大阪シニア自然カレッジ

19期生 7月28日講座報告

開催2026年 7月 28日 (水) 晴れ
講座名ビオトープ入門
講師木村 進先生(大阪自然環境保全協会 大阪府立泉北高等学校元教員)
場所泉北高等学校(堺市)

 本日は、木村先生による「ビオトープ入門」講座に参加するため、夏休みの泉北高校を訪れました。暑い時間帯を避けるため、まずは野外観察からのスタートです。

 最初に向かった中庭では、水草の植物観察を行いました。白くて可愛い花が咲いている「ガガブタ」や、食虫植物の「イヌタヌキモ」、「デンジソウ」などを観察。さらに、「タデ」の葉は食べて辛さを体験したあと、お口直しに甘みのあるハーブを味わうといった、五感を使った体験も楽しみました。可愛いアマガエルのおたまじゃくしにも出会えました。続いて、校舎の端にあるビオトープ池へ移動しました。池の周りにはアカメヤナギやコナラの木々が木陰をつくっており、思いのほか涼しく感じられました。池には数種類の水草が生い茂り、縄張りをもつトンボの姿も見られました。夏の水温上昇による注水作業や、防水層劣化による水漏修復作業について学びました。特に人手不足の中、粘土質の土を運ぶ重労働など、大変な苦労と努力で池が維持されていることを実感しました。

 室内に戻った後は、生物の分類についての講義を受け、顕微鏡を使った観察を行いました。先生が近くの池から採取してくださった水には、ミドリムシやミジンコ、ケンミジンコなどが元気に動き回っており、その姿に感動しました。また、乾燥した「イシクラゲ」をすり潰してからプレパラートで観察。これは約27億年前に誕生し、地球に酸素をもたらした「シアノバクテリア(核を持たない光合成を行う単細胞生物)」の仲間だと知り驚きました。先生が用意してくださった12試料の観察はまさに喜びと驚きの連続でした。

 学校ビオトープ池の講話では、その考え方や造成、管理について学びました。2000年ごろから地域環境の保全を目的に、小規模なビオトープ池が多く造られました。2005年9月に完成した泉北高校ビオトープ池では、木村先生やサイエンス部の皆さんが長年、生き物や水質の調査・研究を重ねてこられました。一方、池の維持管理には多大な労力がかかっています。落ちた葉の除去や水草の刈り取り、水位維持のための注水に加え、外来種(ウシガエルやアメリカザリガニ)の増加への対応など、課題は少なくありません。今回の講話を通じて、環境を維持する難しさを実感するとともに、生態系の土台を支える「プランクトンの多様性」が、池を維持する上で非常に重要であることを学びました。

 近年ビオトープ池は、維持管理が大変なことや携わる人が減少していることから、大型の都市公園の里山に引き継がれたビオトープ池を除き、相次いで閉鎖されている状況です。泉北高校のビオトープ池も厳しい現状にあるとのことです。

今回の講座は、自然の仕組みを学び、環境保全の重要性を深く理解する大変有意義な機会となりました。(M/Y)

 座学の様子 
 まず、中庭でガガブタやタデなどを観察
  ビオトープで様々な水草や生き物を観察
実験室に戻り、生物やプランクトンについて説明を受けます
顕微鏡観察に挑戦!
学生時代以来かな?
 顕微鏡で見えたプランクトンたち