| 開催日 | 2025(R7)年11月28日 |
| 場所 | 枚岡公園(東大阪市) |
| 参加人数 | 19名 |
活動内容:
恰好の紅葉狩り日和。近鉄奈良線額田駅裏の広場に部会員19名と地質学の佐藤氏が集合。生駒山を形づくる斑レイ岩(生駒石とも呼ばれる)の観察である。広場に置かれた4つの丸椅子は都合のよいことに斑レイ岩そのもの。先ずは、表面の斑晶の色や形を観察し、風化の進んだ側面を手で触り、この岩石の特徴を頭に刻む。準備体操の後、急坂を歩いて枚岡公園に入り、更に進んで額田山展望台(標高249m)に到着。途中2ヶ所で道路壁の土の表面に垣間見る斑レイ岩をしっかり観察。昼食後、眼下に拡がる大阪平野と淡路、六甲、北摂の山並みを見渡し、それぞれの地形の成り立ちに思いを巡らせる。帰路は枚岡神社まで別ルートで進む。途中、深紅の豊浦橋のたもとで立ち止まり、渓谷の佇まいと今が盛りの紅葉に息を飲む。若干疲れはしたが、枚岡神社で身も心も洗われ、心地よく生駒山を後にした。
見たもの、学んだこと
- 斑レイ岩は花崗岩や閃緑岩と同様、マグマが地下でゆっくり固まった深成岩である。晶析した結晶はマグマ溜まりに積み重なるように沈殿し固まる。主に有色(黒っぽい)のかんらん石、輝石と角閃石、無色(白っぽい)の斜長石の4種類の鉱物からなる。
- 生駒斑レイ岩は地下20㎞のマグマ溜まりの周囲の岩石を融かし込んでおり、斜長石は中央部に浮かび、角閃石や鉄鉱物などは下部に多く沈んで固結している。(今回の観察でも斜長石の多い白っぽい斑レイ岩と角閃石や輝石の多い黒っぽい斑レイ岩の2つのタイプを見分けることができた。)
- 生駒斑レイ岩は生駒山頂を中心に直径4㎞の範囲に分布し、その周りの低いところに花崗岩が分布している。
- 形成された年代は花崗岩が形成された白亜紀(1億~7000年前)より古いジュラ紀とされている。北摂の山々(丹波帯)もジュラ紀に形成されている。
- 約6000年前には河内平野に海が侵入し生駒山の麓まで海水で満たされ河内湾が作られた。当時は上町台地のみが南からの半島のような形で顔を出していた。
- 大阪平野の基盤(花崗岩)は地下2000mにあるが、現在の生駒山地の標高や今日までの山の浸食や平野部の堆積などを考えれば、この周辺は3000m級の山々が連なっていたと想像される。
- 約100万年前、六甲変動と呼ばれる地盤の激しい隆起運動が起こり、このため六甲や生駒・金剛、和泉の地域は断層を伴って上昇し、現在の山地となっている。生駒断層は活断層であり、直下型の地震が懸念される。

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