてあっちこっちで「採れた!採れた!」の声が上がり、エビ、メダカ、ヨシノボリ、オオシマドジョウ、カマツカなど50匹ほど採集し、それぞれの魚の特徴を説明して頂きメダカのオスとメスの違いやヨシノボリが腹ビレ2枚を吸盤にしているなどを観察して確認した。多くの受講生は川に入るのは久し振りで子供の頃を思い出して楽しんだ1日になりましたよね。(T.O)
鮮やかに開いた投網!さて獲物は?
う~ん魚採れていない
同名の植物がある味は淡泊な「カマツカ」
砂中で越冬する日本固有種のオオシマドジョウ