大阪シニア自然カレッジ

石ころ部会 2月活動報告

開催日2026(R8)年2月27日
場所ラブリーホール会議室(河内長野市)                        
参加人数  24人

活動内容:
先週までの寒波が嘘のようなポカポカ陽気。最近出版された「紀の国 石ころ散歩」改訂版(宇治書店)の著者のひとりである中屋志津男氏の講演会を目的に24人がラブリーホールに集合。中屋氏には今回、ボランティアベースでの講師をお引き受け頂いていた。講演は難解であったが、紀伊半島の成り立ちなど、我々には新鮮な内容が盛りだくさんで、地質学への関心を大いに刺激された。中屋氏には感謝の限りである。南紀熊野ジオパークにも行ってみたいものだ。

学んだこと

  • 紀伊半島の地形: 紀伊山地は南北に延びる山脈(大峰山脈など)と東西に延びる山稜(果無山脈など)からなる。前者は日本海溝への太平洋プレートの沈み込みによる西側への移動(年間8~10㎝)、後者は南海トラフへのフィリピン海プレートの沈み込みによる北側への移動(年間4㎝)に伴って隆起したものである。
  • 紀伊半島の地質: 和泉山脈の南側に中央構造線(東西約1000㎞に及ぶ巨大な横ずれ断層)がある。その南側はそれぞれ東西にのびる三波川帯(白亜紀に形成)、秩父帯(ジュラ紀)、四万十帯(白亜紀以降)の地質帯が順々に層をなしている。これらは全て付加体である。それぞれの地質帯は構造線(横ずれ断層)で区分されている。
  • 付加体とは: 海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際、海洋プレートの堆積物(チャート、石灰岩、緑色岩など)が陸側に剝ぎ取られ、陸側の砂岩や泥岩に混じり合って残ったもの。よって、付加体はより新しい時期のものが下に底付けされる。秩父帯の下位に四万十帯の新しい地層が順に分布する仕組みだ。ところが、この順が乱れることがある。三波川帯と秩父帯である。より新しい年代の三波川帯の地層は秩父帯の下に沈み込んだが、プレートの移動の圧力により“絞りだされ”、秩父帯の上位、北側に押し上げられたのである。また、これらの付加体の上にできた大陸棚や海溝に更に砂岩や泥岩が堆積して、田辺層群などができている。
  • 中期中新世(約1500万年前)の火成岩類: 紀伊半島の大半が陸地になった頃、地下深くからマグマが上昇し火山活動が起こった。半島南部ではその痕跡としての火成岩が多く見られる(那智の滝、古座川の一枚岩や橋杭岩など)。
  • 地下資源: 三波川帯では含銅硫化鉄鉱床や滑石の鉱床があり、秩父帯の石灰岩はセメント原料に供されている。四万十帯では熱水性の金属鉱床(銅、金、銀、亜鉛、鉛など)がある。弧状に拡がった岩脈の上では白浜温泉や川湯温泉など多くの高温泉が湧出している。
紀伊半島の地形:南北・東西にのびる山稜
紀伊半島の地質と半島沖のプレート収束帯
講演会(反省会)風景